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第18回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議共同声明(2015年5月3日於アゼルバイジャン・バクー)

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ローマ数字1. 序

  1. 我々は、第18回ASEAN、中国、日本、韓国(ASEAN+3)財務大臣・中央銀行総裁会議を、マレーシアのアフマド・フスニ第2財務大臣及び韓国のチェ・ギョンファン経済副総理兼企画財政部長官の共同議長の下、アゼルバイジャン・バクーにて開催。本会議には、アジア開発銀行(ADB)総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)所長、ASEAN事務局次長、国際通貨基金(IMF)副専務理事も参加。

  2. 我々は、最近の世界・地域経済の情勢及び政策運営につき意見交換。チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)、AMRO、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)、将来の地域金融協力、ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)、ASEAN+3新イニシアティブの分野を含め、前回の我々の会合以降の金融協力の進捗をレビュー。また、地域金融協力の更なる強化策について議論。 

 

ローマ数字2. 最近の地域経済・金融情勢

  1. 我々は、ASEAN+3地域が昨年に比較的高い成長を遂げ、また、2015年もそのモメンタムを維持することが見込まれることを歓迎。これは、米国の強い需要や原油価格下落といった外的要因のみならず、継続的な構造調整の取組によってもたらされたマクロ経済政策の適時な実施によって堅調な内需に牽引されるところも大きい。

  2. 我々は、先進国における金融政策の変更は、金融政策の在り方が一様でなく、金融市場の変動が高まっている現在の環境において、明確に伝達され、我々が影響を緩和する施策を取ることを助けるよう、世界経済に与える影響を鋭敏に認識しながら実行されるべきと認識。

  3. 我々は、経済環境の変化によって生じた新たな問題に予防的に対処し、同時に既存のリスクや脆弱性に一貫して対処していく必要性に留意。世界の豊富な流動性や高水準の公的・民間債務とともに、資本流出により引き起こされる潜在的な市場変動や資産価格の下落に対して、十分注意を払う必要がある。また、予期せぬ原油価格の下落はほとんどの国に恩恵をもたらしてきたが、原油価格急騰の可能性は除外できない。

  4. 我々は、我々の経済の回復力と潜在的成長力を高めるために必要な構造調整の実施にコミット。更に、大規模かつ変動しやすい資本フローから生じるマクロ経済や金融の安定性リスクに対処しつつ、必要なマクロ経済政策調整は、適切なマクロ・プルーデンシャル政策や資本フロー管理政策により支えられ得る。我々は、継続した地域金融協力を通じて、外的ショックに対する域内の対応を強めるべく努める。

 

ローマ数字3. 地域金融協力の強化

【チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)】

  1. 我々は、CMIMの円滑な運営のための体制整備を確実にすることに加えて、地域の金融セーフティネットの不可欠な一部として当該メカニズムを一層強化することに対して引き続きコミット。この点に関して、我々は、2014年7月17日に発効したCMIMの改訂契約を歓迎。我々はまた、CMIM運用ガイドラインの強化、様々なシナリオの下でのCMIMテストランの実行、CMIMの平時の準備作業の着手といった代理による成果を歓迎。我々は、CMIMの円滑な運営のための体制整備を確実にするというコミットメントを再確認し、代理に対して、AMROと協力してこれらの作業を進めていくことや得られた教訓を運用ガイドラインへ反映することを課した。

  2. 2014年7月に発効したCMIM危機予防機能の導入に伴い、メンバー国経済がCMIM危機予防機能を利用するための適格性審査枠組みを開発し運用可能とすることが極めて重要。この点に関して、我々は、全てのASEAN+3メンバー国の主要な経済・金融指標により構成される「経済情勢に関する政策対話(ERPD)マトリクス」に基づき、CMIM危機予防機能の適格性指標を更に発展させるための代理とAMROによる継続的な作業を歓迎。我々は代理に対して、AMROと協力し、ERPDマトリクスを発展させることを継続し、将来を見据えつつこのツールをさらに活用する方法を探求することを指示。

  3. 我々は、IMFデリンク割合の引き上げの可能性に関する取り組みの進捗に留意し、代理に対して、地域金融セーフティネットの一部としてCMIMを強化することに関する取り組みをさらに進めることを課した。

  4. 我々は、各地域内の事情を考慮に入れながらの「CMIMの将来の参考のための、ユーロ圏におけるトロイカ体制による金融支援プログラム」及び「CMIMアレンジメントと国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の下での市場慣行の比較分析」に関するCMIMスタディの開始を歓迎。

 

【ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)】

  1. 我々は、地域の独立したサーベイランス機関としてのAMROの着実な発展を認識し、サーベイランス活動の質を向上させるためのAMROによる継続的な努力を歓迎。我々は、AMROが、域内に新たに発生したリスクを効果的に照らし出すための先を見据えた要素を組み込むことを含め、地域のマクロ経済や金融の状況に関する分析を向上させるための継続的な努力を慫慂。我々はまた、CMIMの有効性向上に対するAMROの貢献と努力の継続を歓迎。

  2. 国際機関としてのAMROを設立することは、引き続き極めて重要。我々は昨年10月のAMROを国際機関化するための設立協定(AMRO設立協定)への署名を歓迎。我々は、AMRO設立協定の本年内の発効のための、各国内における手続きを加速させるというコミットメントを再確認。

  3. 我々は、強固な戦略的ビジョンの策定と、2人の次長と1人のチーフエコノミストを採用することによるAMROの能力強化という代理の決定を歓迎。我々はこれらの3名の新たな上級管理職が、AMROの能力強化や独立したサーベイランス機関としての権限の遂行において有益であると確信。我々は、AMROの中期戦略目標のさらなる発展を慫慂。

  4. 我々は、地域のマクロ経済情勢に関するIMFやADBとの頻繁なやりとりや共同セミナーの開催、共同研究の実施など、AMROによる関連する国際金融機関との協力における進捗を評価。我々は、AMROが組織能力を高めるための協力を一層強化し、この目的のために他の国際金融機関との戦略的パートナーシップを確立することを慫慂。

 

【アジア債券市場育成イニシアティブ (ABMI)】

  1. 我々は、域内の豊富な貯蓄を域内の投資需要のファイナンスに有効活用するため、現地通貨建て債券市場の発展においてABMIが貢献をしてきたことを認識。世界金融市場の変動が高まる中、ABMIにおける効率的で流動性の高い債券市場を育成するための我々の取組は、域内金融市場の変動による影響を軽減することに役立つとともに、域内の経済及び金融の安定にも寄与。

  2. 我々は、信用保証・投資ファシリティ(CGIF)の保証案件の増加に留意し、CGIFが、プロジェクトボンドを含む域内の有望な債券発行に対して、保証を供与するより多くの機会を求めることを期待。我々は、現地通貨建て債券の需要促進に関する議論の進捗を歓迎。我々はまた、ADBによる域内のヘッジ市場の分析に係る研究の成果に留意。我々は、ASEAN+3債券共通発行フレームワーク(AMBIF)の進捗を認識するとともに、本年上半期における最初のAMBIFのパイロット発行を期待。我々は、クロスボーダー決済インフラフォーラム(CSIF)において、域内のクロスボーダー証券取引を促進する域内決済インフラの進展に向けて、2国間の相互接続から開始し最終的に統合的な解決策を構築しこれに移行する取組の実現に向けた検討が進捗したことに留意。この目標に向けた重要なステップとして、我々は、香港金融管理局と日本銀行との間のCSD-RTGSリンクに関するデスクトップスタディの実施というCSIFの取組を歓迎。我々は、技術協力調整チーム(TACT)の下での、カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン及び、ベトナムに対する実施中の技術支援プログラムを評価。

 

【将来の地域金融協力の分野】

  1. 我々は、インフラ金融に関する研究の完了に留意。我々は、災害リスク保険に関するこれまでの研究に基づく取組を歓迎し更なる進展を期待。

 

【ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)】

  1. 我々は、リサーチ・グループが10年間の活動を通じて、有用な研究成果をあげたと認識。我々は、リソースがメンバー国の要望に応じてより効率的に活用されるよう、リサーチ・グループの研究活動をAMROによるテーマ別研究に統合することに合意。

 

【ASEAN+3 新イニシアティブ】

  1. 我々は、金融の安定に対するリスクに対処する際に参照するため、マクロ・プルーデンス政策と資本フロー管理施策のための拘束力のないハイレベル原則を承認。我々はまた、持続可能な成長に向けた構造的ボトルネックを取り除く際の助けとなるよう、各々の構造改革における経験や将来の課題を共有することを歓迎。加えて、貿易決済における現地通貨の利用を促進し得る「通貨スワップ貿易決済機能の利用」に関する研究の進展を歓迎。

 

ローマ数字4. 結語

  1. 我々は、2015年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁プロセスの共同議長としての優れたアレンジメントに対し、マレーシア及び韓国に謝意を表明。また、アゼルバイジャン政府の暖かい歓待に感謝。

  2. 我々は、2016年にドイツ・フランクフルトにおいて会合を開催することに合意。ラオス及び中国が2016年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議の共同議長となる。

別添

  • ASEAN+3のマクロ・プルーデンシャル政策(MPPs)と、資本フロー政策(CFMs)に係る拘束力のないハイレベルな原則

  • メンバー国の構造改革の経験と将来の課題の集約