第5回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成14年4月20日)
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| 国際通貨金融委員会は、2002年4月20日、ワシントンD.C.において、英国・ブラウン財務大臣を議長として、第5回会合を開催。特に2001年9月11日の悲劇的な事件以降、金融の安定を維持し、世界経済成長のモメンタムを回復し、貧困への闘いを強化するために採られた、国際社会の断固たる措置を歓迎。また、マネーロンダリングやテロ資金供与と闘うための世界的な行動を続ける。 | ||
| (世界経済) | ||
| ・ | 前回会合以降、世界経済の見通しは顕著に改善し、現在進行中の世界的な回復を促進することが各国政府の現在の課題。持続可能な成長及び安定の見通しを更に強め、脆弱性を減ずるために、引き続き注意を怠らず、中期的な政策の枠組みを更に強化することが必要。中東情勢の悪化に留意。妥当な価格での石油市場の安定も重要。 | |
| ・ | 先進国経済には、力強く持続的な世界経済の回復を促進する責任がある。インフレを抑制しつつ、殆どの国で金融政策は今後とも成長を支援していくべき。回復がより進んでいる国では、これまでの緩和政策を転換させるかどうかを、今後数か月のうちに検討する必要があるかもしれない。経済の柔軟性及び復原性を高め、高く持続的な成長に寄与し、また世界経済における継続的な不均衡の秩序立った縮小を支援することを目的とした改革を大胆に実施すべきである。この過程は、日本においては、銀行及び企業セクターの改革のための断固たる措置及びデフレの終結に寄与する金融緩和、欧州においては、潜在成長力を高める広範な改革の進展の継続、米国においては、財政収支を維持するために中期的に必要な集中した努力によって支援される。 | |
| ・ | 先進国における回復は新興市場国及び開発途上国の経済活動の下支えに貢献。多くの新興市場経済が、より維持可能な為替相場制度等の健全な経済政策の採用によって、より回復力を増してきていることに勇気付けられる。しかし、財政ポジションを更に強化し、企業・金融・制度の改革を推進することがなお重要。市場による差別化及びリスク評価の向上は、これまでのところアルゼンチン危機の影響の波及を限定的なものにすることに寄与してきている。困難な経済状況に対処するためにアルゼンチンによって取られつつある措置を認識し、国際金融機関から支援の供与を受けられるような、また安定及び成長の復活の基礎を提供しうるような維持可能な経済プログラムに合意するために当局が迅速に行動することを強く促す。 | |
| ・ | モンテレーでの国連開発資金会議における国際社会のコミットメントを強く歓迎。援助を増額し、またより効率的なものとするとの最近のアナウンスを歓迎し、一層の進展を促す。モンテレーコンセンサスは、持続可能な開発に関するヨハネスブルグ・サミット(WSSD)への重要なインプットとなろう。より開かれた貿易が、息の長い経済回復及び特に途上国における持続的な幅広い成長に著しく重要であることを強調。全ての国が保護主義的圧力に抵抗し、貿易障壁を引続き下げ、ドーハ貿易ラウンドが成功裏かつ迅速に終結に至るよう強く促す。 | |
| (危機の予防と解決の強化) | ||
| ・ | サーベイランスは、健全な経済成長や金融の安定を推進し、危機を未然に防ぐというIMFの使命の中核である。経済・金融の安定に関する中心的な問題に焦点を絞りつつ、変化している世界の環境に応じてサーベイランスの範囲を適応させ、拡大するという近年の大きな進展に勇気付けられる。サーベイランスのプロセスは、経済状況及び政策を効果的にカバーし、時宜を得た再評価を行うべきであり、プログラム国においては、サーベイランスのプロセスが、日常のプログラムの実施から離れた独自の視点から行われることも必要かもしれない。 | |
| ・ | 金融セクター評価プログラムや、4条協議報告書の公表促進等、危機予防及びサーベイランスの効果を向上させるための最近のイニシアティブの更なる推進を促す。 | |
| ・ | 危機解決の枠組み強化、特に危機時においてIMFが行う決定に関して加盟国及び市場に一層の明瞭性と予見可能性を与えるための次のようなIMFの作業プログラムを承認。 | |
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| ・ | 現在の枠組みのギャップを補うため、国家債務再編のプロセスを改善する革新的な提案の検討を歓迎。法律的アプローチ(債務国と特別多数の債権者が、全ての債権者を拘束する合意をできるようにするもの)と契約に基づくアプローチ(債務契約に包括的な債務再編条項を入れるもの)という二つの相互に補完的なアプローチについて、IMFが法的、制度的、手続的側面の検討を継続することを促す。次回会合での進捗状況のレビューを期待。 | |
| (低所得国におけるIMFの役割) | ||
| ・ | 健全な経済政策・制度が、強力で広範な国際支援と共に、貧困削減の二本柱であることを再確認したモンテレーコンセンサスを完全に支持。IMFが他のドナーと協力して、ミレニアム開発目標に向けた進展を監視する枠組を開発することを奨励。 | |
| ・ | 貧困削減成長ファシリティ(PRGF)及び貧困削減戦略ペーパー・アプローチに関する最近の見直しの成果を歓迎。IMF・世銀が協調して取り組みを継続することを促し、次回会合で進捗状況をレビューすることを期待。能力強化はオーナーシップを確保し、効果的な貧困削減戦略の実施を促進する有力な手段であり、この観点から、アフリカ地域技術支援センターを歓迎。 | |
| ・ | IMFが低所得国の資金需要に柔軟かつ先取りして対応する用意を引続き有していることを支持。重債務貧困国(HIPC)イニシアティブ適格国による改革努力の強化を促す。 | |
| (コンディショナリティの合理化及びオーナーシップの拡大) | ||
| ・ | コンディショナリティの合理化及び焦点の強化、及び経済改革への各国の強いオーナーシップを通じた、IMF支援プログラムの効果向上に向けた進展を歓迎。世界銀行との協調のもと、これを更に進めることを強く促し、次回会合において、新しいコンディショナリティ・ガイドラインに関する検討等の報告がなされることを期待。 | |
| (資金洗浄及びテロ資金供与への闘い) | ||
| ・ | テロリズムへの資金供与や違法な活動による収益の洗浄のための国際金融システムの濫用に対抗する国際的な努力が引き続き優先事項であることを強調。国連決議の完全実施等を求める昨年11月の当委員会の要請に対応した各国の行動に勇気付けられる。また、未実施の国に完全実施を促す。世界銀行と協調してIMFがマネロン・テロ資金対策の強化のための行動計画の各項目の実施において著しく進展を遂げたことを歓迎。 | |
| ・ | FATF勧告をカバーした、マネロン・テロ資金対策の評価のための包括的なメソドロジーの完成に向けて努力が集中されるべき。また、IMFが他の国際機関及びドナー国と協調して技術支援のニーズを把握して対応することを促す。次回会合で各種進展についての十分な報告を受けることを期待。 | |
| (その他) | ||
| ・ | IMFクォータの第12次増資の検討が始まったことに留意。クォータは、世界経済の進展を反映すべき。SDR特別配分を定める第4次協定改正の早期実施を勧告。 | |
| ・ | 独立評価機関の進捗状況報告を歓迎し、活動状況についての定期的な報告を期待。 | |
| (次回会合) | ||
| ・ | 次回会合は、ワシントンD.C.において、2002年9月28日に開催される。 | |
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