財務省 採用案内 2013
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48徳岡 喜一国際通貨基金(IMF)職員[平成12年入省]Message職員からのメッセージ<海外編>PROFILE●平成12年●平成14年●平成16年●平成18年理財局資金第一課米・ジョンズ・ホプキンス大 国際局国際機構課総務省自治行政局IMF加盟国との真剣勝負IMFの仕事、雰囲気は?IMFの議論は机上の空論?財務省の人材投資 私が勤務しているIMFは、世界中からエコノミストを集め、IMF加盟国への経済政策に関する提言や、外貨が不足した国への資金融資などを行っています。IMF全体として、平時は前者が中心、世界経済危機のような「事件」が起きると後者の割合が増してきます。 IMFで仕事をしていて、聞きそうでほとんど聞いたことのない問は「経済学的な観点から検討するとどうか」というものです。これは、エコノミスト集団としてのIMFでの仕事は、まず経済学のツールを使うことが前提となっているためです。例えば、アジアの高貯蓄率の要因について、私自身、アジア人の実感として感じる社会的・歴史的な要因を思わず挙げたくなってしまうのですが(エコノミストになりきれていませんね!)、IMFのエコノミスト達は、(通常統計的手法も用いつつ)金融システムの発展状況など経済的な要因で説明できる部分、できない部分を測るというアプローチをとります。 逆に、時々聞く言葉は「政治的な制約を一旦忘れてみよう」という類のものです。これは、まず経済学的な観点から理想的な政策を考え、その上で、制約を考慮して案を修正していくというアプローチを表現したものです。背景には、現実の制約によって発想が束縛されるのは望ましくないという考え方があり、多様で新たな発想を尊重する国際機関としてのIMFの智恵のようなものを感じます。こうした雰囲気の中での、世界各国出身のエコノミスト達との自由な議論は国際機関ならではです。 このように述べてくると、IMFのエコノミストは、経済学的な机上の空論に終始しているのではないか、という指摘がありそうですが、IMFという組織は、(意外に?)地に足の着いた組織です。(また、90年代のアジア危機後のIMFに対する批判も受け、加盟国に対する理解を深める努力を強めています。)加盟国への政策提言の立案も、エコノミスト数人が、各加盟国に年1回から数回出張し、加盟国と議論を重ねる中で行われています。 私自身、これまでアジアの国々に何度か出張してきていますが、以前、近々IMFからの融資が必要になる可能性が高い国に出張したことがあります。こういう局面になると、出張先での加盟国との議論はまさに真剣勝負になります。加盟国側からするとIMFの政策提言が、いざIMFから資金融資を受けることになった際の融資条件へと格上げされる可能性が高いからです。一方、ひとたび加盟国側がIMF側の政策提言に納得すると、今度はその政策を実行するに当たっての理論武装のサポートの依頼・相談を受けることがあります。このように諸外国のマクロ経済政策に深く関わることができるのが、IMFの仕事の醍醐味であるとともに、日本ではなかなか得られない経験です。 最後に、私のIMFへの出向にも関連して、財務省の人材育成についてお話します。 以前、日本国内のとある省庁の知人から「財務省はずいぶん人に投資しているなあ」という言葉を聞いたことがあります。これは、財務省が、常にIMFを含めた国際機関、国内外の大学などに多くの人材を出向させ、職員の育成に投資をしていることを指したものです。世の中がより複雑化し、また諸外国との関係がより密接になっているなか、財務省が、日本のために柔軟かつ的確に対応していけるように、多方面に絶えず人を送り人材の育成を図るという人事政策を採っている証左と思います。

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