第59回世銀・IMF合同開発委員会 コミュニケ(ポイント)(平成11年4月28日)
(仮訳)
第59回合同開発委員会コミュニケ
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第59回開発委員会は、1999年4月28日にワシントンDCにおいて、タリン・ニマナヘミン・タイ蔵相を議長として開催された。
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重債務貧困国(HIPC)に対する債務イニシアティブ:
過去2年半の進展に勇気づけられ、大臣達は、イニシアティブを引き続き強く支持することを表明し、それが広く貧困削減を目的としていることを再確認した。彼らは、イニシアティブを強化する方法を議論し、これに関連した幅広い外部との協議のプロセスの結果を歓迎した。委員会は、HIPCイニシアティブ債務救済をより広く、深く、早くすることを可能にするための選択肢に関して現在レビュー及び検討が行われていることを支持した。大臣達は債務救済と持続可能な開発及び貧困削減という目標との間の明確な関係を確保する重要性を繰り返し、この分野で進行中の協議の結果を期待した。前提となる改革プログラムは、当初から貧困層に配慮した一体的な成長に焦点を当てたものとすべきである。HIPC向けのプログラムは社会セクターへの支出を確保することによって、社会的懸念を十分に反映させたものとすべきものである。 -
大臣達は、現在のHIPCの枠組みの変更を考慮するにあたって用いられるべき一連の原則を支持した。これらの指導原則には以下のような勧告が含まれる。債務救済は(i)持続可能な開発と貧困削減を促進する、国際社会による、より広範な手段を補強すべきものであること。(ii)債務国が、経済・社会改革プログラムを採用し実施するインセンティブを強化すべきものであること。(iii)各適格国の外的脆弱性を考慮しつつ、持続不可能な債務負担からの明確な出口を提供すべきものであること、(iv)国際金融機関の財務の健全性を維持する必要性と整合的なものであるべきこと。さらに、いかなる変更も、イニシアティブ実施の簡略化をもたらすように行うべきである。
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大臣達は、現在の枠組の下での最新かつ上昇したコスト見積もり、イニシアティブを仮に拡充した場合の代替コスト及び早期に債務返済負担を削減することの重要性に留意した。彼らは、変更の選択肢のレビューは、救済適格となり得る国や、全体の所要資金及び支出が起こりそうな期間の見積もりを考慮して、世銀とIMFが行うコスト積算に引き続き基づくべきであると強調した。レビューは適切で公平な財源の解決方法を見出す広範囲の努力によって見合うものである必要があろう。特に、自己の財源では追加的コストを賄えない多国間債権者を助けるため、公正な負担の分担により、HIPC信託基金に対して二国間の拠出を増加させる必要がある。さらに大臣達は、IMFのESAF−HIPCトラストへの財源を確保する必要性を強調した。多国間債権者が直面する資金的制約を認めつつ、大臣達は彼らに対してHIPCイニシアティブのための資金調達をさらに検討することを促した。大臣達は、多国間機関が決定時点と完了時点の間においてキャッシュフローベースの救済を行うという特定の提案を含め、HIPCイニシアティブの枠組み及び資金計画の変更が次の委員会において検討のため提示されるべきことを求めた。
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大臣達は、HIPC適格国のODA債務をさらに削減することを含め、債務救済を強化することを考慮する二国間債権者からの諸提案も歓迎した。委員会はHIPC諸国への新しい資金供与は無償又は非常に譲許的な条件であることを確保するためのより協調された努力を支持した。大臣達は、HIPCイニシアティブ債務救済だけでは2015年までに絶対的貧困の生活をしている人々の割合を半減させるという広範な国際開発目標を達成するには不十分であることを強調しつつ、援助と貿易の両面での努力の強化を強く要請した。
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紛争後(ポスト・コンフリクト)国支援:
大臣達は、ポスト・コンフリクト国を支援する能力を強化するについての世銀とIMFにおける進展に留意した。彼らは、IMF理事会がポスト・コンフリクト国への緊急資金支援を強化し、ケース・バイ・ケースでIMFに延滞を有するポスト・コンフリクト国の特別な状況を考慮することに最近合意したことを歓迎した。委員会は、また、安定、成長、貧困削減に通じる政策を実施しているポスト・コンフリクト国に対し、ネットでプラスの資金移転をもたらすことを目指す資金手段の設計を世銀が進めていることを歓迎した。大臣達は、適切な場合には、そのような努力を、ポスト・コンフリクト国がHIPCイニシアティブに参加する準備と結び付ける必要性を強調した。彼らは、二つの機関が共同して作業を継続し、国連機関、二国間パートナーや他機関とともにポスト・コンフリクト国に対する支援を強化し、適切なマクロ経済、構造政策という文脈で個々のポスト・コンフリクト国に対して拡充された支援を実施することを促した。彼らは、これらのイニシアティヴは、国際社会による、紛争から安定と経済成長へと早期かつ秩序だった移行を支援するための努力を補完する必要があることを強調した。彼らは、ドナー及び債権者が例外的支援をできるように、以前の紛争当事者が恒久平和へのコミットメントを明らかにすることの必要性を強調した。 -
世銀グループの財務能力:
委員会は、世銀グループの2つの鍵となる部分に対し不可欠な資源を提供するIDA第12次増資合意及びMIGA一般増資に結論を出すことに成功したことを歓迎した。大臣達は、また、世銀の理事会及び事務局がIBRD及びIFCの財務の強化に関心を注いでいることを歓迎した。大臣達は、IBRDとIFCの財務の健全性を維持することに対する強いコミットメントを再確認した。彼らは、両機関がその業務を行う上で適切な財務上の制限を尊重しなければならないことを認識した。従って、大臣達は、理事会がIBRDとIFCの優先分野を、とりわけ最近のグローバルな経済・金融の進展に照らしてレビューし、これら機関が借入加盟国の将来の開発ニーズを満たすことに役立つように機関の財務能力を維持し支援するためのバランスのとれた選択肢を、次の委員会の会合に報告することを求めた。 -
包括的開発フレームワーク(CDF):
委員会は、CDFに示されている持続可能な開発への網羅的なアプローチを歓迎した。大臣達は、世銀の中心的な目標である貧困削減を追求する際に、政府、市民社会、民間セクター、他の多国間及び二国間の開発主体とのパートナーシップ及び協調とともに、意思決定における各国のオーナーシップの究極的な重要性をCDFが強調していることを評価した。彼らは、CDFの中で各パートナーがその焦点を絞ることの重要性を強調した。彼らは、多くの政府が、CDFの発展を助けるに際し世銀とパートナーとして作業することに興味を示したことに留意した。大臣達は、CDFの究極的なテストは、実施過程で行われることを認識し、彼らは、理事会に、パイロット国の事例が、次の18ヶ月間の進捗状況を監視し評価することを求めた。 -
多国間開発金融機関(MDB)の協調:
大臣達は、重要な開発パートナー・グループである地域開発金融機関と世銀との間の強化された協力に関する世銀総裁のレポートを歓迎した。彼らは、世銀、地域開発金融機関及びIMFとの間の協力を強化し続けることの重要性を強調した。大臣達は、各機関の固有の使命を尊重しつつ、そのような強化された協力が融資の効率性や実効性を改善することができると信じる。彼らは、例えば、開発効果を評価するための比較可能な方法を発展させたり、MDBの調達のための最良の実践のルールを確立したりする上で、さらなる具体的なステップがMDBsによりとられることを強く要請した。 -
社会政策における原則と良き実践:
大臣達は、世銀及びIMFが、国際的な標準、原則、最良の実践の形成に参加することを通じ、国際金融システムのアーキテクチャーを強化するという現在の努力において重要な貢献をしていることに留意した。最近の金融危機の教訓を振り返って、大臣達は、各国が社会政策や制度を支えるのを助けるために協調行動を採ることの重要性を繰り返し強調した。彼らは、委員会の求めにより世銀が国連やその他と協力して用意した社会政策における原則と良き実践に関する草稿を検討した。大臣達は、これらの基礎的な社会的原則は、社会サミットのコペンハーゲン宣言の国際社会のフォローアップの一部として、国連の枠組みの中で最も良く追求されることに合意した。大臣達は、各国がこれらの原則を実施するために必要な国内及び国外の資源を動員するのを支援すること及び、そうした資源の効率的な利用に関する最良の実践を共有することを世銀に対し促した。大臣達は、幅広い貧困削減を目的とした開発を促進する上での世銀の広範な業務上の役割---これは最良の実践の経験であり、国連での議論への世銀の貢献の重要な部分となるべき点であるが?-に基づき、加盟国が一般的な原則を実践的な各国毎の成果に結びつけるよう、その支援を強化することに世銀が集中することが重要であると強調した。彼らは、途上国が危機の状況により良く備えるのを支援し、危機に見舞われた際に、最も脆弱な層が保護され、長期の開発過程が持続可能であることを確保するための世銀及びIMFの作業の重要性・緊急性を強調した。大臣達は、世銀に対してこれらの目的を国内及び国際的に実施することを支援するような関連の政策及び実践について、年次総会時の委員会に報告を行うことを求めた。 -
国際的な話し合いの場の強化:
大臣達は、開発委員会及び暫定委員会の強化のための多くの選択肢を検討した。彼らは、できる限り早期に合意に達することの重要性を認識し、二つの理事会に次回の会合において両委員会で考慮されるべき提案を発展させることを求めた。 -
バルカン危機:
大臣たちは、4月27日に開催された各国政府、及び国際機関による高級レベル会合の結果を伝えられた。世銀とIMFが招集した本会合は、コソボ危機がバルカン地域の近隣諸国に及ぼす経済的影響に焦点を当てた。委員会は、同地域の短期的資金ニーズ及びこれら国々の経済的安定のための中期的取組みに対して関心が払われていることを歓迎した。彼らは、他の地域の紛争中及び紛争後の状況についても国際社会による高い関心が求められていることを強調した。大臣達は、世銀と欧州連合がバルカン危機に向けたこれら努力を調整するようにとの要請を歓迎した。大臣達はフォローアップ活動について適切な時期に連絡を受けることを期待した。 -
次回会合:
委員会の次回会合は、1999年9月25日にワシントンDCで開催される予定。
以上
