別添B 2013年APEC財務大臣プロセスにおけるイニシアティブの報告(仮訳)
金融包摂
金融包摂に関する2つのAPECワークショップが2013年に開催された(2月27-28日於ジャカルタ及び5月23-24日於マナド)。これらの議論から、APECエコノミーにおける分配チャネル、特に支店を持たない銀行の革新を計画し実行する際に参考として使うことができるいくつかの共通のテーマがあがった。それらは以下に挙げる必要性に関するものであった。
(@)銀行口座を持たない人のニーズに対応する金融機関のコミットメントの強化
(A)持続可能なビジネスモデルと適切な商品の開発の促進
(B)サービスを効率的かつ効果的に提供できる、技術を含む十分なインフラと強固な法的枠組
(C)金融包摂を促進しうる、バランスのとれた、包括的な規制枠組の開発
(D)特定のリスクを確認し緩和することを通じたリスク管理枠組の促進
(E)包括的な金融教育プログラムにより補完される、信頼を確保し、革新的な金融サービスへの需要を支える顧客保護枠組の開発
(F)実効性を改善するための利害関係者の間の連携と協調の強化
(G)プログラムが既存のルールや規制に従っていることを確保するための十分な監視や監督メカニズムの支援とともに、国際基準に沿って運営上の許可を規制する明確で必要な要件の開発
アジア太平洋金融包摂フォーラム(ABAC、インドネシア、ADB)
技術革新は、低所得層と小規模企業に提供される金融サービスの費用を大幅に減少させ、かつその効率性を増加させることにより、金融包摂を促進する。2013年アジア太平洋金融包摂フォーラムは、2013年6月11-12日にインドネシアのバタム島で開催され、ABAC、アジア開発銀行(ADB)研究所及びそれらのパートナー機関が参加した。RMIT大学のオーストラリアAPECスタディセンターによって開催されたトレーニングプログラムは、政府による金融包摂を促進するための技術革新の活用に資するさまざまな手段を特定した。
モバイル・バンキングや支店を持たない銀行は、金融商品やサービスへのアクセスを増加させる主要な役割を果たし、銀行口座の無い人が銀行取引をするうえで大きな機会となる。しかし、それは、金融包摂に関する国内政策、金融商品とサービスの開発、規制枠組、利害関係者との協調、消費者の視点といった要素を含む多次元の課題である。従って、モバイル・バンキングや支店を持たない銀行のサービスの開発は、複数の観点からの課題に対処するための包括的なアプローチを必要とする。APEC財務大臣は、フォーラムの主要な発見に関する全体報告書を受けとった。
APECビジネス諮問委員会(ABAC)アジア太平洋金融フォーラム(ABAC、オーストラリア)
ABACにより設立されたアジア太平洋金融フォーラム(APFF)は、統合された金融市場の発展の加速に資する地域的な官民連携のためのプラットフォームである。
シンポジウムは、2013年4月10-11日にオーストラリアのシドニーで開催された。シンポジウムは、APFFが支援可能な、貸出と資本市場、市場インフラ及び長期の貯蓄を動員するための制度の発展における関連性と優先課題を特定した。シンポジウムは、健全で、効率的で、包摂的で、統合された地域金融システムの開発において官民連携を深化することに貢献した。
国庫予算改革
インドネシアとAPEC事務局の共催による国庫予算改革に関するAPECワークショップが、2013年7月2-3日にインドネシアのロンボクで開催された。APECメンバーエコノミーは、APEC担当者間の改革イニシアティブに関する知識と経験の交換を歓迎する。我々は、ワークショップの議論から出された、以下の事項を含む主要なテーマに留意する。
(@)特に財務省と中央銀行間、また、他の政府組織や各省との間の組織の協調は、国庫予算改革の全ての側面にとって重要な構成要素。財政・金融当局の間の強い関係は、情報交換、協議及び協調によって支えられうる。多くの国は、明確な説明責任を確保する覚書又は協定などを通じた組織間の明確なルールとアレンジメントによってこの関係を支える。
(A)流動性リスク、政治リスク、政府の歳入歳出フローの変動といった、国庫予算システムを管理する中でのリスクのさまざまな要素を考慮する必要性。
(B)予算に関する決定を改善し情報を提供するために国庫予算改革の結果を利用することの重要性。
(C)財政の透明性を強化し長期の財政の持続可能性を促進する上での、政府の財政報告の重要性。
(D)歳出見直しに関して、健全な手法とプログラム予算構造によって支えられたパフォーマンス測定は、徐々に予算の配分と効率性を改善するために重要である。また、これらのパフォーマンス測定は、予算政策の意思決定において、政府に対して価値のあるインプットを提供する。
APECエコノミーは、メンバーエコノミー及び国際金融機関の間での適切な改革に関する任意の情報と教訓の共有を歓迎する。これが、地域内の進行中の改革を特定し奨励するための建設的な対話を生み出す。
アジア太平洋インフラ・パートナーシップ(ABAC)
2010年から、ABACは、政府と民間部門がインフラファイナンスに関する複雑な事項について率直かつ客観的に議論し、彼らが直面する課題やリスクの理解を促進する地域の枠組を創設した。このアジア太平洋インフラ・パートナーシップという構造は、主要な政府担当者、国際開発金融機関からの専門家、インフラPPPに関係する幅広い分野からの民間部門の上級専門家を含む。
2013年、APIP対話はフィリピンとタイで開催された。財務大臣はこれらの対話の結果の概要の提供を受けた。ABACは、この価値ある対話を2014年財務大臣プロセスの一環として続ける。
APEC金融規制当局者のトレーニングイニシアティブ(ADB)
1998年のAPEC財務大臣会合において承認された、APEC金融規制当局者のトレーニングイニシアティブ(APEC FRTI)は、金融監督と規制の質と効率性を改善するための、組織的、統合的、及び持続的なアプローチを提供する。APEC FRTIは、最も長続きしているAPEC財務大臣のイニシアティブである。ADBは、APEC FRTIの事務局を務めている。
技術的支援及び事務局としての支援に加えて、ADBは、FRTIの活動に継続して財政支援を提供している。ADBは、APEC FRTIを支援するため、合計650万ドルに上る7つの技術支援プロジェクトに資金供給している。
2001年から、4,263人の金融規制当局者と監督当局者が105のトレーニングセミナーで訓練を受けた。これらは、58の銀行監督セミナー、45の証券規制セミナー、及び2つの短期訓練プログラムを含む。
2013年、銀行監督当局者向けの3つ及び証券規制当局者向けの3つの合計6つのセミナーが催され、277人の金融監督当局者と規制当局者が訓練を受けた(さらに5つのセミナーが今年、韓国からの追加の財政支援とともに開催されることが期待される)。新たな学習分野における訓練の要請が世界金融危機の後続いた。FRTIは、クロスボーダーの監督や情報技術に関連したものを含む新たなテーマに広げることによって応えた。
