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第10回ASEM財務大臣会議 議長声明のポイント(2012年10月15日、タイ・バンコク) 

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  1. 第10回ASEM財務大臣会合は、2012年10月15日に、ASEM加盟41ヶ国、欧州委員会(EC)、欧州委員会委員(経済・通貨担当)(European Commissioner for Economic and Monetary Affairs and the Euro)の参加を得て、タイのバンコクで開催。会合には、バングラデシュ、ノルウェー、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)、アジア開発銀行(ADB)、欧州中央銀行(ECB)、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行(WB)も出席。

  2. キティラット副首相兼財務大臣は、ASEM加盟国間の相互連結を強調し、1997年のアジア通貨危機の際のように、この困難の時を共に克服するために、アジア・欧州両地域がより緊密になることを要請。また、アジア・欧州両地域間で、特に直接投資と証券投資について、ますますグローバル化する世界から分かち合い、得られるように健全な関係構築を達成すべく、貿易・投資の流れがより円滑化し自由になることを要請。

  3. 両地域がより密接に関与しあう必要性が高まるなか、「ダイナミックなパートナーシップの強化、ダイナミックな成長の共有」のテーマの下、大臣達は、アジアと欧州が現在の世界的な危機への対応ならびにより強固で持続可能かつ均衡ある成長への道筋の整備にあたっての、広範な課題について包括的かつ実り多い議論を展開。

  4. 経済・金融面の進展とアジア・欧州経済の見通し

  5. 大臣達は、アジアと欧州における最近の経済・金融面の進展と加盟国の経済見通しについて意見交換を実施。大臣達は、世界経済の成長は減速し、依然大幅な不確実性と下方リスクが残っていることに留意する一方で、欧州経済が徐々に現在の危機から回復するであろうと期待し、この危機に対応するために取られた行動を歓迎し、これらは欧州以外の世界への影響も緩和する。大臣達は、欧州のASEM加盟国による成長に融和的な形の、差別化された財政再建や、成長を強化する政策および構造改革の完全な実施を支持した。

  6. 大臣達は、地域の一体性及び安定性を守ること、域内の不均衡を減じること、及び、最近の欧州安定メカニズム(ESM)の発足を含む金融市場の機能改善を目的とした欧州機関による行動を歓迎。

  7. 大臣達は、アジア新興国の健全なパフォーマンスを強調。短期的な優先分野と中期的な目標の間のギャップを効果的に橋渡しするために、大臣達は、国内需要と成長を喚起させるために、財政的余力のある国がさらに個人消費を強化させるとともに、構造改革を実施することによる世界的な取り組みにおける、新興国の役割を強調。さらに大臣達は、1997年のアジア通貨危機以降、過度のエクスポージャーを回避するために、リスク管理に関する最良の慣行がアジアの銀行セクターにおいて広範に受け入れられ、財政スタンスも多くの諸国でプルーデントになったことに留意。

  8. 大臣達は、両地域が経済的に相互依存していることを認識し、アジアと欧州双方にインパクトとなりうる、金融市場及び一次産品市場の変動によるリスクについての懸念を表明。この点に関して、大臣達は関係する国際機関に対し、そうした変動をもたらす要素の深い分析を継続し、そのようなインパクトを最小化するための可能なオプションを示唆することを要請。

  9. 大臣達は、世界経済の回復のために一次産品市場の安定を維持する重要性を認識。完全に機能し透明性のある一次産品市場と、食糧及びエネルギーの安全保障ならびに強固で持続可能かつインクルーシブな成長を達成するために、過度の価格変動を減じることの重要性を強調。

  10. グローバルな金融安定を確保する上での、アジア・欧州の地域金融アレンジメントの役割

  11. 大臣達は、地域における主要な危機管理アレンジメント、即ちチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)と欧州安定メカニズム(ESM)、及びその前駆である欧州金融安定ファシリティ(EFSF)に関する最近の進展について、余すところなく議論。一時的な国際収支の問題と短期流動性への対応を目的とするCMIMは、ASEAN+3諸国の緊密な経済金融協力の主要な成果物。2010年6月に欧州諸国に安定化のための支援を用意するための一時的なファシリティとして組織されたEFSFを、10月8日に恒久的メカニズムであるESMが後継。EFSFは、これまでに、ユーロ圏全体の安定を守る重要な役割を発揮。アジアと欧州の地域金融アレンジメントには多くの異なる点はあるが、大臣達は、そのような恒久的なアレンジメントが存在することは、将来的な地域金融の安定性における危機に対応する際に有用かつ効率的であると共通に認識し、それが、両地域の緊密な経済に包含されていることの重要性を認識。

  12. 大臣達は、本年5月にマニラで開催されたASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議における、全体規模の倍増、IMFデリンク割合の引上げ、危機予防機能の導入によるCMIM強化に関する合意を歓迎。大臣達は、ASEAN+3が同会議において、AMROを国際機関化することで地域サーベイランス機能をさらに強化させ、最終的に地域経済のよりよいモニタリング及び分析、早期のリスク検出、さらにはCMIMのより効果的な意思決定に貢献することに合意したことに留意。

  13. 大臣達は、両地域間における金融協力の更なる強化が必要であると認識。金融監督、地域金融アレンジメントに係る知見の共有、多国間のサーベイランス等は、このような協力を促進する主要な処方策と思料。大臣達は、関連する国際機関に対し、両地域における経済統合から得られた教訓に関する研究を行うことを要請。

  14. 大臣達は、地域金融アレンジメントの強化は、IMFの役割とともに、危機の予防と解決に重要な役割を果たすと認識。大臣達は、IMFと地域金融アレンジメントとの間のさらなる協力を通じて国際金融セーフティ・ネットをさらに強化するために、IMFが行った取り組みを歓迎。また、4,610億米ドルまで利用可能となったIMFの資金基盤強化、及び、IMFの強化されたサーベイランス枠組みの公平かつ効果的な実施を期待。大臣達は、2010年に合意されたIMFのクォータ及びガバナンス改革を完了することの重要性を再確認し、まだ行っていないIMF加盟国に対し、それを行うために必要なステップを取るように要請。

  15. 大臣達は、成長と雇用を促進し、回復を強化し、金融市場の緊張に対処するために共に行動するとの、2012年6月のG20ロスカボス・サミットの決意を支持。また、多国間主義が現下の環境においてより一層重要であることを認識し、国際通貨金融システムの安定性の強化、及び、将来の危機予防に貢献するものとして、G20が行ってきた取り組みとイニシアティブを支持することにコミット。

  16. 域内投資貿易を推進するための、アジア・欧州のパートナーシップ

  17. 大臣達は、市場経済、開放的な多角的貿易体制、無差別的自由化、開かれた地域主義を通じ、地域間相互の投資・貿易を強化するコミットメントを再確認。WTOドーハ・ラウンドの成功裡の妥結を確保する取組みの継続を奨励し、新たな輸出規制及びWTOと非整合的な措置を含め、あらゆる形態の保護主義に断固として対抗することにコミット。

  18. 大臣達は、両地域間の投資・貿易における手つかずの潜在性を認識し、ユーラシア大陸を貫く結びつきを強化する方策を探求し、関連する金融面の環境を改善することにより、そのような地域間のリンクをさらに促進することを決意。大臣達は、両地域間の投資と貿易を広げるために、欧州とアジアの中小企業を含むビジネスと民間部門に相互の協力を前進させることを奨励。また、さらに双方向間の投資と貿易を促進するために、広く存在する政府レベルでの障害を特定し除去することの重要な役割を認識。

  19. 大臣達は、インフラ投資は、成長の長期的なエンジンになり得、貧困と開発ギャップを減じ、世界的な貿易と成長の繁栄を増大させ、世界経済のリバランシングに貢献しうると認識。インフラ案件におけるPPP(Public-Private Partnership)の実施に対する強力かつ継続的な支持を改めて表明し、PPPファイナンシングにとっての環境改善が、両地域の発展のペースを押し上げることに留意。大臣達は、両地域におけるこの効果的なファイナンシング・アレンジメントの採用を奨励するために、ASEM加盟国間のより緊密な協力の必要性を支持。

  20. アジアと欧州の協力的なパートナーシップ

  21. 大臣達は、特に、貿易円滑化とサプライチェーン・セキュリティや、知的財産権の侵害への対応、社会及び環境の保護、ビジネスの関与を含む、ASEM関税局長・長官会合における進展を歓迎。

  22. 大臣達は、2012〜13年に、ASEM税関作業部会が、税関事項に係る貿易円滑化行動計画、税関共同オペレーション、偽造品の流通と経路に係るとりまとめ、民間セクター(知的財産権利者)との協力、持続可能な森林管理の支援における税関の役割、官民対話、認定事業者(AEO)制度に係る勧告の実施フォローアップを含む優先項目の進展をさらに支援する活動に焦点を当てることに留意。

  23. その他議論及び今後の会合予定

  24. 第11回ASEM財務大臣会合は、イタリアの議長の下、2014年に開催。大臣達は代理に、次回会合のアジェンダを作成するよう要請。今次会合の結論は、11月5〜6日にラオスのビエンチャンで開催される第9回ASEM首脳会合への、財務大臣からのインプットを構成する。

  25. 大臣達は、第10回ASEM財務大臣会合を、財務省を通じて主催したタイ政府、及び、バンコク市民の暖かく親切なホスピタリティに謝意を表明。