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第21回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(仮訳)(2014年10月22日 於:中国・北京)

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1. 我々、APECエコノミーの財務大臣は、2014年10月22日に、中華人民共和国楼継偉財政部部長の議長のもと、中国の北京において、第21回年次会合を開催した。会合には、アジア開発銀行(ADB)総裁、国際通貨基金(IMF)副専務理事、経済協力開発機構(OECD)事務局長、世界銀行専務理事・最高執行責任者、APEC事務局長、APECビジネス諮問委員会(ABAC)議長も出席した。

世界・地域経済

2. 世界経済が依然として継続的な需要の弱さに直面している中、成長にはばらつきがあり、必要とされている雇用の創出に必要なペースを下回ったままであり、下方リスクが増している。アジア太平洋地域は、世界経済の牽引役として、世界の回復を強固で持続可能かつ均衡ある成長に導くべきである。我々は、域内のエコノミーが経験を共有し、意見を交換し、合意を形成し、協力を深化させるプラットフォームとして、APEC財務大臣会合プロセス(FMP)の重要性を強調する。我々は、このプラットフォームをより積極的に活用し、APEC FMPとG20のような他の多国間協力の枠組みとの政策協力を強化させることにコミットし続ける。

3. 我々は、持続可能な成長を達成するためには、短期的な政策と長期的な政策の両方が必要になることを認識する。我々は、引き続き、財政の持続可能性を確保しつつ、経済成長と雇用創出を支えるために、短期的な経済状況を勘案して機動的に財政政策を実施する。我々は、金融政策及び為替政策についてのこれまでのコミットを再確認する。我々は、新たな構造改革の取組みを展開し、既存の改革へのコミットメントを達成することも含めて、我々のエコノミーの脆弱性に対処し、潜在的な成長の新たな源泉を引き出すことへのコミットメントを再確認する。

インフラ投資・金融

4. 投資は、需要を促し成長を高めるために不可欠である。インフラ投資は、潜在的な成長を実現し開発目標を達成する上で重要な役割を果たす。我々は、アジア太平洋地域の予想されるインフラに対するニーズと政府の限られた財源の間に存在する資金ギャップに鑑みて、官民パートナーシップ(PPP)を含め、長期投資を呼び込みこうしたギャップを埋める民間資金フローを活用するために、我々自身の政策の改革を含む更なる努力を要請する。我々は、引き続き、ASEANとのものも含め、既存の計画とイニシアティブと協働して、この地域におけるよく計画された持続可能かつ強じんなインフラの開発を促進する。

5. 我々は、適切な環境の促進、インフラの質的要素、グッドプラクティス及び原則、人間中心の投資に基づくインフラ開発計画の策定、融資可能なプロジェクトの策定、並びに長期民間融資の誘引を通じた、PPP手法の促進において公的セクターの果たす重要かつ主導的な役割を認識する。我々は、本年のAPEC財務大臣会合プロセスにおけるインフラPPPファイナンスによって達成された、APEC首脳が2013年に承認したインフラ開発・投資に関する複数年計画(MYPIDI)を実行するための本格的な作業と実りある結果に留意する。我々は、PPPプロジェクトの実施から得た参考となる経験と教訓を示すPPPケーススタディ集が、メンバーエコノミーと国際機関の支援の下で作成されたことを歓迎する。我々は、このケーススタディに基づいて作成された、インフラPPPプロジェクトを成功させるための実施ロードマップを、APECメンバーエコノミーがインフラPPPプロジェクトを計画・実施することに役立つ有用な参考資料として承認する。この実施ロードマップとケーススタディ集は、APEC連結性ブループリントと首脳会議への財務大臣会合(FMM)の明確な貢献として、APEC首脳に提出される。

6. 我々は、APECエコノミーの様々なPPPの実践からの教訓として、PPPインフラファイナンスの促進に向けた公的セクターにおける能力構築の重要性を再確認する。この観点から、我々は、PPPプロジェクトの実施に関する能力構築の促進を目的として、メンバーエコノミーのインフラ開発担当の職員向けのAPECトレーニングプログラムが創設されたことを歓迎する。我々はまた、ADBの中国貧困削減地域協力基金(PRCF)から500万米ドルをコミットするという中国の決定を含む、APEC発展途上エコノミーのインフラPPPのための能力構築とプロジェクト開発の支援のためのAPECメンバーの努力を歓迎する。

7. 我々は、PPPセンターがPPPプロジェクトの実施における政府の能力を向上させる有用な組織的手段になり得ると確信する。我々は、インドネシアによる自国のパイロットPPPセンター創設に向けた2014年の進捗を認識する。我々は、関心のあるメンバーエコノミーが自国にPPPセンターを創設することを奨励し、新規・既存のPPPセンター間、及びAPEC研究センターとの広範な経験の共有、コミュニケーション及び交流を要請する。この目的のために、我々は、PPPプロジェクトの開発を促進する中核的研究拠点として、また政府における組織的に構築されたものとして、中国財政部内にPPPセンターが設立されたことを歓迎する。我々は、APEC専門家アドバイザリーパネルについて、本年活動が正式に開始したことや付託事項が承認されたことを含む進捗を歓迎し、PPPプロジェクトの実施における能力構築の促進に関する作業を評価し、域内の既存の及び新たに設立されたPPPセンターへの支援を続けることを奨励する。我々は、ADB、世界銀行グループ、及びOECDのような国際機関(IOs)に対し、能力構築、技術支援、分析的レビュー及び取引のアドバイスサービスを含む、アジア太平洋地域におけるPPPプロジェクトの開発と必要な改革を支援するよう奨励する。

8. 我々は、アジア太平洋金融フォーラム(APFF)やアジア太平洋インフラパートナーシップ(APIP)等のAPECのイニシアティブを通じて、国内資本市場とインフラに対する民間投資を可能にする環境の発展によって、インフラ開発のための長期の機関投資家を含む民間セクターの投資家を動員することを決意する。我々は、国際機関に対し、アジア太平洋地域におけるインフラへの長期融資の触媒となるため、PPPインフラプロジェクトへの支援を続けることを強く促す。従って我々は、開発の影響を高めるためのプロジェクトの優先順位付けに関する世界銀行グループのレポート及び長期投資ファイナンスを促進するためのG20/OECDの効果的なアプローチとチェックリストを歓迎し、この成果に基づき、ADB、世界銀行グループ、OECD及びその他の国際機関に対して、アジア太平洋地域にとって有用なグッドプラクティスを特定するよう呼びかける。

経済の再編のための財政・租税政策及び改革

9. 我々は、持続的な財政に引き続きコメットしつつ、経済の再編を促進し、強固で持続可能かつ均衡ある成長を達成するため、適切な財政・租税政策を実施することにコミットする。我々は、我々の市民全員にとって雇用をより多く創出するための更なる努力の実施を強く望んでいる。特に、我々は、若年者の良質の雇用を促すため、引き続き付加価値の高いサービス部門を発展させ、経済活動、成長及び雇用創出の牽引役である中小企業(SMEs)を支援し、研究開発への投資を増加する。我々はまた、引き続きより多くの教育と訓練を提供し、特に若年者と女性の失業問題に対処する。我々は、環境的・資源的制約という共通の課題に対処する際、財政・租税政策が、市場に基づいたグリーンな成長のメカニズムを補完し、環境に配慮しかつ資源を節約する技術の導入を奨励する触媒的な役割を果たし得ることと、それがメンバーエコノミーの長期的な競争力の向上や新たな成長の機会の提供に役立ち得ることを認識する。

10. 我々は、メンバーエコノミーにおける中期的な財政フレームワークの策定や財政の持続可能性を強化する予算改革の深化を含む、財政制度の強化の重要性を認識する。我々は、広範な経験の共有が本年行われていることに留意し、この関連における継続的な取組を期待する。

11. 我々は、公正かつ透明な税制を引き続き推進することに価値をおいている。我々は、2年間に亘るG20とOECDの税源浸食・利益移転(BEPS)行動計画の完了及び税に関する情報の自動的な交換のための新しい国際的な共通報告基準の実施に向けて、G20等の国際会議への参加者により、重要な進展が成されたことを認識する。それらはAPECエコノミーにおける公平かつ透明な税制を支援することになる。

12. 我々は、健全かつ競争的なサービス部門を育成するうえで、開かれた、透明な政府調達の重要性を強調する。

地域実体経済に資する金融サービスの改善

13. 我々は、深みと流動性があり効率的な金融システムが、より生産的な活動への資本の振向けを促進し、将来の成長を維持することを認識する。我々は、アジア太平洋地域では自然災害が起こりやすいことを認識し、この文脈において、同地域において強じんな実体経済を構築するために、災害リスクファイナンス(DRF)に対する我々のアプローチを引き続き改善していくことの重要性を再確認する。これには、災害リスクに関する健全な財政運営の確保と、保険市場と資本市場における効果的なリスク移転商品への支援を含む。我々は、ADB、OECD、IMF及び世界銀行グループのような国際機関が、能力構築の提供、グッドプラクティスの導入及びDRFに関連するAPECの主要な優先課題に対処することを促進する効果的なアプローチの特定において、APECメンバーエコノミーと協働し続けることを期待する。この分野における進捗は、次のAPEC財務大臣会合において報告がなされる。

14. 我々は、気候資金が、気候変動を解決するための重要な課題であることを認識し、緑の気候基金への我々の支援を再確認する。

15. 我々は、中小企業は地域経済の基幹であるが、資金へのアクセスにおける障害に直面していることを認識した。従って我々は、法・規制環境の改善、資本市場の更なる発展、サプライチェーンファイナンスのような革新的な金融手段の促進により、中小企業の資金難に対処するために更なる努力を重ねることに賛同する。我々はまた、金融市場へのよりよい理解や地域的・世界的な市場における効果的な活動を促進するために、中小企業の能力構築を向上させる金融教育の促進にコミットする。我々は、ADBによるアジアSMEファイナンス・モニター、中小企業のための金融アクセス拡大に関するADB・OECDの研究および金融包摂のためのグローバル・パートナーシップの作業に留意する。我々は、IMF、OECD、ADBや世界銀行グループに対して、アジア太平洋地域の中小企業とインフラに対する資金供給を更に促進させ得る市場の発展と金融商品がどの分野において進展し得るかを特定するように要求する。

その他の事項

16. 我々は、2008年から始まったアジア太平洋金融開発センター(AFDC)とベトナム財務省の金融研修機関との協働を通した、金融に携わる職員への能力構築における中国のベトナムとの協働を歓迎する。我々は、域内の金融分野における知見の共有に関する新たな需要を満たすための、AFDCからアジア太平洋金融開発機構(AFDI)への格上げにおける中国のイニシアティブを支援し、アジア太平洋地域における経済・技術協力と能力構築の支援についての中国の努力を評価する。我々は、適切な場合には、APEC研究センター等を通じ、我々とAFDIとの協働を強化することを望んでいる。

17. 我々は、指針及び基本協定案へのコメントを求める市中協議報告書が多くのAPECエコノミーにおいて発表されたことを含む、2010年以降のアジア地域ファンドパスポートの発展における進捗に留意する。

18. 我々は、ABACのレポートとイニシアティブに感謝する。我々は、関連する当局に対し、資本市場、中小企業金融及び長期投資を発展させるうえで、APFFと協働することを奨励する。我々は、金融アクセスの拡張のための施策に関する、継続的なAPIP対話と金融包摂に関するアジア太平洋フォーラムのレポートを歓迎する。我々は、長期貯蓄の動員、健全な評価の実践、革新的な金融メカニズム、都市インフラ及び新興市場国の通貨の国際化の推進のためのABACの提案に留意する。

19. 我々は、本年のAPEC財務大臣プロセスのホストを務めた中華人民共和国に感謝する。我々は、2015年9月10〜11日に、フィリピン・セブで第22回APEC財務大臣会合を開催する。