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外国為替の取引等の報告に関する省令の一部を改正する省令の概要

 現在、我が国を含む各国は平成5年に作成されたIMF国際収支マニュアル(以下「マニュアル」)第5版に準拠して国際収支統計を作成していますが、マニュアル第5版発表以降における、経済活動のグローバル化、アジア通貨危機等を契機とする各国バランス・シート分析の重要性拡大等に伴い、平成13年よりマニュアルの改訂作業が進められ、平成20年12月にマニュアル第6版が公表されました。
 我が国の国際収支統計や対外資産負債残高統計は、主に「外国為替の取引等の報告に関する省令」に基づき提出される各種報告書を基礎データとして作成しておりますが、今般、平成26年1月以降の我が国の国際収支統計等をマニュアル第6版に対応させるため、報告を求める内容の拡充等を行うこととし、平成23年12月28日に、外国為替の取引等の報告に関する省令の一部を改正する省令(以下「改正省令」)を公布しました。また、併せて、報告負担軽減の観点から、報告書の廃止や報告下限金額の引き上げ等も行いました。

(注)IMF国際収支マニュアルは、IMF加盟国が国際収支統計を作成する際の国際的なガイドラインであり、これにより国際収支統計の精度向上や国際比較が可能となる。

改正省令の概要は以下のとおりです。

1.マニュアル第6版準拠等に係るもの

(1)直接投資の基準の変更等
  
 マニュアル第6版において、直接投資が議決権10%以上とされていることに対応し、内部留保等の報告における規定を変更(現行は出資比率10%以上)。
 また、マニュアルの定める直接投資において、間接出資先等に対する金銭貸借等も直接投資として計上することが求められていることに対応し、内部留保等の報告の付表として追加。
  • 該当条文:省令第29条並びに第30条第1項及び第2項
  • 該当様式:別紙様式第51及び第52
  • 別表第一(国際収支項目番号)においても出資比率10%以上から議決権10%以上に変更し、間接出資先等との金銭貸借等をマニュアルの定める直接投資として区分できるように項目番号を追加

(2)投資信託の区分計上等、作成項目の詳細化への対応

  1.  これまで投資信託について、会社型投資信託を株式、契約型投資信託を中長期債等に含めて統計を作成してきたが、マニュアルに準拠するために、投資信託と株式は合算し、かつその内数として投資信託と株式の計数をそれぞれ区分して把握できるように変更。
    • 該当様式:別紙様式第13、第14、第36、第38及び第40
    • 別表第一(国際収支項目番号)において、投資信託からの収益分配金を区分できるよう項目番号を新設
  2.  その他、マニュアル第6版に準拠するために別表第一(国際収支項目番号)を拡充(項目数:171項目から190項目に拡大)
    • 別表第一において、情報関連費用、鉱業権使用料、金銭貸借等に係る利息等の項目番号を新設

(3)報告者区分の細分化(3部門から5部門)への対応

 これまでの3部門(公的、銀行、その他)から5部門(一般政府、中央銀行、銀行、その他金融機関、その他)に細分化することに伴い、以下の報告様式について「報告者区分」欄を改正等。
  • 該当様式:別紙様式第1、第2、第3、第4、第13、第14、第15の1、第15の2、第21、第27、第28、第29、第36、第37、第38、第39、第40、第53及び第54

(4)その他マニュアル第6版移行に伴う対応

  1.  証券貸借取引について、提供される証券の動きを証券売買として計上していたが、マニュアル第6版では担保金の授受のみを計上することに変更となったことを受け、月次での貸借取引及び貸借取引残高の報告を取止め、年末時点の証券貸借取引残高の報告を求めることに変更。
    • 該当条文:省令第5条第2項第1号の3、第9条第2項、第13条第3項、第14条第1項第10号、第2項及び第6項、第14条の2第1項から第3項まで、第14条の3第1項から第3項まで並びに第22条第1項から第4項まで
    • 該当様式:別紙様式第15の2及び第15の3
  2.  デリバティブ取引のうち、スワップ取引残高に関する報告を新規に追加。また、デリバティブ取引残高について、四半期末毎に報告するよう報告様式を変更。
    • 該当様式:別紙様式第27
  3.  航空機のファイナンシャルリース料(利子・元本)を把握して所得収支等に計上するため、報告項目に追加。
    • 該当様式:別紙様式第45及び第46
  4.  外為業務に付随する利子等の報告事項を追加。
    • 該当条文:第14条第7項、第14条の2第4項、第14条の3第4項、第16条第3項、第17条第3項、第19条第3項及び第22条第6項
    • 該当様式:別紙様式第40

(5)その他所要の整備

  1. 別表第二(国・地域番号)にコソボ、南スーダン等を追加。
  2. その他所要の変更
    • 該当条文:第26条第2項、第27条第2項及び第28条
    • 該当様式:別紙様式第26、第41、第43、第47、第48、第49、第54

2.報告の簡素化に係るもの

(1)対外直接投資に関する報告書の簡素化

  1.  対外直接投資に関する報告書のうち、証券の取得又は譲渡に係るもの及び貸付債権の放棄又は免除に係るもの以外のもの(貸付の実行、支店設立経費の送金等)を廃止。
    • 該当条文:省令第5条第2項第1号、第7号、第8号及び第8号の2並びに第10条第1項第2号及び第3号、第2項並びに第4項
    • 該当様式:別紙様式第17及び第18
  2.  対外直接投資に関する報告書のうち、上記存続するもの(別紙様式第16及び第19)について、報告の敷居値を10億円に引き上げ(現行1億円)。
    • 該当条文:省令第5条第1項

(2)資本取引の媒介等に関する報告の簡素化

 金融指標等先物契約の媒介等を行った金融機関が提出する資本取引の媒介等に関する報告書を廃止。
  • 該当条文:省令第13条第2項及び第6項
  • 該当様式:別紙様式第23及び第24

(3)証券の取得又は譲渡に関する報告書等の提出期限の延長

  支払等報告書と併せて提出が可能となるよう、支払等を行った日から20日以内に提出できることとする(現行は、取引を行った日から20日以内に提出。)。
  • 該当条文:省令第9条第1項並びに第10条第1項から第4項まで

(4)対外支払手段の売買に係る支払等報告書の簡素化

 対外支払手段の売買に係る支払等であって、当該売買の相手方との間で他の支払等をする等のために、それに伴ってするものについて、報告を免除。
  • 該当条文:省令第1条第2項第1号

(5)その他所要の整備

 外国為替業務に係る報告を行う金融機関は、これにより報告された事項に係る支払等の報告が免除されていることを明確化。その他所要の規定整備。
  • 該当条文:第1条第2項第3号から第5号まで、第5条第1項第1号及び第14条第1項第3号
  •  

3.施行期日

  上記1.に係る改正については平成26年1月1日、上記2.に係る改正については平成24年1月17日に施行。

4.参考資料
(1)改正省令の新旧対照表(別添1)[平成24年1月24日更新(第29条)]
(2)改正後の別紙様式(別添2)[平成24年1月24日更新(別紙様式第14及び第45)]
 別紙様式第1〜第4、第13〜第16、第21、第26〜第29、第36〜第41、第43、第45〜第49、第51〜第54

  このほか、日本銀行のホームページにおいて、より詳細な解説資料(様式毎の記載要領、国際収支項目番号の解説等)を掲載する予定ですので、併せてご利用ください。