現在位置 : トップページ > 国際政策 > 主要な国際会議・二国間協議 > ASEAN+3(日中韓)財務大臣会議 > 第17回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議共同声明(2014年5月3日於カザフスタン・アスタナ)

第17回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議共同声明(2014年5月3日於カザフスタン・アスタナ)

English 印刷用(PDF)

ローマ数字1. 序

  1. 我々は、第17回ASEAN、中国、日本、韓国(ASEAN+3)財務大臣・中央銀行総裁会議を、ミャンマー連邦共和国のウイン・シェイン財務大臣及び日本の麻生太郎副総理兼財務大臣兼金融担当大臣の共同議長の下、カザフスタン・アスタナにて開催。本会議には、アジア開発銀行(ADB)総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)所長、ASEAN事務局次長も参加。

  2. 我々は、最近の世界・地域経済の情勢及び政策運営につき意見交換。チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)、AMRO、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)、ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)、将来の地域金融協力の分野を含め、前回の我々の会合以降の金融協力の進捗をレビュー。また、今後の地域金融協力の更なる強化策について議論。  

 

ローマ数字2. 最近の地域経済・金融情勢

  1. 我々は、先進国経済の堅調な成長により支えられて2014年に世界経済の成長が強まるという見通しを歓迎。しかしながら、我々は、潜在的な世界のリスクと脆弱性に対して引き続き警戒。

  2. 我々は、ASEAN+3地域が昨年に堅調な成長を遂げ、2014年もそのモメンタムを維持することが見込まれることを歓迎。地域経済の回復力は堅調な国内需要と適切なマクロ経済政策により下支えされている。

  3. 我々は、先進国経済の金融緩和政策がそれぞれの経済の物価安定や経済成長の見通し次第でしかるべき時期に正常化することを認識。金融政策の遂行は、明確に伝達されるとともに注意深く調節され、世界や地域の経済に与える影響に留意するべき。

  4. 我々は、本年初めにみられた金融市場のボラティリティや高水準の公的・民間債務により、継続的な課題に取り組むことの重要性が強調されることに留意。高インフレ、大幅な経常収支赤字、相当程度の財政不均衡といった国内の構造上の弱点を有する国々は、金融状況の引き締めに脆弱な傾向にある。これらの情況に対応するため、持続可能な経常収支や管理可能な財政収支を維持することの重要性がより強調される。

  5. 我々は、我々の経済の回復力と潜在的成長力を高めるために必要な構造改革の実施にコミット。更に、そのようなリスクに対して、必要なマクロ経済政策の調整の実施、適切な場合におけるマクロプルーデンシャル政策の採用、地域金融協力の更なる強化を行うことに強くコミット。

 

ローマ数字3. 地域金融協力の強化

【チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)】

  1. 我々は、地域の金融セーフティネットの一部としてCMIMを更に強化するとのコミットメントを再確認。我々は、CMIMの円滑な運営のための体制整備を確実にするための平時の準備作業の進捗に関する代理からの報告を歓迎。特に拡大CMIMの詳細な運営手続きを記載した運用ガイドラインの改訂作業の完了を代理の成果として歓迎。我々は代理に対し、AMROと協力してCMIMの運用準備を進めることを指示。

  2. 我々は、代理がASEAN+3メンバー国の様々な経済・金融指標 により構成される「経済情勢に関する政策対話(ERPD)マトリクス」に必要な経済指標一式を初めて策定したことを歓迎。ERPDマトリクスはCMIMの危機予防機能を利用するメンバー国の適格性評価に使用することを目的としている。我々は代理に対して、AMROと協力し、同マトリクスを引き続き開発し、危機予防機能を利用するメンバー国の適格性評価におけるマトリクスの活用方法についてさらに検討することを指示。

  3. 我々はまた、CMIMの実行性とAMROの機能の強化のため、「国際通貨基金との更なる協力のためのガイドライン」の承認に同意。我々は、「CMIMの下での現地通貨の利用の向上策」及び「ASEAN+3レベルでの資本フローに関する共同対応」に関する研究の進捗に留意。

 

【ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)】

  1. 我々は、地域の独立したサーベイランス機関としてのAMROの着実な発展を歓迎。特にAMRO執行委員会(EC)が根本洋一所長の2年間の任期延長を決定したことを歓迎。これは設立間もないAMROにおける業務継続性と安定性の向上に資するもの。我々は、AMROがメンバー国からの需要と期待に引き続き応えられるようAMROの組織構造を継続的に強化することを支持。我々は、AMROの組織能力の強化に引き続きコミット。

  2. 我々はまた、セクターレベルでの課題や外的要因から派生するリスクを含めて分析の範囲を広げることにより、AMROがサーベイランス・レポートの質を改善する継続的な努力を歓迎。我々は、AMROに対し、地域のマクロ経済・金融の状況に関する分析を向上させ、地域が直面するリスクを特定し、適切な政策を提案する努力を継続することを慫慂。我々はまた、CMIMの円滑な運営確保に向けたAMROによる一層の貢献を歓迎。

  3. 我々は、AMROが地域の独立したサーベイランス機関としての効果的なサーベイランス活動を実施可能とするために、AMROの国際機関化の重要性を認識し、AMRO協定の迅速な署名及び発効のための我々の国内手続きを可及的速やかに完了させるコミットメントを再確認。この点について、我々は、それぞれの国内手続きの完了に向け最大限の努力をするコミットメントを表明。

  4. 我々はまた、AMROの国際機関への移行に向けた準備として、内部規則や必要なその他の移行アレンジメントの策定における進捗に関するAMROの報告を歓迎。我々は、同等の国際機関の実務慣行と整合的で匹敵しえるよう同等の国際金融機関(IFIs)の人事の枠組みを参考にしつつ、AMROの人事の枠組みの見直しを支持。

  5. 我々は、地域のマクロ経済情勢に関する頻繁な意見・情報交換が確立しているIMFとの協力を含め、AMROが行っている他の国際金融機関との協力の促進の進展を評価。我々は、AMROに対し、AMROの組織能力の強化とそのための他の国際金融機関との戦略的パートナーシップの確立を促進するため、このような協力策を更に強化するよう慫慂。

 

【アジア債券市場育成イニシアティブ (ABMI)】

  1. 我々は、域内の豊富な貯蓄を域内の投資需要のファイナンスに有効活用するため、現地通貨建て債券市場の発展においてABMIが多大な貢献をしてきたことを認識。この観点から、我々は、ABMIタスクフォースが代理の指示により作成したプログレスレポートとワークプランを承認。

  2. 我々は、「インフラ整備債券の開発・促進」技術支援プロジェクトの順調な進捗を認識。我々は、ADBとABMIタスクフォースによる新たな追加的な投資商品の探求における更なる作業に期待。我々はまた、域内の通貨スワップ市場拡大のための一連の主要な論点に留意。我々は、ASEAN+3債券共通発行フレームワーク(AMBIF)作業部会のメンバーによる、債券発行書類及び手続きの共通点と差異を明確にするための二国間の活動を含めた、AMBIFプロジェクトの進捗を歓迎し、この点について、ASEAN+3 債券市場フォーラム(ABMF)との更なる協働を期待。我々は、信用保証・投資ファシリティ(CGIF)による保証可能規模が7億ドルから17.5億ドルに拡大したことを歓迎。我々は、クロスボーダー決済インフラフォーラム(CSIF)が提出した提言を歓迎するとともに、証券の引渡しと資金の支払いを円滑かつ安全にクロスボーダーで同時に実行できるよう、短中期的目標としてのCSD-RTGSリンク及び長期的目標としての統合的な解決策に関する実施ロードマップを策定する方向性を歓迎。我々は、これが域内のクロスボーダー証券取引を促進する域内決済インフラの構築に向けた現実的で効率的なアプローチであると認識。我々は、技術協力調整チーム(TACT)が実施した、技術支援のニーズアセスメントを評価。

 

【ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)】

  1. 我々は、2013-2014の研究課題である「ASEAN+3諸国における証券化市場拡大に必要な政策提言」及び「ASEAN+3諸国の資本市場関連インフラに関するSWOT分析とその意義」についてのリサーチ・グループの取り組みを評価し、同研究の成果に留意。我々は、リサーチ・グループの将来の活動の方向性について議論するよう代理に指示。

 

【将来の地域金融協力の分野】

  1. 我々は、ASEAN+3の金融協力の可能性がある(i)インフラ金融、(ii)災害リスク保険、(iii)域内貿易決済のための現地通貨の使用、の3つの各分野に関する研究の進捗を歓迎。我々は、代理に対し、各分野において、掘り下げた研究を継続し、政策提言を行うことを指示。

 

ローマ数字4. 結語

  1. 我々は、2014年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁プロセスの共同議長としての優れたアレンジメントに対し、ミャンマー連邦共和国及び日本に謝意を表明。また、カザフスタン政府の暖かい歓待に感謝。

  2. 我々は、2015年にアゼルバイジャン・バクーにおいて会合を開催することに合意。マレーシア及び大韓民国が2015年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議の共同議長となる。