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ドーヴィル・パートナーシップ財務大臣会合議長要旨(仮訳)2013年4月19日(於:ワシントン)

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 2013年4月19日、ドーヴィル・パートナーシップに参加する財務大臣及び国際金融機関は、アラブの移行国の開かれた経済及び包摂的な成長を支えるという共通の目的の達成に向けて、ワシントンに集まった。

(注)パートナーシップの参加国は次の通り。
 エジプト、チュニジア、モロッコ、ヨルダン、リビア、イエメン、G8、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、トルコ

 財務大臣達は、エジプト、ヨルダン、リビア、モロッコ、チュニジア及びイエメンの経済移行のための支援を再確認し、経済成長及び雇用創出を達成する金融の安定と自国による改革を支えるために国際社会からの協調的対応の重要性を強調した。財政及び対外バッファーが急減する中、多くの国にとって経済的困難は顕著であり、停滞する世界経済成長、不安定な一次産品価格、未だ損なわれたままの国内信用の中で、マクロ経済の安定維持に着目する喫緊の必要性を浮き彫りにしている。特に若者のための機会を拡大し、民間セクターを育成するための環境を整える持続的かつ包摂的な成長を支えるため、構造改革の実施が重要な優先事項であるとして特定された。財務大臣達は、2012年のIMFとの融資合意の下におけるヨルダン、モロッコによる進捗及びチュニジア向けプログラムのスタッフレベルでの合意を歓迎し、リビアのIMFとのかかわりを支持するとともに、IMFとエジプト、イエメンとの間の協議の更なる進捗を慫慂した。財務大臣達は、二国間ドナーや多国間機関が果たしている、金融の安定を可能とし、ガバナンス及び構造改革を支えるための財政支援を供与することが重要であることを確認した。

 財務大臣達は、国際金融機関の協調プラットフォームの議長として、移行基金や中小企業の発展にかかる活動等、移行国への支援の協調を行なうイスラム開発銀行の貢献を歓迎した。また、イスラム開発銀行は、2013年に全ての移行国において、ドーヴィル・パートナーシップ地域投資のための会議を開催することを考えている旨表明した。2013年6月にエジプト及びチュニジアで開始される。

 財務大臣達は、2013年の英国議長の下、開かれた経済及び包摂的な成長の発展を支えるために打ち出された次の4つの優先分野を歓迎した。

  1. 経済改革を可能にするための移行基金の成功の確保
    移行基金は、パートナーシップ参加国・機関による別の支援と並行して、移行国の重要な制度・経済改革を支えるために、多大な貢献を行っている。2012年10月の東京での立ち上げの後、移行基金の運営委員会は、2012年12月にアンマン、2013年2月にラバトに集まり、5,000万ドル規模の戦略的なプロジェクトを承認した。財務大臣達は、世界銀行による移行基金の事務局機能及び様々な国際金融機関間の連携を歓迎するとともに、移行基金と同地域で活動を行う他機関との協調を慫慂した。財務大臣達は、パートナーシップ参加国に対して、当初の数年間で2.5億ドルの資金動員目標を早急に達成するよう要請するとともに、迅速な資金拠出を慫慂した。また、財務大臣達は、パートナーシップ以外の新規ドナー国を移行基金に迎え入れる提案を了承した。

  2.  欧州復興開発銀行(EBRD)の地中海南東岸への地理的業務範囲拡大の成功
    EBRDは、移行国へプロジェクト・ベースの支援を行うのに主要な役割を担っている。地理的業務範囲を拡大するEBRDの加盟国の決定の後、2012年9月から、10億ユーロの資金が割り当てられた特別基金及びいくつかの小規模な技術協力基金を通じて、エジプト、ヨルダン、モロッコ、チュニジアへの投融資活動が始まった。これまで2億6,090万ユーロの投融資が行われた。財務大臣達は、EBRDの同地域における迅速かつ効率的な関与を歓迎するとともに、批准を終えていない加盟国が早急に批准を完了するよう慫慂した。次のステップは、地中海南東岸諸国がEBRDの完全な受益国となり、同地域における最大25億ユーロの潜在的な投資のために、EBRDの投資資金にアクセス可能となることである。

  3. 資本市場アクセスの支援
    財務大臣達は、2012年12月のチュニジア(中央銀行)による、日本(国際協力銀行)が保証する250億円の日本円建て外債(サムライ債)発行、及びイスラム開発銀行によるスクーク債(イスラム債)に対する保証商品の開発を含む、移行国のソブリン債発行のための更なる支援を歓迎した。米国は、ヨルダンの経済開発及び改革目標を支援するためのソブリン融資保証を開発していること、2014年に中東北アフリカ(MENA)地域向けの追加的な融資保証を提供するための権限を得ることを検討している旨を表明した。財務大臣達は、移行国の資金需要を満たすために、追加的な信用補完の提供を検討するよう、パートナーシップ国に対して要請した。また、財務大臣達は、モロッコ、チュニジア、ヨルダンの現地資本市場におけるニーズ・アセスメントの完了を歓迎するとともに、エジプトのアセスメントが完了することを期待した。財務大臣達は、国際金融機関に、各移行国の優先度に基づき、債券市場、株式市場、市場インフラ発展のための支援を提供するよう求めた。EBRD及びアラブ通貨基金が進捗状況について、今秋に財務大臣達に報告を行う予定である。

  4. 貿易及び経済統合の促進
    財務大臣達は、ドーヴィル・パートナーシップの下において、貿易、投資及び経済統合のためのより良い環境を発展することへの取り組みを確認した。財務大臣達は、チュニジア及びヨルダンが、投資に関する経済協力開発機構(OECD)の宣言を順守していることを歓迎するとともに、移行国における更なる投資枠組の強化を慫慂した。東京での財務大臣会合以降、EU-モロッコ間の包括的自由貿易協定(DCFTA)の交渉が2013年3月に開始されたこと、米国がチュニジアと自由貿易協定(FTA)を締結するとともに、モロッコ及びヨルダンと、国際投資と情報通信技術(ICT)サービスの一般原則にかかる協定を締結したことを歓迎した。財務大臣達は、パートナーシップ参加国が必要に応じて、2012年のドーヴィル・パートナーシップの貿易及び対外直接投資(FDI)に関する報告書に基づき、貿易を促進するための更なる措置をとることを慫慂した。財務大臣は、リビアとイエメンの世界貿易機関(WTO)加盟に対して支持を表明するとともに、移行基金を通じたエジプト、チュニジア、モロッコの物流を改善するための技術協力が、欧州委員会(EC)による資金拠出も受けて、欧州投資銀行(EIB)によって実施されることを歓迎した。

 外務大臣達が主導するガバナンス・トラックの下、2013年中に、以下を含む一連の行事が行われる予定である。

  • 移行国の貿易・投資障害に取り組み、投資を刺激するため、EBRDやイスラム開発銀行の協力を得て、投資に関する会議を9月16日にロンドンで開催予定
  • 湾岸諸国、トルコ、G8及び移行国の知見共有の土台を提供するため、移行国の中小企業約250社向けの指導イニシアティブを予定
  • 女性のビジネス参画を目的として、民間セクターの協力を得て、女性の経済参画の行事を6月に開催予定
  • 世界銀行と国際連合からの支援を得て、資産回復にかかる第2回アラブ・フォーラムを10月に開催予定

 財務大臣達は、2013年10月のワシントンにおけるIMF・世界銀行年次総会の際に再び集まることに合意した。