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税制抜本改革について

今回の一体改革においては、「支え合う社会」を回復するため、「社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成」への第一歩として、消費税率の引上げを柱とする、税制全体を通じた改革を行います。

税制抜本改革がなぜ必要なのか・・・

「支え合う社会」の回復、そのための「社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成」への第一歩

  • 負担の一部が子や孫の世代に先送りされ、財源に大きな穴のあいた社会保障制度をこのまま維持することは困難
  • 「全世代対応型」の社会保障制度を築き上げる必要
  • 欧州債務問題にみられるような、財政リスクへの市場の懸念の高まり

⇒ 特定の世代に負担が偏ることなく、社会保障の安定財源を確保する観点から、「新成長戦略」等の着実な実施とともに、消費税率の引上げを柱とする税制抜本改革を実施。

 

我が国の経済・社会の変化等に対応し、新たな日本にふさわしい税制全体の姿を実現

  • 以下のような変化に対応するため、税制全体を通じた改革を実施
我が国の経済・社会の変化

 

なぜ、消費税なのか・・・

<消費税の特徴>

  • 税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している
  • 働く世代など特定の者に負担が集中することなく、経済活動に与える歪みが小さい
  • 高い財源調達力
我が国の税収の推移

「支えあう社会」の回復(社会保障の支出を国民全体で公平に負担)という観点、安定した財源を確保するという観点から、社会保障の財源調達手段としてふさわしいと考えられます。

 

消費税

社会保障財源化

  • 消費税収(国分)は法律上、全額社会保障目的税化
    • 使途を、現在の高齢者3経費(基礎年金、老人医療、介護)から、社会保障4経費 (年金、医療、介護、子育て)に拡大
    • 官の肥大化には使わず、全て国民に還元する
  • 消費税収(地方分※)は、社会保障財源化

    ※ 現行分の地方消費税を除く。また、現行の基本的枠組みを変更しないことを前提とする。

消費税率の引上げ

  • 次のとおり段階的に引上げを行う。
    • 2014年4月1日より 8%(消費税6.3% 地方消費税1.7%)
    • 2015年10月1日より 10%(消費税7.8% 地方消費税2.2%)

    ※ 引上げ分の消費税収の地方分は、消費税率換算で、2014年4月1日から0.92%分、2015年10月1日から1.54%分とし、地方消費税の充実を基本とするが、併せて消費税の交付税法定率分の充実を図る。

低所得者への配慮

  • 今回の増税分は全て社会保障の維持・充実に充てる。
  • 更に、今回の改革では単一税率を維持するが、以下のような低所得者への配慮策を実施。
    • 社会保障改革に盛り込まれた低所得者へのきめ細かな配慮策を着実に実施。
    • 2015年度以降の番号制度の本格稼動・定着後の実施を念頭に、給付付き税額控除等を導入。
    • それまでの間の暫定的・臨時的措置として、簡素な給付措置を実施。

 

「税制全体を通じた改革」のポイント

消費税

  • 社会保障財源化、税率の段階的引上げ
  • 低所得者への配慮
  • 課税の適正化(中小事業者の特例)

個人所得課税

  • 所得再分配機能の回復、格差の是正
    • 最高税率の引上げ(所得5,000万円超について45%)
    • 給与所得控除に上限を設定
    • 配当・株式譲渡益等に係る軽減税率の廃止
    • 年少扶養控除の廃止・子どものための手当の拡充

法人課税

  • 法人税率を4.5%(法人実効税率を5%)引下げ
  • 実効税率の引下げが実現する復興特別法人税課税期間終了後(平成27年度以降)、引き続き、雇用と国内投資拡大の観点から、法人課税のあり方について検討

資産課税

  • 資産再分配機能の回復、格差の固定化の防止、若年世代への資産移転の促進
    • 相続税…基礎控除の引下げ、最高税率の引上げ等
    • 贈与税…子や孫への贈与について税率緩和等
    •  

その他

  • <消費税以外の消費課税>
    • 酒税、たばこ税、ガソリン税などの個別間接税
  • <地方税制>
    • 税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築
    • 地方法人特別税は「税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置」であり、一体改革に併せて抜本的に見直す
  • <番号制度>
    • 社会保障・税番号制度(マイナンバー)の導入に伴い、申告書や法定調書等への「番号」の記載など(平成27年以降)
※下線は既に平成22・23・24年度税制改正等において対応済みの施策
税制改革法案を国会に提出(平成24年3月30日)

 

消費税率の引上げに当たって・・・

政治改革・行政改革への取組

社会保障・税一体改革大綱(平成24年2月17日 閣議決定)抜粋 

第2部 税制抜本改革
第2章 政治改革・行政改革への取組

議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施した上で、税制抜本改革による消費税引上げを実施すべきである。

行政改革の実行に関する取組について

 

低所得者への配慮

受益と負担の関係

  • 消費税負担だけでなく、消費税収を社会保障給付に充当することや、税制全体による所得再分配効果、社会保障給付による所得再分配効果総合的に勘案する必要があります。

    ⇒ 社会保障制度には所得再分配機能があり、全体の受益と負担を見ると、低所得者には負担を大きく上回る受益があります。

  • 社会保障の維持・充実のために、消費税率を引上げ、消費税収を社会保障財源化します。
  • その上で、今般の社会保障改革に盛り込まれた低所得者へのきめ細かな配慮策着実に実施します。
低所得者への配慮策
年金 低所得者への年金加算
介護 低所得者への介護保険料の軽減
医療 低所得者への国民健康保険料の軽減
再配分の状況(受給額と税・社会保障の負担額)

 

給付付き税額控除等

  • 番号制度の本格稼動・定着後(2015年度以降)の実施を念頭に、関連する社会保障制度の見直しや所得控除の抜本的な整理とあわせ、総合合算制度給付付き税額控除等、再分配に関する総合的な施策を導入します。
  • それまでの間の暫定的、臨時的措置として、今般の社会保障改革に盛り込まれた低所得者へのきめ細かな配慮策との関係も踏まえつつ、簡素な給付措置を実施します。
  • 給付付き税額控除:例えば、子育て支援や就労支援等を目的として、税の仕組みである税額控除と給付の仕組みの組み合わせにより、課税最低限以下の者など税額控除により税額がマイナスとなる者には、その金額を給付するという制度を採っている国もある。

    総合合算制度  :制度単位ではなく家計全体をトータルに捉えて、医療・介護・保育等に関する自己負担の合計額に上限を設定する制度。

単一税率の維持

  • 以下に掲げる複数税率の問題点を踏まえ、今回の改革では単一税率を維持することとします。
    • 対象品目について合理的な線引きが困難であり、物品・サービス間での不公平感が生じる可能性があること
    • 負担軽減額は、消費額が大きい高所得者の方がより大きくなること
    • 多額の減収を招くことになり、必要な社会保障の財源を確保するためには、標準税率をより高く引き上げる必要が生じること
    • 事業者の負担が増すこと
  • ※ 複数税率を導入するためにはインボイスの発行が必要となり、中小企業にとって多大な事務負担が生じる。また、免税事業者はインボイスの発行ができないため、取引上不利な立場に置かれる可能性がある。

(参考)諸外国において、軽減税率を設けている国は多数存在しているが、その多くは標準税率が15%以上。また、付加価値税が導入されている諸外国における食料品に係る税率は平均10%程度。

     

    経済への配慮

    経済状況を好転させることを条件として消費税率の引上げを実施

    • 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、デフレからの脱却・経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目成長率3%程度、実質成長率2%程度を目指した望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。(税制抜本改革法案附則第18条第1項)
    • 実質GDPの水準

    法律公布後、消費税率引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるような仕組み※を設けます。
     ※ 経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、消費税率引上げの前に、経済状況の好転について、名目・実質成長率、物価動向など種々の経済指標を確認し、上記措置を踏まえつつ、 経済状況等を総合的に勘案した上で、消費税率の引上げの停止を含め所要の措置を講ずる旨を規定 (税制抜本改革法案附則第18条第2項)

    課税の適正化、価格転嫁

    課税の適正化

    • 課税の適正化については、消費税制度に対する信頼を確保するため、これまでも累次の見直しを行ってきました。 これまでの取組
    • 中小事業者の事務負担に配意し設けられている事業者免税点制度・簡易課税制度については、その趣旨に鑑み、引き続き制度を維持します。その上で、制度の不適切な利用に対処する観点等からの見直しを行います。
    • なお、単一税率を維持することや、中小事業者の事務負担等を踏まえ、いわゆるインボイス制度の導入は行わないこととします。
    • <事業者免税点制度>
      新設法人に関する免税制度を利用した課税逃れに対応するため、課税売上高5億円超の事業者が設立した法人は設立当初から課税事業者とする。

      <簡易課税制度>
      簡易課税制度のみなし仕入率について、実態調査の結果も踏まえた上で、いわゆる「益税」問題に対応する観点から、その水準について必要な見直しを行う。

      <中間申告制度>
      中間申告義務のない中小事業者の方々が、任意で中間申告を選択できる制度を導入する。

    適正転嫁への取組

    • 今般の消費税率の引上げに当たっては、段階的な引上げになることも踏まえ、円滑かつ適正な転嫁に支障が生ずることのないよう、事業者の実態を十分に把握し、以下の取組を含め、より徹底した対策を講じていきます。
      1. 消費税の転嫁・表示等に関するガイドラインを策定し、その周知徹底、相談等を行う。
      2. 中小事業者向けに相談窓口を設置するとともに、講習会の開催等を行う。
      3. 取引上の優越的な地位を利用した不公正な取引の取締り・監視の強化を行う。
      4. 便乗値上げ防止のための調査・監督及び指導を行う。
    • ⇒ 関係府省の緊密な連携を確保し、総合的に対策を推進するための本部内閣に設置します。

    価格表示と消費税の関係

    • 取引に際しての価格表示と消費税との関係については、外税、内税等に係る様々な議論を勘案しつつ、事業者間取引、相対取引等におけるその表示の在り方を含め、引き続き、実態を踏まえつつ、様々な角度から検討する。

     

    個人所得課税

    (背景)昭和60年代から大幅な累進緩和
       ⇒ 所得税による所得再分配機能が低下

    最高税率

    • 現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得5,000万円超について45%の税率を設ける。
      〔平成27年分の所得税から適用〕
    所得税の最高税率の見直し(案)

    給与所得控除

    • 給与収入1,500万円を超える場合の給与所得控除に上限(245万円)を設定する。
      〔平成25年分の所得税から適用〕

    扶養控除・配偶者控除

    • 年少扶養控除の廃止・子どものための手当の拡充。
      〔平成23年分の所得税から適用済〕  
    • 扶養控除、配偶者控除について、関連する社会保障制度の内容や、社会経済状況の変化などを踏まえて更に検討。

    金融所得課税

    • 現行法令どおり、上場株式の配当・譲渡所得等に係る10%軽減税率を平成26年1月から20%の本則税率とする。
    • 20%の本則税率化と同時に、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)を導入する。

    高齢者・年金に対する課税

    • 今後の年金制度改革の方向性も踏まえ、世代内・世代間の公平性を確保する観点から、年金課税のあり方を検討。

     

    法人課税

    • 我が国企業の競争力の維持・向上等の観点から、課税ベースの拡大と併せ、法人税率を4.5%(法人実効税率を5%)引下げる措置を実施。中小法人に対する軽減税率も引下げ。(平成23年度税制改正)
    • 復興特別法人税課税期間終了後(平成27年度以降)において、この実効税率の引下げが実現。
    • その後も引き続き、雇用と国内投資拡大の観点から、今回の税率引下げの効果や主要国との競争上の諸条件等を検証しつつ、新成長戦略も踏まえ、法人課税のあり方について検討。
    法人所得課税の実効税率の国際比較

     

    資産課税

    再分配機能の回復、格差固定化の防止、若年世代への早期資産移転の観点から、相続税・贈与税を見直し

    • 相続税
      • バブル後の地価の大幅下落に対応した基礎控除の引下げ
           (5,000万円+1,000万円×法定相続人数 ⇒ 3,000万円+600万円×法定相続人数)
      • 最高税率の引上げ(50%⇒55%)など税率構造の見直し
      • 死亡保険金に係る非課税措置、未成年者控除・障害者控除の見直し
    • 贈与税
      • 子や孫への贈与に係る贈与税の税率構造の緩和、相続時精算課税制度の対象拡大
    • 事業承継税制について、相続税改正部分の施行(平成27年1月)に併せて見直しを行う。
    相続税の税率等の推移

     

    消費税以外の消費課税等

    • 酒税
        類似する酒類間の税負担の公平性の観点も踏まえ、消費税率の引上げに併せて見直しを行う方向で検討。
    • 「地球温暖化対策のための税」(石油石炭税の税率の上乗せ)
        平成24年度税制改正において実現を図る。
    • 燃料課税
        温暖化対策等の観点から当分の間税率が維持されていることや24年度改正において石油石炭税の上乗せを行うことも踏まえ、引き続き検討。
    • 自動車取得税及び自動車重量税
        「廃止、抜本的な見直しを強く求める」等とした平成24年度税制改正における与党の重点要望に沿って、国・地方を通じた関連税制のあり方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から、見直しを行う。
    • 印紙税
        建設工事請負契約書、不動産譲渡契約書及び領収書について負担軽減を検討。
    • 今回の改正に当たっては、診療報酬については非課税の取扱いとする。その際、医療機関等の行う高額の投資に係る消費税負担に関し、一定の基準に該当するものに対し区分して手当てを行うことを検討し、診療報酬など医療保険制度において対応することとする。また、医療機関等の消費税負担について定期的に検証する場を設けるとともに、課税のあり方については、引き続き検討する。
    • 住宅取得については、消費税率の引上げの前後における駆け込み需要とその反動等による影響が大きいことを踏まえ、一時の税負担の増加による影響を平準化及び緩和する観点から、必要な措置について財源も含め総合的に検討する。

     

    地方税制

    • 地域主権改革の推進・社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税を充実するとともに、地方法人課税のあり方を見直すことなどにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築。
    • 地方法人特別税・地方法人特別譲与税は、「税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置」であり、一体改革に併せて抜本的に見直す。

     

    社会保障・税番号制度の概要

    • 「社会保障・税番号制度」については、真に手を差し伸べるべき人に対する社会保障を充実させ、効率的かつ適切に提供するために早期に導入を図る必要。
      平成27年(2015年)1月からの利用開始に向け、平成24年の通常国会に番号法案(通称「マイナンバー法案」)及びその整備法案を提出したところ(2月14日国会提出)。
    • 番号制度導入により、国民の給付と負担の公平性、明確性を確保するとともに、国民の利便性の更なる向上を図ることが可能となるほか、行政の効率化・スリム化に資する効果も期待できる。
    • 導入に当たっては、制度・システムの両面で十分な個人情報保護策を講じるとともに、費用対効果やシステム調達の透明性を検証し、国民の納得と理解を得る。

    番号制度でできること

    1. よりきめ細やかな社会保障給付の実現(年金・医療・介護・福祉・労働分野に係る給付過誤・給付漏れ・二重給付(現物サービスの給付を除く。)の防止等)
    2. 所得把握の精度の向上等(税務当局が取得する各種所得情報等について、「番号」を用いて効率的に名寄せ・突合することが可能となる。これにより、所得の過少申告や扶養控除のチェックが効率的になり、税の不正還付などを防止)
    3. 災害時における活用(災害時要援護者リストの作成及び更新、災害時の本人確認、生活再建への効果的な支援等)
    4. 自分に関する情報や必要なお知らせ等の情報を自宅のパソコンなどから簡単に入手(各種社会保険料の支払やサービスを受けた際に支払った費用の確認、確定申告などを行う際に参考となる情報の入手等)
    5. 各種事務・手続の簡素化、負担軽減(所得証明書や住民票の添付省略、法定調書の提出に係る事業者負担の軽減等)

    主なスケジュール

    • 24年通常国会にマイナンバー法案、同整備法案を提出(2月14日)
    • 26年6月以降
      マイナンバー等の通知
    • 27年1月以降
      社会保障・税分野のうち可能な範囲で利用開始

    税務分野での利用

    • 税務分野における番号制度の適正利用のため、「マイナンバー法の整備法」において、申告書・法定調書等に「番号」の記載を求めること等、所要の措置を講ずる。また、納税者利便の向上策等につき引き続き検討。

     

    税制抜本改革のスケジュール

    社会保障・税一体改革素案【別紙1】(平成24年1月6日政府・与党社会保障改革本部決定)
    税制抜本改革のスケジュール
    財務省の政策
    予算・決算
    税制
    関税制度
    国債
    財政投融資

    国庫

    通貨

    国有財産

    たばこ塩


    国際政策
    政策金融・金融危機管理
    財務総合政策研究所