第86回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成24年10月13日)
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開発委員会は、東京にて、10 月13 日(土)に開催。
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世界経済は依然として脆弱。多くの先進国経済で課題が残っている一方、近年、国際経済のダイナミズムの重要な源泉であった多くの新興市場経済においても成長が減速。財政面、金融面及び構造面で、一層の努力が必要であり、多くの加盟国で成長を下支えするための様々な措置がとられていることを認識。我々は、成長と発展を促進するため、着実に行動し、開放的な世界経済を引き続き支持し、開発援助に関して掲げた目標や約束を達成することを改めて表明。我々は、ミレニアム開発目標の達成へのコミットメントを再確認し、世界銀行グループがポスト2015年の開発の枠組みに積極的に貢献するよう慫慂。国際通貨基金(IMF)が、先頃、金の売却益を用いて、譲許的融資制度をより持続的なものにする決定を行ったことを歓迎。
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近年の金融危機では、何百万もの雇用が必要とされる地域において、雇用が一層減少。雇用は、貧困削減の原動力であり、特に女性や若年層などの人々に活力を与える。雇用には、持続的な開発や社会の一体性につながる変革を促す潜在力がある。世界銀行グループの「2013年世界開発報告書(テーマ:雇用)」は、雇用創出には手品は存在せず、雇用を促進するポリシーミックスは国によって異なることを強調。民間セクターは雇用の大部分を生み出すが、公的セクターの役割も重要。世界銀行グループは、国によって異なる課題が存在することを前提に、各国が雇用創出を促す環境を強化することを支援。また、国際金融公社(IFC)と多数国間投資保証機関(MIGA)の役割は、革新的な取組みも含め、民間セクター支援において特に重要。世界銀行グループが、加盟国や他の関係者と協調しつつ、雇用に係る分野横断的な分析や政策に関する取組みを積み重ね、その知見を共有していくことを慫慂。
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ジェンダーの平等は経済的に合理的であり、貧困削減において鍵となる要素。多くの課題が未だ残っているにせよ、世界銀行グループのジェンダーの平等に関する政策課題への取組が進捗していることを歓迎。我々は、過去一年間議論された全ての国別戦略に、ジェンダーの平等の視点が含まれていることを歓迎。我々は、世界銀行グループに対して、特にジェンダーの不平等が残っている国で、受益国の努力を支援するモメンタムを維持すること、また、一年以内に更なる進捗を報告することを要望。
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我々は、日本政府に、今般の年次総会及び仙台会合の開催を感謝。自然災害は貧困削減を進める上での深刻な障害となりうるものであり、貧しく脆弱な人々に最も大きな影響を与え、かつ、そのインパクトは増大。我々は、日本が災害リスク管理の経験から得た教訓を共有したことに感謝し、「仙台レポート:災害に強い社会の構築」を歓迎。事前の災害リスク管理は、災害救助等の事後対応と比べて、しばしば金銭や労力の面でよりコストが小さい。災害リスク管理と気候変動への適応は連携すべき取組であり、我々は、世界銀行グループに対して、各国の業務にそれら二つを組み入れること、また、災害が発生した際には、効果的な緊急対応と復旧・復興を支援するため、引き続き重要な役割を果たしていくことを要請。
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食料安全保障と食料価格の変動は、依然として開発に対する根強い脅威であり、引き続き注意を払う必要。我々は、飢餓によって1,900万人の命と地域の安定が脅かされているサヘル地域の深刻な人道的非常事態を憂慮。世界銀行グループに対し、サヘル地域を常に緊急支援を必要とする状況から恒久的に脱却させ、中期的により強靭で持続可能な将来に至るような解決策を策定・拡充していくため、他の国際機関やドナーらと共に包括的な地域的アプローチを推進するよう要請。より長期的には、グローバル農業・食料安全保障プログラムのようなメカニズムや、農業研究、インフラ投資、南南協力が、脆弱性を低減する。IMFは、必要な場合、国際収支に係る迅速な資金供与を継続すべき。
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我々は、世界銀行グループに対して、脆弱国における開発効果の向上を図り、国別プログラムの開発目標を加盟国が直面する固有の課題に合わせるよう慫慂。IFCが脆弱国において業務量を拡大させていることを歓迎。
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リオ+20での議論の後、持続可能な開発に関する閣僚級対話を通じて、持続可能性に焦点が定まり、また、全ての人々が恩恵を受ける、グリーン成長を支える政策の効果的活用や、どのように成長や厚生をよりよく計測するかについて、意見交換が可能となった。我々は、世界銀行グループに対して、成長の次なるフェーズを描くのに有用な、自然資本会計の活用を求める国に支援することを要請。世界銀行グループの支援する海洋保全に関するグローバル・パートナーシップが、新たなメンバーを加えたこと、また、海洋を生産力のある健全な状態に戻すための活動と持続可能な水産養殖の必要性が、喫緊のものであるとの認識を醸成したことを歓迎。
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我々は、ジム・ヨン・キム博士を世界銀行グループの新総裁として歓迎。また、我々の中核的使命である貧困の撲滅と繁栄の共有を、同グループが如何に促進するかにつき、新総裁が強くコミットメントしていることを評価。インパクトを重視し、加盟国に統合的な開発の解決策と、実証に基づいた援助を提供し、国際公共財の活用を促進する、との新総裁のビジョンを支持。我々は、春季会合において、現代化のアジェンダ実施に関する情報の更新を期待すると共に、より成果を重視し、知識を基盤とし、開放的で透明性があり、アカウンタビリティーを備え、各国に変化をもたらすことのできる世界銀行グループとするための次なるステップを期待。これを促進するため、必要な人事改革と世界銀行グループ内のシナジーによるレバレッジに支えられた、成果と実行に一層の重点をおいた組織文化への転換を支持。
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開発委員会の次回会合は、ワシントンDCにて4月20日(土)に開催予定。
