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第3回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成13年4月29日)

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第3回IMF国際通貨金融委員会コミュニケのポイント
(2001年4月29日(日) 於:ワシントンD.C.)

 

1.  IMF国際通貨金融委員会は、2001年4月29日、ワシントンD.C.において、ブラウン英大蔵大臣を議長に、第3回会合を開催した。

 

2.  世界経済見通し

 

  (1) 委員会は、2000年9月のプラハ会合以降、世界経済成長の見通しが著しく弱まったことに合意する。委員会は、下方リスクが増加しているものの、世界経済成長の減速は短期間で終わると見込んでいる。インフレ圧力の基調は引き続き概ね抑制されている。委員会は、先進国の慎重なまた将来に向けた経済政策の必要性を強調する。
    米国は、近年世界の経済成長のエンジン役を果たしてきたが、経済活動は著しく減速した。ここ数か月の著しい金融緩和は時宜を得ており歓迎される。金融政策は、物価安定を維持しつつ、引き続き潜在成長力の達成に向けられるべき。委員会は、時宜を得た財政政策の発動もまた、経済成長を支えるものと思料。
    日本については、緩慢な成長の継続に鑑み、委員会は、金融政策の新しい枠組みの導入を歓迎する。また、デフレリスクが除かれるまで緩和政策を行う当局のコミットメントの重要性を強調する。高水準の公的債務を前提とすると、進行中の緩やかな財政再建は引き続き適切である。持続的成長に回帰する見通しは、特に金融・企業部門の構造的な脆弱性に対する決意をもった取組みに決定的に依存している。
    ユーロ圏の成長は、経済活動は減速しているが比較的よく持続している。政策は、信認の支持と潜在成長力の強化を引き続き目指すべき。財政政策は、引き続き中期的財政再建に重点をおく必要がある。税制の改革が、経済効率の向上に資する。労働及び生産物市場、年金システムなどの構造改革の深化と加速が、長期的な潜在成長力を押し上げる点で重要であることを、委員会は強調する。

 

  (2) 委員会は、上記以外の国が、先進国経済の成長の減速と国際金融市場の条件悪化による悪影響を受けていることに留意する。委員会は、多くの新興市場国が対外及び金融部門の脆弱性の減少のために近年採用した措置を歓迎する。また、アルゼンチン及びトルコで最近とられた政策を歓迎する。トルコで合意された政策は、IMFと世界銀行の追加支援とともに、金融の安定の再構築と成長を伴う抑制された物価上昇の基礎を提供する。

 

  (3) 委員会は、世界的な成長の減速が最貧国に悪影響を与えかねない懸念を強調する。委員会は、途上国における成長、貧困削減、投資環境整備等に向けた政策の着実な実施と体制作りの必要性を強調するとともに、ODA、HIPC(重債務貧困国)イニシアティブの実施、途上国輸出への市場開放を通じた先進国による支援の責任を強調。

 

  (4) 委員会は、世界経済の強化と発展途上国の成長見通し改善のための市場開放の重要性を強調する。委員会は、今年中に新しい多角的貿易交渉を開始するため共通の基盤を見つけることを全ての国に促す。委員会は、全ての国が保護主義圧力に抗して、貿易障壁や貿易を歪めるような補助金を減じることを求める。

 

3.  変化しつつあるIMF

 

  (1)  専務理事による経過報告
    危機予防を活動の中核に据えようとするIMFの努力を強く支持する。
    民間部門の関与に関する枠組みの問題について、年次総会までの進展を期待する。

 

  (2)  金融市場と危機予防へのIMFの焦点の強化
    委員会は、国際資本市場局の創設を歓迎する。
    国際基準の実施、公的債務管理ガイドライン、透明性の向上、金融セクター監視の強化等における進展に委員会は満足した。

 

  (3)  資金洗浄への対策

 委員会は、資金洗浄対策が、政策強化と協調行動を必要とする世界的な重要事項であることを強調。委員会は、金融活動作業部会(FATF)の40の勧告を資金洗浄対策の適切な国際基準として認識すること、この勧告をIMFの活動にとって実践的なものとするための作業を進めるべきことについて、概ね合意した。

 

  (4)  コンディショナリティの合理化とオーナーシップの強化

 委員会は、現在進行しているIMFコンディショナリティの見直しを歓迎する。構造分野のコンディショナリティの近年の増大は、構造問題の重要性の反映でもあるが、コンディショナリティの範囲の拡大と詳細化が、見直しの議論がなされる理由である。コンディショナリティはプログラムのマクロ経済目的にとって重要な措置に集中させるべきであり、IMFの中核責任分野以外にはなるべく使用しないという原則を、委員会は支持する。委員会は、理事会に対してコンディショナリティの見直しの継続を要求し、次回会合における進展の報告を期待する。

 

  (5)  ガバナンス

 委員会は、マクロ経済に顕著に影響するガバナンス問題にIMFが取り組むべきことに合意する。

 

  (6)  IMFの透明性、ガバナンス、説明責任
    クォータは、国際経済の進展を反映すべきである。委員会はこの問題に関する更なる作業を期待する。
    説明責任等の観点から、独立評価機関の長が任命されたことを歓迎する。
    委員会は、専務理事の選出プロセス見直し作業グループと世界銀行の総裁選出プロセス見直し作業グループによる共同報告案に留意する。

 

4.  次回会合は、2001年9月30日、ワシントンD.C.において開催される。