現在位置 : トップページ > 財政投融資 > 出版物 > 財政投融資リポート > 財政投融資リポート2012 > 財政投融資の基礎知識:VI部 用語集

財政投融資の基礎知識:VI部 用語集

アーニング・アット・リスク(Earning at Risk)【ALM】

リスクを管理する手法の一つで、将来の一定期間の損益について、モンテカルロシミュレーションなどにより分析を行い、一定の確率で起こりうる損益の変動を把握するものです。

運用残(額)【財政投融資制度】

財政投融資計画に計上した財政融資や政府保証などの予定額のうち、実行されなかった金額をいいます。

なお、財政融資資金の運用残額については、この額に見合う財投債発行を行わず、また、政府保証債の運用残額についても、この額に見合う政府保証の実行を取りやめています。こうしたことから、運用残の発生により、余分な資金調達が行われている訳ではありません。

ALM(Asset Liability Management)【ALM】

『資産(Asset)および負債(Liability)の総合管理』をいい、金融機関などにおいて財務の健全性を確保するために行われている経営管理手法の一つです。

元金均等償還 【財政投融資制度】

償還所要額(元金と利子の合計)のうち、元金を均等に償還する方法をいいます。

元利均等償還【財政投融資制度】

償還所要額(元金と利子の合計)を均等に償還する方法をいいます。

銀行等引受資金(地方債)【地方向け財政投融資】

地方債資金のうち、金融機関などから、借入れ又は引受けの方法により調達した資金をいいます。

金利スワップ取引【財政投融資制度】

金利スワップ取引とは、固定金利と変動金利を交換する取引であり、具体的には、契約者間であらかじめ定めた元本(想定元本)に基づき、半年毎に固定金利と変動金利の交換を行うものです。

なお、金利スワップは、資産・負債双方のデュレーションに影響を与えるため、適切な取引を行うことにより、デュレーションギャップの調整に活用できると考えています。

金利変動準備金【財政投融資特別会計】

財政投融資特別会計財政融資資金勘定において、将来の金利変動による損失に備えることを目的として、当該勘定に生じた利益(企業会計原則に準拠した「発生主義」に基づいて計算)を積み立てたものです。

貸借対照表上、繰越利益のうち、(1)当該年度末における財政融資資金勘定の資産の合計額の50/1000に相当する額以下の部分を「金利変動準備金」、(2)繰越利益がこの額を超える場合、当該超える部分は、「別途積立金」として区分表示することとしています。

金利変動準備金の上限については、平成19年度で郵便貯金・年金積立金の預託金の払戻しが概ね終了し、財投債によって幅広い年限での調達を行うことにより、運用と調達の期間を合わせやすくなった結果、財政融資資金の金利変動リスクが減少したことを受けて、平成20年度において、財政融資資金勘定の総資産の100/1000から50/1000に引き下げを行いました。

なお、「積立金」は現金主義に基づくものであり、発生主義に基づく繰越利益(金利変動準備金)とは等しくならないことに注意する必要があります。積立金の額は、歳入歳出決定決算書に「積立金明細表」として記載されています。

金利変動リスク【ALM】

金利の変動によって、損益が変動するリスクをいいます。例えば、負債の借換が生じた際に、従前より高い金利で資金を調達することとなった場合、調達金利が貸付金利を上回り(逆ざや)、損失を蒙る可能性があります。

なお、財政投融資特別会計においては、財政投融資改革以降のALMにより、金利変動リスクを減少させてきましたが、貸付の大半が元金均等、元利均等償還型のキャッシュフローであるのに対して、調達が満期一括償還型のキャッシュフローであることから、マチュリティギャップを完全に解消することは困難であり、現在でも一定の金利変動リスクを負っています。

繰越(額)【財政投融資制度】

財政投融資計画額のうち、対象事業の進捗などに併せて計画の実行を翌年度に繰り越すことをいいます。

現額【財政投融資制度】

当該年度の財政投融資計画額と前年度からの繰越額を合計したものを指します。

現金主義【財政投融資特別会計】

現金の授受すなわち収入、支出の時をとらえて整理計算し、そのときをもって損益の発生として認識し計上する基準をいいます。

財政投融資改革【財政投融資制度】

平成13年度に行われた、財政投融資の資金調達のあり方を、郵便貯金、年金積立金の全額義務預託から、財投債(国債)の発行中心に大転換することなどを柱とした、財政投融資のあり方の抜本的な見直しをいいます。

具体的な改革の内容については、平成13年度の資金運用部資金法などの改正により、

1.郵便貯金、年金積立金の資金運用部資金への預託義務を廃止

2.特殊法人などが行う財政投融資対象事業については、民業補完の観点から事業を見直し

3.財投機関の資金調達については、

 (1)真に必要な資金を財投機関債の発行により市場から自主調達することに努めつつ、

 (2)財投債(国債)の発行により国が市場から調達した資金を財投機関に対して融資

4.財政融資の調達金利および貸付金利を、期間に応じて国債の市場金利に即した金利体系に改める

ことなどを実施しました。

改革以前の仕組みでは、資金調達手段が郵便貯金、年金積立金などからの預託による受動的なものに限られ、資金需要に応じた効率的な資金調達が行えないといった問題を抱えており、本改革については、こうした点を踏まえて、財政投融資制度をより効率的で、市場メカニズムと調和の取れたものとするために行われました。

このほか、政策コスト分析の導入によって財政投融資のディスクロージャーが進み、財政投融資を活用している事業について、政策コスト(将来見込まれる補助金や出資金の機会費用など)がどの程度生じるかを明らかにすることで、財投対象事業の妥当性や財投機関の財務の健全性に関する判断材料の提供などが促進されることになりました。

財政投融資計画【財政投融資制度】

各年度における、財政投融資(財政融資、産業投資、政府保証のうち、その期間が5年以上となるもの)について、財投機関毎の予定額を一覧にしたものをいいます。特別会計予算の添付資料として、閣議を経た上で国会に提出されています。

なお、財政融資は特別会計予算総則に、産業投資は財政投融資特別会計投資勘定予算に、政府保証は一般会計予算総則に、それぞれ予算の一部として記載され、国会の審議・議決を受けています。

財政投融資特別会計財政融資資金勘定【財政投融資特別会計】

この勘定は、財政融資資金の運用に関する経理を、一般会計と区分して明確にするために設置されており、平成13年度に資金運用部特別会計を改称し設置された財政融資資金特別会計を前身としています。

主な歳入は、財政融資資金の資金運用収入、公債金(財投債)であり、主な歳出は、財投債などの償還・利払い、財政融資資金への繰入れです。

また、同勘定は一般会計(=税財源)からの繰入れを行わない独立採算で運営されています。

財政投融資特別会計投資勘定【財政投融資特別会計】

この勘定は、産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもって行う投資(出資及び貸付け)に関する経理を、一般会計と区分して明確にするために設置されており、昭和28年に設置された産業投資特別会計産業投資勘定を前身としています。

主な歳入は、(株)国際協力銀行及び地方公共団体金融機構の国庫納付金や保有するNTT株、JT株などの配当金であり、主な歳出は、産業投資支出(財政投融資計画における産業投資)です。

なお、平成24年度においては、地方の財源不足の補てんに充てるため、地方公共団体金融機構からの納付金(3,500億円)を交付税及び譲与税配布金特別会計へ特例的に繰り入れることとしています。

財政投融資分科会(財政制度等審議会財政投融資分科会)【財政投融資制度】

財政制度等審議会は、国の財政全般の在り方を検討する財務大臣の諮問機関であり、同審議会の中に、財政投融資分科会が設置されています。この財政投融資分科会は、学識経験者によって構成され、法律により、毎年度の財政投融資計画・財政融資資金運用計画についてあらかじめ意見を述べるとともに、当該年度の終了後には、財政融資資金運用報告書の提出を受けることになっています。また、財政投融資制度、財政投融資計画及び財政融資資金に関する重要事項を調査審議する役割を担っています。

財政融資【財政投融資制度】

財政投融資の資金供給の手法の一つであり、中小零細企業、教育、社会福祉関係など様々な分野で経済社会に貢献する財政投融資事業を行う財投機関(国の特別会計や地方公共団体、政策金融機関、独立行政法人など)に財政融資資金を貸し付けること(融資)です。

財政融資は、国の信用に基づき、最も有利な条件で調達された、財政融資資金を原資としているため、民間金融機関では困難な、長期・固定・低利での資金供給が可能という特徴があります。

財政融資資金【財政投融資制度】

財政融資を行うための原資(財源)です。

財投債(国債)により調達した資金や、統合管理されている特別会計から預託された積立金(注)や余裕金などにより構成されており、これらは財政融資の原資(財源)となっています。

同資金は、特別会計の積立金などの国の信用により集められた資金を統合管理し、その資金を確実かつ有利な方法で運用することにより、公共の利益の増進に寄与することを目的として設置されており、昭和26年度に設置された資金運用部資金を前身とし、平成13年度の抜本的な財政投融資改革に伴い名称が財政融資資金に改められたものです。

財政投融資計画に計上される5年以上の貸付は、特別会計予算総則に財政融資資金の長期運用予定額として記載され、国会の議決を経ています。

また、財政融資資金の運用に関しては、財政投融資特別会計財政融資資金勘定で経理されていますが、同勘定は一般会計(=税財源)からの繰入れを行わない独立採算で運営されています。

(注)年金特別会計の国民年金勘定及び厚生年金勘定に係る積立金を除く。

財政融資資金運用計画【財政投融資制度】

当該年度における財政融資資金の運用計画額を定めたもので、財政融資資金法に基づき、財政制度等審議会(財政投融資分科会)の意見を聴いたうえで財務大臣により決定されています。

財政融資資金貸付金利【財政投融資制度】

財政融資を行う際に、貸付金に付す金利をいいます。

財政融資資金貸付金利は、貸付期間に応じ、国債の流通利回りを基準として、償還方法や据置期間を反映させて定めています。

なお、財政投融資特別会計は一般会計からの繰入を受けない独立採算制の下で、利ざやを取らずに貸し付けを行い、収支相償うように運用されており、財政融資資金貸付金利は、財投債や預託金の金利と基本的に同じ水準です。

財政融資資金特別会計(旧)【財政投融資特別会計】

財政融資資金の運用に関する経理を一般会計と区分して明確にするために設置された特別会計を指します。

昭和26年度に資金運用部資金の運用に伴う歳入歳出を一般会計と区分して経理するため設置された資金運用部特別会計を前身としており、平成13年度の財政投融資改革に伴い、財政融資資金特別会計に改称されました。

なお、特別会計改革の結果、平成20年度から産業投資特別会計産業投資勘定が、財政融資資金特別会計に移管され、名称を財政投融資特別会計とし、財政融資資金特別会計(旧)は、財政投融資特別会計財政融資資金勘定になりました。

財投機関【財政投融資制度】

財政投融資を活用している機関をいいます。

財政投融資は、財政融資、産業投資、政府保証の三つから成り立っていますが、このうち財政融資については、国(特別会計)、地方公共団体のほか、政策金融機関や独立行政法人など(特別の法律により設立された法人で民間から出資を受けていないもの)が対象となります。産業投資については、「産業の開発及び貿易の振興」の目的に合致し、国からの出資・収益還元に必要な規定を備えている政策金融機関や独立行政法人などが対象となります。政府保証については、基本的に、それぞれの設立法において政府保証を受けることが出来る旨の規定が存在する政策金融機関や独立行政法人などが対象となります。

財投機関債【財政投融資制度】

財投機関が、民間の金融市場において個別に発行する債券のうち、政府が元本や利子の支払いを保証していない公募債券をいいます。

この財投機関債は、平成13年度の財政投融資改革において導入され、現在、財投機関の資金調達手段の一つとして機能しています。

財投債(財政投融資特別会計国債)【財政投融資制度】

財政融資資金の運用財源に充てるために、国が発行する債券(国債)をいいます。財投債の発行収入は、財政投融資特別会計財政融資資金勘定の歳入の一部となり、歳出として財政融資資金に繰り入れられます。

商品性は通常の国債と同じで、発行も通常の国債と合わせて行われているので、金融商品として見た場合、通常の国債と全く変わりません。また、発行限度額について、国会の議決を受けている点でも通常の国債と同じであり、各年度の国債発行計画の中においても国債の一種として位置付けられています。

ただし、財投債は、その償還が財政融資資金の貸付回収金によって賄われ、60年償還ルールが適用されない点で、租税などを償還財源とする通常の国債とは異なります。また、財投債は、国際連合が定めた経済指標の統一基準に基づいた国民経済計算体系(SNA)上も一般政府の債務には分類されていません。

財務状況把握(地方公共団体の財務状況把握)【地方向け財政投融資】

財務省(財務局)が、財政融資資金の貸し手として融資審査の充実を図る観点から、各地方公共団体の債務償還能力及び資金繰り状況を確認することをいい、平成17年度より実施しています。財務状況把握では、財務状況をモニタリングの上、必要と認められる一定の団体について、ヒアリングを行っています。また、結果の概要については、毎年度公表しています。

産業投資【財政投融資制度】

財政投融資の資金供給の手法の一つであり、(株)国際協力銀行の国庫納付金や財政投融資特別会計投資勘定が保有するNTT株、JT株などの配当金を原資として産業の開発及び貿易の振興のために投資(出資及び貸付け)を行うものです。

財政融資が確定利付の融資を行うのに対し、産業投資は政策的必要性が高くリターンが期待できるものの、リスクが高く民間だけでは十分に資金が供給されない事業に対して、投資(出資及び貸付け)により資金を供給するという特徴があります。

産業投資特別会計(旧)【財政投融資特別会計】

昭和28年度に「経済の再建、産業の開発及び貿易の振興」を目的とした投資(産業投資)を行い、その経理を一般会計と区分して明確にするために設置された特別会計を指します。(注)

その後、昭和62年度に社会資本整備の促進を図るためNTT株式の売却収入を活用した無利子貸付制度が創設されたことに伴い、産業投資勘定及び社会資本整備勘定に区分されました。さらに、特別会計改革の結果、平成20年度に産業投資勘定は財政融資資金特別会計に移管され、名称を財政投融資特別会計とした上で投資勘定になりました。また、社会資本整備勘定は廃止され、一般会計へ移管されています。

(注)なお、昭和60年度に行なわれた改正により、目的の一つに規定されていた「経済の再建」は削除されました。

市場公募資金(地方債)【地方向け財政投融資】

地方債資金のうち、広く投資家に購入を募る方法により調達した資金をいいます。全国型市場公募地方債においては、地方公共団体が単独で発行する個別発行に加え、発行ロットを大型化し、発行コストの低減、安定的な調達などを図るため、平成15年度から共同発行が実施されています。このほか、地方債の個人消化及び公募化を通じて資金調達手法の多様化を図るとともに、住民の行政への参加意識の高揚を図るため、全国型の市場公募地方債以外に、平成14年3月以降、「住民参加型市場公募地方債」の発行が実施されています。

実地監査【財政投融資制度】【地方向け財政投融資】

財政投融資の確実な運用と適正な管理を確保するため、財投機関や財投対象事業が行われている場所に出張して実態を確認するものをいいます。実地監査には、大きく分けて、法人等実地監査と地方公共団体実地監査があります。

(法人等実地監査)

財務省理財局に所属する財政融資監査官、財政融資実地監査官などが、財政投融資の対象事業を行う独立行政法人などに出張して、公的資金の貸し手、高い信用力の供給者としての視点から、(1)財政投融資の対象事業にふさわしい政策的意義、(2)財務の健全性・償還確実性、(3)資金の適正な執行などの実態を確認するものです。

実地監査の結果は公表の上、毎年度の財投編成の審査に活用し、実際の事業の見直しに結び付けていくこととしています。

また、上記の従来の監査に加え、財政投融資の透明性向上の観点から、政策効果の検証などに重点を置いた監査(スポット監査)にも取り組んでいます。

(地方公共団体実地監査)

全国の財務局・財務事務所などに所属する資金実地監査官などが、財投機関である地方公共団体(事務組合を含む)に出張して、(1)貸付金の償還・財務に関する事項、(2)融資した資金の使用状況、(3)事業の成果などの実態を確認するものです。

地方公共団体実地監査においては、特に(1)のうち公営企業の経営状況の実態把握及び評価に努めており、これらの実態把握などを踏まえ、必要に応じ、地方公共団体に対して、公営企業の経営状況を改善するための取組みを含め、償還確実性の確保について報告を求めることとしています。その他、貸付の対象外となる費用が混入していないかどうかなどの確認にも取り組んでいます。

償還確実性【財政投融資制度】

財政投融資の審査を行う上でのポイントの一つで、財投機関が確実に債務の償還を行うことができると認められることをいいます。

償還方法【財政投融資制度】

財政融資資金貸付金の償還方法には、元金均等償還、元利均等償還、満期一括償還といった方法があります。

証券化(財政融資資金貸付金の証券化)【財政投融資制度】【ALM】

一般に証券化とは、不動産や債権などキャッシュフローを生み出す資産を裏付けとして証券を発行し、それを投資家に販売することを通じて、当該資産の保有者が資金調達を行う金融手法のことです。

財政融資資金貸付金の証券化は、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」などを踏まえ、国の資産圧縮の一環として、財政融資資金貸付金残高の圧縮のための方法の一つとして実施されてきました。

財政融資資金貸付金の証券化にはコストが伴うものの、証券化による収入金を財源として、既発財投債を償還(買入消却)し、将来の貸付金回収額と財投債償還額のギャップを縮減することにより、金利変動リスクの軽減が図られるといったメリットがあります。

剰余金(財政投融資特別会計財政融資資金勘定の剰余金)【財政投融資特別会計】

一般に剰余金は、国の会計上で、毎会計年度末における歳入(収納済額)から歳出(支出済額)を控除した残額(歳計剰余金)をいいます。

財政融資資金勘定の剰余金は、これまでの貸付金の利子収入などから財投債の利払いなどを差し引いたものであり、足元では近年の歴史的な低金利の継続により、調達金利が低水準で推移している一方、過去の比較的高い金利の長期貸付が残っていることにより生じていますが、近年減少傾向にあるとともに、今後金利の状況によって、不足が生じるリスクがあります。

剰余金は、特別会計に関する法律第58条第1項に基づき、積立金に積み立てることとなっています。なお、同条第4項において、剰余金の一般会計繰入れ規定(同法第8条2項)が適用除外とされています。

診断表(地方公共団体の財務状況把握)【地方向け財政投融資】

財務状況把握ヒアリングを実施した全ての地方公共団体について、財務状況やその悪化要因を分かりやすく示した文書のことで、平成22年度以降、財務局から各地方公共団体に対して提示しています。

据置期間【財政投融資制度】

貸付を受けた日以降、元金を償還せず、利子のみを支払う期間をいいます。

政策コスト分析【財政投融資制度】

財政投融資を活用している事業について、一定の前提条件を設定し、これに基づいて、財投対象事業を実施するために将来必要と見込まれる補助金等と既に投入された出資金等の機会費用を、各財投機関が試算したものです。

また、政策コストは、政策上の観点から受益者の金利や料金の負担を軽減するなど、財政政策として財投対象事業への支援の度合いを強めるためのものであり、財投機関の財務の健全性に問題があることを示すものではありません。

政府保証【財政投融資制度】

財政投融資の資金供給の手法の一つであり、政策金融機関、独立行政法人などが金融市場で資金調達する際に政府が元利払いに対する保証を行うものです。これにより、事業に必要な資金を、円滑かつ有利に調達することが可能となります。

政府保証債務は、財投機関などが発行する債券を対象とした政府保証債、借り入れを対象とした政府保証借入金に分けられます。

また、政府保証債のうち、財投機関などが外国市場で発行する債券を政府保証外債といいます。

当該年度に政府が保証できる限度額は、一般会計予算総則に記載され、国会の議決を経ることとなりますが、そのうち5年以上のものが財政投融資計画に計上されます。

弾力条項【財政投融資制度】

「特別会計に関する法律」の規定に基づき、予算総則に定めるところに従って、年度中において各特別会計の経費を増額する必要が生じた場合に、収入の増加を確保することができる範囲内で支出の増加を認めるものです。

また、財政投融資計画においても同様に、経済事情の変動などに応じ機動的かつ弾力的に対処するため、財政融資資金の長期運用予定額及び政府保証の限度額について、予算総則に定める範囲内で増額しうる措置が講じられています。

地方公共団体金融機構資金(地方債)【地方向け財政投融資】

地方債資金のうち、地方公共団体金融機構(以下「機構」という。)が貸し付ける資金をいいます。政策金融改革により、公営企業金融公庫が廃止され、機構は、全ての地方公共団体からの出資を受けて平成20年度に地方共同の金融機構として設立されました。地方公共団体に対して長期かつ低利の資金を融通するとともに、地方公共団体の資本市場からの資金調達に関して支援を行うことにより、地方公共団体の財政の健全な運営及び住民の福祉の増進に寄与することを目的としており、21年度以降は、公営企業金融公庫と異なり、公営企業債に加え、広く一般会計債、臨時財政対策債も貸付対象となっています。

地方債【地方向け財政投融資】

地方公共団体が、財政上必要とする資金を外部から調達することによって負担する債務で、その履行が一会計年度を超えて行われるものをいいます。地方債は原則として、公営企業(交通、ガス、水道など)の経費や建設事業費の財源を調達する場合など、地方財政法第5条に掲げられる場合において発行できることとなっています。

地方債を引受先から分類すると、公的資金(財政融資資金及び地方公共団体金融機構資金)並びに民間等資金(市場公募資金及び銀行等引受資金)に大別され、地方債計画にはそれぞれの予定額が計上されます。

このうち、財政融資資金は、財政投融資計画に地方公共団体向けの財政融資として計上されます。

地方債協議制度【地方向け財政投融資】

地方公共団体は、地方債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合は、地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、資金、利率、償還の方法などを明らかにして、総務大臣又は都道府県知事に協議しなければならないこととされています。地方公共団体は、総務大臣などに協議を行えば、仮にその同意がなくとも、あらかじめ議会に報告すれば地方債を発行できますが、公的資金の借入れは同意がなければできません。

なお、総務大臣が協議に同意しようとするときは、原則として当該同意に係る地方債の限度額及び資金について、あらかじめ、財務大臣に協議するものとされています。

地方債計画【地方向け財政投融資】

地方債の予定額の総額などを示した年度計画をいい、総務大臣が財務大臣に協議の上、毎年度作成・公表しています。

 

地方債事前届出制度【地方向け財政投融資】

平成24年度より、地域の自主性及び自立性を高める観点から、地方債協議制度の一部を見直し、地方債事前届出制度が導入されました。

実質公債費比率などについて一定の要件を満たす地方公共団体は、民間等資金により地方債を起こし、又は起債の方法、利率若しくは償還の方法を変更しようとする場合は、協議を要することなく、地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、資金、利率、償還の方法などを明らかにして、総務大臣又は都道府県知事に事前に届出を行うことができるとされています。

なお、総務大臣は地方公共団体からの届出を取りまとめ、財務大臣に通知することとされています。

地方債同意等基準【地方向け財政投融資】

地方債の発行について総務大臣又は都道府県知事が同意又は許可を行うに当たって判断するための基準をいいます。総務大臣が財務大臣にその基本的事項について協議の上、毎年度定めています。

積立金(財政投融資特別会計財政融資資金勘定の積立金)【財政投融資特別会計】

財政融資資金勘定においては、毎会計年度の決算上剰余金が生じた場合、財政融資資金勘定の財務の健全性を確保するため、積立金として積み立て(特別会計に関する法律第58条第1項)、将来の金利変動による不足に備えることとしています。

特別会計に関する法律では、積立金が財務の健全性を確保するために必要となる水準(特別会計に関する法律施行令第45条)を超える場合には、予算で定めるところにより、国債整理基金特別会計に繰り入れることができるとされています(同法第58条第3項)。

なお、「積立金」は現金主義に基づくものであり、発生主義に基づく「金利変動準備金」とは等しくならないことに注意する必要があります。

デュレーション【ALM】

資産(貸付金の回収など)または負債(財投債の償還など)から生じる将来キャッシュフローを現在価値に換算し、そのキャッシュフローが生じるまでの期間を現在価値のウェイトで加重平均したものをいい、資産又は負債の平均残存期間を示しています。

また、デュレーションには、平均残存期間のほかに金利変動に対する価格変化を示すという特性があり、デュレーションが長いほど金利変動に対する価格(現在価値)変化が大きくなります。

デュレーションギャップ【ALM】

資産のデュレーションと負債のデュレーションの差をデュレーションギャップといいます。このギャップがある場合、金利変動による現在価値の変動幅が資産と負債とで異なるため、金利変動リスクが生じる要因の一つとなります。

発生主義【財政投融資特別会計】

現金の授受にかかわらず、財貨・役務の経済価値の増加減少の事実が発生した時に、収益および費用を認識し計上する基準をいいます。

財政投融資特別会計については、平成13年度以後、財務状況を明らかにする観点から「発生主義」に基づく損益計算書、貸借対照表を作成しています。(⇒現金主義)

補償金免除繰上償還【財政投融資制度】【地方向け財政投融資】

財政融資資金は、できる限り低利の資金を供給するために、貸付金利と調達金利を同一とし、利ざやを取らずに長期・固定の貸付けを行いながら収支相償うように運営されていることから、財投機関が繰上償還を行う際には補償金(=将来得べかりし利益)の支払いを求める仕組みとなっています。

しかし、繰上償還の対象となる業務からの撤退を含む抜本的な事業見直しが行われることなどにより、最終的な国民負担を軽減するためにやむを得ないと認められる場合については、例外的に、法律に基づいて補償金を免除した繰上償還が行われています。

マチュリティギャップ【ALM】

各期間における資産(貸付金の回収など)及び負債(財投債の償還など)の満期額の差を、マチュリティギャップといいます。このギャップがある場合、資産の再運用と負債の再調達の時期にズレがあり、金利変動リスクが生じることとなります。

マチュリティラダー【ALM】

資産(貸付金の回収など)及び負債(財投債の償還など)について、その満期額や金利更改額を期間毎にまとめて時系列に並べたものです。

マチュリティラダーを分析することにより、マチュリティギャップの状況を把握することが可能となります。

満期一括償還【財政投融資制度】

元金の全額を、最後の支払期日に償還する方法をいいます。

なお、財投債をはじめとする利付債の償還方法は、満期一括償還です。

民業補完【財政投融資制度】

財政投融資の審査を行う上でのポイントの一つで、財投機関の行う事業が、民間だけでは対応が困難な分野・事業であることをいいます。

無償資金【財政投融資制度】

返済義務を課さずに供与する資金をいいます。補助金等が無償資金に該当します。

モンテカルロシミュレーション【ALM】

乱数を用いたシミュレーションを多数行うことにより、金利や為替などの不確定要素による影響を、近似的に分析・定量化する手法です。

なお、財政投融資特別会計では、モンテカルロシミュレーションにより将来の金利などの不確定要素が財務に与える影響を把握し、資産・負債の管理に活用しています。

有償資金【財政投融資制度】

利子や配当など将来のリターンを前提に供与する資金をいいます。財政融資や産業投資が有償資金に該当します。

預託金【財政投融資制度】

特別会計などから、財政融資資金に預託された資金をいいます。各特別会計の積立金や余裕金(支払い上余裕が生じた現金)などは、財政融資資金に預託され、統合管理されています。

なお、預託金には、契約上の預託期間に応じ、国債金利に即した利子が付されます。

臨時財政対策債【地方向け財政投融資】

地方債は原則として、公営企業(交通、ガス、水道など)の経費や建設事業費の財源を調達する場合など、地方財政法第5条に掲げる場合において発行できることとなっていますが、臨時財政対策債は、その例外として、地方財政計画上の通常収支の不足を補填するために発行される地方債です。平成13年度以降発行されています。