5. 財政投融資の活用分野
財政投融資は、中小企業金融や教育・福祉・医療など、民間金融機関では適切な資金供給が行えない様々な分野や場面において活用され、国民の暮らしや経済に貢献しています。
(1)中小企業・農林水産業
中小企業は日本の産業基盤を支える存在である一方で、信用力・担保力などの基盤が弱いことなどから民間金融機関のみでは十分な資金供給を行えない場合があります。財政投融資は(株)日本政策金融公庫などを通して、低利で長期の資金を供給することで日本の産業基盤を支えています。
農林水産業は、自然条件などによるリスクが高く、生産サイクルが長いといった特性があることから、財政投融資の特徴を生かし、(株)日本政策金融公庫などを通して、農林水産業者の設備投資などを支援する低利・長期の融資を実施しています。
(2)教育・福祉・医療
学生などに対する奨学金の貸与事業は、人材の育成及び教育の機会均等の観点から実施されています。このうち、有利子奨学金の貸与事業については、財政投融資が活用されています。
福祉・医療の分野では、少子高齢化への対応や医療体制の強化を図るため、児童福祉施設、老人福祉施設及び病院・診療所などの整備に、財政投融資が活用されています。
(3)社会資本
空港、都市再開発などは、大規模・超長期プロジェクトであることから、長期かつ低利での資金調達を実現する財政投融資の特性を生かすことができる分野です。都市再生事業など、変化する日本社会のニーズに応える社会資本整備を支えています。
(4)産業・研究開発
技術革新によって常に新しい価値を生み出すことは、資源の少ない日本の産業が世界の市場で競争力を維持するために不可欠な要素です。一方で産業・研究開発は大規模な投資を要し、リスクが高く結果が出るまでに時間がかかることから民間だけでは資金の調達が難しい分野でもあります。財政投融資では、このような日本の産業の競争力を維持する産業・研究開発に出資しています。
(5)国際金融・ODA
国際金融の分野については、我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得の促進、我が国の産業の国際競争力の維持・向上、地球温暖化の防止などの地球環境の保全を目的とする海外における事業の促進、国際金融秩序の混乱の防止又はその被害への対処に係る業務においては、財政投融資が活用されています。
また、開発途上国の経済社会開発支援などについても、円借款を通じて被援助国の自助努力を促し、その発展に貢献することは、我が国の安全と繁栄を確保し、国民の利益を増進することに深く結びついており、財政投融資が活用されています。
(6)地方公共団体
地方公共団体が行う事業のうち、災害復旧事業、緊急防災・減災事業、辺地・過疎対策事業のように国が責任を持って対応すべき分野や、公共事業など、教育・社会福祉施設などの整備事業のように国の政策と密接な関係のある分野を中心として、財政投融資が活用されています。
また、財政規模や資本市場へのアクセス可能性などの違いにより、地方公共団体の資金調達能力に差があるため、資金調達能力の低い地方公共団体についても、資金の安定的確保を図るという観点から、財政投融資が活用されています。
なお、財政投融資が国民経済ないし国民生活に寄与する分野を明らかにするため、財政投融資計画額を使途別に分類した「財政投融資使途別分類表」が作成・公表されています。

(独)水資源機構/豊川用水総合事業部/万場調整池/
愛知県豊橋市

(株)国際協力銀行/シンガポール 高効率天然ガス焚きコンバインドサイクル発電設備プロジェクト/
Senoko火力発電所/シンガポール共和国 セノコ地区
