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日本政府代表団とタイ大蔵省の共同ステートメント(1998年11月6日)

日本政府代表団とタイ大蔵省の共同ステートメント(仮訳)

 

スパチャイ・フィシバニッチ-井戸清人

1998年11月6日

タイ・バンコク

 

  1. 井戸清人・大蔵省国際局審議官を代表とする日本政府代表団は1998年11月5-6日タイを訪問し、スパチャイ・フィシバニッチ・タイ大蔵省事務次官、続いてタリン大蔵大臣と会談した。日本政府代表団は、大蔵省、外務省、通産省、日本輸出入銀行、海外経済協力基金の代表から構成されている。代表団は、アジア通貨危機を克服するための新宮澤構想に関し、10月19-20日に行われた宮澤喜一大蔵大臣とタリン大蔵大臣の会談のフォローアップを行った。代表団はタイ経済の現状と見通し、新宮澤構想がタイの迅速かつ持続可能な経済回復に最大限寄与するための具体的な措置について綿密な議論を行った。
     
  2. 日本政府代表団は、タイの経済・金融改革プログラムの目ざましい進展を歓迎した。また、代表団は、タイの構造改革に向けた努力の中で積極的な支援を行うことについて確固たるコミットメントを表明した。
     
  3. タイ大蔵省は、日本政府の継続的な支援を歓迎するとともに、アジア地域の経済回復を支援する新宮澤構想の重要性を強調した。代表団とタイ大蔵省は、改革プログラムに対する日本からの金融支援に関するタイ政府の要請について協議を行った。当該要請は、更なる景気刺激を行うとともに、極めて困難な状況にある地域のニーズをカバーするものである。これには、経済危機によって引き起こされた社会問題や、農業、工業、中小企業、金融セクターの問題解決が含まれる。新宮澤構想の下における日本からの金融支援は、タイ政府が世界銀行やアジア開発銀行などの国際金融機関を含む様々な方面に金融支援を要請している包括的なパッケージの一部である。
     
  4. 日本政府代表団は、タイ政府からの金融支援の要請を綿密に検討し、可及的速やかに結論を出すことをコミットした。新宮澤構想による他の全ての支援対象国と同様、代表団は、日本が国際金融機関とともにタイのニーズにどのような役割を果たすことが最適であるかをレビューすることの必要性を強調した。
     
  5. 新宮澤構想は、危機に瀕しているアジア諸国の短期及び中長期のニーズに対処するものである。今回のミッションはタイの緊急的なニーズを把握することに重点を置いた。この関連で、代表団は今後、タイ政府と協力して支援のための更なる分野を見いだす余地のあることを再確認した。