第17回APEC財務大臣会合 大臣共同声明(2010年10月5、6日)(2010年10月23日)
| ||
| 1. | 我々、APECエコノミー財務大臣は、2010年11月5、6日に、日本の野田佳彦財務大臣の議長の下、日本の京都において、第17回年次会合を開催した。会合には、アジア開発銀行の総裁に加え、国際通貨基金、世界銀行及びAPECビジネス諮問委員会(ABAC)の幹部も出席した。 |
| 2. | 我々は、アジア太平洋地域における現在の経済・金融の動向や、政策の方向性について意見交換を行った。APECは、コンセンサスの形成と、複数年にわたるイニシアティブの実施において強みを有していることを認識しつつ、APECメンバーが、より強固で、より持続可能な、より均衡ある域内の成長を達成するため、政策手段を講じることの重要性を強調した。 |
| 3. | 世界経済は、最近の金融危機から回復しつつあるが、不確実性が残っている。域内における成長は一様ではなく、発展途上エコノミーが力強く回復する一方、先進エコノミーの回復はより緩やかである。域内の新興エコノミーに対するネットの資本フローは、相当の規模で戻ってきており、いくつかのエコノミーにおける資本フローの変動や資産価格の上昇のリスクが強まっている。金融改革は進行しており、より強固で強じんな世界の金融システムを構築するための措置を、引き続き取るべきである。我々は、開かれた市場を維持し、保護主義と戦うことに引き続きコミットしている。我々は、協働的かつ協調的な形で回復を支えていくという共通の決意を再確認した。 |
| 4. | 我々は、APEC首脳の成長戦略に関する議論への重要な貢献として、「成長戦略とファイナンスに関する京都レポート」を首脳に提出する。このレポートにおいて、世界的な需要のリバランスと強化、健全な財政運営の追求、インフラ・中小企業・家計・グリーン投資などの重要分野に対するファイナンスの促進という、将来の成長を確保するための優先事項を選び出した。 |
| 5. | 我々は、慶州で行われた最近の20か国財務大臣・中央銀行総裁会議の結果を支持し、対外的な持続可能性を促進するための多角的協調を強化し、過度の不均衡を削減し経常収支を持続可能な水準で維持するのに資する、あらゆる政策を追求する。我々は、引き続き構造改革を行い、雇用創出を促進する。 |
| 6. | 世界経済におけるAPECエコノミーの重みや、域内の均衡ある成長の重要性を踏まえ、黒字エコノミー、赤字エコノミーの別を問わず、各エコノミーは、必要な政策手段を実行する必要がある。経常収支赤字のエコノミーは、中期的な財政再建などを通じ、貯蓄拡大のための措置を講じる必要がある。同時に、始まったばかりの回復を頓挫させないよう、それぞれの経済状況に注意を払いつつ、適切な順序で財政再建を行うべきである。経常収支黒字のエコノミーは、外需への依存を減らすとともに、インフラ整備のためのファイナンスの充実やソーシャル・セーフティネットの強化など、より強固な内需主導型の成長を促進する構造改革を実施する必要がある。 |
| 7. | 我々は、根底にある経済のファンダメンタルズを反映し、より市場で決定される為替レートシステムに移行し、通貨の競争的な切下げを回避する。準備通貨を持つエコノミーを含む先進エコノミーは、為替レートの過度の変動や無秩序な動きを監視する。これらの行動は、いくつかの新興エコノミーが直面している資本移動の過度な変動のリスクを軽減させる助けとなろう。 |
| 8. | 健全な財政運営を確保し、信頼性が高く、成長に配慮した財政再建計画を策定することは、我々の成長戦略の不可欠な要素である。中長期的な財政計画に支えられた、公的財政管理の効率性の改善も重要である。高齢化は、先進エコノミーだけでなく、より広範なソーシャル・セーフティネットの導入を計画している多くの新興エコノミーにとっても課題である。我々は、エコノミーごとの個別の状況を踏まえつつ、高齢化に伴う支出の伸びが、長期的な財政の持続可能性を損なうことのないよう、必要な手段を講じる。同時に、我々は、人的資本への投資など構造政策の強化を通じ、労働人口の生産性を向上させることの重要性に合意した。 |
| 9. | 我々は、成長を強化するため、いくつかの重要な分野に対して適切なファイナンスを確保する必要がある。エコノミー内の、あるいは地域的なインフラ整備に向けたファイナンスの確保は、生産性向上、貧困削減、社会サービスへのアクセス改善に貢献するものである。我々は、新興エコノミーによる官民パートナーシップ(PPP)を用いたインフラ・プロジェクトの実施を引き続き支援する。これには、来年立ち上げられる新たな助言プログラムも含まれる。地域統合を更に進めるため、国境を越えたインフラが拡充されるのに合わせ、貿易円滑化や税関の近代化が推進されるべきである。 |
| 10. | 零細企業、中小企業、家計の各セクターを含むあらゆるレベルにおける経済活動を促進するためには、効率的で手に届く金融サービスが極めて重要である。このため、我々は、APEC金融包摂イニシアティブを立ち上げ、これまで十分な金融サービスを受けられなかった人々に対して金融サービスを提供するために、金融関連の政策担当者がどのような具体的な措置を講じることができるかを検討する。 |
| 11. | 気候変動対策に資するプロジェクトを可能とし、支えるファイナンスは、力強く持続可能なグリーン成長のために不可欠である。このため、我々は、域内でベスト・プラクティスを共有し、グリーン成長を強化するための提言を行うAPECグリーン成長イニシアティブの重要性に留意する。 |
| 12. | 持続可能な成長と効率的な資源の配分には、健全で良く機能する金融システムの存在が不可欠である。我々は、公平な競争条件を確保し、市場の分断、保護主義、規制裁定行為を回避するような方法で各エコノミー当局が整合的に国際基準を実施するよう、各エコノミーレベル及び国際レベルで基準を引き上げる行動を取ることにコミットしている。また、域内において、よりオープンで統合された金融市場を構築することの重要性を認識し、アジア域内で、国境を越えた資金運用サービスのマーケティングを促進する取組みを歓迎する。 |
| 13. | ビジネス界との密接な協力も、APECの特色である。我々は、ABACからの、インフラに関する官民パートナーシップ・中小企業金融・金融包摂・規制改革・債券市場発展の推進に関する具体的な提言を歓迎した。 |
| 14. | 我々は、本年のAPEC財務大臣プロセスのホストを務めた日本に感謝する。我々は、2011年11月、アメリカのホノルルで第18回会合を開催する。 |
|
|
