財務省 採用案内 2013
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大滝 祥生理財局国債企画課企画係長[平成19年入省]39Message職員からのメッセージ<若手編>ああ、すばらしきかな、財務省(注1)PD会合(注2)投資家懇::国債市場特別参加者会合の略称。国債市場特別参加者(主に大手の証券会社)との間で、国債市場に関する重要事項について意見交換を行うことを目的とした会合。国債投資家懇談会の略称。銀行や保険会社など主要な機関投資家と直接かつ継続的に意見交換を行うことを目的とした懇談会。PROFILE●平成19年●平成21年主税局調査課金沢国税局調査査察部理財局国債企画課でやっていること係長となって思うこと日本が財政破綻!? 『日本がギリシャになる日』『日本破綻』『ジャパンショック』『日本経済「余命3年」』・・・いずれも2010年に発行された本のタイトルだ。2010年以降、このような「財政破綻」に関する出版物が急増しており、日本の財政に対する注目の高さが伺える。日本はこのまま本当に破綻していくのだろうか?いや、そんなことはさせない。理財局国債企画課の係長として、自分は何ができるのか、そして実際に何をやっているのか。 理財局国債企画課の主な業務は国債管理政策の企画と立案である。今回はその中で柱ともいえる国債発行計画の策定を紹介したい。 12月23日(祝)午後1時、閑散とした課内に声が響く。「来ましたっ!!」分室の係長が飛び込んでくる。ついに平成23年度の建設国債と特例(赤字)国債の発行額が主計局で決定されたのだ。それらの国債に加えて、過去に発行した建設国債・特例(赤字)国債の借り換えのための借換債、財政融資資金の財源となる財投債を合わせて、どのような年限・形式で発行するのかを計画することが私の属する企画係の主要な仕事である。主計局から出てきた国債の発行額は事前に予想されていた額とほぼ同じであり、2ヶ月ほど前から着々と準備を進めてきた発行計画に最後の微修正を施す。 総額で年間150兆円を超える国債を円滑に発行することは簡単なことではない。翌年度予算の全体像すらはっきりとしない10月頃から、「PD会合」(注1)や「投資家懇」(注2)などの場を通じて、証券会社やメガバンクなどから市場における国債の消化余力がどの程度なのか、またどのような商品が望まれているのかをヒアリングし、発行計画をおぼろげながら描いていく。市場の生の声を聴くことができるこれらの作業は、自分の担当している政策が机上の空論ではなく、実社会に影響を与えていることを実感させられる。また、市場の声を聞くだけではない。最新の金融工学によるコスト・アット・リスク分析を用いて、どのようにして長期的な金利負担を軽減するのかも計画に盛り込む。 そして、12月に入り、予算の基本方針や税制改正大綱などの発表を通じて、翌年度の国債発行額がその姿を現してくるのに合わせ、計画の細かい点を詰めていく。自分たちの決定が万が一にもマーケットに悪影響を与えないように、細心の注意を払う。最後に、主計局から新規財源債の発行額の決定を受け、計画の策定はひとまず終了する。あとは翌日24日の記者会見用の資料を仕上げるだけだ。 しかし、これで国債発行計画が終わるわけではない。市場の状況によっては柔軟に計画を変更していかなければならないため、市場動向のチェックは欠かすことができない。常に緊張の走るマーケットと顔を合わせ、日々、業務をこなしていく。 漠然と日本に貢献したいという思いで入省してから丸4年近くが経とうとしている。入省する前は、今の日本をよくする確固たる政策というものがどこかに存在していて、それを理解し推し進めることが官僚の仕事だと思っていた。しかし、実際に働いてみて感じたことは、今の日本において、誰にとっても間違いなく正しく良い政策を創り上げることは不可能ではないのかということだ。それは財務省では何もできないということなのか?そうではない。完全ではないかもしれないが、それでも最適である政策を考え出し、実行に移すのが財務省なのだ。この4年間で、少しではあるが、政策や経済というものの仕組みがわかったような気がするし、例えば、国債発行計画が新聞の一面に掲載されたときなど、実際に日本に貢献できているという充実感もある。特に係長となってからは所掌と決定権の拡大により、今まで以上に自分で考えたことが政策に反映されるようになり、非常に充実した日々を送っている。今後、さらにエキサイティングな職務をこなしていくことを考えると、今から楽しみで仕方がない。財務省に入省したことに一片の悔いなし。
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