第85回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成24年4月21日)
-
開発委員会は、ワシントンD.C.にて、4 月21 日(土)に開催。
-
世界経済の見通しは依然として厳しい。政策対応と経済活動の改善により、世界的な急激な景気後退の脅威は緩和された。新興·途上国の成長は比較的力強い一方、貧困国は依然として支援が必要。貧困削減と包括的な成長を促進するための政策と構造改革を引き続き実施することが肝要。
-
2015 年までに世界の貧困層を半減させるというミレニアム開発目標の一つが達成される見込みであることは歓迎すべきニュースであるが、引き続き油断することなく、全ての関係当事者と共に他の開発目標達成を推進し、過去の教訓に学ぶ。世界銀行グループ(WBG)及び国際通貨基金(IMF)が「脆弱国支援に係る新政策」の実現を支援することを要請。世界銀行グループが中所得国とのより先進的で力強いパートナーシップを発展させることを要請。知識の提供及び国際公共財への資金供与も引き続き重要課題。我々は、すでに合意されている貧困削減・成長トラストのファンディング・パッケージについて、2014 年までのIMF の譲許的支援の需要の見込みに対応するためにIMF の取っている措置を歓迎。
-
食糧価格高騰は、貧困削減及びミレニアム開発目標、特に母子死亡率と飢餓の削減へのさらなる脅威となっている。食糧不足および栄養不良は、特に女性や乳幼児へ甚大な影響を及ぼす。このような背景の下、「グローバルモニタリングレポート:食糧価格、栄養、及びミレニアム開発目標」は時宜を得たものであり、また、昨春の開発委員会及びG20 カンヌ・サミットの議論にも基づくもの。我々は世界銀行グループに対し、食糧不足及び栄養不良への対応として世界農業食料安全保障プログラムのようなマルチセクターの解決策を引き続き追求することを要望。
-
社会保障にはしっかりとした開発の意義がある。前回の金融危機の際に、社会的セーフティネットによって貧困層の強靭性は強化された。社会的セーフティネットは長期的な貧困削減を達成する上で重要な要素であるが、その為には、裨益者の的確な絞込みが必要であり、また、途上国政府にとって実施可能な予算規模であること、ジェンダーへの配慮がなされること、持続可能であること必要である。世界銀行は近年、社会的セーフティネットへの支援を拡大し、条件付現金供与(conditional cash transfers)、公共事業、学校給食などを含む事業を増加。我々は、開発委員会へ提出された公式レポート「セーフティネットは危機および繁栄期の両方において効果がある(Safety Nets Work: During Crisis and Prosperity)」を歓迎。同レポートは、特に低所得国において既存の社会セーフティネット事業の設計および効率性を改善させ、必要に応じて新たに創設することを強調。世界銀行グループに対し、南南協力による情報交換を活性化させ、その為の予算を確保することを要望。
また、IMF、地域開発銀行、国際労働機構(ILO)など関連機関との協調を慫慂。 -
力強い民間セクターが経済成長、雇用創出、貧困削減のために重要。従って「開発分野における民間セクター活用に向けた世界銀行グループの革新的取組み」に係る報告書を歓迎。貧困削減というマンデートを基に、世界銀行グループは、開発分野において民間セクターの力を活かし民間セクターが活動できる環境を整えるべく革新的な取組みを導入し、顧客に助言することができる特別な立場にある。国際金融公社(IFC)はIDA国・未開拓市場への注力を維持しつつも、効果的に民間セクターを通じた開発支援を進め、投資・助言業務の規模を拡大し、途上国通貨建融資や短期金融など革新的な金融商品を導入。多数国間投資保証機関 (MIGA)も保証業務を拡大。我々は、マネジメントに対し、優先順位設定・リソースの活用の意義を精査し、IBRD, IDA, IFC, MIGAが顧客の要望に応え連携した解決策を提供するためのシナジーを最適化すべく、グループ横断的なアプローチを用意することを要望。
-
より良い成果を生み出すべく、世界銀行の有効性と効率性を改善するために設計された現代化(Modernization)のアジェンダが進捗していることを歓迎。文化や組織の変革が必要であり、マネジメントが徐々にそれをもたらしていることを支持。「世界銀行の業務の現代化:結果、開放性とアカウンタビリティ」では、今後の明確な方法が提示されている。変革のための重要な分野には、人材と知見の構築及び共有も含まれる。スタッフの多様性の促進は、業務の効率性の向上、意欲的な人材を呼び込むために不可欠。コーポレート·スコアカードは、組織を通じ、成果重視の文化を推進。最近の世界開発報告書を踏まえ、ジェンダーの平等や脆弱・紛争状態への取組が進むことにより、世銀グループのパフォーマンスは更に改善されるだろう。この現代化のモーメンタムを維持すべき。また、来年春の現代化の経過報告と、今年秋のコーポレート·スコアカードのアップデートを期待。現代化、技術革新、創造的な資本の利用は、世銀グループの更なる効率化や、長期的な財務の持続可能性に貢献するだろう。
-
持続可能な開発に関する閣僚級対話は、潘基文国連事務総長の参加を得て、この困難な課題を前進させるための世界的なパートナーシップが必要だという重要なシグナルを提示。また、我々は、全ての人が恩恵を受ける、グリーンな成長について、貧困削減、持続可能な開発、自然資本の算定や海洋保全の文脈において議論を継続し、それらがリオ+20及びG20のプロセスに貢献することを期待。
-
我々は、ロバート・B・ゼーリック総裁に対して、過去5年間にわたって世界銀行グループを率いてきたリーダーシップについて、深甚なる賛辞と謝意を表明。総裁は、より長期的な観点から貧困削減と具体的な成果の達成を実現するよう組織を再活性化させるとともに、食料や金融の危機、自然災害に対して、世界銀行グループが、効果的で時宜に適った最前線での対応を取るよう主導した。また、ゼーリック総裁は、ジェンダーの平等、脆弱・紛争国における実績向上、気候変動への適応、農業及びインフラへの再認識を強く支持。総裁のリーダーシップの下で、過去20年間で初のIBRD資本増強と、2度のIDA増資を前例のない規模で実現させるとともに、IFCの資産管理会社等、多くの民間セクター・イニシアチブを立ち上げた。総裁は、世界銀行グループを変革し、より開かれた、透明で、説明責任の高い、「現代的な多国間協調」の時代に対応したものに導いた。このような変化を踏まえ、総裁は、途上国の投票シェアを47%に上昇させ、2015年までに更なる見直しが行われる予定である。
-
我々は、ジムヨン・キム氏の世界銀行グループ総裁選出を祝福するとともに、新総裁と緊密に連携し取り組んでいくことをコミット。ウンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏とホセ·アントニオ·オカンポ氏が総裁選へ立候補したことと、世界銀行グループに対し貴重なアイデアを共有したことに感謝。
-
開発委員会の新議長として、マレック・ベルカ氏を歓迎。また、世銀グループ理事会におけるサブサハラアフリカの第三チェアの増設にあわせ、開発委員会メンバーを改訂したことも歓迎
-
開発委員会の次回会合は、東京にて10 月13 日(土)開催予定。
(以上)
