第10回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成16年10月2日)
| 第10回IMF国際通貨金融委員会コミュニケのポイント |
| (世界経済と金融市場―見通し、リスク及び政策対応) | |
| ・ | 貿易の力強い増加、良好な金融市場環境等に支えられて、世界経済の成長が力強さを増し、拡大しつつあることを歓迎。この景気拡大は、堅調なペースで継続すると期待される。原油価格の上昇やボラティリティもあり下方リスクが高まってきたことに留意。 |
| ・ | 世界経済の永続的な繁栄と整合的な原油市場・価格の安定が望ましいことを改めて強調。供給拡大を継続するとの産油国の決定を歓迎し、生産能力拡大のための更なる措置を強く要請。消費国に対しては、エネルギー利用の持続可能性・効率性を促す措置をとることを要請。原油市場の情報・透明性改善のための更なる努力等の重要性を強調。 |
| ・ | 世界経済の力強い回復は、より中立的な金融政策に徐々に戻るための環境を提供。ただし、望ましい引締めのペース及びタイミングは国により異なる。金融市場の秩序立った調整を促進するために、政策意図について市場との適切な対話を継続することが重要。インフレは低く、物価安定に対するリスクは穏やかであるものの、一次産品価格の上昇等に伴う物価上昇圧力を抑制する方策を準備しておくべき。 |
| ・ | 全ての国は、この回復を利用して中期的な脆弱性・課題に対処すべき。財政状況の強化、成長に対する構造的障壁の除去、世界的不均衡の是正の支援等のために、広範囲にわたる大胆な改革が必要。 |
| ・ | 財政健全化は、多くの国にとって引き続き主要な優先事項。先進国においては、信頼できる中期的財政枠組みは明確に定義された政策に基づくべきであり、特に好況時に財政健全化の進展を確かなものとすべき。年金・医療制度改革も重要。新興市場国においては、ショックに対する適切な回復力が得られる水準に公的債務を留めるため、更なる努力が必要。 |
| ・ | 構造改革は、持続的な成長のための基盤を強化するために引き続き重要。先進国の多くは、経済の効率性・柔軟性を高めるための努力を強化すべき。新興市場国の持続的成長及び経済回復力を高めるための方策としては、金融・企業部門の改革の完了、国内資本市場の育成、投資環境の改善等が挙げられる。 |
| ・ | 世界的な不均衡の秩序だった解消に資する政策は、各国の共同責任であり、よりバランスのとれた持続的な成長の基礎を強化するための鍵。米国における中期的な財政健全化、欧州及び日本における構造改革の継続及びアジアの新興市場国における必要に応じた為替相場の柔軟性向上の重要性を強調。アルゼンチンがIMFプログラムの全ての構造的課題に断固として対処すること、持続可能な中期的財政枠組みを確たるものとすることを支持。包括的かつ持続可能な債務再編の完了に向けての努力を歓迎し、その迅速な終結を希望。 |
| ・ | 今後数ヶ月のサーベイランスにおいては、原油価格の高騰、中期的な財政及び債務の持続可能性、物価上昇圧力への政策対応といったリスクに焦点を当てるべきことを強調。 |
| ・ | 全てのパートナーに対し、貧困削減のための国際的な努力に対するコミットメントを強化するよう要請。大部分の低所得国における最近の力強い成長は歓迎すべきだが、多くの国、とりわけサブサハラ・アフリカにおいて、経済成長がミレニアム開発目標(MDGs)の達成のために引き続き不十分であることを懸念。国内制度やガバナンスの更なる強化のための努力を推し進めることなどが主要な課題。国際社会は、より開放的な市場、援助・技術支援の協調の促進、更なる債務救済等により、こうした努力を支援する必要。 |
| ・ | 開放的で包括的な国際貿易システムは、世界経済の成長及び特に途上国の経済発展にとって重要。全ての関係者に対し、貿易自由化、国際貿易ルールの強化等の具体的な進展に向けての作業を強く要請。貿易自由化の推進におけるIMFの役割を支持。 |
| (IMFサーベイランスと危機の予防の強化) | |
| ・ | 効果的かつ公平なIMFのサーベイランスは、高い経済の持続的成長の促進及び危機の予防の強化にとって重要。システム上重要な国及び資本市場の効果的なサーベイランスの重要性が増大。サーベイランスの強化に関するこれまでの進展を歓迎。IMFに対し、経済分析・政策提言の強化、加盟国との政策対話の質の改善等を要請。 |
| ・ | 基準・規範及び金融セクター評価プログラム(FSAP)のレビューに期待。サーベイランスの客観性の確保に向けた更なる努力を要請。 |
| ・ | IMFの融資制度等のギャップの有無に関する検討を歓迎。IMFの資金支援を伴わない高頻度の政策モニタリング及び加盟国の政策強度に関するシグナリングの新しい在り方についての議論に留意。加盟国の政策強度のシグナリングという既存の予防的な融資制度アレンジメントの役割、また、予防的PRGFや、資本収支危機の発生・波及の予防に資する融資制度のありうべき役割に留意。潜在的な利用国、ドナー及び債権者と緊密に協議しつつ、有益性、潜在的需要といった点につき更なる作業を要請。 |
| ・ | 集団行動条項(CACs)の導入の増加を歓迎し、IMFがこの分野における進展を促進することを要請。新興市場国の危機管理及び債務再編に関する債務国と債権者の間の自発的な原則の合意に向けての最近の取組に留意。 |
| (低所得国に対する国際的な支援の強化) | |
| ・ | IMFの低所得国における役割の明確化・強化に関する作業の継続を支持。IMFは、政策提言、能力構築及び債務救済を含む資金支援により、MDGsに向けた進展に必要なマクロ経済の安定及び高い経済成長の達成のための途上国の努力を支援する重要な役割を持つ。2006年以降の貧困削減・成長ファシリティ(PRGF)の資金調達をはじめ、低所得国に関するIMFの融資や関与の在り方に関する更なる作業を期待。援助の効率性、援助吸収能力や、国際金融ファシリティ、国際課税等の援助フロー増加のための資金調達の在り方・メカニズム等について、IMF・世銀が更に分析をすることを奨励し、更なる報告を期待。 |
| ・ | 貧困削減戦略ペーパー(PRSP)アプローチやPRGFによるIMFの低所得国支援を強化する取組の継続を支持。貧困削減戦略(PRS)プロセスにおけるIMFの役割の改善に関する作業を期待。成長の源泉及び貧困削減と経済成長の連関について、更に本格的な分析を要請。 |
| ・ | 拡大HIPC(重債務貧困国)イニシアティブの下での債務救済の進展を歓迎。低所得国が債務持続可能性を達成・維持する努力を支援する枠組みに関するIMF・世銀の作業を支持。債務持続可能性の新たな枠組みや更なる債務救済について、更なる検討を期待。 |
| (その他) | |
| ・ | クォータ等に関するIMF理事会の現状報告に留意。第4次協定改正の批准完了を推奨。 |
| ・ | IMFの流動性は短期的なニーズ見通しを満たすには適切なものであるが、モニターし続けることが重要。 |
| ・ | 60周年を迎え、IMFの今後の優先的課題を熟慮する絶好の機会。IMF理事会においてIMFの戦略的方向性に関して検討が行われたことを歓迎し、次回会合における議論を期待。また、IMFの財政枠組みの改革に関し進展が続いていることを歓迎。 |
| ・ | 次回IMFC会合は2005年4月16日にワシントンで開催。 |
