財務省 採用案内 2013
19/58

齊藤 郁夫国際局国際機構課課長補佐[平成15年入省]大臣官房秘書課仙台国税局調査査察部米・スタンフォード大、シラキュース大主税局調査課18日々、日本と世界を考える●平成15年●平成17年●平成18年●平成20年仁科 貴国際局国際機構課[平成22年入省]岩﨑 浩太郎国際局国際機構課企画係長[平成17年入省] 国際会議が近づくと、各国のカウンターパートや関連国際機関から、会議に向けてのポジション・ペーパーが次々と発出されます。私の重要な仕事のひとつは、そうしたペーパーの内容・位置づけを正確、かつ迅速に理解し、その概要を作成して関係者と共有することです。ペーパー上の文字が、国際会議における交渉プロセスを通して国際的な政策協調という形となり、日本に、そして世界に影響を及ぼしていくダイナミックな営みの一端に携わっているという実感が、会議直前の連日深夜まで続く作業の中にあっても、自身を突き動かすエネルギーの源泉になっています。 国際会議の開催中は、各国のプレイヤー(大臣・大臣代理)が会議の各セッションの合間に精力的に動き回り、合意形成を目指します。昨年10月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議(韓国・慶州)の際のように、会議前にはとても合意不可能と思われたことも、会議中は一日、一時間で事態が大きく変化していることが少なくありません。このポストについてから、アメリカ(ワシントンD.C.)、韓国(慶州・ソウル)、フランス(パリ)と大臣級の会議に同行してきました。現地での急激な議論の変化に応じて、日本のプレイヤー(財務大臣・財務官)が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、日本との連絡・調整、現場での情報収集・資料作成の陣頭指揮をすることで、縁の下の力持ちとして最終的な国際会議の成果物に貢献しているという充実感があります。関税局関税課仙台国税局調査査察部米・イェール大●平成17年●平成19年●平成20年~「歴史的」なIMF改革に向けて~ IMFはおろか海外ともほぼ縁がなかった前職からIMF担当に異動したのは、IMF改革に向けて国際的に議論が盛り上がる最中の2010年7月上旬だった。一抹の不安と、留学で得たものを活用できるという期待を抱え着任。直後にあったIMF主要出資国の会合(理事会)に向けた方針作りのため、IMFの基礎知識と、その改革に関する論点、これまでの日本の主張や各国の立場を急ぎ学習。 日本の主張の軸になるものとして、主要論点毎にペーパーを起案し、課内に始まり、国際交渉のヘッドである財務官とも、何度も議論し練り上げていく。その内容は、IMF加盟国支援に必要な資金基盤の充実(増資)、各国の出資(≒投票権)シェアの調整、理事会組織・運営の改善、職員の多様性向上(日本人の増員)と多岐にわたる。ワシントンにいるIMF日本理事室の同僚と密に連絡をとり、現地の状況を随時把握し、また東京の考え方を共有する。 交渉戦略も検討。交渉相手(の立場)は多種多様で、局面は刻々と変化する。11月のソウル・サミットという交渉期限を見据え、各国の立場(の変化)や次々と出てくる新しい提案をチームで協力して分析し、また、交渉の相手国・レベル・段階に応じて、対処方針を作成。日本提案も作成した。 この過程で、国際交渉の基本姿勢も学んだ。「日本のため」と「世界のため」が同じ解になるとは限らないが、一方的な主張は合意形成には役立たない。「国際社会での発言力を決めるのは、声(投票権)の大きさではなく、主張の中味だ」という上司の言葉を胸に、世界経済・日本経済のためのIMFの理想像を突き詰める。時に作業は深夜に及んだが、責任感が疲労に勝る。 私も同席したIMFC(国際通貨金融委員会)の準備会合(パリ)、そしてIMFC本番(ワシントン)、G20財相会合(韓国・慶州)と交渉が進み、自分が携わった改革案が国際合意に昇華していくプロセスはとてもスリリングだ。それは決して単線的ではなく、様々な駆け引きがあって紆余曲折し、合意期限を守れないのではないかという焦りを感じることもあったが、表舞台・裏舞台で粘り強く交渉が行われた結果、合意が成立した。 世界経済・金融の安定を担うIMFの機能強化は、国際社会にとって極めて重要な課題だ。今回の改革の内容は、過去最大規模の増資、世界経済の実情に即した出資シェア調整(上位11ヶ国をG7とBRICsが占め、日本は2位を維持)、新興国・途上国の発言力への配慮、といった包括的なものであり、IMFの長である専務理事が形容する通り、「歴史的」な改革と言える。「100年に1度」の危機に対して国際社会が出した答えの一つだ。 デスクに腰を据えての政策立案、パリでの会議、日本が追加出資するための法案作成・国会審議(3月31日成立)…と目が回りそうな9ヶ月だったが、「歴史的」なプロセスにプレイヤーとして関与できたことで、大きな充実感を得た。 このように財務省では、国際社会・国内の双方に貢献でき、経済、法律、政治といった幅広い分野に亘る、広く、深く、そして歴史的な出来事に巡りあうことができる世界が待っている。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です