報道発表
平成24年2月6日
財務省
覚醒剤の密輸入摘発件数が過去最高を記録
密輸手口の悪質巧妙化・多様化、仕出地の広範化
財務省は、平成23年の1年間に全国の税関が空港や港湾等において、主な不正薬物の密輸その他の関税法違反事件を取り締まった実績をまとめましたのでお知らせします。
1.不正薬物
〔主な不正薬物〕
- 主な不正薬物*注1全体の密輸摘発件数は326件。覚醒剤・大麻等の粉末状薬物の押収量*注2は約509kg。MDMA・向精神薬等の錠剤型薬物の押収量は約2万錠
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*注1 主な不正薬物には、覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(コカイン、ヘロイン、MDMA等)、向精神薬が含まれる。
*注2 覚醒剤・大麻等の押収量には、覚醒剤、大麻、あへん、麻薬の重量が計上されている。
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〔覚醒剤事犯〕
- 覚醒剤の密輸摘発件数は185件(過去最高)、押収量は約402kg
- 航空機旅客による覚醒剤密輸入事犯の摘発件数が“過去最高”
- 141件(過去最高)摘発、約232kgを押収(過去2番目)
- 商業貨物等*注3による覚醒剤密輸入事犯の摘発件数が“過去最高”
- 22件(過去最高)摘発、約128kgを押収
- 密輸手口の“悪質巧妙化、多様化”
- 生命の危険を伴う体内隠匿が増加
- 運び屋の国籍は全世界にわたり、特に欧州籍の伸び率が顕著
- 若年層の運び屋による密輸の増加
- 自動車燃料タンクや金属部品等へ巧妙に隠匿する密輸手口が横行
- 密輸仕出地の“広範化”
- アフリカ、欧州仕出しを多数摘発
*注3 商業貨物等には別送品(引越貨物等)を含む。
- 航空機旅客による覚醒剤密輸入事犯の摘発件数が“過去最高”
〔大麻事犯〕
- 大麻の密輸摘発件数は71件、押収量は約57kg
- 大麻密輸事犯が、近年の減少傾向から一転し、“増加”
〔麻薬事犯〕
- 麻薬の密輸摘発件数は37件、押収量は約44kg及び約5千錠
- コカインの押収量が“増加”
2.その他
- 商標権を侵害する痩身用マッサージ器部品の密輸入事犯を告発(2月、函館税関)
- 商標権を侵害する履物の密輸入事犯を告発(6月、名古屋税関)
- 北朝鮮向けの中古タイヤを中国向けと偽った虚偽申告輸出事犯を告発(5月、大阪税関)
- 北朝鮮向けのたばこ等を中国向けと偽った虚偽申告輸出事犯を告発(12月、門司税関)
- 豚肉の差額関税制度を悪用して、関税約1,460万円を脱税しようとした事犯を告発(10月、神戸税関)
平成23年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況
1.不正薬物
(1)覚醒剤
- 摘発件数は185件(対前年比22%増)と、これまで過去最高であった164件(平成21年)を上回った。押収量は約402kg(対前年比25%増)と引き続き高水準となった。
密輸形態別では、航空機旅客による密輸入事犯の摘発件数は141件、押収量が約232kgとなり、摘発件数については過去最高となった。押収量については過去2番目の押収量となった。また、商業貨物等による摘発件数が22件となり、過去最高となった。 - 航空機旅客による隠匿手口については、スーツケースの二重工作等が大多数を占めたほか、飲み込んで体内に隠匿した事犯が大幅に増加した。
- 密輸入者の特徴としては、年代別では20代以下の若年層による密輸入事犯が増加、国籍別では、日本人・アジア人が減少し、欧州人が大幅に増加した。
- 仕出地別の摘発状況は、欧州からの摘発件数が急増したほか、昨年から増加しているアフリカ諸国や中南米なども引き続き高水準にあり、一層広範化した。
[事例1]
自動車燃料タンク部に隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年6月、横浜税関は、アラブ首長国連邦から到着した海上貨物の検査において、自動車の燃料タンク内に隠匿していた覚醒剤 約64kgを発見、摘発した。
〜 隠匿手口の悪質巧妙化 〜
不正薬物を飲み込んで体内に隠匿する、生命の危険を伴う手口や、スーツケース等を二重工作した手口による密輸事犯が昨年に続き大幅に増加した。
[事例2]
飲み込んで体内に隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年8月、大阪税関は、フランスから到着したナイジェリア人男性の携帯品検査において、飲み込んで体内に隠匿していた覚醒剤 約1.3kgを発見、摘発した。
[事例3]
フライトバック側面に隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年7月、門司税関は、マリから到着した日本人男性の携帯品検査において、フライトバック側面に隠匿していた覚醒剤 約2.5kgを発見、摘発した。
[事例4]
鉄製円柱内に隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年1月、東京税関は、カンボジアから到着したドイツ人男性の携帯品検査において、鉄製円柱内に隠匿していた覚醒剤 約1.5kgを発見、摘発した。
〜 運び屋の多様化 〜
10代から20代の若年層による運び屋が急増。国籍別に見ると、これまで、日本人やアジア人による密輸が横行していたが、近年は、欧州人の運び屋が増加した。
[事例5]
若年層による覚醒剤密輸入事犯を摘発
平成23年5月、東京税関は、オランダから到着したチェコ人女性(23歳)の携帯品検査において、スーツケース底部に隠匿していた覚醒剤 約1.9kgを発見、摘発した。
[事例6]
欧州人による覚醒剤密輸入事犯を摘発
平成23年6月、大阪税関は、トーゴから到着したイタリア人男性の携帯品検査において、フライトバック側面に隠匿していた覚醒剤 約2.5kgを発見、摘発した。
〜 仕出地13か国(19年)→38か国へ 〜
平成23年における覚醒剤の仕出地は38か国(地域)であり、平成19年(13か国(地域))と比較した場合、一層広範化している。これは、平成19年では中国、アジアが主流であったが、23年では、中国からの覚醒剤が減少し、アフリカ、欧州、中南米などを仕出地とする新たな密輸ルートが台頭してきたことが考えられる。
- 【アフリカ】
- ガーナ、カメルーン、ガンビア、ケニア、コートジボワール、セネガル、ナイジェリア、ベナン、南アフリカ、ジンバブエ、トーゴ、ブルキナファソ、ブルンジ、マリ、モザンビーク
- 【欧州】
- 英国、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー、ロシア、イタリア、ルーマニア
- 【中東】
- トルコ、UAE
- 【アジア】
- 中国、香港、台湾、インド、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナム、マレーシア
- 【北米】
- カナダ、米国
- 【中南米】
- メキシコ、ボリビア
※ 網掛け部は平成23年に初めて摘発した仕出地を表す。
なお、平成19年の仕出地は、上記黒字の国に韓国、ラオスを加えた13か国(地域)である。
[事例7]
アフリカ来の航空機旅客による覚醒剤密輸入事犯を摘発
平成23年1月、東京税関は、カメルーンから到着したポルトガル人男性の携帯品検査において、トナーカートリッジ内に隠匿していた覚醒剤 約1kgを発見、摘発した。
その他の覚醒剤隠匿事例
[事例8]
木箱の底板に隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年8月、東京税関は、トルコから到着した航空貨物の検査において、木箱の底板に隠匿していた覚醒剤 約2kgを発見、摘発した。
[事例9]
プラスチックボトルに隠匿していた覚醒剤を摘発
平成23年9月、東京税関は、米国から到着した郵便物の検査において、プラスチックボトル4本に隠匿していた覚醒剤 約10kgを発見、摘発した。
(2)大麻
- 摘発件数は71件(対前年比20%増)、押収量は約57kg(対前年比2.1倍)と、近年の減少傾向から一転し、大幅な増加に転じた。
- 大麻草については米国を仕出とする摘発(24件、3kg)の割合が多く、大麻樹脂についてはインドを仕出とする摘発(7件、約43kg)の割合が多い。
[事例10]
食品の中に隠匿していた大麻を摘発
平成23年1月、東京税関は、米国から到着した郵便物の検査において、コーヒー用クリーム粉末ボトル内に隠匿していた大麻草 約300gを発見、摘発した。
(3)その他不正薬物
- コカインの密輸摘発押収量は、約38kg(対前年比6.6倍)と、大幅に増加した。
- ヘロインの密輸摘発押収量は、約3kg(対前年比2.1倍)と、増加した。
○コカイン
[事例11]
パソコン内部に隠匿していたコカインを摘発
平成23年10月、大阪税関は、ブラジルから到着したブラジル人女性の携帯品検査において、パソコン内部に隠匿していたコカイン 約13kgを発見、摘発した。
○ヘロイン
[事例12]
スーツケース側面を二重工作して隠匿していたヘロインを摘発
平成23年5月、東京税関は、マレーシアから到着したオーストラリア人女性の携帯品検査において、スーツケース側面を二重工作して隠匿していたヘロイン 約1kgを発見、摘発した。
○あへん
[事例13]
スーツケース底部を二重工作して隠匿していたあへんを摘発
平成23年6月、名古屋税関は、ラトビアから到着したリトアニア人男性の携帯品検査において、スーツケース底部を二重工作して隠匿していたあへん 約4.1kgを発見、摘発した。
2.その他
(1)知的財産侵害物品の密輸入事犯
[事例14]
商標権を侵害する痩身用マッサージ器部品の密輸入事犯を告発
平成23年2月、函館税関は、中国から商標権を侵害する痩身用マッサージ器部品約700点を密輸入しようとした日本人男性等を関税法違反で告発した。
[事例15]
商標権を侵害する履物の密輸入事犯を告発
平成23年6月、名古屋税関は、マレーシア等から商標権を侵害する履物約2,000点を密輸入しようとした日本人男性等を関税法違反で告発した。
(2)北朝鮮関係事犯
[事例16]
中古タイヤの不正輸出事犯を告発
平成23年5月、大阪税関は、関係機関との連携の下、中古タイヤ約700本を、最終仕向地が北朝鮮であるにもかかわらず、中国が最終仕向地であると虚偽の輸出申告をし、不正に輸出した法人等を関税法違反で告発した。
[事例17]
たばこ等の不正輸出事犯を告発
平成23年12月、門司税関は、関係機関との連携の下、たばこ3万本、中古タイヤ約400本等を、最終仕向地が北朝鮮であるにもかかわらず、中国が最終仕向地であると虚偽の輸出申告をし、不正に輸出した法人等を関税法違反で告発した。
(3)関税及び消費税等脱税事犯
[事例18]
冷凍豚肉に係る関税脱税事犯を告発
平成23年10月、神戸税関は、デンマークから冷凍豚肉を輸入する際に、豚肉の差額関税制度を悪用し、価格を高価に偽って申告することにより、関税約1,460万円を不正に免れた日本人男性を関税法違反で告発した。
問い合わせ先
財務省関税局 調査課 課長補佐 古島
代表03-3581-4111(内5389)
直通03-3581-4158
