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平成25年度 財政法第46条に基づく国民への財政報告

第1部 平成25年度予算

6.予算の主な内容

  • (2) 特別会計

    「財政法」(昭22法34)第13条第2項においては、

    • (I) 特定の事業を行う場合、

    • (II) 特定の資金を保有してその運用を行う場合、

    • (III) その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合

    に限り、法律により特別会計を設置するものとされている。

    24年度においては、「特別会計に関する法律の一部を改正する法律」(平24法15)に基づき、東日本大震災復興特別会計が新たに設けられた。

    25年度においては、「国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律」(平24法42)に基づき、国有林野事業特別会計を廃止し、国有林野事業債務管理特別会計を新たに設けている。

    これらの時限的な特別会計を含めると、特別会計は次の18となっている。

    (特別会計一覧)

    • 交付税及び譲与税配付金特別会計(内閣府、総務省及び財務省)
    • 地震再保険特別会計(財務省)
    • 国債整理基金特別会計(財務省)
    • 外国為替資金特別会計(財務省)
    • 財政投融資特別会計(財務省及び国土交通省)
    • エネルギー対策特別会計(内閣府、文部科学省、経済産業省及び環境省)
    • 労働保険特別会計(厚生労働省)
    • 年金特別会計(厚生労働省)
    • 食料安定供給特別会計(農林水産省)
    • 農業共済再保険特別会計(農林水産省)
    • 森林保険特別会計(農林水産省)
    • 国有林野事業債務管理特別会計(農林水産省)
    • 漁船再保険及び漁業共済保険特別会計(農林水産省)
    • 貿易再保険特別会計(経済産業省)
    • 特許特別会計(経済産業省)
    • 社会資本整備事業特別会計(国土交通省)
    • 自動車安全特別会計(国土交通省)
    • 東日本大震災復興特別会計(国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省)

    各特別会計の経理する内容は、それぞれ異なるものであるが、25年度予算における各特別会計の歳出額を単純に合計した歳出総額は、約386.6兆円である。このうち、会計間の取引額などの重複額等を控除した特別会計の純計額は、約185.4兆円である。

    この約185.4兆円には、国債償還費等約84.0兆円(24年度当初予算比0.9兆円減)、地方交付税交付金等(地方譲与税等を含む。)約20.0兆円(同0.0兆円減)、財政融資資金への繰入11.6兆円(同4.0兆円減)、社会保障給付費約57.8兆円(同0.6兆円減)が含まれており、純計額よりこれらを除いた額は約12.0兆円となっている。さらに、東日本大震災からの復興に関する事業に係る経費約3.8兆円(同0.6兆円増)を除いた額は、約8.2兆円となり、24年度当初予算額に対して約0.2兆円の減少となっている。

    純計額の主な内訳を含め、以上を整理すれば次のとおりである。

    25年度(億円)24年度(億円)
    特別会計歳出総額 3,866,300 3,940,945
    特別会計の会計間取引額 635,210 643,562
    特別会計内の勘定間取引額 254,416 267,631
    一般会計への繰入額 984 1,449
    国債整理基金特別会計における借換償還額 1,121,806 1,123,050
    純計額 1,853,884 1,905,254
    i 国債償還費等 840,310 849,611
    ii 地方交付税交付金等 199,910 200,033
    iii 財政融資資金への繰入 116,000 156,000
    iv 社会保障給付費 577,590 583,423
    上記i〜ivを除いた純計額 120,074 116,187
    v 復興関連経費 37,692 31,692
    上記i〜vを除いた純計額 82,382 84,495
    (注)

    1.24年度の「iv 社会保障給付費」には、21年に被用者年金制度一元化法案が廃案になったことによる影響額を含む。当該影響額を含まない場合、同年度の「iv 社会保障給付費」は576,086億円、「上記i〜ivを除いた純計額」は123,524億円。

    2.24年度の計数には、24年度末をもって廃止された国有林野事業特別会計(歳出総額4,630億円、純計額1,616億円)が含まれている。

    上記18特別会計のうち主なものについて概説する。

    • 1 交付税及び譲与税配付金特別会計

      この会計は、地方交付税及び地方譲与税(地方揮発油譲与税、石油ガス譲与税、自動車重量譲与税、航空機燃料譲与税、特別とん譲与税及び地方法人特別譲与税を総称する。)の配付に関する経理を明確にするために設けられたものである。

      また、個人住民税における住宅借入金等特別税額控除による減収額を補填する地方特例交付金についても、この特別会計に計上することとしている。

      なお、交通安全対策特別交付金の交付に関する経理を明確にするため、当分の間、この特別会計に計上することとし、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定の2勘定を設けている。

      25年度の主な内容は、次のとおりである。

      • (イ) 交付税及び譲与税配付金勘定

        • (i) 地方交付税交付金の財源に充てるため、歳入については、一般会計から、125年度の所得税及び酒税の収入見込額の100分の32に相当する額48,784億円、法人税の収入見込額の100分の34に相当する額29,628億円、消費税の収入見込額の100分の29.5に相当する額31,415億円並びにたばこ税の収入見込額の100分の25に相当する額2,478億円の合算額112,304億円から、19年度、20年度及び24年度の地方交付税の精算額のうち「地方交付税法」(昭25法211)に基づき25年度分の交付税の総額から減額することとされている額3,808億円を控除し、2同法等に基づき25年度分の交付税総額に加算することと定められている額8,231億円、地方の財源不足の状況を踏まえた加算額9,900億円及び特例加算額36,045億円を加算した額162,672億円を受け入れるほか、財政投融資特別会計投資勘定から「地方公共団体金融機構法」(平19法64)に基づき同勘定に帰属する地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金に相当する額として6,500億円を特例として受け入れ、東日本大震災復興特別会計から震災復興特別交付税に充てるための財源として6,053億円を受け入れることとしている。なお、これに加えて333,173億円を財政融資資金及び民間から借り入れることとしている。歳出については、125年度分の地方団体に交付する地方交付税交付金として174,479億円(うち、東日本大震災からの復興事業に係る地方負担等について措置する震災復興特別交付税6,053億円)、2借入金及び一時借入金の利子支払額1,746億円並びに24年度における借入金の償還金334,173億円を国債整理基金特別会計へ繰入として計上することとしている。

        • (ii) 「地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律」(平11法17)に基づき、地方特例交付金の財源に充てるため、歳入については、一般会計から地方特例交付金1,255億円を受け入れ、歳出については、25年度分の地方公共団体に交付する地方特例交付金として1,255億円を計上することとしている。

        • (iii) 地方揮発油税の収入をこの勘定に受け入れ、「地方揮発油譲与税法」(昭30法113)に基づき、地方揮発油譲与税譲与金として、一定の基準により都道府県及び市町村(特別区を含む。)に譲与することとしている。

        • (iv) 石油ガス税の収入の2分の1に相当する額をこの勘定に受け入れ、「石油ガス譲与税法」(昭40法157)に基づき、石油ガス譲与税譲与金として、一定の基準により都道府県及び「道路法」(昭27法180)第7条第3項に規定する指定市に譲与することとしている。

        • (v) 自動車重量税の収入の1000分の407に相当する額をこの勘定に受け入れ、「自動車重量譲与税法」(昭46法90)に基づき、自動車重量譲与税譲与金として、一定の基準により市町村(特別区を含む。)に譲与することとしている。

        • (vi) 航空機燃料税の収入の9分の2に相当する額をこの勘定に受け入れ、「航空機燃料譲与税法」(昭47法13)に基づき、空港関係都道府県及び空港関係市町村の航空機騒音対策事業費等の財源に充てるため、航空機燃料譲与税譲与金として、一定の基準により同法に規定する都道府県及び市町村(特別区を含む。)に譲与することとしている。

        • (vii) 特別とん税の収入をこの勘定に受け入れ、「特別とん譲与税法」(昭32法77)に基づき、特別とん譲与税譲与金として、徴収地港の所在する都及び市町村に譲与することとしている。

        • (viii) 地方法人特別税の収入をこの勘定に受け入れ、「地方法人特別税等に関する暫定措置法」(平20法25)に基づき、地方法人特別譲与税譲与金として、一定の基準により都道府県に譲与することとしている。

      • (ロ) 交通安全対策特別交付金勘定

        歳入として交通反則者納金の収入等を受け入れ、歳出としては地方の道路交通安全施設の設置等の財源に充てるため、一定の基準により都道府県及び市町村(特別区を含む。)に交付する交通安全対策特別交付金等を計上することとしている。

    • 2 国債整理基金特別会計

      この会計は、国債の償還及び発行を円滑に行うための資金として国債整理基金を置き、その経理を明確にするために設けられたものである。

      25年度においては、一般会計から222,415億円、交付税及び譲与税配付金特別会計等から606,335億円をそれぞれ受け入れるほか、東日本大震災復興他会計より受入として財政投融資特別会計等から7,629億円、租税1,533億円、公債金1,165,116億円、復興借換公債金36,690億円、東日本大震災復興株式売払収入として東京地下鉄株式会社の株式の売払収入1,203億円、日本郵政株式会社の配当金収入238億円、東日本大震災復興配当金収入として東京地下鉄株式会社の配当金収入56億円、運用収入1,451億円、東日本大震災復興運用収入296億円、雑収入1,434億円、東日本大震災復興雑収入17億円並びに前年度剰余金として「特別会計に関する法律」(平19法23)第47条の規定により24年度において発行予定の公債に係る公債金収入120,000億円をそれぞれ受け入れることとしている。

      なお、借換債の発行を抑制する等の観点から、25年度においては、国債整理基金残高を圧縮することとしている。

    • 3 財政投融資特別会計

      この会計は、財政融資資金の運用並びに産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもって行う投資に関する経理を明確にするために設けられたもので、財政融資資金勘定及び投資勘定より成っている。

      また、庁舎等その他の施設の用に供する特定の国有財産(公共用財産等及び他の特別会計に属するものを除く。)の使用の効率化と配置の適正化を図るために定められる特定国有財産整備計画の実施による特定の国有財産の取得及び処分に関する経理を行うために設けられた特定国有財産整備特別会計が21年度末で廃止されたことに伴い、21年度末までに策定されていた事業で完了していない事業の経理を行うため、22年度から当該事業が完了する年度までの間の経過措置として特定国有財産整備勘定が設けられており、事業完了後の残余財産は一般会計に承継予定である。

      25年度の主な内容は、次のとおりである。

      • (イ) 財政融資資金勘定

        この勘定の負担において発行する公債の限度額を110,000億円、一時借入金等の限度額を150,000億円としている。また、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(平23法117)の規定により、この勘定の積立金の全額6,967億円を国債整理基金特別会計に繰り入れることとしている。

      • (ロ) 投資勘定

        歳入については、運用収入として株式会社国際協力銀行及び地方公共団体金融機構の納付金、日本たばこ産業株式会社及び日本電信電話株式会社等の配当金等を見込むほか、前年度剰余金受入等と合わせて計9,140億円を見積もることとしている。

        歳出については、緊急経済対策を踏まえ、長期リスクマネーを呼び水として供給し、民間投資の喚起、経営改善に取り組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的に対応することとし、2,638億円(24年度当初予算額1,804億円)の産業投資支出を行うこととしている。

        なお、平成25年度においては、地方の財源不足の補填に充てるため、地方公共団体金融機構からの納付金(6,500億円)を交付税及び譲与税配付金特別会計へ特例的に繰り入れることとしている。

      • (ハ) 特定国有財産整備勘定

        庁舎等の移転再配置、地震防災機能を発揮するために必要な庁舎の整備を行うため、370億円の特定国有財産整備費を計上している。

    • 4 年金特別会計

      この会計は、「国民年金法」(昭34法141)、「厚生年金保険法」(昭29法115)及び「健康保険法」(大11法70)に基づく年金給付及び全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者の保険料等に関する経理並びに「児童手当法」(昭46法73号)等に基づく児童手当等に関する経理を明確にするために設けられたものである。

      • (イ) 基礎年金勘定においては、歳出では、基礎年金給付費としての所要額、公的年金制度の各保険者の支出する基礎年金相当給付費の財源に充てるための繰入れ所要額等を計上している。歳入では、基礎年金給付等に要する費用の財源として各保険者からの所要の拠出金等による収入を見込んでいる。

      • (ロ) 国民年金勘定においては、歳出では、基礎年金勘定への繰入額等を見込み、歳入では、保険料収入や積立金からの受入れ等を見込むとともに、21,119億円を一般会計から受け入れることとしている。

      • (ハ) 厚生年金勘定においては、歳出では、基礎年金勘定への繰入額等を見込み、歳入では、保険料収入や積立金からの受入れ等を見込むとともに、83,061億円を一般会計から受け入れることとしている。

      • (二) 福祉年金勘定においては、歳出では、福祉年金の受給者数の減等により見込んだ所要額、「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」(平16法166)に基づく特別障害給付金の支給に必要な所要額等を計上し、歳入では、国庫負担金については、81億円を一般会計から受け入れることとしている。

      • (ホ) 健康勘定においては、歳出では、全国健康保険協会への保険料等交付金等を見込み、歳入では、保険料収入等を見込むとともに、一般会計から所要の財源として、119億円を受け入れることとしている。

      • (ヘ) 子どものための金銭の給付勘定においては、歳出では、児童手当について、3歳未満の児童一人につき月額15,000円を、3歳以上小学校修了までの児童(第1子・第2子)一人につき月額10,000円を、3歳以上小学校修了までの児童(第3子以降)一人につき月額15,000円を、小学校修了後中学校修了までの児童一人につき月額10,000円を支給するとともに、所得制限以上の者については、中学校修了までの児童一人につき月額5,000円を支給することとしている。また、放課後子どもプランの着実な推進を図り、仕事と家庭の両立支援を充実するなど、児童育成事業の推進を図ることとしている。歳入では、事業主拠出金収入等を見込むとともに、一般会計から所要の財源として、12,582億円を受け入れることとしている。

      • (ト) 業務勘定においては、業務の取扱い等に必要な経費(日本年金機構に対する運営費を含む。)を計上している。なお、年金記録問題対策の実施に必要な経費として592億円を計上している。

    • 5 東日本大震災復興特別会計

      この会計は、東日本大震災からの復興に係る国の資金の流れの透明化を図るとともに復興債の償還を適切に管理するために24年度に設けられたものである。

      歳出については、復興事業等を行うため、43,840億円を計上している。

      なお、「復興庁設置法」(平23法125)第4条第2項の規定により、被災地の復興に係る経費については、復興庁の所管する予算として29,037億円を一括計上している。

  • (3) 政府関係機関

    25年度において、4つの政府関係機関があるが、このうち株式会社日本政策金融公庫と株式会社国際協力銀行について概説する。

    • 1 株式会社日本政策金融公庫

      この公庫は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって国民生活の向上に寄与することを目的としている。また、「エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律」(平22法38)に基づく業務の特例として、内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に適合した製品等(以下「エネルギー環境適合製品」という。)を開発又は製造する事業のうち、我が国産業活動の発達及び改善に特に資するものを事業者が実施するために必要な資金を銀行その他の金融機関が貸し付ける場合において、当該金融機関に対し、当該資金の貸付けに必要な資金の貸付けを行うことができることとされている。

      さらに、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(平11法131)に基づく業務の特例として、我が国企業の国際競争力強化の観点から事業再編等を事業者が実施するために必要な資金を銀行その他の金融機関が貸し付ける場合において、当該金融機関に対し、当該資金の貸付けに必要な資金の貸付けを行うことができることとされている。

      • (イ) 国民一般向け業務

        25年度においては、新事業展開や経営改善等に取り組む小規模事業者を重点的に支援するとともに、東日本大震災による被災小規模事業者等の経営安定等を図るため、必要とする資金需要に的確に対応することとして、小規模事業者経営改善資金貸付2,160億円(24年度2,160億円)を含め総額31,243億円の貸付けを行うこととし、この原資として、東日本大震災復興特別会計からの出資金275億円、財政融資資金の借入れ21,800億円、社債の発行による収入2,700億円等を予定している。

      • (ロ) 農林水産業者向け業務

        25年度においては、食料の国内生産の確保、農林漁業者の経営安定や食料自給率の向上等を図るため、意欲ある農林漁業者の確保・育成、生産性の向上等の推進に必要な資金需要に的確に対応するとともに、東日本大震災による被災農林漁業者の経営再建等を図るために必要な資金需要に的確に対応することとし、貸付規模として3,500億円を計上しており、対象事業別の貸付計画は、経営構造改善1,934億円、基盤整備386億円、一般施設735億円、経営維持安定395億円及び災害50億円である。

        この計画のうち、2,498億円が25年度中に貸し付けられる予定であり、これに24年度の計画のうち25年度に資金交付が行われる予定となっている602億円を加えると、25年度の資金交付額は3,100億円となる。この原資として、一般会計からの出資金1億円、東日本大震災復興特別会計からの出資金75億円、財政融資資金の借入れ1,800億円、社債の発行による収入200億円等を予定しているほか、証券化支援業務において、一般の金融機関が行う農業融資の信用リスクの引受17億円を予定している。

      • (ハ) 中小企業者向け業務

        25年度においては、新事業展開や経営改善等に取り組む中小企業を重点的に支援するとともに、東日本大震災による被災中小企業者等の経営安定等を図るため、必要とする資金需要に的確に対応することとして、融資事業については、東日本大震災復興特別貸付を含め27,500億円の貸付けを行うこととし、この原資として、財政投融資特別会計投資勘定からの出資金405億円、東日本大震災復興特別会計からの出資金295億円、財政融資資金の借入れ16,600億円、財政投融資特別会計投資勘定からの借入金50億円、社債の発行による収入2,251億円及び回収金等7,899億円を予定している。また、証券化支援事業における債権の買取り等(251億円を予定)の原資として、社債の発行による収入98億円、信託受益権の譲渡等36億円を予定しているほか、債務の保証1,210億円を予定している。

      • (ニ) 信用保険等業務

        25年度における中小企業信用保険事業は、224,000億円の保険引受、破綻金融機関等関連特別保険等事業は660億円の保険引受をそれぞれ予定しているほか、信用保証協会に対する貸付けは240億円を予定している。また、中小企業信用保険事業に要する資金に充てるため、一般会計からの出資金597億円を予定している。

      • (ホ) 危機対応円滑化業務

        25年度においては、東日本大震災による被災事業者等の経営安定等を図るとともに円高等に伴う経済環境変化への対応に資するため、必要とする資金需要に的確に対応することとし、国が指定した金融機関に対する融資事業の規模として20,320億円を計上しており、この原資として、財政融資資金の借入れ16,320億円及び社債の発行による収入4,000億円を予定している。また、利子補給事業における利子補給金の原資として、一般会計からの補給金3百万円を予定している。さらに、利子補給事業における利子補給金の原資及び損害担保事業に要する資本に充てるため、一般会計から68百万円及び東日本大震災復興特別会計から23,500百万円を出資することとしている。なお、別途、一般会計から株式会社日本政策金融公庫補給金等1,373百万円を交付することとしている。

      • (ヘ) 特定事業等促進円滑化業務

        25年度においては、今後内外で高い需要が見込まれるエネルギー環境適合製品を開発又は製造する事業のうち、我が国産業活動の発達及び改善に特に資するもの並びに我が国企業の国際競争力強化の観点から事業再編等の実施に必要な資金の貸付けが、銀行その他の金融機関により円滑に行われるよう、必要とする資金需要に的確に対応することとし、特定事業促進円滑化業務(低炭素融資)500億円、事業再構築等促進円滑化業務(事業再構築融資)500億円、合計1,000億円の貸付規模を計上しており、この原資として、財政融資資金の借入れ1,000億円を予定している。

    • 2 株式会社国際協力銀行

      この銀行は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、我が国にとって重要な資源の海外における開発及び取得を促進し、我が国の産業の国際競争力の維持及び向上を図り、並びに地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業を促進するための金融の機能を担うとともに、国際金融秩序の混乱の防止又はその被害への対処に必要な金融を行い、もって我が国及び国際経済社会の健全な発展に寄与することを目的としている。

      25年度においては、資源・エネルギーの安定供給確保・開発促進への取組並びに我が国企業の海外投資及びインフラ需要の旺盛なアジアを中心とする地域への海外展開の支援に重点を置き、23,110億円の事業を行うこととしている。これらの原資として、外国為替資金からの借入金12,231億円、財政融資資金からの借入金6,000億円、社債の発行による収入6,800億円、借入金償還等△1,921億円を予定している。

      なお、日本企業による海外企業の買収や資源確保等のための貸付けに係る資金需要の増加に伴い外貨資金が必要となり、かつ、為替相場の安定に資すると認められる場合にあっては、外国為替資金からの借入れを行う場合がある。

7.財政投融資計画の主な内容

  • (1) 財政投融資計画策定の基本的考え方

    25年度財政投融資計画の策定にあたっては、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」(25年1月11日閣議決定)を踏まえ、長期リスクマネー等を呼び水として供給し、民間投資の喚起、経営改善に取り組む中小企業等の支援や日本企業の海外展開支援等に積極的に対応することとした。

    この結果、25年度財政投融資計画の規模は、183,896億円(24年度計画比4.2%増)となっている。

    最近における財政投融資計画の規模の推移は、次のとおりである。

    (表9) 財政投融資計画の規模の推移

    (単位:億円、%)

    年度金額対前年度伸率
    21 158,632 14.4
    22 183,569 15.7
    23 149,059 △ 18.8
    24 176,482 18.4
    25 183,896 4.2

    なお、長期リスクマネーを供給する産業投資については、日本の豊富な民間資金、多様な人材、優れた技術力などの潜在力を最大限引き出し「成長による富の創出」を実現するため、2,638億円(24年度計画比46.2%増)に大幅拡充することとした。

    また、経済事情の変動等に応じ、機動的かつ弾力的に対処するため、公庫、独立行政法人等に対して、財政融資資金の長期運用予定額及び債務に係る政府保証の限度額を年度内に50%の範囲内で増額しうるよう、弾力措置を講ずることとした。ただし、財政融資資金の長期運用予定額の追加の総額に25%の上限を設けることとした。

  • (2) 重要施策

    民間投融資等支援関連のうち、長期リスクマネー供給については、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構において、天然ガス、石炭、地熱及び金属鉱物に係る探鉱・開発事業等を支援することとしているほか、クール・ジャパンを推進するため、株式会社海外需要開拓支援機構(仮称)を設立し、我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品等の海外需要の開拓等を支援することとし、これらのために必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    また、民間企業等金融支援については、株式会社日本政策金融公庫において、新事業展開や経営改善等に取り組む中小企業・小規模事業者を重点的に支援するとともに、株式会社国際協力銀行において、資源・エネルギーの安定供給確保・開発促進への支援を図りつつ、中堅・中小企業を含む日本企業による海外企業の買収やインフラ分野等への海外展開を推進すること等とし、これらのために必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    地方公共団体向けについては、住民生活に密着した社会資本整備等を推進するため、地方公共団体の円滑な資金調達に配慮し、必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    教育・福祉・医療関連については、独立行政法人日本学生支援機構において、引き続き、有利子貸与事業の充実を図ることとしているほか、独立行政法人福祉医療機構等において、東日本大震災により被災した福祉・医療施設の復旧等に必要な資金を含め、福祉医療サービスの基盤強化の観点から、必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    なお、各分野の措置状況は以下のとおりである。

    • 1 住宅

      住宅については、9,291億円(24年度9,234億円)の財政投融資を予定している。

      このうち、独立行政法人住宅金融支援機構については、証券化支援事業を業務の柱とするとともに、住宅資金融通事業については、政策的に重要であり民間では対応が困難な分野に限定しつつ、被災した住宅に係る災害復興住宅融資の資金需要に的確に対応することとし、事業規模として19,440億円(24年度21,030億円)を確保することとしている。

      また、独立行政法人都市再生機構については、民間事業者による実施が困難な都市再生支援のための住宅等政策的に特に必要なものに限定して供給等を行うこととし、事業規模として所要の額を確保することとしている。

    • 2 生活環境整備

      生活環境整備については、28,051億円(24年度27,125億円)の財政投融資を予定し、このうち、地方公共団体において、国民生活充実の基盤となる社会資本の整備を推進するため、下水道、一般廃棄物処理等の事業に必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    • 3 厚生福祉、文教

      厚生福祉については、7,026億円(24年度7,426億円)の財政投融資を予定し、このうち、独立行政法人福祉医療機構において、被災した病院・福祉施設の復旧等を含め、児童福祉施設、老人福祉施設及び医療関連施設の整備等に係る資金需要に的確に対応するため、貸付規模として4,686億円(24年度5,548億円)を確保することとしている。また、独立行政法人国立病院機構等において、病院等の整備促進を図ることとしている。地方公共団体の病院事業については、必要な資金需要に的確に対応することとしている。

      文教については、15,224億円(24年度12,316億円)の財政投融資を予定し、このうち、独立行政法人日本学生支援機構において、経済的理由により修学に困難がある学生等に対し有利子学資金を貸与するために必要な貸付規模として9,070億円(24年度8,496億円)を確保することとしている。また、地方公共団体の学校教育施設整備等の事業については、必要な資金需要に的確に対応することとしている。

    • 4 中小企業、農林漁業

      中小企業については、41,967億円(24年度43,228億円)の財政投融資を予定している。その大宗を占める株式会社日本政策金融公庫において、新事業展開や経営改善等に取り組む中小企業・小規模事業者を重点的に支援するため、必要な事業規模を十分に確保することとしている。

      農林漁業については、4,068億円(24年度3,733億円)の財政投融資を予定している。その大宗を占める株式会社日本政策金融公庫において、意欲ある農林漁業者の確保・育成、生産性の向上等の推進に必要な資金需要に的確に対応することとし、貸付規模として3,500億円(24年度3,200億円)を確保することとしている。

    • 5 道路、運輸通信

      道路については、29,391億円(24年度28,130億円)の財政投融資を予定し、このうち、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構において、承継債務の円滑な償還・利払い等を実施するため、所要の額を確保することとしている。

      運輸通信については、5,191億円(24年度3,839億円)の財政投融資を予定し、このうち、株式会社民間資金等活用事業推進機構(仮称)において、独立採算型等の事業(選定事業であって、利用料金を徴収する公共施設等の整備等を行い、利用料金を自らの収入として収受するもの)等に対し金融支援等を実施するため、所要の額を確保することとしている。

    • 6 産業・技術、貿易・経済協力

      産業・技術については、20,050億円(24年度20,150億円)の財政投融資を予定し、このうち、株式会社日本政策金融公庫において、東日本大震災及び円高等に伴う経済環境変化に対応するため、中堅・大企業向けの危機対応業務に必要な貸付規模を十分に確保することとしている。

      貿易・経済協力については、16,444億円(24年度10,385億円)の財政投融資を予定し、このうち、株式会社国際協力銀行において、資源・エネルギーの安定供給確保・開発促進への支援を図りつつ、急増しつつある海外インフラ需要等に対応するため、事業規模として所要の額を確保することとしている。

  • (3) 原資

    25年度財政投融資の原資としては、24年度計画額に対し7,414億円(4.2%)増の183,896億円を計上している。

    財政融資については、財政融資資金130,621億円を計上している。

    財政融資資金の資金調達に関しては、新たな貸付け及び既往の貸付けの継続に必要な財源として、25年度において、財政投融資特別会計国債110,000億円の発行を予定している。なお、財政融資資金の資金繰りのため、財政融資資金証券46,000億円の発行を予定している。

    産業投資については、株式会社国際協力銀行の納付金、日本たばこ産業株式会社及び日本電信電話株式会社等の配当金等を見込むことにより、2,638億円を計上している。

    政府保証については、政府保証国内債42,537億円、政府保証外債8,100億円の合計50,637億円を計上している。