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ASEAN+3(日中韓)財務大臣会議共同声明(2009.2.22 於:タイ・プーケット)

English

共同ステートメント
アジア地域における経済・金融の安定回復のための行動計画(仮訳)
(ASEAN+3財務相から首脳への報告)

(2009年2月22日 タイ・プーケット)

 

 ASEAN及び中国、日本、韓国(ASEAN+3)の財務大臣は、2009年2月22日、タイ・プーケットにおいて、現下の世界経済の混乱に対応するため特別会合を開催した。ゴーン財務大臣(タイ)及びユン企画財政部長官(韓国)が共同議長を勤めた。また、この会議にはASEAN事務局長及びADB総裁も参加した。
 

 アジアの経済はアジア金融危機以降実施された構造改革により、困難によりよく立ち向かうことができるようになっているが、地域経済の情勢は目下深刻な課題に直面していると認識している。金融市場のリスク回避志向の高まりを伴った世界経済の深刻な減速が、アジア地域に悪影響を与えている。地域の金融市場は、大きな、時に激しい変動に見舞われている。世界的なデレバレッジや資本フローの大規模な反転により、アジア地域への資本フローは減少し、金融市場に影響を与えるとともに経済成長の展望が損なわれる可能性がある。これは、既に世界的な経済の減速の影響を受けているアジア地域の成長にとって、大きな下方リスクとなりうる。
 

 我々は、金融・世界経済に関する首脳会合の宣言を歓迎し、行動計画を導く共通原則を支持する。ロンドンでの4月の首脳会合で、マクロ経済政策の協働や国際金融機関および国際金融市場の改革を強化するために、有意義な進捗がみられるよう要請する。現在の世界の状況は、金融セクターにおける能力強化の作業を含め、経済成長や金融の安定を回復のために世界的に協調した対応を必要としている。
 

 我々は、アジア地域において金融の安定を回復し経済成長を促進するためには、積極的かつ断固たる政策行動が必要であると信じる。こうした政策行動は、短期的には、リスク回避的なセンチメントを和らげ、アジア地域に対する市場の信頼を高めるものでなければならない。中長期的には、安定的かつ力強い成長を達成するために必要な資本の供給に役立つものでなければならない。
 

 こうした観点から、我々は、各国の政策措置を歓迎するとともに、必要かつ適切な場合にはマクロ経済政策及び金融安定化のための措置を実施するとの強いコミットメントを改めて表明した。我々はまた、貿易や投資の自由化を促進し、経済の減速をより悪化させるだけの保護主義的な施策に反対するとの強い立場に立ち、新たな貿易障壁の導入を控えることに全力で取り組む決意を再確認した。
 

 このことからASEAN+3諸国は、より強固かつ包括的なサーベイランス・メカニズム、危機管理及び流動性支援システムを確立するための地域協力を一層強化するため、様々なイニシアティブに取り組んでいる。
 

 アジアの金融市場の安定を確保し、市場の信頼醸成を図るため、我々はチェンマイ・イニシアティブのマルチ化を機能させることが重要であることを強調し、以下の主要事項に合意した。

* CMIMの規模を、これまで合意していた800億ドルから 1,200億ドルに増額する。ASEAN諸国と日中韓三か国の拠出割合20対80は維持される。 
 
* 域内のサーベイランスメカニズムを、CMIMの迅速な発動を可能とする強固で信頼の高いシステムへと強化するべきである。客観性のある経済のモニタリングを促進するため、独立した地域サーベイランス・ユニットを設立する。

* 上記のサーベイランスのメカニズムが、完全に有効にその機能を果たせるようになれば、IMFデリンク割合を現行の20%以上に引き上げることもありうる。

 これまで行ってきた作業を土台として、我々の金融協力をより状況に即した効果的なものとする観点から、我々は、2009年5月のインドネシア・バリにおける我々の次の会合までに、CMIMに関する主要事項について合意を得るよう努力する。
 

 暫定的な措置として、現行の二国間スワップ取極がその役割を果たし、必要に応じサイズや参加国の面で強化されるべきである。
 

 我々は、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)の重要性を強調し、ABMIの新ロードマップに沿って我々の協力を強化していく決意を表明する。新ロードマップは、現地通貨建て債券の発行、現地通貨建て債券に対する需要の促進、法制度の改善、及び域内の債券市場のインフラの強化に焦点を当てている。新ロードマップを実行していくことは、現地通貨建ての債券市場の幅広い発展や、地域債券市場へのアクセスの拡大に貢献するであろう。我々は、債券市場の育成、特にクロスボーダー取引・決済の面において、民間セクターの果たすべき役割の重要性を認識する。
 

 我々は、予期せぬ流動性の困難に対応する一方で開発も支援するような新たな取組に関するアイディアについて研究を行う。
 

 我々は、国際開発金融機関(MDBs)が、開発アジェンダへの対応や、インフラや貿易金融の分野における支援において重要や役割を担うと認識する。我々は、MDBsが危機の克服において役割を果たすために十分な資金基盤を確保することが重要と考える。特に、アジア開発銀行(ADB)が、国際的な金融危機の影響の緩和や、アジア地域の成長のために必要な資本の供給に重要な役割を果たすと認識で一致した。ADBがアジア地域においてこうした役割を果たすためには、ADBは早期かつ大幅な増資をするべきである。この観点から、我々は、2009年5月の年次総会までに、ADBの第5次増資に関し早期に合意が得られること求める。