第83回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成23年4月16日)
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開発委員会は、ワシントンDCにて、4月16日(土)に開催。
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途上国が大きく牽引する形で世界経済が力強さを増していることを歓迎。しかし、食料・エネルギーを始めとする複数のセクターにおける過熱が価格の上昇圧力や不安定性につながり、途上国・特に最も脆弱な人々がリスクに晒されている状況を懸念。自然災害や紛争、社会不安により引き起こされる経済的課題に対して警戒を続けることにプレッジ。持続的かつバランスの取れた包摂的な成長を確保すること、必要に応じて適時かつ効果的な支援を実施することに引き続きコミット。
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中東・北アフリカの一部での最近の出来事は、社会的かつ経済的な影響を持続的に有し、その影響は国により異なるであろう。雇用、ソーシャル・セーフティネット、財務管理、ガバナンス、民間セクター開発の推進、および他の重要な分野におけるプログラムや政策の支援を含む、世界銀行グループとIMFの適時の関与や助言を歓迎。世界銀行が政府や多国間、地域、および二国間の関係機関と協働し、中東・北アフリカに対する支援を強化することを要請。
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国際金融機関は、各国が危機を予防し、また、影響を軽減するための支援を行う重要な役割を引き続き担う。過去に例を見ない成功を収めた国際開発協会16次増資(IDA16)、および国際復興開発銀行(IBRD)の増資承認を歓迎するとともに、国際金融公社(IFC)の選択増資決議の速やかな採択を期待。IDA16におけるジェンダー、脆弱国、気候変動へのフォーカスと成果(Results)重視を歓迎。また、農業、インフラ、エネルギーへのIDAの継続的な支援を期待。ハイチへの特別な割当て、および加盟国が経済危機や自然災害に見舞われた場合に迅速に対応するためIDA16のキャパシティを強化する危機対応ウィンドウの新設を歓迎。これら全ての追加的資金は、世界銀行グループが加盟国の貧困との戦いを継続して支援することを助ける。
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途上国の3分の2がミレニアム開発目標(MDGs)に到達しつつある、あるいは、近づいているという事実を歓迎。しかし、その進捗は一様ではなく、世界経済危機や最近の食料・エネルギー価格の上昇により地域によっては遅滞している。特に 達成状況が遅れている地域や脆弱国において、また、女性・少女たちを含め脆弱で歴史的に 除外された人々のために、2015年までに成果目標を達成する努力を強化すること、また、経済および環境上の ショック への耐性(resilience) を構築することによって、その進捗を守ることにコミット。
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高騰し不安定な国際食料価格と、その脆弱な人々への影響および成長と貧困削減に対する長期的なリスクを懸念。世界銀行グループが、G20を含むパートナーと協力しつつ、食料安全保障および価格変動に関連する短期的・長期的な課題への対処を反応良く支援していることを歓迎。開発委員会文書「グローバルな食料価格変動への対応とその食料安全保障への影響」の提案を歓迎し、この分野における更なる行動を慫慂。小規模農家の生産性及び危機への耐性の強化のための努力を含む、農業開発および農業研究における世界銀行グループの強化された役割を歓迎。世界銀行グループが、農業生産性、貿易、農家の市場へのアクセス、民間投資、および南南協力を強化するための革新的な解決策を追求することを要請。アフリカはショックの影響を不相応に強く受けており、特別な注意が必要。農業において女性が果たす中核的に重要な役割と女性のニーズに応えることの重要性を強調。途上国のニーズに応えるために、グローバル農業・食料安全保障プログラム(GAFSP)への十分な資金拠出を含む、食料と農業に関するより強く調整された多国間の行動、およびや国際連合その他の関係機関を含んだパートナーシップの重要性を認識。
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紛争解決および経済開発の関連性に重点を置いた「世界開発報告(WDR)2011:紛争、治安、開発」を歓迎。この世界開発報告は、脆弱国および紛争影響国における世界銀行グループや他の開発パートナーのパフォーマンスの著しい改善を刺激する可能性を有する。国際社会の集合的な努力の一部として、世界銀行グループは、脆弱性、紛争、組織的犯罪、その他の形態の暴力に影響を受けている国々において、雇用創出と民間セクター開発、包摂的な成長、強固な制度の構築、および治安や司法の向上に焦点を当てることを通じた支援を行う上で主要な役割を果たすことができる。開発成果とリスク管理の連携や、最も能力の高いスタッフへこのような状況下で働くことへのインセンティブを供与することを含め、世界開発報告により得られた教訓を世界銀行グループの政策と業務に取り入れることを支持。世界銀行グループが、他の開発パートナーと十分に調整しつつ、その組織マンデートに含まれる分野の中で脆弱性と紛争に影響される状況に対し、早期に一貫した関与を行う準備を整えることを慫慂。
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気候変動に関するカンクン会議の成果及び緑の気候基金(GCF)の暫定的な受託機関としての世界銀行グループの役割を歓迎。これは世界銀行グループの気候投資基金(CIF)の経験の活用、およびGCFが運用開始されるまでの気候変動分野の投資の継続性確保に資する。開発と気候変動ファイナンスへの革新的なアプローチを含めたこの分野での更なる進展、およびGCFの制度設計を担当する移行委員会の作業への世銀の支援を期待。
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世界銀行グループの危機後戦略の進行中の実施、および顧客ニーズへの即応性を高め効果的な開発成果の実現・計測・報告を行う能力を強化するため、世界銀行グループの構造および業務を近代化する取組みを歓迎。世界銀行グループの開発マンデートに留意しつつ、オープンで能力本位かつ透明性の高い総裁選出プロセスの要請に対応した報告、およびガバナンスや説明責任を強化する手段としての総裁と理事会の二重業績評価(デュアル・パフォーマンス・フィードバック)に関する報告を歓迎。業務の方向性および組織全体のパフォーマンスに係る株主との戦略的対話を強化するための世界銀行グループのコーポレート・スコアカードの開発に対する努力を歓迎。世界銀行グループのグローバルな性格をより良く反映させるためスタッフの多様性を引き続き拡大するよう要請。
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最近の自然災害の影響に立ち向かう日本政府及び日本国民に対し、哀悼と支援の意を表明。
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開発委員会の次回会合はワシントンD.C.にて2011年9月24日開催を予定。
