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第22回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(仮訳)(2015年9月11日 於:フィリピン セブ)

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  1. 我々、APECエコノミーの財務大臣は、2015年9月10・11日に、セサール・V・プリシマ・フィリピン財務長官の議長の下、フィリピン・セブ州マクタンにおいて、第22回会合を開催した。会合には、アジア開発銀行(ADB)総裁、国際通貨基金(IMF)及び世界銀行グループ(WBG)の幹部、経済協力開発機構(OECD)事務総長、東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局長、APECビジネス諮問委員会(ABAC)金融・経済作業部会長も出席した。

  2. 我々は、APECの現在と将来の経済パフォーマンスを形作っている経済・金融動向について意見交換を行った。我々は、域内における強固で持続可能な、包摂的かつ均衡ある成長を達成するとの我々の取組みを支える、マクロ経済政策及び構造政策の役割を再確認した。

  3. 我々は、世界経済成長に対してAPEC地域が行っている重要な貢献が継続していることを歓迎した。不確実性及び金融市場の変動の中にあって、成長は依然として緩やかでばらつきがあり、また、依然として下方リスクがある。金融市場の混乱(disruption)、及び長期的な潜在成長力を引き上げることが主たる課題である。我々は、APEC域内において、経済成長を強化し、金融の安定性を促進するとのコミットメントを維持する。

  4. 我々は、財政の持続可能性を確保しつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案して機動的に我々の財政政策を実施する。我々は、金融政策及び為替政策についてのこれまでのコミットメントを再確認する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する。我々は、新たな構造改革のアクションをとることや既存の改革コミットメントを実現することを含め、我々の経済の弱さに対処し、潜在成長の新たな源泉を引き出すとのコミットメントを再確認する。

  5. フィリピンが議長国を務める2015年APECのテーマである「包摂的なエコノミーの構築とより良い世界の構築」の下、我々は、セブ行動計画(CAP)を首脳に提出する(別添A(PDF:110KB)PDF)。CAPは、より繁栄し、金融面で統合され、透明、強靱で連結されたAPECコミュニティーの創設を目指す自発的かつ非拘束的なロードマップである。我々は、(i)金融統合の促進、(ii)財政改革・透明性の推進、(iii)金融強靱性の向上、(iv)インフラ開発とインフラ・ファイナンスの促進、というCAPを支える4つの柱の下での行動プログラムを特定した。CAPは、自由で開かれた貿易・投資というボゴール目標、及びAPEC域内の将来の成長のための優先課題の特定に関する「成長戦略とファイナンスに関する京都レポート」に向けた進捗を継続するものである。

  6. 効率的、革新的で競争的な金融市場は、APECの成長の継続のために重要である。域内の金融の発展及び統合は、APECの金融市場が規模の経済を達成するために必要である。この点で、我々は、投資家保護、市場のintegrity、規制状況等といった考慮すべき事項とのバランスをとりつつ、金融統合を引き続き促進していく。これらは、域内貿易・投資の増大に途を開き、APECにおけるより包摂的な金融市場の発展を円滑化するものである。とりわけ、我々は、APECエコノミーにおける、より自由化された金融サービス・資本勘定を目指していく。

  7. 効率的で手頃な金融サービスは、零細・中小企業を含め全てのレベルでの経済活動の成功にとって極めて重要である。このため、我々は、域内の貿易・投資活動及び一層の地域統合を容易にし、包摂的な成長を加速するため、APECにおける貿易・サプライチェーン・ファイナンス及び代替的なファイナンシング・メカニズムを促進する。特に、我々は、効果的な信用情報システム、信用市場における動産担保の利用を促進する倒産法制等の発展を推進するためのアジア太平洋金融フォーラムの専門的なサブグループである金融インフラ開発ネットワーク(FIDN)の設置に関するABAC、世界銀行グループ、中小企業金融フォーラム、OECD及びAPECエコノミーによる協働的な取組みを歓迎する。我々は、中小企業に関するG20/OECDハイレベル原則に係る進捗を歓迎する。

  8. 金融包摂・金融リテラシーのよく組織された拡張は、APEC内の貧困軽減と経済機会の拡大のために極めて重要である。このため、我々は、包摂的な経済とAPECにとってより良い世界の構築のために、金融包摂の更なる強化に対するコミットメントを再確認する。我々は、金融包摂に関する政策革新と改革についての経験を共有し、交換することに合意した。

  9. 我々は、地域の持続可能かつ均衡のとれた成長を支えるに当たっての送金フローの重要性、金融包摂を一層促進していくに当たり送金フローが果たす役割を認識。したがって、我々は、G20の取組みを支持し、平均送金コストを5%に削減するための計画を策定し共有することをAPECエコノミーに対し慫慂する。

  10. 我々はまた、アジア地域ファンドパスポート(ARFP)の進捗、参加エコノミーのAPEC財務大臣によるここセブ州における参加表明文書への署名に留意し、APECの参加エコノミーによる今年中の協力覚書への署名を奨励する。

  11. 我々は、良いガバナンス及び政策的改革のための財政透明性の重要性を認識する。財政の透明性は、経済の安定性を促進し、自由な貿易・投資というボゴール目標を達成するため、APECのプロセスにおいて重要な原則である。従って、我々は、公共投資の枠組みにおけるベストプラクティスに関する知見を共有し、財政透明性における国際的なベストプラクティスに向けて作業する。我々は、オープンデータ・ポータルの設立及び維持についてのAPECエコノミーにおけるプラクティスに関する参考文書の公表を歓迎する。

  12. 我々は、不可欠なエネルギーサービスを提供しつつも、無駄な消費を助長する非効率な化石燃料補助金を合理化し、段階的に減少させるとの首脳のコミットメントを再確認する。

  13. 我々は、国境を超える租税回避等に対処するため協働する。このため、我々は、要請に基づく情報交換及び自動情報交換(AEol)に関するコミットメントの提案と共に、2015年のG20/OECD 税源浸食・利益移転(BEPS)行動計画の進捗を歓迎する。

  14. より経済ショックを吸収するために、十分な財政余地(fiscal space)を維持し、また、より深化した金融市場を構築することを通じ、我々はAPEC域内における金融の強靭性を強化することにコミットしている。我々は、マクロプルデンシャル的な政策枠組み及び対外資本フローの変動に対する強靭性に係る経験を共有することを含めマクロ経済の協力を継続することにコミット。

  15. 自然災害により多くのAPECエコノミーが高いコスト負担を被っていることに鑑み、我々は、強靭性を強化することの重要性を再確認する。このため、我々は、革新的な災害リスクファイナンスと保険メカニズム、資本市場を通じたその他の利用可能なリスク移転の手法の発展を通じて、域内の金融強靱性を強化するために協働する。

  16. 我々はまた、ADB及びOECDに対し、共同して、公的ファイナンスの枠組みにおける偶発債務としての災害の金融的なリスクの管理に関するストックテイクを行い、報告書を準備することを委託する。また、我々は、世界銀行グループに対し、関心を有するAPECエコノミー間での、リスクのプーリングを含む域内災害リスクファイナンス・メカニズムのオプションに係る研究を行い、報告書を準備することを委任し、また、適切な場合には、包括的な災害リスク管理枠組みの金融的側面を発展させるため関連する国際機関と協働する。

  17. また、我々は、リスク移転並びに零細・中小企業及びインフラのファイナンスの促進を通じて金融強靭性を強化するに当たり、資本市場の役割が高まっていることを認識する。このため、我々は、強靭性強化のために域内の金融インフラを改善するロードマップの開発を支持する。我々は、ヘッジ手段や市場情報への市場参加者のアクセス改善を通じて、深みと流動性がある市場を推進していくための取組みを慫慂する。

  18. 我々は、都市化の進展、人口の増加、及びAPECエコノミー間の連関性の強化に照らし、APEC連結性ブループリントにあるように、APEC域内における質の高いインフラ開発が重要であることを認識する。インフラ開発の加速は、域内の経済回復を強化し、経済成長を下支えすることに資する。

  19. 我々は、特にPPPインフラ・ファイナンスの促進に関する取組みにおいて、2013年及び2014年にAPEC首脳により承認された「APECインフラ開発・投資に関する複数年計画(MYPIDI)」及び「APEC連結性ブループリント」の実施に関する著しい進捗、とりわけ、PPPインフラ・ファイナンス促進の作業に係る進捗に留意する。本年、我々は、APECエコノミーにより行われるPPPインフラ・プロジェクトのオンラインでの一覧であり、標準的なPPPのターム及び実例の概要の目次的ガイドでもあるAPEC PPPナレッジ・ポータルの開発を期待する。

  20. 我々は、以下の暫定的な内容を備えたPPPナレッジ・ポータルを設立するために、グローバル・インフラストラクチャー・ハブ(GIH)と緊密に協力する。(i)APECエコノミーが実施したPPPインフラ・プロジェクト、(ii)PPPインフラ・プロジェクトに関する民間企業、コンサルタント及び専門家の要覧、(iii)域内のインフラ投資家が利用できる金融及び法律面における官民のリスク緩和手法。

  21. また、我々は、APEC地域における機関投資家・長期投資家向けのアセットクラスのひとつとして、質の高いインフラ開発の重要性を認識する。このことは、域内の貯蓄をインフラ投資に動員することを促進する。従って、我々は、インフラ投資において年金基金及び保険業界が積極的なポジションをとるという役割を推進する官民イニシアティブを通じて、インフラへの長期投資の促進に関する経験を共有することをAPECエコノミーに対し慫慂する。

  22. 我々は、APECにおける急速な都市化に留意し、都市化には、地域のイノベーティブな成長と包摂的かつ持続可能な発展を促進する役割があることを強調する。このため、我々は、都市化及び持続可能な開発に係る経験とベストプラクティスを共有するとのコミットメントを再確認する。

  23. また、我々は、ABAC、ADB、IMF、OECD及び世界銀行グループの取組みを評価する。我々は、CAPをサポートするこれらの機関による作業、特に、別添B(PDF:146KB)PDFに列挙されている研究提案及び発行された報告書を歓迎し、インフラ、零細・中小企業ファイナンス、資本市場に関する我々の作業への、アジア太平洋インフラパートナーシップ(APIP)、アジア太平洋金融フォーラム(APFF)を通じたABACの貢献に感謝する。我々は、本年の金融包摂に関するアジア太平洋フォーラムを開催したことにつきABAC及びADBを称賛する。

  24. 民間セクターとの強い協調は、依然としてAPECプロセスの有効な特質であり続ける。我々は、中小企業金融、金融包摂、災害リスクファイナンス、マイクロ保険に関するCAPへのABACの報告書及び貢献を歓迎する。我々は、インフラ投資及び、保険・年金産業、資本市場の発展に関する民間セクターの作業を称賛する。我々は、投資政策と評価慣行についての取組みを継続することを慫慂する。また、我々は、我々の会合と並行して金融セクター・ラウンドテーブルが開催されたこと、引き続いて、いかに官民双方がCAPの実施をサポートしうるかについて対話が行われたことを歓迎する。

  25. 我々は、本年のAPEC財務大臣プロセスのホストを務めたフィリピンに感謝する。我々は、2016年10月、ペルー・リマにおける第23回APEC財務大臣会合で再会する。