財務省 採用案内 2013
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為替政策Market Policyマーケット関連政策国際局為替市場課課長補佐河西 修[平成6年入省]●平成6年●平成8年●平成10年●平成13年●平成15年●平成17年●平成20年銀行局調査課英・ケンブリッジ大、オクスフォード大主税局国際租税課英国大蔵省理財局総務課課長補佐、計画官補佐在ジュネーブ国際機関日本政府代表部主税局参事官補佐<業務の主なカウンターパート> 経済活動がグローバル化する中、我が国経済の持続的で健全な発展を実現するためには、通貨の安定を図ることは重要な政策課題です。財務省は、為替・金融市場の動向を常に注視しつつ、必要な時には為替介入を含む様々な政策的な対応を行っています。<概要>主要国財務省・中央銀行/IMF/外務省/金融庁/内閣府/日本銀行/金融機関 等為替政策の意義6年半ぶりの為替介入-2010年9月外国為替マーケットの最前線から16 為替相場は、例えば、1ドル=○○円といったように、異なる通貨間の交換比率、いわば外貨の値段を言います。かつて固定相場制だった時代には、1ドル=360円というように、外国為替相場は固定されていました。ところが、現在の変動相場制の下では、為替相場は日々変化します。 自国の通貨が相対的に強い場合、割安な値段で外国の商品が買えて、海外旅行も安くつく一方、その国の商品の外貨での価格は割高となり、国の輸出は減少し、景気の後退につながるおそれがあります。逆に、自国の通貨が相対的に弱い場合、その国の商品の外貨での価格は割安となり、国の輸出は増大するかもしれませんが、割高な値段で外国の商品を買わざるを得ず、原材料コスト高に伴う利益の減少や、物価上昇につながるおそれもあります。 そこで為替相場の適正な水準はどこかという問題が生じますが、為替相場の水準は、一国の事情のみで決まるものではなく、為替相場は、基本的には、各国経済のファンダメンタルズを反映し、マーケットの需給によって市場において決定されるものです。 しかし、為替相場は、市場参加者の投機的な思惑等により、ファンダメンタルズから乖離したり、短期間のうちに大きく変動したりすることがあります。為替相場が、こうした不安定な動きを示すことは、経済・金融の安定に悪影響を及ぼすものです。為替相場の過度の変動を抑制する観点から、通貨当局は市場において為替介入を行うことがあります。 昨年9月15日朝、財務大臣の緊急記者会見。マスコミ関係者が大臣室前で財務大臣を取り囲む中、財務大臣が「為替相場の過度の変動を抑制するため、為替介入を実施した」と述べるのとほぼ同時に、すぐさま、我が国の為替介入のニュースが世界中を駆け巡る。 外為市場は、シドニー、東京、香港、シンガポール、フランクフルト、ロンドン、ニューヨーク・・・と切れ目無く続く、まさに、眠らない24時間マーケット。様々なニュースが流れる中で、為替相場は瞬時に動く。 介入後、為替相場のドル円相場を示すボードは、82円台から一気にその日のうちに85円台まで急激に反転。為替介入は、明らかに、市場参加者のセンチメントに電撃的なインパクトを与えた。まさに、為替介入は、「必要な時には断固たる措置をとる」という我が国通貨当局の市場に向けた強いメッセージ。 その日の夕刊各紙面、翌日の朝刊各紙面・ニュースは、記者会見をする財務大臣の写真とともに、為替介入の記事や報道でほぼ埋め尽くされている状態。海外報道も大きく取り上げている。当然のことながら、為替介入について好意的に評価する論調もあれば、今後の課題を指摘する論調も。例えば、「今回の為替介入は、円高阻止に向けた通貨当局の明確な意思を示した」「円高はひとまず止まったが、投機筋の動きによってはまた再び円高が進行するリスクもある」、「海外当局の理解をどう得るかが課題だ」等々。こうした様々な指摘に対して、為替政策の担当者として、我が国の為替政策を対外的にどう説得的に説明していけるかを考えなければならない。大きな責任を伴う仕事であるが、同時に、大きなやりがいも感じる。いずれにしても、今回の為替介入については、担当者としての勝手な思い込みと言われるかもしれないが、概ね評価する好意的な論調の方が多かった。 しかし為替市場はまさに生き物。油断は禁物。洪水のように押し寄せる世界中のニュースや指標といった情報を分析しながら、めまぐるしく変わっていく金融市場の中で、いかに為替相場の安定を通じて、我が国経済の健全な発展を図ることができるか、頭を悩ませる日々は続く。

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