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平成23年度 国庫収支の状況

1.概説

(1) 国庫収支とは

国は、外交、防衛、教育・科学の振興、公共施設整備等の施策の実施に必要な支出及びその財源の調達、財政投融資など様々な財政活動を行っています。こうした財政活動の主体としてとらえた国のことを「国庫」と呼び、国庫に属する現金を「国庫金」と呼びます。(なお、法律に基づいて業務上の現金を国庫に預託している沖縄振興開発金融公庫の預託金も国庫金に含みます。)。

国庫金は日本銀行に預けられており、これを「政府預金」と呼びます。

国庫金の受払い、すなわち国庫収支は、政府預金の増減を伴わない国庫内振替収支と、政府預金の増減を伴う国庫対民間収支と国庫対日銀収支に区分され、更に、通貨量の増減を伴わない国庫対日銀収支と、通貨量の増減に影響を与える国庫対民間収支に区分されます。

  • イ.国庫対民間収支

    国庫と民間との受払いを整理したもので、独立行政法人や地方公共団体が含まれます。

  • ロ.国庫対日銀収支

    国庫と日本銀行との受払いを整理したもので、日本銀行が保有する国債に係る償還元利金の支払や日本銀行が国庫に納める法人税や納付金などがこれにあたります。

  • ハ.国庫内振替収支

    国庫の内部での各会計相互間の受払いを整理したもので、例えば、一般会計から特別会計への繰入れなどがこれにあたります。

国庫収支と政府預金増減、通貨量増減との関係を図示すると次のとおりです。

政府預金増減通貨量増減
国庫対民間収支
国庫対日銀収支 ×
国庫内振替収支 × ×

(注)○印は増減がある場合を、×印は増減がない場合を示す。

(2) 財政資金対民間収支とは

財政資金対民間収支とは通貨量の増減をもたらす国庫対民間収支に、

  • イ.代理店預け金、国庫送金等調整

    実際の民間との資金受払いにおいて、国庫対民間収支に計上されるまでの間に生ずる時間的ズレ(代理店預け金、国庫送金、別口預金)を調整し、

  • ロ.政府関係機関調整

    国庫に業務上の現金を預託していないが、実質的には政府部門とみなされ、その資金の性格も国庫金に準ずる性格を有する機関(株式会社日本政策金融公庫)における資金の受払(日銀当座預金残高の増減)を加える

ことにより、財政活動に伴う通貨量の増減を的確に表すようにしたものです。

財政資金対民間収支は、国の財政活動による民間との収支を全て網羅し、しかも、通貨量増減との関係が明瞭になるように作られており、この意味で財政資金対民間収支は、すぐれて金融的な統計としての性格を持っています。

国庫収支と財政資金対民間収支の関係を図示すると次のとおりです。

国庫収支と財政資金対民間収支の関係

2.窓口収支と実質収支

財政資金対民間収支(対民収支)の会計等内訳には、窓口収支実質収支があります。

窓口収支とは各会計等と民間との直接の受払いによる収支のみをとらえたものです。これに対し実質収支とは、窓口収支に国庫内振替収支(国庫内部における資金の受払い)を加えたものであり、これにより各会計等の実質的な収支内容が明らかになります。

例えば「一般会計」については、資金調達を含めた窓口収支では常に大幅な受取超過となりますが、これは一般会計から社会資本整備事業特別会計等への資金の繰入れ等が、窓口収支には表れてこないことによるものです。

以上のように、窓口収支では、各会計・機関毎の収支の実態を十分につかめないという問題があるものの、窓口収支には、日々の収支実績が翌日には判明するという速報性や民間との結びつきという直接性において非常にすぐれた面があります。金融的観点から分析する上においては、むしろ窓口収支が適しているといえます。

他方、対民収支がどのように動いているかを知るには、結局実質収支に頼るところが大きいともいえます。財政の動きを実体的に理解し、それを将来の対民収支動向の把握や政策の運営に役立てようとするならば、実質収支的分析が必要となります。

しかしながら、実質収支については、一般会計のほか17特別会計と1公庫についてそれら相互間の収支を毎日把握して分析していくのは事実上困難であるという弱点があります。

対民収支は、このような窓口収支と実質収支の特徴を十分知った上で、利用する必要があります。

3.平成23年度における窓口収支と実質収支

(1) 窓口収支の概要

平成23年度の財政資金対民間収支(窓口収支)は第1表[HTML] [ExcelExcel]のとおり、総収支尻は25兆3,292億円の受取超過であり、前年度の34兆3,706億円の受取超過から9兆414億円受取超過幅が縮小しました。

これは、国庫短期証券等の受取超過幅の拡大があったものの、一般会計及び特別会計の支払超過幅の拡大や国債等の受取超過幅の縮小が大きかったこと等によるものです。

主な会計の内容は次のとおりとなります。

  • イ.一般会計

    平成23年度における窓口収支は、その他支払の支払超過幅が拡大したこと等により、19兆7,193億円の支払超過となり、前年度の14兆5,486億円の支払超過に比べ、5兆1,706億円支払超過幅が拡大しました。

  • ロ.特別会計等

    平成23年度における窓口収支は、外国為替資金の支払超過幅が拡大したこと等により、27兆1,616億円の支払超過となり、前年度の22兆180億円の支払超過に比べ、5兆1,436億円支払超過幅が拡大しました。

  • ハ.その他

    国債等は44兆6,025億円の受取超過となり、前年度の60兆6,033億円の受取超過に比べ、16兆8億円受取超過幅が縮小しました。

    国庫短期証券等は27兆6,542億円の受取超過となり、前年度の10兆4,106億円の受取超過に比べ、17兆2,436億円受取超過幅が拡大しました。

    • (注)平成21年2月最初の入札より割引短期国債及び政府短期証券は、国庫短期証券として統合発行することになり、財政資金対民間収支上は「国庫短期証券等」に一括して計上されることとなっています。なお、統合発行前に発行された割引短期国債の実績は「国債等」に、政府短期証券の実績は「国庫短期証券等」に計上されています。

(参考)資料1 平成23年度財政資金対民間収支(窓口収支)

(2) 実質収支の概要

平成23年度の各会計等の実質収支及び対前年度比較をみると、第2表[HTML] [ExcelExcel]、第3表[HTML] [ExcelExcel]のとおりとなります。以下、主な会計等について実質収支の具体的内容をみることとします。

  • イ.一般会計

    平成23年度における実質収支は、50兆8,613億円の支払超過となり、前年度の42兆2,666億円の支払超過に比べ、8兆5,948億円支払超過幅が拡大しました。

    さらに、資金調達・返済を含めたところでの一般会計の実質収支は、2兆821億円の受取超過となり、前年度の5,364億円の受取超過に比べ、1兆5,457億円受取超過幅が拡大しました。

  • ロ.特別会計等

    平成23年度における実質収支は、23兆5,899億円の受取超過となり、前年度の5,121億円の受取超過に比べ、23兆778億円受取超過幅が拡大しました。

    • (イ)財政投融資

      7兆4,988億円の受取超過であり、窓口収支の受取超過幅が拡大したこと等により、前年度に比べ1兆2,721億円受取超過幅が拡大しました。

    • (ロ)社会資本整備事業

      2,648億円の支払超過であり、国庫内振替収支の受入超過幅が拡大したこと等により、前年度に比べ2,598億円支払超過幅が縮小しました。

    • (ハ)外国為替資金

      7兆9,148億円の支払超過であり、為替介入に伴う支払が増加したこと等により、前年度に比べ3兆6,455億円支払超過幅が拡大しました。

(参考)資料2 平成23年度財政資金対民間収支(実質収支)
資料3 平成23年度国庫対日銀収支

4.資金需給実績

資金需給実績とは、金融市場における資金の過不足の状態と、これを調節する日銀信用等の増減を日銀諸勘定残高の増減から計数的に明らかにした統計のことです。

平成23年度の資金需給実績は第4表[HTML] [ExcelExcel]のとおりとなります。

区分別にみると次のとおりです。

  • イ.「日銀券」は、前年度の3兆5,701億円の発行超から、805億円の還収超に転じました。また、「日銀券」の平均発行残高の伸び率は、前年度比2.5%(前年度1.6%)となりました。

  • ロ.「財政資金」は、25兆3,292億円の受取超過となり、前年度の34兆3,706億円の受取超過に比べ、9兆414億円受取超過幅が縮小しました。

  • ハ.日銀対民間取引を示す「その他」は、前年度に比べ820億円の支払超過から、508億円の受取超過に転じました。

この結果、年度中の資金需給は25兆2,995億円の資金不足となりました(前年度37兆8,587億円の資金不足)。

(参考)資料4 資金需給実績の推移

5.国庫の資金繰り

各年度予算の歳入と歳出は均衡していますが、租税の収納や交付金の支払等の時期は様々であり、日々の収支は均衡しません。この収支のタイミングのズレを調整して、予算の適切な執行を保障するのが国庫の資金繰りです。

財務省では、各省庁及び日本銀行等から情報を集め、日々国庫の収支状況を把握した上で、

  • イ.国庫金に不足が生じる場合には政府短期証券を発行して資金を調達し、

  • ロ.国庫金に余裕が生じた場合には、資金が不足している特別会計等へ国庫余裕金の繰替使用を行い、または政府預金の中の国内指定預金(有利子)に組替えるなど、国庫金の効率的な管理に努めています。

(参考)資料5 平成23年度国庫余裕金繰替使用及び一時借入金の月末残高
資料6 平成23年度政府預金残高の内訳
資料7 国庫金残高内訳推移

6.国庫金の効率的な管理

国庫金は、その受払いの時期が様々であるため、国庫収支は時期によって資金不足や資金余剰が生じますが、財務省としては、国庫収支の過不足の調整を行い、国庫余裕金(国内指定預金(一般口))の残高を抑制する等、国庫金の効率的な管理に努めているところです。具体的には、平成17年度からは下記イの施策を、平成18年度からは下記ロの施策を、また平成19年度からは下記ハからホの施策を実施しています。

  • イ.受入と支払のタイミングのズレを小さくする取組み

    普通交付税の交付等の大口の支払日を租税・年金保険料の受入日に合わせる等により、国庫金の受入と支払のタイミングのズレそのものを小さくしています(資料8参照)。

    • (イ)普通交付税(4月、6月、9月及び11月に交付)について、交付日を原則月末から2営業日目(租税・年金保険料の受入日)としています。

    • (ロ)個人向け国債(1月、4月、7月及び10月の原則10日発行)及び2年物国債(毎月原則20日発行)について、発行日を原則15日(偶数月は年金支給日に該当)としています。

    • (ハ)各行政機関に対し、支払日が法定されていない歳出金等について、支払日を原則月末から2営業日目(租税・年金保険料の受入日)とするよう要請しています。

    なお、本施策の実施に伴い、毎月初めに公表している「財政資金対民間収支」において、平成18年4月公表分から、財政活動により生ずる国と民間との間の主な受払日を掲載しています。

  • ロ.短期間の国庫余裕金の繰替使用と償還期間2ヶ月程度の政府短期証券の発行を併用した取組み

    従来、3ヶ月物の政府短期証券(FB)の発行により行ってきた特別会計等との資金繰りの一部について、短期間の国庫余裕金の繰替使用と償還期間2ヶ月程度のFBの発行を併用することにより、国庫余裕金(政府預金)残高及び3ヶ月物のFBの発行額の一層の縮減を図っています(資料9参照)。

    この2ヶ月程度のFBについては、財政の支払超過となる日を発行日、財政の受取超過となる日を償還日とし、年間を通じて適宜発行しています。

  • ハ.年度を越える国庫余裕金の繰替使用

    特別会計に関する法律(平成19年4月1日施行)等において、FBを発行する資金に対し、年度を越える国庫余裕金の繰替使用が可能となる措置を盛り込んでいる(第4図参照)。

  • ニ.国庫金の外国送金に伴う外貨調達コストを削減する取組み

    国庫金について外国送金する米ドルを外国為替資金から両替手数料なしで調達し、両替手数料分のコストを削減する取組みを実施しています(資料11参照)。

  • ホ.国庫内引受FBの機動的な発行及び償還についての取組み

    現金が不足する期間について、よりきめ細かい資金繰りを行うため、2ヶ月程度のFBよりも償還期間が短いFBを国庫内引受により発行し、政府預金残高が過大とならないように努めています。

(参考)資料8 国庫金の受払日のズレの調整(イメージ図)
資料9 国庫余裕金の繰替使用と2ヶ月程度のFBの併用(イメージ図)
資料10 年度を越える国庫余裕金の繰替使用(イメージ図)
資料11 外国送金に関する施策(イメージ図)

(平成23年度財政資金対民間収支の実績については、財務省財務総合研究所編「財政金融統計月報(727号)・国庫収支特集」に詳細なデータが掲載されていますので、ご利用ください。)

第1表 平成23年度財政資金対民間収支(窓口収支)

(△は支払超過,単位 億円)

区分23年度
(A)
22年度
(B)
比較
(A)-(B)
一般会計 △ 197,193 △ 145,486 △ 51,706
うち租税 423,874 410,897 12,977
社会保障費 △ 172,717 △ 164,337 △ 8,380
その他支払 △ 189,028 △ 143,874 △ 45,154
特別会計等 △ 271,616 △ 220,180 △ 51,436
うち財政投融資 114,436 80,966 33,470
社会資本整備事業 △ 21,049 △ 21,043 △ 6
外国為替資金 △ 96,549 △ 27,368 △ 69,181
保険 △ 170,866 △ 170,258 △ 608
小計 △ 468,809 △ 365,535 △ 103,274
国債等 446,025 606,033 △ 160,008
国庫短期証券等 276,542 104,106 172,436
合計 253,758 344,604 △ 90,846
調整項目 △ 466 △ 898 432
総計 253,292 343,706 △ 90,414
(注)

1.一般会計は交付税及び譲与税配付金特別会計を含む。

2.「財政投融資」の21年度欄には、特定国有財産整備特別会計にかかる21年度の実績が含まれている。

3.「国債等」の欄には、平成21年1月20日までに発行された割引短期国債の実績が含まれている。

4.「国庫短期証券等」の欄には、平成21年2月2日までに発行された政府短期証券の実績が含まれている。

5.税外収入及びその他支払の平成22年度実績欄には、平成23年4月1日に廃止された登記特別会計の実績が含まれている。

第2表 平成23年度財政資金対民間収支(実質収支)

(△は支払超過,単位 億円)

区分窓口収支国庫内
振替収支

(実質収支)
一般会計 △ 197,193 △ 311,663 △ 508,855
財政投融資 114,436 △ 39,448 74,988
社会資本整備事業 △ 21,049 18,401 △ 2,648
外国為替資金 △ 96,549 17,401 △ 79,148
保険 △ 170,866 172,929 2,063
その他 △ 97,589 338,474 240,885
国債等 446,025 △ 50,154 395,871
国庫短期証券等 276,542 △ 145,941 130,601
合計 253,758 - 253,758
調整項目 △ 466 - △ 466
総計 253,292 - 253,292

(注)一般会計は交付税及び譲与税配付金特別会計を含む。

第3表 実質収支の対前年度比較

(△は支払超過,単位 億円)

区分23年度
(A)
22年度
(B)
比較
(A)-(B)
一般会計 △ 508,613 △ 422,666 △ 85,948
財政投融資 74,988 62,267 12,721
社会資本整備事業 △ 2,648 △ 5,246 2,598
外国為替資金 △ 79,148 △ 42,693 △ 36,455
保険 2,063 △ 17,620 19,683
その他 240,644 8,412 232,231
国債等 395,871 567,538 △ 171,667
国庫短期証券等 130,601 194,609 △ 64,008
合計 253,758 344,604 △ 90,846
調整項目 △ 466 △ 898 432
総計 253,292 343,706 △ 90,414
(注)

1.一般会計は交付税及び譲与税配付金特別会計を含む。

2.「財政投融資」の21年度欄には、特定国有財産整備特別会計にかかる21年度の実績が含まれている。

3.「国債等」の欄には、平成21年1月20日までに発行された割引短期国債の実績が含まれている。

4.「国庫短期証券等」の欄には、平成21年2月2日までに発行された政府短期証券の実績が含まれている。

第4表 平成23年度資金需給実績

(単位 億円)

区分23年度
(A)
22年度
(B)
前年度比
(A)-(B)
日銀券 805 △ 35,701 36,506
財政資金 △ 253,292 △ 343,706 90,414
その他 △ 508 820 △ 1,328
資金過不足 △ 252,995 △ 378,587 125,592
日銀信用 189,762 551,590 △ 361,828
国債買入 220,312 220,183 129
国庫短期証券買入 18,157 143,831 △ 125,674
国庫短期証券売却 - - -
国債買現先 △ 597 △ 29,373 28,776
国債売現先 - - -
共通担保資金供給(本店買入) - △ 78,029 78,029
共通担保資金供給(全店買入) △ 243,343 235,080 △ 478,423
CP買現先 △ 5,690 △ 14,177 8,487
手形売出 - - -
企業金融支援特別 - △ 55,259 55,259
CP買入 - - -
社債買入 - △ 1,731 1,731
成長基盤強化支援資金供給 9,274 21,615 △ 12,341
貸出 △ 130 152 △ 282
国債補完供給 △ 3 - △ 3
資産買入等基金 186,720 109,298 77,422
当座預金 △ 63,233 173,003 △ 236,236

(注)△印は,日銀券……発行超,財政資金・その他……受取超過,資金過不足……不足,日銀信用……減少,当座預金……取崩し

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