社会保障の維持・充実
日本の年金・医療・介護は、これまでの急速な高齢化に対して、最大限の対応をしてきました。給付水準は概ね先進諸国並み、医療については世界第1位の評価を受けています。
- 社会支出の国際比較(対GDP比)
年金・医療への支出水準はほぼ主要国並み
- 平均寿命の比較
我が国の平均寿命は世界最長
- 我が国医療の評価
WHOでも医療の質や平等性という観点から評価して我が国の医療制度は世界第1位
ところが、今後、急速に高齢化が進み、やがて、「1人の若者が1人の高齢者を支える」という厳しい社会が訪れます。
今後の高齢化は先進国では最も速く進行する見込みです。高齢者数の増大により、現在の年金・医療・介護のサービス水準を維持するだけでも、税金投入を毎年1兆円以上増加させる必要があります。この財源を確保できなければ、社会保障制度の維持が困難になります。一体改革では、この高齢化に対応するための財源を確保し、制度の維持を図ります。
現在の社会保障のもう一つの大きな問題は、「サービスを受けたくても受けられない」方々の存在です。・都市部の保育所不足による待機児童問題・地方の医師不足や、患者のたらいまわしなどの問題・特養ホームの入居待機者の増大 などこれらの問題に対応し、さらに制度を充実させるため、消費税率約1%分(2.7兆円程度(2015年度))の財源を確保します。
世代間の公平の見地から、社会保障制度を「全世代対応型」へと転換することにより、就学前、学齢期、若年層から高齢期までを通じて、一貫した支援の実現を目指します。
特に、子育て支援の分野では、保育サービスへの参入基準を、これまでの認可制から指定制に移行させ、公費で支援する保育所などの数を抜本的に増やします。また、延長保育、病後児保育などのサービスも拡大し、様々なニーズに対応します。
医療・介護の分野では、医師不足を解消し、高度な急性期入院治療が誰でも安心して受けられるようにします。また、在宅の医療・介護を充実させ、最後まで地域や自宅で家族・友人とともに過ごしながらサービスを受けられるようにします。
社会保障のサービス量の拡大とともに、低所得者への支援も行います。基礎年金の年金額の加算、国保・介護の保険料軽減などを行います。
さらに、基礎年金に対する国の負担を2分の1に引き上げることにより、将来の年金の支払いに支障が生じないようにします。
今回の改革では、社会保障の安定財源を確保することになりますが、高齢化等により給付が大きく伸びてしまう現行制度のままでは、今後、給付増によって再び大幅な国民負担増を求める「いたちごっこ」となってしまいます。従って、今回の改革案では、際限のない国民負担の拡大を防ぎ、「支え合う社会」を回復するために、重点化・効率化策を盛り込んでいます。
(※)社会保障に係る費用の見通し 110兆円(2012年)⇒145兆円(2025年)【1.27倍】
社会保障の充実・安定化の効果として・・・
- 信頼できる制度を確立し、将来の不安を取り除くことにより、所得や貯蓄が消費に回るという経済成長との好循環が期待されます。
- 近年では社会保障の分野で多くの雇用が生み出されており、そうした面からも経済の活性化が期待されます。
こうした改革による社会保障の安定財源確保が、将来世代への負担の先送りにストップをかけ、今緊急の課題となっている財政健全化にも貢献することになります。
