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20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2013年7月19-20日 於:ロシア・モスクワ)

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  1. 我々、G20 財務大臣・中央銀行総裁は、9月の首脳によるサミットの準備として、世界経済の現状を検証し、必要な政策について議論するために、会合した。

    世界経済及び強固で持続可能かつ均衡ある成長のためのG20フレームワーク

  2. 成長の強化と雇用の創出は、引き続き我々の優先課題であり、我々は強固で雇用が豊富な成長の道筋に戻るための断固たる措置をとることに完全にコミットしている。

  3. 世界経済は、引き続き弱過ぎであり、回復はなお脆弱でばらつきがある。多くの国において、失業率は過度に高い状況が続いている。米国と日本では経済活動が強まる兆しがあるが、ユーロ圏では安定の兆しがあるものの景気後退が続いており、多くの新興市場国では成長が続いているものの、そのペースはより遅くなっている。我々の政策措置は下方リスクを抑え込むことに寄与しているが、下方リスクは引き続き高い水準にとどまっており、地域の成長見通しの不均衡が拡大している。金融市場における変動の増加と金融環境のタイト化が見られる。

  4. 世界経済をより強固で持続可能かつ均衡ある成長の道筋に乗せるために、我々は政策措置を強化し、包括的なサンクトペテルブルグ・アクションプランを策定する。我々は、短期の優先課題は、雇用と成長を強化することであることに合意した。我々は、金融市場の分断化を更に減少させ、欧州の銀行同盟に向けた改革を断固として前進させ、必要な場合には金融面での支援を継続し、財政健全化計画のペースと構成を経済状況と財政余地に応じて測り、先進国において信頼に足る中期的な財政戦略を引き続き実施もしくは策定し、世界の需要をリバランスさせ、新興市場国の成長と安定及び強靭さを支援する措置を講じることにコミットしている。同様に重要なこととして、我々は、中期的な潜在成長力の強化のために、サンクトペテルブルグ・アクションプランは、生産性と労働参加及び雇用を増加させる包括的な一連の構造改革を含まなければならないことに合意した。こうした目標達成に向けて、我々は構造改革のアジェンダを検証し、我々の政策面のコミットメントと、我々共通の目標である強固で持続可能かつ均衡ある成長を達成することに明確に資する措置との間のギャップの解消に取り組むことに合意した。

  5. 先進国において、財政の持続可能性を確保しつつ、より強固で持続可能な回復を達成することは引き続き重要である。既に合意されているように、信頼に足る、野心的な各国個別の中期的な財政戦略をサンクトペテルブルグ・サミットに向けて策定することに関しては、進展がみられる。債務対GDP比を持続可能な道筋に乗せるとともに、経済成長と雇用創出を強化するために、これらの戦略は、短期的な経済状況を勘案できるよう、十分に機動的なものとなるだろう。

  6. 我々は、構造改革を通じた国内的なリバランスを含む、世界の需要のリバランスに向けた進展を加速させることを決意している。これは黒字国には国内の成長の源泉の強化を、赤字国には国内貯蓄の増加と競争力強化を求めている。我々は、根底にあるファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に一層迅速に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避けるとの我々のコミットメントを再確認する。我々は、通貨の競争的切り下げを回避し、競争力のために為替レートを目的とはしない。我々は、あらゆる形態の保護主義に対抗し、我々の開かれた市場を維持する。

  7. 金融政策は、中央銀行の各々のマンデートに従って、国内の物価安定に向けられるとともに、経済の回復を引き続き支援すべきである。我々は、非伝統的金融政策を含む緩和的な金融政策が、近年、世界経済を支援してきていることを認識している。我々は、長期間の金融緩和から生じるリスクと意図せざる負の副作用に留意する。金融政策のあり方の将来的な変更については引き続き注意深く測定され、明確なコミュニケーションが行われるであろう。我々は、資金フローの過度の変動及び為替レートの無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する。健全なマクロ経済政策と強固なプルーデンスの枠組みは、変動の可能性への対処の助けとなる。我々は引き続き金融市場の状況を注意深くモニターする。


 (以下、コミュニケ概要)

   国際金融アーキテクチャー

  • IMFのガバナンス改革については、
    ・ 2010年のIMFクォータ・ガバナンス改革の批准が緊急に必要であること、
    ・ 新たなクォータ計算式に係る最終的な合意に到達するプロセスを、第15次クォータ一般見直しに統合するとの、IMF理事会の決定を支持すること、
    ・ 2014年1月までに第15次クォータ一般見直しを完了することに引き続きコミットしており、2013年10月のG20大臣会合とIMFC会合において、主要な要素に関するものも含め、継続的な進捗を確保することを非常に重視していること、
    等を確認。

  • 低所得国に対する持続可能な貸付について、
    ・ 新たな貸付や借入が慎重に実施されなければ、債務の持続可能性に関する新たなリスクが発生しうること、
    ・  低所得国のためのIMF・世銀による債務持続性フレームワークを考慮すること、
    等を確認。

  • 地域金融取極(RFA)については、
    ・ これがグローバルな金融セーフティーネットにおいて重要な役割を果たし得るものであること、
    ・ IMFとRFAの間の対話やRFA間の対話が柔軟かつ自発的に行われることが重要であること、
    等を確認。

    投資のためのファイナンス

  • 持続可能な成長や雇用の創出のためには、インフラや中小企業などへの投資のための長期ファイナンスが重要であり、このために、
    ・ 金融規制改革が長期投資資金に与える影響についてFSBがモニターすること、
    ・ グローバルな貯蓄をインフラ等の生産的な投資のために仲介するための措置として、民間資金の動員等を通じて国際開発金融機関(MDBs)の既存リソースを最大限に活用するとともに、その貸出能力を強化するための新たなアプローチを策定すること、
    ・ 長期資金を呼び込むには投資環境が重要であることから、その改善のための更なる措置を実施すること、
    等を確認。

    税源浸食・利益移転(BEPS)への対処、租税回避に対する取組、自動的情報交換の促進、非協力的な国・地域との闘い

  • 税源浸食・利益移転(BEPS)に対処することを目的とした野心的で包括的な行動計画を全面的に支持。OECD/G20 BEPSプロジェクトの設立を歓迎し、全ての関心のある国の参加を奨励。行動計画で特定された15の課題に対処するための提案及び勧告の進展状況についての定期的な報告を期待し、必要な個別・協調的な行動をとることにコミット。多国籍企業が低税率の国・地域に利益を人為的に移転することによって支払う税の総額を削減することを国際的な及び自国の課税ルールが許容・奨励しないようにすることを要請。

  • 税の透明性の分野で達成された最近の進展を賞賛し、多国間及び二国間での自動的情報交換のための真にグローバルなモデルに関するOECDの提案を完全に支持。新しい国際基準としての自動的情報交換にコミットし、OECDの作業を完全に支持。遅滞なく多国間税務行政執行共助条約に参加することを要請。グローバル・フォーラムが11月の会合で個別的情報交換の効果的な実施に関する全体の評価付けを達成し、2014年最初のG20の会合での報告を求める。

  • マネーロンダリング・テロ資金供与対策に関する、FATF(金融活動作業部会)の作業へのコミットメントを再確認する。

    金融規制・金融包摂

  • バーゼルローマ数字3の実施に関しては、4月のG20以降更なる進捗があったが、まだ規制を最終化していない国・地域も、2013年中のできるだけ早い時期の最終化にコミットした。また、バーゼルローマ数字3の枠組みのうち検討中の課題(レバレッジ比率及び安定調達比率)について、BCBS(バーゼル銀行監督委員会)の作業の最終化を期待。

  • FSB(金融安定理事会)が策定した「実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性(Key Attributes)」と整合的な、銀行以外のシステム上重要となり得る金融機関に対する強固な破綻処理制度及び処理計画の策定に向けた作業を強く支持。銀行構造改革は、破綻処理のし易さを高め得るものであり、そのクロスボーダーの整合性とグローバルな金融の安定に与える影響を、国ごとに特定の状況を踏まえつつ、評価することをFSB等に要請。

  • G-SIIs(グローバルにシステム上重要な保険会社)については、IAIS(保険監督者国際機構)及びFSBによる、政策パッケージ最終化に向けた作業を支持。G-SIIsの最初のリストの公表を歓迎。G-SIIsに対するより高い損失吸収力の要件の基礎となるものとして、グループの活動全てを対象とする簡明な資本要件を2014年のG20サミットまでに最終化するというIAISの計画を歓迎。

  • OTCデリバティブ改革の実施に関して、引き続き進捗があったが、規制の整合性をさらに高めるためにはまだ課題が残されており、必要な規制を速やかに導入することにコミット。特に、OTCデリバティブのクロスボーダー問題に係る最近の欧州・米国による声明は、残るクロスボーダー規制の抵触、不整合、ギャップ及び重複の解決に向けた下準備となる建設的な第一歩である。改革の実施に向け更なる対策が必要であり、主要な規制当局者に対し、これらのクロスボーダー問題の解決方法を9月のサミットまでに報告するよう要請。規制当局は、本国規制枠組みを十分尊重しつつ、規制の効果に着目して、相互の規制及び執行枠組みの質により正当化される時は、国によって差別されることなく相互の規制に委ねることに同意。

  • IOSCO(証券監督者国際機構)による金融指標に関する原則の策定を歓迎。FSBの金利指標に関する必要な改革のための作業を調整するとともに、市場参加者グループの作業を指導する公的部門運営グループの設立を歓迎。

  • その他、グローバルLEI財団の設立、シャドーバンキングの規制・監視の強化、会計基準の収斂、格付機関による格付への依存の低減等の各金融規制改革の課題の更なる進捗を期待。

  • 「金融包摂」「金融教育」「金融消費者保護」については、各国際機関によるこれまでの作業の進捗を歓迎し、更なる取組みを要請。