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20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2015年2月9-10日 於:トルコ・イスタンブール)

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  1. 我々は、いくつかの主要国における、成長や雇用に対する好ましい見通しを歓迎する。しかしながら、世界経済の成長には依然としてばらつきがあり、特にいくつかの先進国、とりわけユーロ圏と日本において、回復は続いているものの、緩慢である。低所得途上国の成長見通しが最近やや緩やかになりつつも、引き続き強固である一方、いくつかの新興市場国は、国及び地域間の大きなばらつきを伴いつつ、減速しつつある。いくつかの国で、潜在的な成長が下落し、需要が引き続き弱いままで、雇用の見通しが依然として厳しく、所得の不平等が高まっている。更に、世界の貿易の伸びは、引き続き、危機以前の平均と比較して低いままである。これを背景に、我々はこれらの課題を克服するとともに、強固で持続可能かつ均衡ある成長を達成し、雇用を創出し、包摂性を促進するという、我々の首脳によるコミットメントを達成することを決意している。

  2. 我々は、供給及び需要要因の双方を反映した石油価格の急激な下落が、国毎に異なる影響を及ぼすものの、世界経済の成長を後押しすることに留意する。特に、石油価格の下落は、石油輸入国の購買力を増加させ、一時的であるもののインフレ率に対して下方圧力を生じさせる。しかしながら、石油価格の見通しは不確実なままである。したがって、我々は、引き続き、一次産品市場の推移及びそれが世界経済に与える影響を注視していく。

  3. いくつかの先進国における、遅い成長と長期化した需要の弱さを伴う、長期化した低インフレは、継続的な経済停滞のリスクを増加させうる。したがって、我々は、金融政策及び財政政策の在り方を継続的に見直し、必要な場合には、断固として行動していく。

  4. 我々は、いくつかの国では、中央銀行のマンデートと整合的に、現在の経済状況が緩和的な金融政策を必要としていることに合意する。この観点から、我々は、中央銀行が適切な金融政策行動を採ることを歓迎する。ECBが採った最近の政策決定は、物価安定のマンデートを果たすことを目的としており、ユーロ圏の回復を更に支援する。我々はまた、成長見通しがより強固ないくつかの先進国において、金融政策の正常化を許容する状況に近づきつつあることに留意する。金融政策の在り方が一様でなく、金融市場の変動が高まる環境下において、金融政策の在り方は、負の波及効果を最小化するために、注意深く測定され、明確にコミュニケーションが行われるべきである。

  5. 財政政策は信認の構築及び内需の支えの双方において重要な役割を果たす。我々は、債務残高対GDP 比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるために、短期的な経済状況を勘案して機動的に財政政策を実施するという、我々の首脳の合意を実行する。ケアンズにおいて、我々は、成長に対する我々の財政戦略の貢献を高めるために、政府支出や税の構成及び質の変化について検討することに合意した。この観点から、我々は、石油価格の低下が、自国の財政政策を見直す機会を、いくつかの国に提供することに留意する。我々は、現在の石油価格の低下を利用して、投資及びより良く対象を絞った社会移転のために、非効率的な化石燃料補助金を更に削減した国々の行動に留意する。

  6. 我々は、マクロ経済政策及び構造政策の効果的な実施及びコミュニケーションを通じて、信認を高め、脆弱性を減少させる、G20の主要な役割を認識する。この目的のため、我々は、引き続き、世界経済における主要なリスクシナリオを評価し、警戒を続ける。我々は、資金フローの潜在的な変動への対処の助けとなる、健全なマクロ経済政策、構造改革及び強固なプルーデンスの枠組みの役割を認識する。我々は、我々の国内政策から生じる波及効果に対応するためにも協力する。我々は、我々の以前の為替相場のコミットメントを遵守し、保護主義に対抗する。

  7. ブリスベンにおいて、我々の首脳は、シドニーの成長目標を達成し、強固で持続可能かつ均衡のある成長の達成に向けて我々が直面する課題の克服の助けとなる、包括的な成長戦略を公表した。我々の成長戦略は、投資を促進し、雇用と労働参加を引き上げ、貿易を向上させ、競争を促進する、多数のマクロ経済改革及び構造改革のコミットメントを含む。これらは、潜在成長を高めるために不可欠である。我々は、状況が変化しても、我々の戦略が引き続き適切であることを確保するよう、戦略を見直す。我々は、我々の目標を達成するために、対外不均衡を減少させる施策を含め、我々の成長戦略を、効果的、かつ適時に実施することにコミットしている。我々はまた、所得の不平等に対処する政策などを通じて、成長が包摂的であることを確保することに努力する。このように、我々は、互いに責任を持ち、我々全体の成長目標に向けた進捗を注視するような強固な枠組みを構築することに合意した。我々は、我々の成長戦略全体を実施することに引き続きコミットしている一方で、成長にもっとも大きな影響をもたらす主要なコミットメントに主として焦点を当てることにより、監視の仕組みを確立する。我々は、アンタルヤ・サミットにおいて、我々の成長戦略の実施に関する最初の説明責任報告を提示する。 

  8. 我々は、我々全体の成長目標も支える具体的かつ野心的な投資戦略を通じて、投資を促進することにコミットしている。これらの戦略には、ビジネス環境の改善や金融仲介の促進を更に進める一連の政策措置が含まれる。我々はまた、国際開発金融機関(MDBs)に対し、資金及び技術的専門性を動員し、インフラへの投資等のためにバランスシートを最適化するよう求める。我々は、民間部門の更なる参加を呼び込むために、公共投資プロセスの質の改善、融資可能なプロジェクト数の増加、そしてPPPモデルの改善、を進める方策を引き続き促進する。我々はまた、低所得途上国のインフラに対するニーズを満たす、プロジェクト計画を強化するための政策措置を強調する。我々は、中小企業の資金状況や投資環境を改善することを、特に強調する。我々は、機関投資家からの長期資金を促進し、証券化を含む、市場における資金調達を促進することに努める。我々は、インフラをアセットクラスとして促進するために、透明で、アセットベースの金融構造を含む、新たな金融モデルに対する役割の増大を奨励する。我々は、知識共有のプラットフォームの構築、データ不足への対処、そしてインフラプロジェクトの統合データベースの構築などを通じて、グローバル・インフラストラクチャー・イニシアティブ(GII)に示されている我々の目標の達成に貢献する、グローバル・インフラストラクチャー・ハブ(GIH)の早期の稼働を期待している。

  9. 我々は、2010 年に合意されたIMF クォータ・ガバナンス改革や新たなクォータ計算式を含む第15 次クォータ一般見直しの進捗が遅れ続けていることに、引き続き深く失望している。IMFの信頼性、正当性、有効性に対する、これらの改革の重要性を認識しつつ、我々は、改革の最も早い実施が、引き続きIMF に対する我々の最優先課題であることを再確認する。我々は、引き続き、米国に対し、2010年改革を可能な限り早期に批准することを強く促す。ブリスベンにおいて我々の首脳から要請されたとおり、IMFは次のステップについての選択肢に関する議論を開始した。我々は、いかなる選択肢も、2010年改革の完全な実施に向けた有意義な、つなぎのステップとなるべきであり、代替としてみなされるべきでないことに合意する。我々はIMFに対し、4月の議論のために、選択肢についての更なる作業を求める。我々は、システム上の責務を果たすために十分な資金基盤を備え、強固でクォータを基礎とするIMFを維持することに引き続きコミットしている。我々は、IMFによる本年行われる5年毎のSDR見直しに期待する。

  10. 我々は、金融改革における課題の達成に向けて大きな進展を遂げてきており、また、本年は残されている中核的な要素を最終化することにコミットしている。特に大き過ぎて潰せない問題への対処、中でもグローバルなシステム上重要な銀行の総損失吸収力について提案された共通の国際基準を、新興市場の銀行に対して起こる影響を含む厳格な定量的影響度調査の完了の後、アンタルヤ・サミットまでに最終化することについて、重要な段階が未だ残っている。我々は、銀行セクター及び保険セクター以外のシステム上重要な金融機関を特定するための手法を、2015年末までに最終化し、その後、適用される政策措置を策定する。我々は、これまでに合意した改革の適時、完全かつ整合的な実施が重要であることを認識している。特に、我々は、破綻時にシステミックになり得る金融セクターの全ての部分に対して「実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性」を実施することにコミットしている。我々は、特に破綻処理と速やかな実施が求められている店頭(OTC)デリバティブ市場改革の分野において、規制がより実効的となるようクロスボーダーの協力を強化する。我々は、国・地域が、サンクトペテルブルク宣言に則り、正当化される時には、相互の規制に委ねることを奨励する。我々は、実施の進捗及び金融規制改革の効果を扱ったFSB(金融安定理事会)の年次報告書を期待している。我々は、FSBに対し、多くの場合銀行システムの外部で生じ得る、新たなそして生成中の金融リスクを引き続き監視し、対処していくことを求める。この点につき、我々は、強じんな市場型金融の確保に対してもたらすシステミックリスクに見合うようにシャドーバンキングの監視と規制を更に改善するため、ブリスベンで合意されたシャドーバンキングの更新されたロードマップを実施する。我々は、市場における不正行為や、特定種類の顧客との取引関係を終結又は制限するという金融機関の近時のすう勢について、懸念を有している。我々は、金融包摂や金融の安定への潜在的な影響を考慮しつつ、こうした状況の推移を注意深く監視する。

  11. 我々は、国際課税ルールを現代化することにより国境を越える租税回避に対処することへの我々の決意を示し、G20/OECD税源浸食・利益移転(BEPS)プロジェクトに対する全面的な支持を再確認する。我々は本年末までに、BEPS行動計画による成果物を取りまとめる。我々は、租税条約に関連したBEPS対策の実施を効率化する多国間協定の策定のための枠組みを支持する。我々はまた、国境を越える脱税を防止するため、税に関する透明性を強化するという我々のコミットメントを再確認する。要請に基づく情報交換に関し、我々は全ての国・地域にグローバル・フォーラムの基準を完全に順守し、税務行政執行共助条約に加わるよう促す。我々は、合意された期限内に自動的情報交換を開始するために、所要の法制手続の完了に向けて取組む。我々は、新たな基準の世界規模での実用的かつ完全な実施を期待するとともに、全ての金融センターを含む、全ての国にとって、自動的情報交換を達成可能なものにするという我々のコミットメントを再確認し、パイロット・プロジェクトを支持する。我々は、途上国の懸念に対処することを確保しつつ、BEPSプロジェクトへの途上国の直接的な関与を歓迎するとともに、彼らの適用のタイミングがその他の国々と異なりうることを認識する。我々は、途上国によるBEPSへの対抗策の実施を支援するための、ツールキットの準備に関する進捗を注視する。我々は引き続き、途上国の能力強化のための支援を行う。我々は実質的所有者の透明性に関するG20ハイレベル原則を実施する。

  12. テロリストの行動が我々の社会・経済に与え得る影響を考慮し、我々は、協力を深めることにコミットするとともに、関係する国際基準の遵守、特に情報交換及びテロリストの資産凍結に関する国際基準の遵守を加速させることを全ての国に対して強く促す。

  13. 我々は、ポスト2015年開発アジェンダの実施に向けて、2015年7月にエチオピアのアディスアベバで開催される予定の第3回開発資金国際会議が、成功裡に終わることを支持する。

  14. 我々は、エボラの影響を受けた国に対する、エボラ危機の経済的影響の対処、及び将来の国際保健における緊急事態に対するリスク管理の強化、などの国際機関による支援の進捗を歓迎する。特に、我々は、IMFの大災害抑制・救済基金と、世界銀行グループのパンデミック緊急ファシリティの推進に係る進捗を歓迎する。

【付属文書】(抜粋)

  • 我々は、金融活動作業部会(FATF)及びFATF型地域体に対し、テロ資金に特に焦点を当て、今後の作業において更に連携し、そして、テロ資金や資金洗浄の目的で悪用されるリスクを減じるために、決済システムの透明性を向上させるためのガイドラインを策定することを求める。我々は、2015年10月までに、それまでの進捗及び、テロ資金対策に関するあらゆる手段の強化に向けた提言を報告するよう求める。