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4. 財政融資資金のリスク管理:II部 近年の財政投融資に関する取組み

4. 財政融資資金のリスク管理

資産負債管理(ALM)

財政投融資改革以前の資金運用部資金(財政融資資金の前身)は、資金の運用(資産)は主に5年〜30年の貸付けである一方、資金の調達(負債)は郵貯・年金などの預託金で、期間は主として7年間であったため、運用と調達の間で大きな期間のミスマッチを抱えていました。このため年度ごとの貸付金などの回収額と預託金の払戻額の間に大きなギャップがあり、金利動向などによっては大きな損失が発生しうるという金利変動リスクが存在していました。しかし、財政投融資改革において、国債の一種である財投債が財政融資資金の主たる調達手段となったことから、財投債の発行年限(現在は2年〜30年)を国債発行計画全体の中で可能な限り調整することができるようになり、年度ごとの貸付金などの回収額と財投債などの償還額の間のギャップを縮小できるようになりました。財政投融資特別会計においては、このように適切に資産負債管理(ALM)を行うことで、金利変動リスクを極力抑制することとしています。

 

積立金(金利変動準備金)

上記のように、財政投融資改革後のALMによって、財政融資資金の金利変動リスクは次第に減少してきました。しかし、財投債の発行年限は現在2年、5年、10年、20年、30年に限られていること、貸付けの大半が均等償還型のキャッシュフローであるのに対し、財投債が満期一括償還型のキャッシュフローであること、郵貯・年金以外の預託金が相当程度残っていることなどから、年度別の資産と負債の間のギャップを完全に解消することは困難であり、現在でも一定の金利変動リスクが存在します。そこで、財政投融資特別会計が長期にわたり安定的な活動を行っていくことができるよう、「特別会計に関する法律」に基づき、利益が発生した場合にはこれを積立金(金利変動準備金)として積み立て、将来生じうる損失の発生に備えることとしています。

また、「特別会計に関する法律」では、積立金(金利変動準備金)が財務の健全性を確保するために必要となる水準(政令により規定)を超える場合には、予算で定めるところにより、国債整理基金特別会計へ繰り入れることができるとされています。この積立金(金利変動準備金)の上限については、平成19年度で郵貯・年金の預託金の払戻しが概ね終了し、財投債によって幅広い年限での調達を行うことにより、運用と調達の期間を合わせやすくなった結果、財政融資資金の金利変動リスクが減少してきたことを受けて、平成20年度において総資産の100/1000から50/1000に引き下げを行っています。

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