第1回ASEM蔵相会議議長声明(抄訳)(1997年9月19日 タイ・バンコク)
第1回ASEM蔵相会議議長声明(抄訳)
タイ・バンコク
1997年9月19日
○ 第1回ASEM蔵相会議を1997年9月19日タイ・バンコクにて開催。「更なる成長のためのアジア・欧州間の新たな包括的パートナー・シップ」とのASAM首脳ビジョンの実現という、ASEM蔵相の重要な役割をタイ首相は強調。
マクロ経済情勢・外為市場の発展・EMUに係る意見交換
○ 幾つかのアジア諸国で昨今経済活動の減速が見られるものの、中短期的見通しは依然として良好であることを留意。EU諸国は財政・金融面での収れんに向けてかなりの進展を達成。持続可能な経済成長のための適切な財政・金融政策に基づくマクロ経済の安定と補完的な構造調整の重要性を認識。経済的相互依存の高まりに鑑み、適切な場合には、マクロ経済政策に係るアジア・欧州間の協議の強化が重要。
○ 国際的資本移動急激に増加する中、十分に適合した為替制度と共に、適切なマクロ経済政策の維持が外為市場の安定に最も重要な基礎であることを強調。
○ EMUが世界最大の経済地域の1つとなり、ユーロが貿易・投資・金融面での世界的通貨としての重要な役割を担うであろうことを留意。また、日本の抜本的金融システム改革がアジア経済における建値通貨の更なる多様化に資するであろうことにも留意。
○ 十分に発展した国内金融・資本市場が、インフラストラクチャー投資への長期資本利用を可能とし、かつ活性化させるという重要な役割を有していることを認識。この観点から、ASEMビジネスフォーラム・インフラ作業部会による昨今の取り組みを歓迎。
金融セクターにおける発展と強調
○ 監督当局は金融市場の新しい動向に通じている必要があり、また、リスクを軽減し安定性を促進すべく国際協調が強化されるべき。
○ BIS加盟国の拡大や、新規借入取極の創設等に見られるような、アジア新興市場経済の統合に向けての昨今の国際的取り組みを歓迎。バーゼル委の「コア・プリンシプル」に係る報告及びG10作業部会の新興市場経済の金融安定に係る報告を歓迎。資本勘定の自由化に係るIMF協定改正の取り組み、及び、クォータの適切な増加・配分とSDR配分に係る合意を目指した取り組みを評価。
○ アジア・欧州の金融監督当局間の更なる協調の余地の存在を認識。国際的に議論されている金融問題につき、アジア・欧州の金融監督当局間で定期的に協調すべきとの点に合意。
○ 世界における金融センターの相次ぐ勃興に伴い、欧州・アジア双方にとってのマネー・ロンダリングが深刻な問題となっていることに合意。FATFの40の勧告の枠組下でのマネー・ロンダリングの防止に関するより密接な協力の必要性に合意。
○ WTO金融サービス交渉を本年12月までに、大幅に改善された市場アクセスに係るコミットメントと広範な参加を得て、成功裡に決着させることの重要性に留意。斬進的自由化の原則に留意しつつ、WTO加盟国による金融部門の一層の自由化を歓迎。金融自由化は、健全なマクロ経済環境の下では、投資の増加や金融安定を促すことに留意。
税関協力
○ ASEM関税局長・長官会議の著しい成果を歓迎。税関手続及び監視の分野における関税局長・長官会議の活動を承認し、情報交換、経験の共有、研修プログラム、近代的な取締技術の開発、及びアジア・欧州間の貿易の円滑化に向けた税関関連業務の進展に係る今後の活動をサポートすることに合意。
バンコクにて合意されたイニシアティブ
○ アジア・欧州間の金融部門における更なる協調の促進、及び「更なる成長のためのパートナーシップ」との首脳ビジョンに貢献すべく、以下のイニシアティブに合意。
・ユーロ及び世界・アジア金融市場におけるユーロの含意に係るASEMでの議論
・マネー・ロンダリング防止のためのASEM内協力の強化
・ASEM蔵相間のコンピューター・コミュニケーション・ネットワークの検討
・金融監督・規制に係る協調の強化
・マクロ経済政策協議の促進
・ASEM税関協力の強化
今後の会議予定等
○ 本会議の議論を、1998年4月開催予定の第2回ASEM首脳会議へ報告。第2回ASEM蔵相会議を1999年EU内にて開催することに合意。
