財務省 採用案内 2013
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大臣官房政策金融課課長補佐14小嶋 龍亮[平成15年入省]●平成15年●平成16年●平成17年●平成18年●平成20年●平成21年主計局総務課主計局主計企画官付調整係仙台国税局調査査察部総務省情報通信政策局総合政策課米ジョージタウン大学公共政策大学院米ハーバード大学ジョンF.ケネディ行政大学院「株式会社国際協力銀行法案」の作成を通じてこの緊張感と使命感、高揚感。~法案の作成者として~ 昨日、平成23年2月25日、「株式会社国際協力銀行法案」が閣議決定された。日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)の機能強化と組織分離を行い、新たに株式会社国際協力銀行として設立する新法だ。この法案の肝である第12条(業務)の第1項から第12項までがどういう考え方に基づいて配列されているか、第46条だけ会計参与の規定ぶりが異なるのはなぜか、あるいは附則第12条第5項においてなぜ商業登記法の第70条だけが適用除外とされているのか、私は即座に答えることができる。なぜなら、この法案の本則全47条、附則全52条、計99条について、その文案を考え、キーボードを叩いて書き、関係部局・機関と協議し、内閣法制局の審査に持ち込み、説得したり詰め倒されたりしながら、数ヶ月間をかけて、法案を実質的に書いたのが私と部下数名だからである。 「法律」といっても、所詮は常識人が日本語で書くものであり、聖書の様な神の啓示でもなければ、ポアンカレ予想を証明した天才の論文でもない。しかし、官僚は、この「法律」の片言隻句や「予算」の千円二千円に命をかける。なぜなら、法律と予算こそが、近代国家の活動を規定するソフトウェアであり、法律を書き予算を組むことが、究極的には日本を動かすことだからである。 法律に書いてあることは出来るし、書いていないことは出来ない。私は三十そこそこの駆け出しの課長補佐に過ぎない。それでも、大げさにいえば、私が法案に書いたこと又は書かなかったことは、(法案が無事成立し更に改正されるまで)JBICの活動を縛り続け、日本の貿易及び海外投融資に絶大な影響を与える。この緊張感と使命感、高揚感こそが霞ヶ関で働く醍醐味であり、連日の徹夜をものともしない気力の源泉となるものである。もし途中で過労死したら、法案を私の棺に入れて一緒に焼いてほしい、それぐらいの意気込みでやってきた。 もちろん、大きな方針は様々な関係者との打ち合わせや、政務レベルでの会議で決まる。しかし、それでも、あくまで担当者は君だ。どれほど君が若く経験が少なくても、君がやりたい、君が正しいと思うことなら、財務省のおじさん達は全身で君の意見を聞き、徹底的に詰め、呆れるほどの真剣さで議論してくれる。正しい者が勝つとは限らないこの世の中で、それはとても有難いことだ。 霞ヶ関は比較的、論理を大切にする世界だが、財務省は突出している。筋の通らないことは絶対に許してはくれない。それは、法律とともに国家を規定する「予算」又は「国庫」を預かる者としての責任感の現れでもある。逆に言えば、財務省は、正当な主張をする者であれば、年次や立場を問わず耳を傾けてくれる懐の深い組織でもある。君の考えが浅はかなために、論破されることはあるだろう。しかし、財務省には、君が若造だからという理由で、筋の通らない意見を押しつける者はいない。私は法案作成作業を通じて、身をもってそのことを知った。次は君の番だ。もう傍観者や批評家であることは許されない。政策立案者として、我々と徹底的に議論しよう。

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