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第78回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成20年10月12日)

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第78回世銀・IMF合同開発委員会「サマリーステートメント」(ポイント)
2008年10月12日、於ワシントンD.C.

 本日、2008年10月12日、ワシントンDCにおいて開発委員会を開催。

 今回の会議は、未曾有の金融市場の混乱との世界経済にとって重要な時期に開催された。開発途上国においては、そのうち多くの国はすでに、現下の食料・エネルギー価格の高騰により大きな損害を受けているが、信用収縮や世界的な景気の減退が長期化した場合、国民の生活を向上させる努力が大幅に後退するリスクが存在する。もっとも貧しく、もっとも脆弱な人々に、もっとも深刻な、場合によっては取り返しのつかない損害を与えるリスクがある。

 これらを背景に、我々は、昨日、IMFC(国際通貨金融委員会)において行われたコミットを承認した。

 我々は、各国に対し、これまでに行ったODA(政府開発援助)の量に関するコミットを完全に実施することを要求する。

 これらの取組みを支援するため、我々は、世界銀行に対し、IMF(国際通貨基金)と協調し、資金・分析・アドバイスといった持てる資源を活用して、開発途上国が、経済を強化し、成長を維持し、もっとも脆弱な層を今回の危機の影響から保護することを支援することを求める。

 世界銀行グループは、以下のように、加盟国へ支援を行う用意がある。

  • 世銀は、最近、食料価格の高騰が貧困層に与える影響に対処するため、12億ドルの緊急融資ファシリティを表明し、そのうち、8.5億ドルが承認済みもしくは承認待ちの状況。我々は、各国に対し、このファシリティへの貢献を検討することを求める。

  • 我々は、世銀及びそのパートナーに対し、燃料価格高騰の影響から貧困者を保護するための社会セーフティネット強化のための取組みに対する緊急支援を行う貧困者のためのエネルギー(Energy for the Poor)との新プログラムを前進させることを慫慂する。

  • IBRDは、借り手からの追加的な需要に応じ、毎年の途上国への貸し出し額を倍増させる財政的余力がある。昨事業年度の貸し出し額は、135億ドル。

  • 我々は、IFCに対し、基金の設立の可能性も含めて、世界的な流動性危機により悪影響を受けた途上国の金融機関に対する資本強化を支援するためのオプションを模索することを求める。

また、我々は、現下の危機に対する短期的な対応だけでなく、以下のような長期的な取り組みも支援する。

  • エネルギー輸入国が、エネルギーの使用効率や国内生産を向上させ、将来の価格ショックに対する脆弱性を低めるための支援の拡大。

  • 世銀の借り手の需要への対応力を高めるための改革。

  • 世銀が、途上国における気候変動の原因と影響への対応や気候変動投資基金(CIF)の立ち上げの対応の支援において、より大きな役割を果たすための新たな戦略枠組み。

(以上)

 

第78回世銀・IMF合同開発委員会のコミュニケ(ポイント)
2008年10月12日、於ワシントンD.C.
  1. 2008年10月12日(日)、ワシントンDCで会議を開催。

  2. 我々は、金融市場の混乱、食料・燃料価格高騰が与える影響を懸念。我々は、金融市場の安定及び正常に機能する信用市場の回復に向けた各国のコミットを歓迎。世銀・IMFは、これらの危機的な問題、特に、途上国への影響への対応の支援し、教訓を引き出さなければならない。また、持続可能な成長・貧困削減・MDGs達成に、引き続き焦点を当てることが重要であり、この観点から、最近の国連総会における世界のリーダーによるMDGsへの再コミットメントを歓迎するとともに、来月のドーハにおける開発資金会議において、より深い国際的な協力関係を構築することが喫緊の課題であることを改めて表明。

  3. 途上国は、信用収縮や世界的な不況の継続により、深刻な事態に陥る可能性。食料価格・ エネルギー価格の高騰は、インフレや所得分配の悪化、特に、貧困・保健分野におけるMDGs達成に向けた進捗の鈍化につながり、特にアフリカの低所得エネルギー輸入国において、国際収支の深刻な悪化にもつながる。我々は、一次産品価格の高騰が分配機能に与える影響への対処、最も脆弱な層に対象を絞った支援、インフレの抑制、ショックへの対応などを行うとの困難な政策課題に直面していることを認識。

  4. 我々は、世銀・IMFを含む国際社会に対し、持てる資金・知見を最大限に活かし、途上国が経済を強化し、成長を維持し、現下の経済状況による短期的・中期的な影響から最も脆弱な層を保護することに対する支援を求める。歳入の限られた国家は、ODAに依存することになるため、ドナー各国は、そのODAに係るコミットメントを実行することが一層重要になる。この観点から、2008年度における世銀全体での支援コミット額の増加、国連などの機関との協力、世銀の食料危機対応プログラムや食料・農業関係の支援の増大、貧困者のためのエネルギーイニシアティブ(Energy for the poor initiative)の進捗、IMFの貧困削減・成長ファシリティ(PRGF)の活用、外生ショックファシリティの改革等を歓迎。

  5. これらの新しい課題への対応は、MDGs達成及びそのために必要な資金の確保などを含めた既存の国際社会の重要課題に付け加えられるべきもの。我々は、各国に対し、これまでに行ったODAの量に係るコミットメントを実行することを求める。また途上国自身の開発資金も重要。その他、我々は、債務の持続可能性及び債務救済の実行、気候変動問題を含む国際公共財への対応、保健システムやHIV/AIDSなどへの対応、ジェンダーの平等の促進と女性の地位向上、開かれた国際市場の維持と構築、ドーハ開発アジェンダ交渉の完結、貿易のための援助の実施を求める。これらの課題は、特に、紛争後国・脆弱国において深刻であり、ノウハウの共有、充分かつ時宜を得た資金の確保が重要。我々は、世銀が、柔軟かつ効果的に業務を行うことを強化することを求める。この課題は、世界的な課題に取り組む際に、国際的な協力やマルチラテラリズムが効果的に作用することの重要性を認識させる役割もある。

  6. この観点から、援助効果に係るアクラ・ハイレベル・フォーラムにおいて、南南協力の主体を含む幅広い主体から、相互説明やオーナーシップの支援に係る行動計画が承認されたことを歓迎。

  7. 我々は、今回の新しい世界的な課題が世銀の戦略や業務に与える影響について、緊急に見直すことを求める。我々は、世銀事務局及び理事会に対し、世銀を、効率的、柔軟かつ地域に根ざしつつも顧客志向の組織にするよう求める。我々は、世銀が、IBRD資本の戦略的見直しを完結することを慫慂。

  8. 我々は、気候変動に係る戦略枠組みを議論するとともに、歓迎。この枠組みは、世銀が、気候変動問題に対応しつつ、経済成長や貧困削減といった世銀の使命を果たすための基礎を提供するもの。UNFCCC交渉プロセスの中心的な役割、バリ・アクション・プランを考慮しつつ、世銀が、各国主導の開発プロセスにおける気候変動への取組み、各国の状況に応じた形での気候変動への適応・緩和、能力構築を支援することを慫慂。我々は、気候変動に係る大幅な資金不足を踏まえ、世銀グループに対し、他の譲許的資金へのアクセスの促進も含めた資金動員の強化、市場主導の資金メカニズムの開発、民間資金の呼び水となることなどを慫慂。また、クリーンで気候変動に対応するための技術の開発・使用促進、調査開発・技術移転の促進を慫慂。この観点から、気候変動投資基金(CIF)の設立を歓迎。また、適応のための資金の動員により留意するよう求める。

  9. 理事会により提案された途上国のボイスと参加の向上させるパッケージは、モンテレー合意における多くの課題に対応したもの。これは、今後継続する包括的な改革のプロセスの重要な第一歩であり、すぐに実行する内容(第一段階)と、今後の改革を約束する内容を含むもの。このパッケージにより、アフリカの理事議席の1名追加や小国に配慮した形でのIBRD・IDAにおける投票権シェアの増加が行われる。また、今後の株式保有シェアの見直しについては、理事会において、その原則・基準の開発、シェアの見直し案を検討し、実施する。その際、世界経済に占める規模や世銀の使命と整合性を持った世銀独自の基準を検討する。また、理事会は、当該シェア見直しについて、2010年春の会合もしくは遅くとも2010年秋の総会までに、その次の会合で合意に至る見込みのある提案を行うこととする。
    世銀総裁の選出過程については、全加盟国に開かれた形でのノミネート、理事会での透明な候補者の審査など、能力主義・透明性の重要性に一定の合意が得られた。また、世銀事務局は、幹部・スタッフの多様化や意思決定権限の現地事務所への移譲のための取組みを継続することを約束。我々は、理事会及び事務局に対し、改革の第一段階の速やかな実行、定期的な進捗の報告、包括的見直しにおける投票権調整の改革案の提案を求める。

  10. また、我々は、理事会による世銀の内部統治の見直し・強化の継続を歓迎。

  11. 次回は、2009年4月26日にワシントンDCにて開催予定。

(以上)