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アジア債券市場育成イニシアティブに関する議長プレスリリース(仮訳)

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アジア債券市場育成イニシアティブに
関する議長プレスリリース(仮訳)

 アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)は、アジアにおいて、効率的で流動性の高い債券市場を育成することにより、アジアにおける貯蓄をアジアに対する投資へとより良く活用できるようにすることを目的としている。また、本イニシアティブは、資金調達における通貨及び期間のミスマッチを緩和することにも寄与するものである。これはASEAN+3の金融協力における重要な前進である。

 アジア債券市場育成イニシアティブへの取組みに関し、注目すべき進展がもたらされた。この機会に、本イニシアティブのこれまでの進捗状況と将来の方向性を公表することが適切である


1.


アジア債券市場育成イニシアティブ:これまでの進展

 


 問題の複雑性とメンバー国間における債券市場の発展段階の相違に鑑み、下記の分野を検討する6つの任意参加方式のワーキンググループが設置された。


ワーキンググループ

議長国

新たな債務担保証券の開発のためのワーキンググループ

タイ

信用保証メカニズムに関するワーキンググループ

韓国

外国為替取引と決済の問題に関するワーキンググループ

マレーシア

国際開発金融機関、外国の政府系機関及びアジアの多国籍企業による現地通貨建て債券の発行に関するワーキンググループ

中国

地域の格付機関に関するワーキンググループ

シンガポール及び日本

技術支援の調整に関するワーキンググループ

インドネシア、フィリピン
及びマレーシア



 
これら6つのグループは、6月16日に東京において会議を開催し、ASEAN+3当局者間での詳細な議論を通じて重要な進展をみた。政府部門の役割は主に債券市場のインフラの改善に集中すべきであると認識される。それゆえワーキンググループへの民間部門の積極的な参加を得るべく、ワーキンググループは本会議において、国際開発金融機関、政府系機関、民間保証会社及び他の市場参加者と議論を行った。債券市場に関する情報発信のメカニズムを創設することが提案された。この課題についてはシンガポールと日本の議長によるワーキンググループが取り扱うであろう。


2.


今後の課題

 


 下記の諸課題について、さらなる検討が必要とされている

 


A.


多様な債券発行体による市場アクセスの促進

 


 アジアにおける債券の発行・流通市場を活力あるものとするためには、多様な発行体と商品が必要であり、それは以下の分野を促進することにより達成されるであろう。

 


(1)


べンチマーク形成のためのアジア各国政府によるソブリン債の発行

 


(2)


アジアの政府関係金融機関がその資金調達のためにアジアにおいて債券を発行

 


(3)


債務担保証券(CDO)を含めた資産担保証券市場の創造

 


(4)


国際金融機関及び政府系機関による域内における債券発行

 


(5)


アジア各国への直接投資の資金調達のための域内における債券発行

 


(6)


自国通貨建ての債券の種類拡大−通貨バスケット債券の導入

 


B.


アジアの債券市場育成に資する市場インフラの強化

 


 効率的で深みのある国内及び地域債券市場を発展させるためには、債券発行体と投資家が共に積極的に参加できるような環境が必要である。このため、我々は下記の分野について検討する。

 


(1)


既存の保証機関の積極的な活用及びアジア信用保証機構の設立に向けた取組みを通じた信用保証の供与

 


(2)


地域の格付機関の機能の向上及びアジア格付ボードの設立の可能性を検討することによる格付システムの強化

 


(3)


債券発行体や格付機関の情報発信のためのメカニズムの構築

 


(4)


クロスボーダー取引のための外国為替取引の促進及び決済の問題の検討

 


(5)


メンバー国間における政策対話と人材育成の促進のための市場調査及び技術支援プログラムを通じたキャパシティー・ビルディングの強化

 


(6)


会社法、証券取引法及び税法などの法的及び制度的インフラの検討


3.


今後の方針

 


 6つの任意参加のワーキンググループは、必要に応じ国内市場の発展を優先に、ステップ・バイ・ステップで現実的なアプローチを採用するであろう。彼らは、その成果が民間部門と投資家の要求に確実に合致するものとするために、広範囲の市場参加者と定期的に協議するであろう。この発展のためのプロセスは、日本・ASEAN金融技術協力基金及びアジア開発銀行による技術支援プログラムによってさらに補完されるであろう。ワーキンググループは、進捗状況をASEAN+3財務大臣プロセスに報告するであろう。