第8回ASEM財務大臣会議 議長声明のポイント(2008年6月16日、韓国・済州島)
| 第8回ASEM財務大臣会議 議長声明のポイント (2008年6月14〜17日 於:韓国、済州島) |
冒頭 | |
| 1. 第8回ASEM財務大臣会議は、6月14日から17日に、アジア16カ国、欧州連合27カ国、欧州委員会等の参加を得て、韓国済州島で開催。ブルガリア、インド、モンゴル、パキスタン、ルーマニア及びASEAN事務局の新規参加を歓迎。 | |
| 2. 李明博韓国大統領は、各国財務大臣を歓迎するとともに、世界経済が直面しているマクロ経済上の課題に対応していく為に積極的な役割を果たすよう求めた。また、大統領は、アジア・欧州の両地域の繁栄の為、協力と相互理解を更に強化していくことを要請。 | |
世界及び地域の経済と政策対応 | |
| 3. 世界経済は困難な時期に直面。長期的な見通しは引き続き堅調であるが、短期的見通しは弱まっている。米国経済の減速、信用状況のタイト化、エネルギー及び食料価格高騰によるインフレ圧力の高まりが下方リスク。 | |
| 4. アジア・欧州の経済は、構造改革及び適切なマクロ経済政策の実施により、10年前と比較して脆弱ではなく、急激な外的ショックに対して著しく強靭なものとなっている。しかし、グローバルな経済リスクからは完全に免れ得ない。 | |
| 5. 金融市場の混乱に対するアジア・欧州各国の時宜を得た措置を評価。金融市場の混乱に対処する為の金融安定化フォーラムの勧告を歓迎。勧告の迅速な実行は、国際金融システムの抵抗力を長期的に強化するだけではなく、信頼の維持と市場機能の向上を支援。経済活動を安定的なペースで維持していく為、健全かつバランスのとれた財政・金融政策が必要であり、各国及び地域レベルで、強力かつ一貫した対応をとっていくことにコミット。 | |
| 6. 一次産品価格、特に原油・食料の急激な価格上昇、及び、それが世界的なマクロ経済の安定性、最も社会的に弱い人々に与える影響を懸念。国際的に協調した政策対応をとることの必要性、特に農業・エネルギー部門での投資増強、市場の開放性堅持を含む、最貧困層への影響を緩和していくことの必要性に合意。最近の一次産品価格の高騰の背景にある実需・金融両面の要因、それらの価格の変動、及び世界経済への影響について更に分析する必要性を強調。 | |
| 7. 開かれた貿易・投資体制の維持は、世界経済の繁栄を実現し、保護主義と闘う上で決定的に重要。ドーハ開発アジェンダの成功裡の妥結が喫緊に必要。 | |
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| 8. 欧州の経験は、アジアの地域金融協力強化の取組みにとって有意義。欧州統合プロセスの中でも、10周年を迎えたユーロの導入及び欧州中央銀行設立は輝かしい業績。関税同盟から、単一市場、そして経済通貨同盟へと進展した欧州統合は、現実的かつ段階的なアプローチとして評価。 | |
| 9. アジアで進められている、チェンマイ・イニシアティブ(CMI)等の金融協力は、欧州の経験に学びつつも、アジア特有のアプローチ。このような金融協力は、現実的方法で、各国当局間の信頼醸成並びにより緊密な対話及び有効な域内サーベイランス・システムの土台形成に資する。CMIマルチ化は、アジアでの統合プロセスの新たなモメンタムであり、域内サーベイランスの為の有効なフレームワークを提供し、通貨の混乱に対抗する有効なメカニズムとなり得るものであり、このようなマルチ化に向けた取組みを歓迎。 | |
| 10. アジアが通貨・金融協力の強化に努めることが重要。域内の金融の安定は、アジア経済の強靭性を高め、国際金融システムの機能を強化し、世界経済・金融の調整を促す。アジアの金融統合が、地域の更なる安定をもたらすとともに、不確実性を減らし、経済成長を促進するものと認識。 | |
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| 11. インフラの整備は経済成長及び社会開発の為に重要な役割を果す。官民連携(PPP)の為の環境を整えることがインフラ整備を強化。ASEMメンバー間の緊密な協力によって、PPPに係る経験の共有を進め、インフラ整備においてPPPの活用を促していく。 | |
| 12. インフラ分野におけるPPP促進の為には、人材育成に加え、関連情報・知識の共有が重要であり、PPPに係る相互協力を強化していく為の済州イニシアティブを歓迎。同イニシアティブのもとで、情報共有の促進、教育・訓練プログラム、技術協力等の相互協力が進められていく。 | |
| 13. 中小・零細企業金融は、途上国及び先進国において、経済開発及び社会的結束強化の為の有効かつ強力な手段。中小・零細企業金融業の長期的な持続可能性及び効率性確保の為、公的部門が、民間の活力と市場メカニズムを活用していくことが必要。公的部門は、中小・零細企業金融業のニーズ・特性を踏まえつつ、現実に即した法制度整備に努める。 | |
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| 14. 国連気候変動枠組条約の下でのポスト京都議定書に関する議論の進捗に留意するとともに、バリ・ロードマップの採択を歓迎。同条約の完全な、実効的かつ継続的履行を推進する為の協力を更に強化していく。 | |
| 15. 将来の成長への影響を最小限としつつ、温室効果ガスの排出コストを効果的に軽減する為、市場指向型の対応方法について更に検討を進めていく。自然災害による損失の軽減及びリスク分散の為、天候ディリバティブや大規模災害債券(カタストロフィ・ボンド)等の金融商品を検討。MDBsとの協力の下、既存の二国間及び多国間の努力を補完する、新たな気候投資基金(CIFs)の立ち上げの議論を歓迎。 | |
| 16. 途上国が経済成長・発展を確保できるような政策を策定していくことが重要であり、気候変動に対して時宜を得た行動をとることは経済的利益をもたらす。費用効率が良く、公平な政策や市場の形成育成を含む、京都議定書に続く2012年以降の取り決めに向けての地球規模の交渉を引き続き支持する。 | |
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| 17. ASEM対話ファシリティーの創設や、ASEM財務大臣会議に併せて開催されたASEMカンファレンス等、アジア・欧州間の協力関係強化に向けた努力を歓迎。 | |
| 18. ASEM税関ワーキング・グループによる安全かつ円滑な貿易に向けた継続的努力及び2007年11月に横浜で開催された第7回ASEM関税局長・長官会議の結果を歓迎。知的財産権保護、環境保護等におけるASEM税関当局の更なる協力強化が重要。 | |
次回会合等 | |
| 19. 次回ASEM財務大臣会議は、2010年にスペインで開催されることに合意。第8回ASEM財務大臣会議のメッセージは、北京で開催される第7回ASEM首脳会議に報告される。 | |
| 20. 韓国政府による今回の財務大臣会議開催に際しての準備等及び済州島の人々の暖かい歓待に謝意を表明。 | |
