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チェンマイ・イニシアティブについて

チェンマイ・イニシアティブについて
Chiang Mai Initiative: CMI

 

1. 概要
  1短期流動性問題への対処、2既存の国際的枠組みの補完、を目的とする、東アジアにおける自助・支援メカニズム。
   
2. 構造
  ○ CMIは、1二国間通貨スワップ取極(BSA)(注)のネットワーク、2ASEANスワップ協定(ASEAN Swap Arrangement: ASA)、により構成されます。
   
  (注)Bilateral Swap Arrangement (BSA)。通貨交換(スワップ)の形式によって、短期的な資金の融通を行う取極。
   
  ○ BSAのネットワークとは、「(スワップの発動方法や条件を規定する)基本原則」に基づく通貨スワップ取極をASEAN+3各国が二国間ベースで多数締結するもので、締結相手の選択は各国の判断に任されています。スワップの発動条件は、基本的にIMF融資とリンクしています(但し、締結されたスワップ総額の20%まではIMF融資とのリンク無しに発動可能)
   
  ○ ASEAN10カ国のマルチ協定であるASEANスワップ協定は、2005年11月に10億ドルから20億ドルに拡大されました。
   
3. 経緯
  ○ 1997〜98年のアジア通貨危機後、このような事態の再発を防止するため、東アジアにおける金融協力の必要性についてこれまで議論が行われました。
     
  199911 第3回ASEAN+3首脳会議(フィリピン・マニラ)
「東アジアにおける自助・支援メカニズムの強化」の必要性に言及。
  20005 第2回ASEAN+3蔵相会議(タイ・チェンマイ)
二国間通貨スワップ取極のネットワークの構築等を内容とする「チェンマイ・イニシアティブ(Chiang Mai Initiative: CMI)」を合意。
   
  ○ その後、CMIの下で、2003年末までに、日本、中国、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの8カ国の間でBSAのネットワークが構築され、当初想定していたネットワークは完成しました。
   
  ○ ネットワークの完成を受け、2004年5月の第7回ASEAN+3財務大臣会議(韓国・済州島)において、CMIの有効性を強化するための見直しに向けた検討を開始することで合意がなされ、作業部会において検討が進められました。


 

 検討の結果、2005年5月の第8回ASEAN+3財務大臣会議(トルコ・イスタンブール)では、CMIをより効果的かつより規律ある枠組みにする方策として、1域内経済サーベイランスのCMIの枠組みへの統合と強化、2スワップ発動プロセスの明確化と集団的意思決定手続の確立、3規模の大幅な拡大、4スワップ引出しメカニズムの改善を行うことが合意され、以後、こうした合意をそれぞれのBSAに反映していく作業が進められました。

   
  ○ 2006年5月の第9回ASEAN+3財務大臣会議(インド・ハイデラバード)では、2004年の第7回ASEAN+3財務大臣会議以来のCMIの強化のための見直し作業が完了し、集団的意思決定手続の導入、地域経済の研究を目的とした経済・市場専門家で構成される専門家グループ(Group of Experts)及び早期警戒システムに関する作業部会の設置による域内経済サーベイランスの能力強化、スワップ規模の拡大が確認されました。
   
  ○ 2006年5月の第9回ASEAN+3財務大臣会議では、さらに、地域における流動性支援のための、より発展した枠組み(「CMIのマルチ化」もしくは「ポストCMI」)に向けて、可能な選択肢を検討する観点から、新たな検討部会(タスク・フォース)を設置することに合意しました。同部会での検討を受け、2007年5月の第10回ASEAN+3財務大臣会議(日本・京都)では、CMIのマルチ化について、段階的なアプローチを踏みながら、一本の契約の下で、各国が運用を自ら行う形で外貨準備をプールすることが適当であることに各国間で原則一致しました。また、2008年5月の第11回ASEAN+3財務大臣会議(スペイン・マドリード)では、CMIマルチ化の総額については少なくとも800億ドルとすることで一致しました。
   今後は、1域内の短期流動性問題への対応、2既存の国際的枠組みの補完、というCMIの2つの中核的な目的を維持しつつ、マルチ化に係る残る論点の検討を深めていくこととなっています。
   
  ○ なお、CMIの枠組みでのBSAのネットワークは、2009年4月6日現在、8カ国の間で16件、名目合計900億ドル、実質合計640億ドルに達しています。