別  紙
御意見の概要

御意見に対する考え方

1.省令改正全般について

 喫煙が日本人の疫病・死亡の最大の要因となっていることが明らかな現状を考えると、たばこ消費を抑制するだけのインパクトを持つ真の警告表示が必要と考える。国民の健康を守るために、適切な警告表示を採用してほしい。

 今回の省令改正は、平成14年10月の財政制度等審議会たばこ事業等分科会「喫煙と健康等に関する中間報告」(以下、「審議会」及び「中間報告」という。)に示された「たばこは合法的嗜好品である」「喫煙と健康の問題等の観点からは、たばこの健康に対するリスク情報を適切に提供することにより、個人が自己責任において喫煙を選択するか否かを判断できるようにする」との考え方に基づき、たばこの健康に対するリスク情報に関する新しい注意文言を導入するために行うものです。
 注意文言の具体的内容は、最近の医学的知見はもとより、WHOたばこ規制枠組条約(以下、「条約」という。)、喫煙をめぐる国内及び諸外国の動向といった諸事情を総合勘案し、審議会で了承されたものであり、健康リスク情報を適切に提供するものだと考えています。

 喫煙が病気の原因となる可能性はあるが、それは各個人の体質や生活環境等多数の要因が重なって起こるものと思う。その意味では、なぜたばこだけが注意文言を付けなければならないのか。

 法律で販売が認められている商品であり、我が国の国民のレベルからして、喫煙が一定のリスクを伴うことは周知のことである。たばこだけを狙い撃ちにするような規制ではなく、喫煙者と非喫煙者との共存を図る施策をお願いする。

2.表示面積について

 たばこ包装の30%以上というのは小さすぎる。包装表面積の90%以上とすべき。

 注意文言については、条約において、たばこ包装の主要面の両面に、少なくともそれぞれの面の30%以上の面積を用いて表示するように規定されており、我が国としても、この規定の内容に沿った表示面積を確保することとしたものです。

 たばこ包装のデザインを犯してまで表示することに疑問がある。それでも表示する必要があるのであれば最小限にするべきである。

3.表示場所等について

 公共の場(電車の中刷り、街中の看板、およびテレビの宣伝CM)にも同様の注意文書の掲載を義務つけるべき。

 現在、たばこ広告については、「製造たばこに係る広告を行う際の指針」(平成元年大蔵省告示第176号)に基づき、たばこ業界が製造たばこに係る広告の自主基準を設けています。
 広告の規制については、中間報告において、「たばこ広告等が未成年者に何らかの影響を与えていることは否定できないことから、当審議会としては、未成年者喫煙防止の観点から、今後の枠組条約案の議論の動きも見据えて、財務大臣の指針を見直す必要がある」との考えが示されています。
 現在、引き続き審議会において、広告等の規制について、諸外国の例も参考にしつつ、関係者の意見も聞きながら、検討を行っているところです。

 全ての放送メディアと交通機関にたばこの広告を禁止することは無論、スポンサーとなることも禁止するようにしてほしい。

 たばこの箱に注意文言を表示するのは必要最小限とし、たばこ販売店のスペースを利用して周知を図るべきである。

4.順次表示させることについて

 二つのグループの中からそれぞれ一つを選ばせるというのは釈然としない。たばこの銘柄によって、疾病に関する危険度が変わるわけではないので、例えば「喫煙は肺がん、肺気腫や早産の原因となり、心筋梗塞、脳卒中の危険を高めます」のように文言を統一すべきである。

 複数の文言を順次、ローテーションにより表示させていくことは、注意文言の効果を持続させるために最も効果的な措置であるとの審議会での議論や諸外国の例を踏まえ、順次表示させることとしたものです。
 また、喫煙が危険因子であると認められる全ての疾病について総花的に盛り込むよりも、審議会で示された最近の医学的知見に基づき、直接喫煙、妊婦の喫煙、受動喫煙、依存、未成年者の喫煙の5つの分野につき、それぞれたばこの健康に対するリスク情報が記載された注意文言を詳細に表示した方が、印象が深く、注意文言として効果的であると考えています。

 喫煙が未成年者に禁止されていることについては、注意文言として必ず記載すべきである。

 

5.紙巻きたばこ以外のたばこについての特例について

 葉巻やパイプたばこの方が、紙巻きたばこよりも胃がんなどになりやすいなどということがわかっており、また、依存性もある。それにも関わらず、文言を減らすことは理由がない。

 

 葉巻たばこやパイプたばこについては、包装の形状が紙巻きたばことは異なること等を考慮して、紙巻きたばことは別の取扱いを行おうとするものであり、単に文言を減らすものではありません。
6.マイルド、ライト、ロータール等の用語に対する注意文言について

 消費者が「有害性が少ないたばこ」という誤解を持つのは広告される商品名を見てのことなのであるから、条約の趣旨に基づき、商品名自体を一切禁止すべきである。

 

 条約は、各国に対し、消費者に誤解の与えるおそれのある用語等によりたばこ製品の販売を促進しないことを確保するための措置を講ずるよう求めていますが、マイルド、ライト、ロータール等の用語を、一律に禁止するものでないと理解しています。
 なお、マイルド、ライト等の用語を使用する場合には、そのたばこが他製品と比べ健康に対する悪影響が少ないとの誤解を消費者に抱かせないようにするため、消費者が留意すべき文言を表示させることとします。
7.実施時期等について

 あまりに遅すぎるので、遅くとも平成15年度内に完全実施とするべきである。

 条約上、注意表示のための措置については、条約発効後3年以内に実施することとされており、財務省としては、可能な限り早期の実施を目指していますが、他方、今回の措置により、これまで日本で採られてこなかった新しい表示方法が義務付けられるため、たばこメーカーや輸入業者にとっては実務面から全面的なパッケージのデザイン変更が必要となり、それに伴う準備のため、所要の準備期間を設けたものです。
 ちなみに、既に同様の規制を導入しているEU15カ国についても平均2年弱の準備期間を要しており、これに照らしても妥当なものと考えています。
 なお、各社はそれぞれ順次自社製品の表示の切替えを行っていくと考えられるので、この準備期間内であっても、新しい注意文言が付された製品が流通する予定です。

 表示の実施が随分先だが、単にパッケージ印刷の問題だけなので、何時からでも漸次実施できるものと考える。できるだけ早い実施をお願いしたい。

 

 社会的・国際的な情勢は急速に変化しており、必ず見直しが必要となるので、2年後を目途に見直すなどの附則を付けるべきである。

 上記のとおり、新しい注意文言を付すまでには所要の期間が必要なこと、新しい制度が定着するまでには相当の期間が必要であることから、あらかじめ見直しの期限を設けることは考えていません。
8.注意文言の内容について
 (1)注意文言全般について

 曖昧な表現はたばこに関する注意を他にそらす効果が大きい。「肺ガンの原因になります」「危険です」といったように、はっきりした文言にすべきである。

 注意文言については、警告であると同時に、誤解の生じないよう、医学的な根拠が含まれた文言である必要があると考えており、仮に冒頭の一文とした場合、喫煙者に健康への影響が事実として認識されない可能性があります。また、疫学的な推計は直接喫煙によるデータであるため、「あなたにとって」を入れたものです。
 なお、注意文言は、たばこの健康に対するリスク情報を詳細に提供するという観点から、科学的事実を述べた副文、更なる情報を提供する厚生労働省のホームページを加えたものですが、主文についてはイメージ図のとおり印象深く、大きな文字となるよう指導しています。

 警告表示である以上、読む人が分かるように簡潔に印象深く表示する必要がある。したがって「あなたにとって」は不要な表現であり、別表第1に挙げられている文言は冒頭の一文のみとし単純化すべき。

 

 カナダ、ブラジルのように写真付きで直接的な内容の警告表示とすべきである。

 注意文言の表示に当たっては、現時点での医学的知見を充分に踏まえ、分かりやすい表現とすべきであり、写真や直接的な表現を使った威嚇的な表示は、かえって喫煙者の反発を招き、適切でないと考えます。
 (2)直接喫煙について

 肺がんの原因の「ひとつ」ではなく、肺がんの原因そのものであると考える。また、「原因のひとつ」という表現はたばこの有害性に関する注意を他へ逸らし、喫煙の害を過小に感じさせる表現である。他に原因があるとしても、「たばこは肺がんの原因になります」と明記すべき。

 仮に、「原因となります」とした場合には、喫煙すれば必ず肺がんになる、あるいは、喫煙以外の原因でこれらの疾病に罹患することがない、といったような誤解を生じるおそれがあることから、非喫煙者からも肺がんは発生するし、喫煙者の全てが肺がんになるわけではない、という疫学上の成果を分かりやすく表現するために、「原因の一つとなります」としたものです。

 肺気腫について、「悪化させる原因」ではなく、発生の原因そのもの。「たばこは肺気腫の原因となり、悪化させます」とするべき。

 肺気腫については、肺気腫が死亡の直接の原因となることが必ずしも多くなく、肺気腫による死亡と喫煙の相関に関するデータがありません。
 しかし、肺機能が喫煙により低下することが確認されていること、喫煙による肺気腫等の発生の仕組みに関する知見が報告されていること、審議会の委員からも肺気腫と喫煙との関係が強く指摘されていることから、主文では「悪化させる危険性を高める」との表現にしたものです。
 (3)妊婦の喫煙について

 注意文言で触れられている「低出生体重」「早産」については9割の妊婦が既に知っているが、「乳幼児突然死」「先天異常」「知能低下」については知らない人が多いことから、これらの文言を掲載する方が妊婦喫煙の低下に寄与するものと考えられるで、それらを記載すべき。

 「乳幼児突然死」「先天異常」「知能低下」については、現在のところ喫煙と疫病に関係があると判断するに足りるデータを得ていないことから、記載しないこととしたものです。
 (4)受動喫煙について

 「周りの人の健康に悪影響を与えます」を「周りの人の健康を損なうことを認識してください」とすべき。また、具体的な悪影響(肺がん、ぜんそく、心臓疾患)も記載すべき。

 受動喫煙については、目や喉の痛みといった急性影響のほか、各種の慢性影響を引き起こすとの報告もあることから、「周りの人の健康に悪影響がある」との表現にしたものです。

 適切な表現で、赤ちゃんからお年よりまで全ての方に対し、思いやりがあると考える。

 (5)依存について

 たばこに依存があるというが、それは喫煙者の意思の問題で、止めることは特に難しいものではない。

 喫煙により依存が引き起こされ、また長期禁煙成功率が低いなどの報告があることから、依存についての警告は必須であると考えています。
 一方、ニコチンの依存性は、アルコールや禁止薬物に比べるとその程度は低く、また人により異なること、問題となる身体や精神の障害を伴うものではないことなどから、たばこ依存が依存症に該当するという見方は疑問であるとの審議会での議論を踏まえ、「人により異なりますが」との文言を加えたものです。

 「人により異なりますが」は警告としては不要である。

 (6)未成年者の喫煙について

 「吸わないで」という表現は、多くの未成年者にとっては意味がないか、むしろ吸いたくなると感じさせる表現であることから、未成年者の喫煙を誘発するおそれが強く不要である。

 これから喫煙を開始するかどうかを判断しようとしている者に対して、具体的な注意を促すことは重要であり、未成年者に対する注意表示は必須であると考えています。未成年者の喫煙については、@喫煙を開始する時期が早いほど、疾病に対する相対危険度が高くなると報告されていること、A法律で禁止されているという書き方では説得力をもたないこと、など審議会での議論を踏まえ、特に次世代の健康を守る観点から策定したものです。

 「未成年者の喫煙は禁止されています」と簡潔にすべき。

 (7)疫学的な推計について

 多くのことを書くことによって、肝心の警告のインパクトが薄められてしまう。科学的事実を示すというよりもたばこの危険性を過小評価させる心理的効果を生む危険性の方が高いと考える。

 注意文言は、警告であると同時に、誤解の生じないよう、医学的な根拠のある適切な文言である必要があると考えており、簡潔にした場合、喫煙者が健康への影響を事実として認識できない可能性があります。
 今般定めた注意文言は、喫煙が特定の疾病に対するリスクであることは疫学的に認められていることから、疫学上、喫煙が特定の疫病の危険因子(リスクファクター)であることを示したものです。

 がんや心筋梗塞などの原因と特定するには、因果関係が明確でなければ表示できないと思うのに、推計で断定していることに疑問を感じる。ましてや危険倍率まで表示するに足る証拠があるのか。

 (8)厚生労働省のホームページアドレスについて

 検索エンジンでホームページアドレスはすぐ分かるので、印刷物を見ながら入力する人がいると考えられず厚生労働省のアドレスは不要である。また、文章が長くなり警告としての役割を妨げるため不要である。

 たばこの健康に対するリスク情報につき、更に詳しく知りたい方のために、厚生労働省のホームページのアドレスを付記し、更なる情報提供を可能にしたものです。
 ホームページアドレスを付記することにより、厚生労働省のホームページにアクセスすることが容易になると考えています。
 (9)注意文言等の追加について

 肺がんなどの表記の他、男性なら性的不能、女性なら美容上の問題で警告するのが有効と考える。

 喫煙が危険因子であると認められる全ての疾病を注意文言に記載することは不可能であることから、@相対危険度(2つの集団(喫煙者、非喫煙者)の疾病頻度の比)が高いもの、A超過死亡数により超過発生したと推計される死亡者数)が多いもの、B一般になじみのあるもの、との基準で疾病を選択することが適当であるとの審議会の意見に基づき、代表例として、肺がん、脳卒中、心筋梗塞、肺気腫の4つの疫病につき注意を促すこととしたものです。

 ニコチン中毒になる確立、未成年で喫煙を始めた場合の一生のたばこ代、インポテンツ、歯周病など他の悪影響についても順次追加すべきである。

9.製造たばこの定義について

 今回、製造たばこの中にかみたばことかぎたばこを含めようとしているが、口腔ガンの多発が分かっているかみたばこを、今さら導入する必要はないと考える。

 

 たばこ事業法においては、「かみたばこ」及び「かぎたばこ」は「製造たばこ」の中に含まれており、「かみたばこ」は平成5年以降、「かぎたばこ」は昭和61年以降国内で販売されています。
 今回の省令改正では、条約を受け、今まで注意文言を付す対象となっていなかった「かみたばこ」及び「かぎたばこ」を対象に含めるために新たに定義に加えたものです。
(参考)  今回の意見募集の対象である省令案の内容に関係する御意見のみ記載させていただいております。

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