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第7回IMFC 日本国ステートメント(平成15年4月12日)

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第7回IMF国際通貨金融委員会における日本国ステートメント
(2003年4月12日(土))

 
 
1.経済見通し
 
 (世界経済)
 
 世界経済に関しては、各国当局の適切な経済政策運営にも支えられ、引き続き回復傾向が続くものと期待されますが、その足取りは緩やかなものにとどまっています。とりわけ、イラクにおける戦争に伴う不確実性の世界経済に及ぼす影響が懸念されているところですが、我々としては、引き続き情勢を注視し、世界の経済・金融システムに混乱が生じないよう、状況の変化に対応して適切な措置を講じていく必要があると考えます。
 
 また、近年、アルゼンチン、トルコ等の新興市場国において経済危機が発生しましたが、当該国自身の努力をはじめ、IMF等の国際機関による対応等により、危機の解決が図られてきていることを評価します。しかしながら、これらの国々においては、市場の信認の回復は不十分なものにとどまっており、これらの国が更なる経済改革努力を進めることにより、市場の信認の早期回復と危機の背景にある構造問題の解決を図り、持続的な成長を実現することを期待しています。
 
 (日本経済)
 
 日本経済は、企業収益の改善等を背景に企業活動が好転してきているなど、一部に景気回復の兆しが見られるものの、イラク情勢等を背景とした不透明感も見られるところです。
 
 こうした状況の下、先般、約1.8兆円の先行減税を含む2003年度予算が国会で成立したところであり、政府としては、2002年度補正予算とあわせてその着実な執行に努めるとともに、引き続き、不良債権処理の促進による金融・企業部門の構造改革や、規制緩和に向けた努力を進めていく所存です。
 
 このように、我が国においては、内外の金融・経済情勢等を注視しつつ、経済の再生に不可欠な金融・資本市場の安定及びデフレ克服に向け、政府・日本銀行一体となって取り組んでいるところであり、こうした取組みにより、民間需要主導の持続的な経済成長を実現していく所存です。

 

2.国際金融システムの強化
 
 国際金融システムに眼を向けますと、1990年代後半のアジア通貨危機、その後のアルゼンチン、トルコにおける近年の経済危機など、国際金融危機は繰り返されており、危機の予防、解決に関する対応の一層の充実が必要です。
 
 (危機の予防)
 
 危機の予防のためには、適切な為替相場制度の在り方に関する助言や債務維持可能性分析といったIMFのサーベイランス機能の強化、金融セクター評価プログラム(FSAP)のマクロ経済分析への有効活用、各国の発展段階を踏まえた国際基準の設定と遵守状況の評価の充実、等が中心的な課題です。また、危機の予防のための融資制度である予防的クレジット・ライン(CCL)は本年11月末に期限を迎えますが、各国による健全な政策運営を促進し、危機の伝播の防止に資することを目的とした取組は引き続き必要であり、今後のIMFによる有効な対応策の検討に期待します。
 
 (危機の解決)
 
 危機の解決にあたっては、当該国の政策調整、IMF等による公的融資、必要に応じた債務再編等の民間セクター関与(PSI)の適切な組合せにより、危機に陥った国の債務維持可能性を速やかに回復することが重要です。
 
 公的融資に関しては、例外的なIMF資金へのアクセスを限定的なものとするため、債務維持可能性分析の強化など、より厳格な基準や手続の整備に関する検討が進展したことを歓迎します。また、資本収支危機に伴う例外的な融資に当たっては、補完的準備融資制度(SRF)の利用を原則とするという方向での議論を歓迎します。
 
 また、国家債務再編メカニズム(SDRM)について、IMFが研究を進め、今回具体的提案に係る報告を提出したことを評価します。他方、集団行動条項(CACs)の債券契約への導入に向けた努力も進んでいます。こうした点に関連して、メキシコがニューヨーク市場における外債発行に際してCACsを導入したことを歓迎するとともに、今後、他の国々による外債発行に際しても、CACsの導入が進むことを期待します。今後は、秩序だった債務再編プロセスの実現に向けた検討の中で、異なる種類の債券間の意思決定手続の統合等の問題についてさらなる研究が行われることを期待します。さらに、危機の解決のための「行動規範」についても、債務国、民間セクター、債権国、国際金融機関といった債務問題の全ての関係者が関与して議論が進められることを期待します。
 
 危機の解決のためにはIMFに必要十分な資金規模が備わっていることが重要であり、現在の第13次クォータ一般見直しにおいて、早期に増資に関する検討が開始されることを期待します。また、クォータ配分は世界経済の実勢を反映することが必要であり、増資の検討にあたっては、この点にも十分配慮すべきであります。

 

3.テロ資金対策
 
 テロの脅威は依然として深刻であり、国際社会としてもテロ資金対策を強化していくことが重要です。IMF・世銀が12ヶ月のパイロット・プログラムとして実施している、資金洗浄・テロ資金対策の加盟国における実施状況の評価作業の順調な進展等を歓迎します。
 
 また、各国のテロ資金対策の強化のために、これらの評価作業等に基づいて、専門家の派遣等の必要な技術支援などを提供していくことも重要であり、我が国としても、今後とも積極的に貢献していきたいと考えております。