財務省 採用案内 2013
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41小田原 卓也関東信越国税局沼田税務署長[平成14年入省]PROFILEMessage職員からのメッセージ<地方編>●平成14年●平成16年●平成17年●平成18年●平成20年●平成21年大臣官房総合政策課 福岡国税局調査査察部米・イェール大在ニューヨーク日本国総領事館大臣政務官秘書官国税庁調査査察部査察課課長補佐現場感覚とマネジメントの基本毎日、「現場」をビリビリ感じるマネジメントの共通項君が望むものは、ここにある 税務署は、納税者に直に接して国税の賦課徴収を行う第一線の執行機関であって、財務省を支える重要な屋台骨のひとつだ。ここでの経験は、確かに、財務省職員としての付加価値を高める絶好の機会を与えてくれる。 税務の専門家たる職員と共に悩みながら、個々の案件の処理方針を決める中で、具体的な納税者の姿を想像し、わずか一円を稼ぎそれを納税することの苦労に共感する。政府で創られた制度が如何に現場に適用される(のが難しい)かを目にする。地元の市町村長、学校関係者、商工会等の各種団体の役職員と日常的に接し、地域のナマの実情に触れる。これらは、いずれも、政策立案に関与する際に必要な現場感覚を養うものだ。 その一方で、税務行政は、少子高齢化や厳しい財政事情により利用可能な人的・物的資源が限られる中、申告者数の増加やグローバル化といった経済社会の変化に対応することが求められている。そこで、国税当局が組織を挙げて取り組んでいるのが、e-Tax(電子申告・納税)などのIT化や、税務署内の同種事務を統合して一体的に処理する内部事務一元化だ。しかし、こうした組織効率化への取組みは、税務署の組織や仕事の有様だけでなく、確定申告や署窓口における納税者との関係も変える。こうした中で、現代の税務署長に求められる役割は何なのだろうか。 まず、各々の職員の士気を高く保つこと。そもそも、「命の次に大事なお金」を正しく納めることに馬鹿馬鹿しさを感じる社会にしてはならない。一般の納税者には丁寧に接し、悪質な納税者には厳正に臨む。これが、税務行政の基本理念であり、税務署が「所」ではなく「署」たる所以だ。そのため、事あるごとに、税務行政の変化の意義と目的、すなわち「何のために」を明示しつつ、職員が納得してプロフェッショナルとしての誇りとモラルを持って適正に職務を執行できるように説いて回った。管内にある尾瀬へのハイキングや懇親会を通じて職員同士の一体感を醸成することにも心を砕いた。 税務行政とその変化について地域の理解と協力を得ることも不可欠だ。地元のラジオ局へ出演したり、お祭りで広報用のティッシュを配ったり、はたまた、「ネットで申告納税e-Tax」と書かれたTシャツを着てハーフマラソンを走ったりして、国税当局の諸施策の広報活動に体を張って取り組んだこともあった。講演の機会も多かった。特に、400人の高校生を前に、広く自らの体験を交えつつ、未来の納税者としての意識付けを図ったことは貴重な体験だった。 組織の基本理念や役割を明確にしつつ、変化を主導する。これが現代の税務署長に求められる役割だ。あらゆる組織に通じるマネジメントの基本を経験できる。 このパンフレットで語られるように、財務省のフィールドは広い。僕自身、税務行政の最前線、大企業への税務調査の現場、税務行政の最後の砦と、様々なレベルでリアルな現実に向き合ってきた。政治と行政の結節点でプレッシャーに押し潰されそうになったことや、金融危機に陥りつつあるニューヨークで世界史の大転換を目撃したこともあった。 このフィールドで活躍することは簡単じゃない。公務員に注がれる世間の眼差しも厳しい。様々な分野の専門知識を深め経験を積み、それらを総合していく。自己研鑽と人格の陶冶の日々は終わらない。 しかし、僕は断言できる。多様な現実とそこに生きる人々の営みを肌で感じられ、困難な現実に全人格を賭けて挑戦させてくれる職場。「正直な一般の納税者」や「巨額のツケを回されつつある将来世代」の思いを感じ取り、わが国とそこに暮らす人々の未来を信じて、厳しい時代に真摯に立ち向かう人々の集合体。高々三十歳そこそこの若造の可能性を信じて、彼に現場責任者を任せる組織。そうした場所で自らを高めたいと真に望むならば、君も、財務省の門を叩くはずだ。

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