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第16回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議共同ステートメント(2013年5月3日於インド・デリー)

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ローマ数字1. 序

  1. 第16回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議を、アブドゥル・ラーマン・イブラヒム第二財務大臣(ブルネイ・ダルサラーム)及びジュウ・グァンヤオ財政部副部長(中華人民共和国)の共同議長の下、インド・デリーにて開催。本会議には、アジア開発銀行(ADB)総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)所長、ASEAN事務局次長も参加。

  2. 我々は、最近の世界・地域経済の情勢及び政策運営につき意見交換。チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)、AMRO、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)、ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)、将来の地域金融協力の優先課題等の地域金融協力について、前回会議以降の進捗状況をレビュー。また、今後の地域金融協力の更なる強化策について議論。

  3. 我々は、CMIM契約書の改訂作業の完了、AMROを国際機関に発展させるAMRO協定案の合意、及びABMI新ロードマップ・プラス実施のためのワークプランの承認を発表する。これらの成果は、地域の金融セーフティネットを強化するという我々の取組みにとって大きな前進であり、域内の持続的成長や地域の統合に貢献するもの。

 

ローマ数字2. 最近の地域経済・金融情勢

  1. 我々は、世界経済及び金融市場の不確実性にも関わらず、ASEAN+3地域が昨年は安定した成長を遂げ、2013年もこのモメンタムを維持していることを歓迎。域内経済の強靭さは、堅調な内需、健全な銀行システムによる効果的な金融仲介、適切なマクロ経済政策により支えられている。

  2. 世界の経済・金融状況は改善しつつあるが、我々は、リスクが残っていることを認識。政策の不確実性、民間のデレバレッジ、財政の抑制及び傷ついた信用仲介は、引き続き世界経済の成長見通しにとって重しとなっている。我々はまた、継続する世界の流動性供給が過度のリスクテイクやレバレッジ、信用拡大及び資産バブルを引き起こす潜在的可能性があることを十分に認識。我々は、資本フローのボラティリティを増大させ、地域の金融安定に悪影響を及ぼす可能性のある国際金融市場のリスクオン、リスクオフのセンチメントに引き続き警戒するとともに、長期間の世界的な金融緩和から地域に生じる意図せざる負の副作用にも引き続き警戒。我々は、金融政策が中央銀行の各々のマンデートに従って、引き続き国内目的、すなわち、国内物価の安定、景気回復への継続的支援及び金融安定の確保に向けられるべきことに同意。

  3. こうした状況の下、我々は、必要なマクロ経済調整、適切な場合には、マクロ健全性政策の実施、及び地域金融協力の更なる強化により、そうしたリスクに対処することを強くコミット。

 

ローマ数字3. 地域金融協力の強化

【チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)】

  1. 我々は、財務大臣・中央銀行総裁代理が、昨年5月に合意したCMIM強化策をCMIM契約書の改訂作業に反映したことを評価。これに関連し、財務大臣は、中央銀行総裁がCMIMの基本的事項の意思決定プロセスに参加することを歓迎。同時に、我々は、CMIMが運用可能状態となることに引き続きコミットし、代理に対し、次回2014年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議までに、CMIMのオペレーショナル・ガイドラインの改訂作業を行うことを指示。

  2. 我々は、代理及びAMROによる、ERPD(経済情勢に関する政策対話)マトリクスの作成作業の進展を歓迎。このマトリクスは、ASEAN+3メンバー国の経済指標で構成され、CMIMの危機予防機能の適格要件の審査を容易にするもの。我々は、代理及びAMROに対し、必要が生じた場合のCMIMの円滑な発動のため、ERPDマトリクスの作成作業の継続を指示。

  3. 我々は、地域の金融セーフティネットの一部としてCMIMを更に強化するとのコミットメントを再確認。我々は、貿易、投資及び資本取引の決済における現地通貨の使用を強化すること及び域内における資本の流出入のボラティリティを減じることが対外リスクの影響を軽減させる上で有用であることを認識し、「CMIMの下での現地通貨の利用の向上策」及び「ASEAN+3での資本フローに関する共同対応」の研究を深めることを承認。我々は代理に対し、サーベイランス、流動性支援制度及び能力開発の分野において、国際通貨基金(IMF)及び他の国際金融機関との効果的な協力関係を築くための方策を検討するよう指示。

 

【ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)】

  1. 我々は、AMROが、2011年の設立以来、独立した地域経済のサーベイランス・ユニットとして、特に地域経済のサーベイランスの実施及びCMIMの効果的な意思決定への貢献の面で着実に進歩したことを歓迎。我々は、AMROに対し、正確かつ早期に地域が直面するリスク、課題を把握する方策を検討するよう引き続き慫慂。我々は、AMROの組織強化を強化していくことにコミット。

  2. 我々の取組みをさらに強固なものとするため、我々は、AMROを国際機関へ発展させることに同意。これは、ASEAN+3金融協力の有効性を高めるためのこれまでの取組みにおける画期的な出来事。我々は、AMRO協定案の合意に達し、迅速な署名と発効のため、それぞれの国において必要な国内手続きを可能な限り早期に進める。これにより、AMROは信頼のある独立した国際機関として客観的なサーベイランスを行うことが可能となり、強化されたCMIMとともに地域の金融安定に貢献。

  3. 我々は、AMROに対し、特にAMROの組織能力を増強させる分野において、アジア開発銀行(ADB)、IMF及び国際決済銀行(BIS)等の関連する国際金融機関及び地域金融機関との更なる協力を慫慂。

  4. 我々は、シンガポールとAMRO間のホスト国に関する覚書(MoU)の締結を歓迎し、シンガポールがAMROにホスト国として必要な支援を付与するという強いコミットメントをしていることに感謝。我々はまた、AMRO協定案の作業と同時にシンガポール-AMRO間の本部協定案の作成作業が終了したことを歓迎。当本部協定は、AMROが国際機関化された時点で締結される予定。

 

【アジア債券市場育成イニシアティブ (ABMI)】

  1. 我々は、ABMIの下、現地通貨建て債券の発行や需要の促進、域内債券市場における規制枠組み及び関連する金融インフラの改善について、継続的な進展が見られることを認識。世界金融市場の不安定さが高まった中にあっても、ABMIを通じて効率的で流動性のある債券市場を育成したことで、域内金融市場のボラティリティが和らぎ、域内経済及び金融の安定に寄与した。

  2. 我々は、信用保証・投資ファシリティ(CGIF) の保証業務の開始を歓迎し、CGIFが、域内の有望な債券発行に対して、更なる保証を供与することを期待。我々は、ASEAN+3債券市場フォーラム(ABMF)の第ニフェーズの研究成果に留意し、残る主要イシューに関する更なる議論を期待。我々は、新たな官民のラウンドテーブルでの市場参加者、規制当局者及び政策当局者の間の議論の重要性を強調。我々は、域内決済機関(RSI)の設立について、事業面での実行可能性の再評価が完了したことを歓迎。我々は、同機関の設立可能性を含め、域内のクロスボーダー取引の決済の改善に関する具体的ワークプラン及び関連するプロセスを議論するために、メンバー国の任意参加を基本とするクロスボーダー決済インフラフォーラムを設置することに合意。我々は、域内の信用格付能力を強化する努力の一環として、リサーチ・グループの調査結果に基づく更なる研究を承認。また、我々は、技術協力調整チーム(TACT)の取り組みの下、インドネシア、ラオス、ミャンマー、ベトナムへの技術協力プログラムの現行フェーズの完了を歓迎し、フィリピンへの技術協力プログラムにおける進展に留意。

  3. 我々は、昨年5月に合意された9つの優先分野から構成される新ロードマップ・プラスを実行するため、代理の指示に従い、ABMI タスクフォースが作成したワーク・プランを承認。我々は、タスクフォースに対しADBの支援を得てワーク・プランを実行すること、更なる具体的な成果につながることを期待。

  4. 更に、我々は、域内の豊富な貯蓄を域内のインフラ開発に有効活用するための債券商品の開発や債券投資の促進という面において、ABMIが大きな潜在力を有することを認識。この点に関して、我々は、インフラ整備債券の発行と需要の促進を目的とした「インフラ整備債券の開発・促進」イニシアティブを承認。我々は、ABMIタスクフォースが、民間の参加を促すとともに、域内での現行の取り組みとの相乗効果を考慮しつつ、詳細なワーク・プランを作成することを期待。

  5. 我々は、東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)の下でのアジア債券ファンド(ABF)が地域の債券市場への需要拡大に貢献してきたことを認識。我々は代理に対し、地域の債券市場の発展を更に加速させるために、追加的にどのような投資商品が必要か検討するよう指示。

 

【ASEAN+3リサーチ・グループ(RG)】

  1. 我々は、 リサーチ・グループ(RG)による2012/2013年の「格付け機関に関する国際的な議論及びASEAN+3域内における地域の格付け能力の強化のためのインフラの向上」に関する研究への取組みを評価するとともに、その調査結果に留意。2013/2014年の新たな研究トピックとして、(i)域内各国での証券化市場拡大に必要な政策提言、及び(ii)各国の資本市場関連インフラのSWOT分析及びその意義、の二本を承認。

 

【将来の地域金融協力の分野】

  1. 我々は、今後の地域金融協力の可能性がある分野である、i)インフラ金融、ii)災害リスク保険、iii)域内貿易決済における現地通貨の使用、の3分野についての第二フェーズの研究成果に留意し、代理に対し、引き続きADBや世界銀行の支援を得て、更に研究を深め、地域の持続的かつ包摂的な成長と発展に寄与しうる政策提言を行うことを指示。

 

ローマ数字4. 結語

  1. 2013年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁プロセスの共同議長であるブルネイ・ダルサラーム及び中華人民共和国に謝意を表明。また、インド政府の歓待に感謝。

  2. 2014年にカザフスタン・アスタナにおいて会合を開催することに合意。ミャンマー及び日本が2014年の共同議長国となる。