現在位置 : トップページ > 国際政策 > 主要な国際会議・二国間協議 > APEC財務大臣会議 > 第24回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(仮訳)(2017年10月20日-21日 於:ベトナム・ホイアン)

第24回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(仮訳)(2017年10月20日-21日 於:ベトナム・ホイアン)

English 印刷用(PDF)

  1. 我々、APEC エコノミーの財務大臣は、2017 年10 月21 日にベトナム・ホイアンで、ベトナム財務大臣のディン・ティエン・ズン議長の下、第24 回会合を開催した。

世界経済および地域経済
  1. 我々は、直面する経済及び金融市場の見通しについて議論し、適切な政策行動に対する見解を共有した。新興市場と先進エコノミーにおける、より幅広い回復を伴う、世界経済の短期的な見通しは励みになる。中期的には、世界の金融市況がタイト化するリスクは残り、より停滞した生産性の伸びは持続可能な成長を引き続き抑制する。我々は、共有する未来を涵養するという目標に向けて成長を促進するため、我々の優先事項と経済・金融協力に焦点を当てることにコミットする。

  2. 我々は、強固で、持続可能で、均衡ある、かつ、包摂的な成長を達成するため、全ての政策手段‐金融、財政及び構造政策‐を個別にまた総合的に用いることをコミットする。各エコノミーの状況に合わせた財政政策は、公的債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、機動的に実施し、成長に配慮したものであるべき。金融政策は引き続き中央銀行のマンデートと整合的に経済活動を支え物価の安定を確保すべき。強固なファンダメンタルズや健全な政策、強靭な国際通貨システムは、為替レートの安定に不可欠であり、強固で持続可能な成長や投資に貢献する。柔軟な為替レートは、場合によっては、ショックを吸収するものになりうる。我々はまた、為替レートの過度な変動や無秩序な動きが、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを認識する。我々は、通貨の競争的切下げを回避し、競争力のために為替レートを目標としない。我々は、強固で、持続可能で、均衡ある、かつ、包摂的な成長のための構造改革の主要な役割を再確認する。

  3. 我々は、域内エコノミー間での政策協力と経験を共有する活発なフォーラムとして、APEC財務大臣プロセスの重要性を再確認する。

セブ行動計画
  1. 我々は、メンバー・エコノミーによるセブ行動計画(CAP)に基づく行動の特定と実施の努力を歓迎する。我々は、セブ行動計画に沿った、エコノミー内の状況に適切な行動とイニシアティブを、引き続き自発的かつ非拘束的に提出することをメンバー・エコノミーに対して奨励する。

  2. 我々は、国際機関の積極的な関与と適切なAPECのサブ・フォーラムを歓迎し、これらが加盟エコノミーによるセブ行動計画の目標達成を継続的に支援することを奨励する。我々は、金融市場インフラ及びマイクロ保険に関する提言を含む、セブ行動計画の実施に対するABAC及びAPFFの貢献を歓迎する。我々は、これらセブ行動計画のイニシアティブを前進させることに関心のある利害関係者間の継続的な協力を奨励する。

インフラに対する長期投資
  1. 我々は、インフラに対する長期投資の動員の重要性を認識し、持続可能な成長のために質の高いインフラが適当であることを再確認する。APECエコノミーにおける公共投資の役割を認識する一方、資金調達源の多様化及びインフラ案件への民間セクターの関与の促進は、インフラ向け長期資本に対する莫大な需要に応える重要な解決策である。

  2. 我々は、2017年のAPECにおけるインフラに対する長期投資というセブ行動計画の第4の柱に沿うテーマの下での協力と成果を歓迎する。この観点で、我々は、「APECエコノミーにおける資金調達源の多様化とインフラ案件への民間セクターの関与促進に関する政策声明(別添A(PDF:196KB)PDF)」を承認し、インフラ案件に対する長期投資を改善するためにこれらの提言を考慮することをAPECエコノミーに対して奨励する。

  3. 我々は、PPP契約においてはリスク配分メカニズムの構築と適切なリスク軽減手段を適用することがプロジェクト成功のための重要な要素であると認識し、グローバルインフラハブ(GIH)及びアジア開発銀行(ADB)との協同により経済協力開発機構(OECD)が作成した「APECエコノミーにおけるインフラのリスク配分及び軽減のグッドプラクティスに関するレポート」をバンカブルなPPPインフラ案件を構築するための良い参考資料として歓迎する。

  4. 我々は、引き続き地域協力を強化し、効果的なインフラ資金調達策を探求及び開発し、地域のインフラ案件への民間セクターの関与を促進することを奨励する。我々は、OECD、世界銀行、ADB、GIH、その他の国際機関に対し、グッドプラクティスを研究し、質の高いインフラ投資に関する技術支援と能力構築を提供するために引き続きAPECエコノミーと協同することを求める。

税源浸食・利益移転(BEPS)
  1. 我々は、APECエコノミーにおける税源浸食・利益移転(BEPS)問題の重要性を認識。また税制の確実性、透明性、公平性を高めつつ、地域におけるBEPSの課題に対処するために、税制の発展、制度設計及び租税行政に関する経験・アプローチ・グッドプラクティスをAPECエコノミー間で共有する更なる地域協力の必要性を認識する。

  2. 我々は、全ての層の人々に実効的に便益を与える金融市場を発展させるための、地域内の制度的な枠組みの重要性を認識する。その意味で、金融包摂のための国内戦略の設計と実施は、金融包摂のための政策の継続性を確保し、不平等と貧困格差を無くすことに貢献するために不可欠である。我々は、各エコノミーが、可能な限り、世界銀行のガイドラインだけでなく、自身の経済・社会状況を考慮に入れながら、これら戦略を発展・強化することを奨励する。

  3. 我々は、2017年のベトナム議長時に開始した作業計画の下、APEC地域における包摂的枠組みの文脈の中で相互支援プログラムを促進し、BEPSミニマム・スタンダード及びその他のBEPS行動の実施に関しての経験を共有するAPECエコノミーの努力を歓迎する。我々は、ADB、IMF、OECD、世界銀行などの国際機関からの積極的な支援を多とし、これらの国際機関が引き続きAPECエコノミーを支援することを奨励する。

自然災害リスクファイナンス・保険
  1. 我々は、域内エコノミーにおける自然災害の影響や偶発債務の増加に対して、災害リスク保険の制度及び法的枠組みを改善することの重要性を認識。公的資産の金融リスク管理を含む災害リスクファイナンス・保険に関する効果的な戦略は、リスクの軽減や移転を助け、災害が発生した際の時宜を得た復旧・復興へのより良い支援となる。

  2. 公的資産に係る潜在的な災害関連偶発債務及び金融的影響を評価するためのリスク情報の重要性に鑑みて、2017年における災害リスクファイナンスと保険に関する協力を我々は歓迎する。特に、世界銀行がAPECエコノミーとの協力により作成した「自然災害リスクファイナンスと保険のための公的資産と保険に関するデータの改善に関する報告」、「APECエコノミーにおける自然災害に対する公的資産の金融リスク管理に関する報告」、世界銀行及びOECDがアジア開発銀行や多くのエコノミーによる積極的な協力により作成した「公的資金枠組みにおける災害関連偶発債務管理に関する報告」を、私たちの優れた参考資料として歓迎する。我々は、2018年にこの協同報告の勧告について議論されることを期待する。我々は、各エコノミーが固有の状況を考慮しつつリスク情報システムの改良を継続していくことを奨励する。我々は、革新的で市場に基づいたリスク移転手法の提供における民間セクターの不可欠な役割を認識し、潜在的な手法のために民間セクターとのパートナーシップを追求することを奨励する。

  3. 我々は、先導的な役割を果たす世界銀行、そしてOECDその他の国際機関の協力を伴って行われた自然災害リスクファイナンス・ワーキンググループの作業を歓迎し、2018年のワークプラン実施を期待する。我々は、地域のパートナーシップと知見の交換を強化するために、このワーキンググループに更なるエコノミーが参加することを奨励する。我々は、この議題に関する域内のパートナーシップと知見の交換を向上させるためにより多くのエコノミーがワーキンググループに参加することを奨励する。我々は、世界銀行により開発されたAPEC災害リスクファイナンスに関するナレッジ・ポータルを歓迎する。これは政策、事例及び教訓についての貯蔵庫として、APECエコノミーが災害リスクに対処するための効果的な政策をAPECエコノミーが開発するために役立つもの。我々は、災害リスクファイナンスと保険、特に公的資産の金融リスク管理に関する協力と知見交換を向上させることにコミットする。

金融包摂
  1. 我々は、金融包摂の重要性を認識し、域内における金融サービスの、持続可能で、革新的で、包摂的な発展に対するAPECエコノミーと国際的なパートナーによる貢献に感謝する。

  2. 我々は、農業金融が農業と農村地域の持続可能な発展に対し重要な貢献をしていることを認識。中小零細企業、バリューチェーン及び科学・高度技術に基づく農業生産の発展において、農業金融は人々や事業への能力構築を通じて収入ギャップの縮小を促進する。この分野における新規で多様化した金融ソリューションの導入は、適切で手頃な製品及びサービスに人々や企業がアクセスするためのより好ましい機会を創出する。この観点で、我々は、国際開発パートナー、特にABAC、開発協調財団(FDC)、ベター・ザン・キャッシュ・アライアンス(BTCA)からの提言を評価する。この提言はAPECエコノミーにおける持続可能な農業及び食料安全保障という目標に向けた金融包摂及びデジタル・ペイメントの更なる促進のためのもの。我々は、農業の再構築及び持続可能な発展のため、こうした提言を自発的かつ非拘束的に考慮することを各エコノミーに対して奨励する。

  3. 我々は、貿易金融及びサプライチェーンファイナンスと同様に金融インフラ、特に信用情報、担保付取引、倒産制度の重要性を認識する。我々は、地域における金融インフラ開発をさらに改善し、国境を越えた貿易及び投資を支援するため信用情報に関する協力を促進するイニシアティブをAPECエコノミーが実施にあたり引き続き支援することを、世界銀行、IFC、ABAC及びその他の開発パートナーに対して求める。

その他
  1. 我々は、アジア地域ファンドパスポート(ARFP)の良好な進捗を歓迎し、APECエコノミーに対し、更なる金融統合を進めるため本イニシアティブへの参加を検討することを奨励する。我々は、ARFPパスポートの実施を成功させるため、国内規制の中で必要な取極を実施することを参加エコノミーに奨励する。またその他のAPECエコノミーに対し、APEC地域の中でのより統合された金融協力を目的として、本イニシアティブに参加することを奨励する。

  2. 我々は、今年のAPEC高級実務者会合(SOM)及び財務高級実務者会合(SFOM)の間で強化された協力及び協調を歓迎する。これはAPECの作業により一貫性をもたらし、2つのプロセスを相互に補完的にする上で非常に重要なもの。この観点から、我々は「経済、金融及び社会的包摂性を促進する行動アジェンダ」の発展を奨励する。我々は財務高級実務者(SFOM)に対し、この行動アジェンダの完成に向けて高級実務者(SOM)と緊密に協同することを指示する。

  3. 我々は、財務高級実務者とAPEC経済委員会の間の本年の共同活動を歓迎。既に進行中であるが、「構造改革とインフラ」についての2018年APEC経済政策レポート(AEPR)の準備のための協力を期待。我々は、財務高級実務者と経済委員会の間の共同議論を2018年にも継続することを奨励する。

  4. 我々は、財務高級実務者間と生命科学イノベーションフォーラム(LSIF)及び保険作業部会(HWG)との予備的な対話を歓迎する。この対話はAPECエコノミーにおける慢性疾患の急激な増加と高齢化が与える財政的及び経済的影響への対処に関するもの。我々は、ベスト・プラクティスを共有し、革新的で持続可能な健康に関する金融手法を探求するために関心のあるエコノミーとの更なる対話を奨励する。

  5. 我々は、今年の財務大臣会合プロセスに対するADB、IMF、OECD、世界銀行、ABACの支援に感謝する。

  6. 我々は、本年のAPEC財務大臣会合プロセスのホストを務めたベトナムに感謝する。我々は、2018年10月、パプアニューギニアにおける第25回会合で再会する。