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第23回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(仮訳)(2016年10月15日 於:ペルー リマ)

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  1. 我々、APECエコノミーの財務大臣は、2016年10月15日にペルー・リマで、ペルー経済・財政大臣のアルフレド・トルネ議長の下、第23回会合を開催した。

世界経済および地域経済
  1. APEC財務大臣会合プロセスは、エコノミー間の政策対応の協力と交換のプラットフォームとしての役割を果たす。この文脈で、我々は世界・地域経済と金融市場の見通しを議論し、適切な政策行動に関する考え方を共有した。これらの議論は、全ての財務大臣会合プロセスの会議の特徴であり続ける。

  2. 世界経済の成長において、重要でダイナミックなエンジンとなっている我々の地域は、地域の成長と回復を減退させるという複雑な課題に直面している。経済環境は、商品価格の低迷、より変動の大きい金融市場環境、保護主義的な声に伴う貿易の減速、異なるエコノミー間で成長と調整のペースが様々であることによって特徴付けられている。我々は、この地域で強固で、持続可能で、均衡ある、かつ包摂的な成長を達成するためには、全ての政策手段―金融、財政及び構造政策―を個別にまた総合的に用いる必要があることを認識する。

  3. 我々は、財政面において、財政の持続可能性を確保しつつ、短期的な経済条件や個別の能力を考慮に入れながら、経済成長、雇用創出を支援できるよう政策の柔軟な実施を継続する。

  4. 我々は、構造面において、新たな構造改革行動や既存の改革コミットメントの履行を含め、経済の脆弱な部分に対処し、新しい潜在成長源を解き放つというコミットメントを再確認する。我々は、構造改革は中長期の経済成長を伸ばし、地域の最近の減速を反転させる重要な手段であり、各国の状況やマクロ経済状況によって柔軟に適用し得ると認識する。その意味で、我々は全てのAPECエコノミーが、改定されたAPEC構造改革アジェンダの実施に野心的であることを奨励する。

  5. 我々は、金融政策及び為替政策についてのこれまでのコミットメントを再確認する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗し、競争力のために為替レートを目標としない。我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認する。

公共政策の強化
  1. 我々は、2016年の財務大臣会合プロセスのテーマ「統合された強靭なアジア太平洋地域に向けた公共政策の強化」の下、財務大臣会合プロセスの現代化戦略(別紙A(PDF:27KB)PDF)、セブ行動計画の実施戦略(別紙B(PDF:29KB)PDF)に合意する。我々は、両方の戦略が、地域における発展の水準や国内状況を勘案した意味のある改革の実施を促進する我々のフォーラムを通じて、具体的な成果を確保する基盤となることを信じる。

  2. 我々は、セブ行動計画の非拘束かつ自発的な性質を考慮しつつ、2018年および2020年にAPEC全体でのセブ行動計画実施の進捗を示す。

  3. 我々は、アジア太平洋金融フォーラム(APFF)で取組まれた活動や金融包摂に関するアジア太平洋フォーラムを含む、ABACのセブ行動計画の実施に関する2016年の貢献を称賛する。我々は、金融アクセス、インフラ投資、金融市場、保健、災害リスクファイナンスに関するABACの報告と提言を歓迎する。我々は、2017年にこれらを前進させるため、関係当局が民間セクターと協力することを奨励する。

インフラ投資
  1. 我々は、経済成長を高め、生産性を上昇させ、雇用創出を促進する方法として、セブ行動計画の「インフラ開発とインフラ・ファイナンスの促進」という第4の柱に沿って、的確に設計され、持続可能で、強靭なインフラへの投資を、アジア太平洋地域において促進することに引き続きコミットしている。

  2. 我々は、APEC加盟エコノミーとグローバル・インフラストラクチャ―・ハブ(GIH)との間の協力行動計画(別紙C(PDF:25KB)PDF)を通じて、グローバル・インフラストラクチャ―・ハブ(GIH)との協力を強化する。この行動計画は、投資機会の質の改善を追及するための行動の実施を促進する非排他的な枠組みを確立する。

  3. 我々は、セブ行動計画のイニシアティブ4Aに基づき設立された、PPPナレッジ・ポータルを発展するための今年の進捗を認識する。我々は、ナレッジ共有プラットフォームの重複を避けるため、PPPナレッジ・ポータルをハブの既存のナレッジ・プラットフォームに結び付けることに合意する。また、ハブのナッレジ・プラットフォームは、APEC財務大臣会合プロセスを通じて開発された関連手段や資源と適切に結び付けられる。その意味で、我々は、APEC参加エコノミーが、関連情報をハブのナッレジ・プラットフォームに提供することで、PPPナレッジ・ポータルの早期採用者となることを奨励する。また、我々は、このイニシアティブ支援への関心を既に表明した加盟エコノミーを称賛する。

  4. 我々は、持続可能なインフラ財団によって管理されている、クラウド基盤の世界的なインフラ・プラットフォームである国際インフラ支援システム(IISS)などの他の関連イニシアティブを支援し、積極的に協力することを奨励する。我々は、2017年、的確に準備されたプロジェクトに向けて、公的セクター利用者の経験を向上させるため、この組織と協働してAPEC PPPナレッジ・ポータルとIISSとの間の相互運用を開発する。

  5. 我々は、2013年の財務大臣共同声明に則り、PPPセンター間で情報を交換し、ペスト・プラクティスを共有し、PPPセンター間の基準を調和させるため、PPPセンターのAPECネットワークの実施の重要性を強調する。その意味で、我々は、世銀、ADB、OECD、アジア太平洋インフラパートナーシップからの適切な支援とともに、2017年のこのイニシアティブの実施を奨励する。このネットワークの下で展開される活動には、対等なもの同士の間の技術交換、ラウンドテーブル議論、出向、研究訪問、政策対話を含む。

金融包摂
  1. 我々は、金融安定化の枠組みの中で金融包摂のための政策を実施することは、我々エコノミーにおける経済成長と所得分配に良い影響を与えることを確信している。我々は、セブ行動計画の「金融統合の促進」という第1の柱に沿って、金融包摂と金融リテラシーの拡大への努力を深化することにコミットする。

  2. 我々は、全ての層の人々に実効的に便益を与える金融市場を発展させるための、地域内の制度的な枠組みの重要性を認識する。その意味で、金融包摂のための国内戦略の設計と実施は、金融包摂のための政策の継続性を確保し、不平等と貧困格差を無くすことに貢献するために不可欠である。我々は、各エコノミーが、可能な限り、世界銀行のガイドラインだけでなく、自身の経済・社会状況を考慮に入れながら、これら戦略を発展・強化することを奨励する。

  3. 我々は、国内戦略の重要な構成部分として、金融サービスのためのデジタル・エコシステムの推進、零細・中小企業(MSMEs)向け金融メカニズムの開発、金融教育に関するOECD国際ネットワークによって構築された専門性や基準を基礎とする金融リテラシー政策の設計と実施に焦点をあてた作業を行う。我々は、セブ行動計画に沿って、この努力を支援するためのAPECにおける金融リテラシーに関する報告を期待する。

  4. 我々は、2017年、国連を基礎とする政府・企業・国際機関のパートナーシップである、ベター・ザン・キャッシュ・アライアンスと協力し、APEC加盟エコノミーにおける包摂的で責任のあるデジタル・ペイメント・エコシステムを推進する。

  5. 我々は、担保付き取引と信用情報システムの利用拡大を狙いとした、金融インフラ開発ネットワーク(FIDN)を通じて行われた今年の活動を認識する。

災害リスクファイナンス・保険
  1. 我々は、セブ行動計画の「金融強靭性の向上」という第3の柱に沿って、保険普及率を大幅に引上げ、災害リスク費用を効果的に対処・削減するための先進的な技術や手段を開発する初期段階として、リスク構成部分(危険、露出度、脆弱性)のデータ収集と保険の必要性を認識する。

  2. 我々は、適切な災害リスクファイナンス・メカニズムを特定・実施し、保険普及率の上昇を促すため、世界銀行の支援を受けた、APECエコノミー向けの地域災害リスク・ファイナンス・ソリューション作業部会の設立を歓迎する。我々はより多くのエコノミーや国際組織がこのイニシアティブに参加することを奨励する。我々は、公的資産の露出度の収集と災害リスク保険データベースのための標準となるベスト・プラクティス手法に関して、世界銀行による進歩に留意する。また、我々は、上記組織に、2017年末に最初の研究結果を期待する。

  3. また、我々は、保険業界、国連、世界銀行による官民パートナーシップである、保険開発フォーラム(IDF)が今年設立されたことを歓迎する。この国際的なプラットフォームは、民間セクターとの協力の下、異なるエコノミー間の経験交換に役立ち、また保険市場の更なる発展を確保する助けとなり得る。その意味で、我々は来年、将来の協力分野を特定するためにこの組織とともに働く。

その他の課題
  1. 我々は、アジア太平洋地域内の租税回避や脱税に対処する努力を深化させることにコミットする。この努力において重要な点は、税務当局間での情報交換である。その意味で、我々は、APECエコノミーが、国際的に合意された税の透明性基準の採用や、OECDの多国間税務行政執行共助条約、OECDの国別報告書の交換に関する権限ある当局間合意といった関連文書への署名により、それぞれの税システムの清廉性を高めることを奨励する。

  2. 我々は、税源浸食と利益移転(BEPS)に関するG20/OECDの包摂的枠組みの設立を歓迎する。当該枠組みの下では、BEPSプロジェクトにコミットした全ての地域が対等な立場で作業し、BEPS対抗措置の広範で一貫した実施を促進する。我々は、発展途上国が、能力構築や必要な法的枠組みの実施に関する国内の課題に依然として直面していることを認識する。我々は、これらの問題を克服するため、国際機関や先進国の継続的な支援を求める。また我々は、この観点で、来たる12月のフィリピンにおける、OECDが企画し、ADBがホストするBEPS地域会合の開催を歓迎する。

  3. 我々は、5つのAPECエコノミーが参加する協力覚書という、アジア地域ファンドパスポートに関する今年の進捗を歓迎する。我々は、これらエコノミーが、2018年より前に国内的な措置を実施することを奨励する。このパスポートは、地域内の経済成長の新たな源を作り出し得ることから、我々は、より多くのAPECエコノミーがこのイニシアティブに参加することを求める。

  4. 我々は、不可欠なエネルギーサービスを提供しつつも、無駄な消費を助長する非効率な化石燃料補助金を合理化し、段階的に減少させるとの首脳のコミットメントを再確認する。我々は、APECとG20において、非効率な化石燃料補助金に関する自発的なピア・レビューを進んで実施した10のエコノミーを感謝する。我々は、能力構築にかかるエネルギー作業部会との2017年における共同作業を支援する。

  5. 我々は、他のAPECワーク・ストリームによって取組まれているAPECサービス競争力ロードマップに関する作業に協力する。また我々は、セブ行動計画と整合的な、関心のある関係者間における金融サービスの開放性に関する議論を奨励する。

  6. 我々は、財務高級実務者に、2017年に実現可能なAPEC経済委員会との協力分野を特定させる。

  7. 我々は、2017年、健康障害の財政・経済に対する影響への対処方法に関して、APEC生命科学イノベーションフォーラムや保険作業部会との継続的な対話を行うことを歓迎する。

  8. また、我々は、今年の財務大臣会合プロセスの支援に関して、ADB、IMF、OECD、世銀の努力への評価を再確認する。

  9. 我々は、本年のAPEC財務大臣会合プロセスのホストを務めたペルーに感謝する。我々は、2017年10月、ベトナム・クアンナム=ダナンにおける第24回会合で再会する。