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移行期にあるアラブ諸国とのドーヴィル・パートナーシップ議長要旨(ポイント・仮訳)

  • 10月12日、財務大臣及び地域金融機関・国際金融機関は、この地域において、持続可能で、包摂的で、成長する経済を支えるという共通の目的の達成に向けて、世銀・IMF総会の機会を捉え集まった。我々は、イエメンのパートナーシップへの参加を歓迎し、イエメン新政府が直面する経済上の課題について議論した。
    (注)パートナーシップの参加国は次の通り。
    エジプト、チュニジア、モロッコ、ヨルダン、リビア、イエメン、G8、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、トルコ
  • 2012年中に、このパートナーシップの下で達成された主な成果は次の通り。
  • 移行基金
    ドーヴィル・パートナーシップは、パートナーシップ諸国に対して技術支援を行い、より包摂的で透明な経済を構築すると共に、域内における貿易と経済統合を加速させ、民間セクターの成長のための環境改善に必要な改革の実施を支援するため、世銀の下に移行基金を新設した。米国、英国、サウジアラビア、カナダ、日本、フランス、クウェート、ロシア、カタールの各国は、いずれも、予定している貢献額を発表した。その合計額は、数年間で2.5億ドルという目標に向けて、1.65億ドルに達した。移行基金は、今年後半から具体的案件を受け付け始める。
  • 欧州復興開発銀行(EBRD)の地理的拡大
    EBRDの株主は、8月に、設立協定18条の改正を応諾した。これにより、雇用創出のために必要な投資を行い、民間セクターを育成し、EBRDの大きな知見をこの地域で活用するために必要となる資金が直ちに使用可能となった。9月には、EBRDは、チュニジア・ヨルダン・モロッコに対する初めての投資を承認したところであり、近く、エジプトに対する投資も承認する見込みである。EBRDは投資を増やしつつあり、この地域において年約34億ドルの投資を行う能力を有している。
  • 経済安定化・開発プログラム
    8月に、IMFは、ヨルダン・モロッコの経済プログラムを支援するため、それぞれ、21億ドルのスタンド・バイ取極(SBA)、62億ドルの予防・流動性ライン(PLL)を承認した。また、8月には、ラピッド・クレジット・ファシリティ(RCF)の下で、イエメンに対する1億ドルの譲許的融資を承認した。エジプトとの間でもプログラムの議論が進められている。IMFによるアレンジメントは、二国間及び多国間の支援を行うに当たってのマクロ経済枠組を提供すると共に、パートナーシップ諸国による短期的なファイナンシング・ギャップの解消を助け、ダウンサイド・リスクに対する予防となっている。また、世界銀行は、これらの国々に対する支援戦略の策定・改訂を行った。
  • 資本市場アクセス・イニシアティブ
    パートナーシップは、喫緊の投資を行うための資金を確保するとともに、民間セクターによるファイナンスへのアクセス拡大のため、パートナーシップ諸国が民間資本市場にアクセスすることを支援するため、資本市場アクセス・イニシアティブを立ち上げた。このイニシアティブの下で、パートナーシップは、パートナーシップ諸国の市場に対するアクセスの回復を支援するため、多くの措置を講じつつある。
  • 財産回復
    9月28に開催されたG8ドーヴィル・パートナーシップ外相会合の議長総括に明記されているように、パートナーシップは、財産回復に関するアラブ・フォーラムを立ち上げた。同フォーラムは、財産回復を図るための多面的な措置に対する認識を高めると共に、地域的なトレーニングや、ベストプラクティスに関する議論、能力構築に係るニーズの発掘、各国ごとの財産回復に関する指針を含む財産回復を促進する手段の開発のための場を提供することになる。我々は、資産回復アクションプランの実施を行い、失われた資産回復を具体的に進展させることを確実にするため、国際機関と連携する。
  • 国際金融機関(IFI)による協調のプラットフォーム
    2011年9月に立ち上げられた協調のプラットフォームは、地域金融機関及び国際金融機関が力を合わせて、金融支援及びプロジェクト支援を行うことを可能とした。2012年9月には、プラットフォームの事務局は、アフリカ開発銀行からイスラム開発銀行に引き継がれた。

     移行期にあるアラブ諸国とのドーヴィル・パートナーシップは、2012年の成果を受けて、引き続き、パートナーシップ諸国に対して具体的な支援を行うことになるだろう。G8が行ってきた説明責任を果たすための努力を受け、本日の会合に参加した財務大臣達は、ドーヴィル・パートナーシップの下で表明されたコミットメントについて、共同説明責任の重要性を強調した。

     我々は、2013年の英国議長の下で、この重要な取組を継続することを楽しみにしている。オズボーン財務相は、2013年のパートナーシップのための英国政府の優先事項として、経済安定化を達成するためパートナーシップ諸国をサポートすること、2013年春までに移行基金の本格稼動を達成すること、EBRD設立協定改正の完全な批准、移行国・移行ビジネスによる資金調達を促進するための資本市場アクセス・イニシアティブの進展、この地域との貿易の拡大の継続を示した。


(参考1)移行基金に対する各国の拠出予定額(ファクトシートから抜すい)

  ・米国 5,000万ドル
  ・英国 2,500万ドル
  ・サウジアラビア 2,500万ドル
  ・カナダ 1,500万ドル
  ・フランス 1,000万ユーロ(1,200万ドル)
  ・日本 1,200万ドル
  ・クウェート 1,000万ドル
  ・ロシア 1,000万ドル
  ・カタール  500万ドル

 

(参考2)資本市場アクセス・イニシアティブにおける取組

(ファクトシートから抜すい)

  • 本年7月、米国は、チュニジア政府の7年もの1.69%クーポン付債券4.85億ドルに係る元利払いを保証した。この債券発行は、チュニジアにとって、2007年以来初めての外債発行となった。
  • 日本とチュニジアの両国政府は、国際協力銀行(JBIC)によって保証される日本円建て国債(サムライ債)の発行の可能性を検討している。この債券発行は、チュニジアに対して、雇用創出と経済成長を支えるためのプログラムへの投資を行うために必要な新たな資金源を与えることになるだろう。
  • EUは、欧州開発銀行(EIB)、EBRD及び世界銀行と共に、この地域において、重要なインフラ投資のためのプロジェクト・ベースの債券に対する保証を行うこととしている。
  • イスラム開発銀行は、2012年末を目途として、スクーク債(イスラム債)に対する新たな保証商品を開発することを計画している。
  • 国際金融公社(IFC)、世銀、EIB、フランス開発庁(AFD)及びECによってサポートを受けているMENA中小零細企業(MSME)ファシリティは、移行国のMSMEによるファイナンスへのアクセスを強化するためにリスク保証を提供。世銀とIFCのMSME技術支援ファシリティが、上記ファシリティへのアクセスを支援。
  • 本年6月、国際金融機関(IFIs)は、アラブ通貨基金及びEBRDによる主導の下、パートナーシップ諸国における現地資本市場の育成に向けたニーズ・アセスメントを共同で実施した。ヨルダン・チュニジアに係るニーズ・アセスメントは完成した。モロッコ・エジプトについては、2013年頭までに完成する予定である。