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第61回 財務省政策評価懇談会(10月13日開催)議事録

1 日時

平成29年10月13日(金)15:01~16:24

2 場所

財務省第3特別会議室

3 出席者

(懇談会メンバー)

 

江川 雅子

一橋大学大学院商学研究科 教授

 

小林 喜光

株式会社三菱ケミカルホールディングス 取締役会長

 

角  和夫

阪急電鉄株式会社 代表取締役会長

 

田中  直毅

国際公共政策研究センター 理事長

 

田辺 国昭

東京大学大学院法学政治学研究科 教授

 

山本 清

東京大学大学院教育学研究科 教授

 座長 

吉野 直行

慶應義塾大学 名誉教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 長峯大臣政務官、福田事務次官、矢野官房長、可部総括審議官、神田主計局次長、
 星野主税局長、渡邊会計課長

 

(国税庁)

 佐川長官、安居審議官、松崎監督評価官室長


(事務局)

 山崎政策評価審議官、三村文書課長、田平政策評価室長

 

4 議題等

(1)平成28事務年度国税庁実績評価書(案)について
(2)財務省政策評価実施計画等の一部変更について

 

5 議事録

 

 

 

○吉野座長

 それでは、ただいまから第61回の財務省政策評価懇談会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、私の隣に長峯大臣政務官にご出席いただいておりますので、大臣政務官から一言ご挨拶をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○長峯大臣政務官

 本日は、委員の皆様方には大変お忙しい中、本懇談会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。この懇談会は、財務省の政策全般に係ります政策評価についてご意見をいただくために開催しておりまして、本日は国税庁の平成28事務年度の実績評価等を議題とさせていただきます。

 政策評価の目的につきましては、いわゆるPDCAサイクルを通じて政策評価を次の政策決定に反映させる、また、効率的で質の高い行政を推進し、国民の行政に対する説明責任を徹底するという目的でございます。このような目的を果たすためには、単に財務省や国税庁が自ら評価をするだけではなく、外部の有識者の先生方から率直なご意見をいただくことが、客観性の確保と評価の質を高めるために大変重要だと考えております。

 本日の懇談会におきましては、このような観点から幅広く忌憚のないご意見、ご指摘をいただきますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

○吉野座長

 長峯大臣政務官、どうもありがとうございました。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思いますので、報道関係者の方は退席をお願いしたいと存じます。

 本日ご挨拶をいただきました長峯大臣政務官は所用のためにここでご退席となります。どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事に先立ちまして、財務省の幹部の方の異動がございましたので、事務局より財務省側の出席者の紹介をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○田平政策評価室長

 政策評価室長の田平でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、財務省の出席者を紹介させていただきます。

 吉野座長の左側から順にご紹介してまいります。

 福田事務次官でございます。

 神田主計局次長でございます。

 星野主税局長でございます。

 佐川国税庁長官でございます。

 安居国税庁審議官でございます。

 松崎国税庁監督評価官室長でございます。

 続きまして、座長の右側に参ります。

 山崎政策評価審議官でございます。

 矢野官房長でございます。

 可部総括審議官でございます。

 三村文書課長でございます。

 渡邊会計課長でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

○吉野座長
 どうもご紹介ありがとうございました。

 それでは、議題に入らせていただきたいと思います。

 議題は、平成28事務年度の国税庁実績評価書(案)について、それから財務省の政策評価実施計画等の一部変更について、この2つとなっております。

 時間の関係でまとめて山崎政策評価審議官からご説明をお願いいたします。

○山崎政策評価審議官

 それでは、資料に沿ってご説明させていただきます。

 初めに、平成28事務年度国税庁実績評価についてでございます。右下にページ番号がついておりますけれども、4ページをご覧いただきたいと思います。国税庁におきましては、国税庁の使命を踏まえて3つの実績目標(大)、それから4つの実績目標(小)、6つの業績目標を設定しております。

 評価結果ですが、Sが「目標達成」、Aが「相当程度進展あり」、Bが「進展が大きくない」ということになっております。

 なお、こちらにあります括弧内は昨年度の評定でございまして、四角がついております部分は前事務年度と異なる評定となったものを示しております。具体的に申し上げますと、下段の左端、業績目標の1-2-1に「広報・広聴活動等の充実」というのがありますけれども、これがSからA、それから右端の業績目標の1-3-3「不服申立てへの取組」がBからSとなっております。

 評定方法につきましては、5ページから7ページに詳細がございますけれども、昨事務年度と変わっておりませんので、説明は割愛させていただこうと思います。

 それから、評定結果の総評につきましては8ページにございますが、昨事務年度と異なる評価になったものにつきまして、9ページ以下でご説明させていただこうと思います。

 まず9ページですが、業績目標の1-2-1の「広報・広聴活動等の充実について」であります。この業績目標の主要な測定指標といたしましては、国税の広報に関する評価が設定されておりまして、国税の広報に関するアンケート調査に基づいて測定しているものでございます。

 この調査は、「良い」から「悪い」まで5段階評価で測定しておりますけれども、上位評価、すなわち「良い」及び「やや良い」の割合が80%以上となるように目標を設定しているところでございます。昨事務年度の業績目標が80.6%でございましたことから評定をSとしておりましたけれども、28事務年度の実績値は79.3%ということで、評定はAとなりました。

 次に、業績目標1-3-3の「不服申立てへの取組」でございます。この業績目標の主要な測定指標としては、国税不服審判所に対する審査請求を1年以内に処理した割合が設定されておりまして、目標値が95%に設定されております。昨事務年度は業績目標が92.4%であったことから評定をBとしておりましたが、28事務年度の実績値が98.3%であったことから評定はSとしております。
 次のページでございますが、懇談会でのご意見を踏まえまして、厳しい評定が続いている「電子申告等ICTを活用した申告・納税の推進」に関しまして、B評定に至った理由及び今後の取組みを掲載いたしました。昨事務年度においては、PDFデータによる提出可能手続の拡大などの施策を実施したものの、実績値が目標値を下回りました。今後は、マイナンバーカードを用いたe-Taxへの誘導などに対応するシステム修正を行いまして、ICT化を推進していくこととしております。
 以上が国税庁の実績評価についてのご説明でございます。

 次に、11ページとなりますが、資料2になります。財務省の政策評価実施計画等の一部変更につきましてご説明いたします。

 現在、財務省においては実施計画と事前分析表の2冊を作成、公表しております。事前分析表は、総務省ガイドラインの改正によりまして26年度から作成を始めたものですが、現行の実施計画と事前分析表においては、測定指標及び取組内容等の項目が重複して記載されております。

 そこで来年度からは、実施計画は政策評価の枠組みを中心に記載いたしまして、事前分析表に測定指標等を集約することによって情報量の水準を維持しながら、一覧性を向上させるという方向で作業を進めていきたいと考えております。この見直しは、6月の評価書と附属説明書の統合に継続する取組みでございます。

 事務局からは以上でございます。

○吉野座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、いつものように委員の先生方からご発言をいただきたいと思っております。

 また恐縮ですけれども、右端の江川委員からお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。


○江川委員

 評価に関しましては毎年しっかり見直して、少しずついろいろな面で、今日はご説明がなかったことについても、先立って打ち合わせのときにこういう見直しをしましたというようなことを教えていただきました。毎年不断に見直して客観的評価をしっかりして、それを次の改善に努めていくというサイクルが回っているので、それに関しては積極的に評価したいと思います。

 あと、今お話があったんですけれども、ICT化に関してはずっとB評価が続いているので、ぜひ力を入れていただければと思います。

 せっかくの機会ですので、今日の国税庁のことだけではないもう少し大きなテーマについて3点ほど申し上げられればと思います。

 1つ目は財政規律のことで、これは財務省、あるいは国税庁の範囲を超える面もあると思うんですけれども、消費税の問題も含めて政治の中で財政規律に関してどんどん消極的というか、それにしっかりと取組まない状況になってきているので、それについては非常に懸念を持っております。それが1点目です。

 2つ目はイノベーションについてで、日本の経済をしっかり活性化していくためにイノベーションが重要だというのは、皆さん合意があるところだと思います。私は、2年ほど前に総合科学技術イノベーション会議の下の基本計画専門調査会の委員をやっておりまして、いろいろな分野の方々とイノベーションや科学技術に関して議論する機会があったんですが、そこでも多くの方がおっしゃっていたのが、大企業で長期的な研究開発投資をやっていくのが昔よりも難しくなったので、日本でもベンチャーをしっかり育てて、そこから新しいものを生み出していかなければいけないということでした。

 そのために何が必要かということを考えたときに、もちろん資金支援は重要なんですが、相対的には今ベンチャーを育てるお金はそれなりに流れるようになってきていて、圧倒的に不足しているのがそれを育てるための土壌だと思います。それは、もちろん人材の流動性とか、社会の物の考え方とか、一朝一夕には変わりにくいところがあるんですが、例えば税金とかで何かやれることはないのかと思います。

 ベンチャーの課題の1つとして売上げがなかなか上がらないというのがあります。例えば大企業が購買の0.何%を必ず社歴何年未満の小さな会社、あるいは売り上げがいくら未満など、定義はまた考えればいいんですけれども、そこからの購入を義務づけるか、あるいはタックスインセンティブを与えるというような形で、少しでも民間企業からベンチャーにお金が回っていくようにする仕組みを考えていただけないかと思っております。

 なぜこういう仕組みがいいと思っているかというと、私は財務省の財投の委員会で、吉野先生ともご一緒に官民ファンドを議論する場に参加しましたが、政府のお金をエクイティの形でベンチャーに回していくというのは、いろいろな意味でなかなか大変なところがございます。

 むしろ目利きを民間企業にやらせたほうがいいと思っていて、民間企業の購買を通じると、当然自分の会社で使うので役に立つものをしっかり選別して買うということで、自然に優れた製品がスクリーニングされることになります。例えば、今、民間企業は障がい者を一定数雇ったり、そういった社会的責任を果たすという観点の施策もあるので、何パーセントが適切かは考えたらいいと思いますけれども、ベンチャーを育てるために大企業に一定の投資をしていただけるような、しやすくなるような仕組みを考えていただけないかと思います。

 3点目は、今、世の中の働き方が大きく変わってきていると思っておりまして、フリーランスや自営業の人が増えております。今までの日本の社会の仕組みは、社会保険にしろ、税金にしろ、どちらかというとみんなが会社に勤めていて、お給料から天引きする仕組みが中心だったと思うんですが、今、転職も増えたり、フリーランスの人が増えておりますので、そういう人も比較的難しくなくきちっと納税をして、ステータスや会社が変わったりしても税金の面で大変になったりとか難しいことがないよう、一人でやるとしてもそんなに苦にならないような仕組みを少しずつ整えていっていただけたらと思います。

○吉野座長

 江川委員、どうもありがとうございました。

 それでは、お隣の小林委員、お願いいたします。

 

○小林委員

 まず一つ目は、国税庁関連でe-Taxの普及の件について、マイナンバーが8月末時点で9.6%程度しか普及していないなかで、普及対策の1つとして、国税庁が率先してマイナンバーを使ったe-Taxに対してインセンティブを与えるという考え方はないのかどうかをお聞きしたいと思います。
 もう1つは、先ほど、江川委員からもお話がありましたが、財務省全体の広報・広聴活動について、財政規律に対してあまりにも国民の意識が低いとしか思えない状況ではないかと考えます。今日の新聞でも、世代会計の話題が取り上げられておりましたが、もう少し分かりやすく、単純に算数の問題として、独立した組織体として事実を正確に国民に伝えるという基本的なファンクションを果たせないかということについて、お考えをお聞きしたいと思います。

 最後は、ファンディングに関してです。先週、経済同友会の欧州ミッションでパリとロンドンを訪問し、EUとのEPAやBrexitにおける現在の状況、そしてイノベーション・エコシステムをどのように構築しているのか、またCOの削減を含めた環境問題に対して、民間も含めどのように真摯な対応をしているのかといったことを確認してきました。
 その中で、フランスの場合、かつては英語を話すことができてもフランス語しか話せないような文化であったのがここ4~5年で相当変わりつつあります。ベンチャーの集団として最近話題のStation Fという、IT系の富裕層が300億円程度出資して経営する組織では、アメリカの西海岸から人材を集め、採用においては英語での試験をするなど、文化を相当変えながら、官や政治が関与して民と一緒になって、見える化を推進しています。
 また、イギリスではtechUKというところで、IT産業がメインですが、かなり見える形で一つのトライアルを国家間の競争として捉えています。こうしたファンディングの方法も含めて、日本の場合はあらゆるところで小規模な形でいろいろと行われていますが、全体として効率的に上手くまとめられていないという現状をどのように考えるかということです。この3点を問題意識として提案させてもらいたいと思います。

○吉野座長

 どうもありがとうございます。

 それでは、角委員、お願いいたします。 

○角委員
 私も両委員と全く同じで、要するに、ぜひ早期にPB黒字化に向けての工程表作成をいただきたいというのが結論としてのお願いです。

 関西経済連合会では2013年4月、そして2016年10月、2回にわたりまして、財政規律を法で規制すべきであると、名前は仮称ですけれども、例えば財政健全化基本法を制定すべしという提言をしております。

 この選挙が終わりましたら、財政規律と成長戦略に向けての税制のあり方等について、関西経済連合会として提案をさせていただきたいということで今議論しておりますけれども、ご承知のように、2016年度末で債務残高が197.3%でございますので、恐らく今年度は200%を超えるということになろうかと思います。

 EUはご承知のように、条約で国の負債はGDP比で60%以下にしなければならないとか、あるいは単年度の赤字についてのパーセントを決めて規制をされているわけですね。当然のことですけれども、そういった超短期の視野でもって、例えば公的年金の開始年齢が、日本ほど超高齢社会になっていないにもかかわらず、現在の67~68歳から、国によってばらつきがありますけれども、それをさらに延ばして年金の安定的な運営ができるようにということをされているわけですね。
 ですから、日本もぜひ早期に、今はもう一旦決まっておりますけれども、無理かもわからないけれども、65歳から70歳までがみんな健康ですから支える側に回るような制度改革が起こるように、ぜひとも議論をスタートしていただければと思います。

 そして、今回、18歳、19歳の方が初めて政権選択選挙に参加をされるということで、各テレビ局が若い方のインタビューをいろいろなところでされているのをテレビで見ますと、年金をはじめとして今の社会保障制度が、僕たちが大きくなったときにちゃんと維持されているんですかということについての不安を語る方がかなりおられたのを見ても、そういう若い人たちの不安を解消するためにも、先ほど言いました財政規律基本法的なものを制定していただければというふうに思います。
 税と社会保障の一体改革につきましては、必ず国民に負担を強いるといいますか、厳しいものにならざるを得ないですから、それはこういう基本法に基づいてやっているんですよと、そのメニューについて国会で議論しましょうというふうな形に持っていっていかれればと思います。

 総理も、2020年財政規律、PB黒字化は先送りせざるを得ないというふうにおっしゃいましたけれども、しかし、また一方で財政規律の旗を降ろすわけではないということも明言をしていただいております。そういったことのもとで、ぜひ工程表の原案を早期に財務省のほうでつくっていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○吉野座長

 ありがとうございます。

 では、田中先生、どうぞ。

 

○田中委員

 国税庁のいろいろな基準づくりとか、その評価についていえば、執行責任を負う方々が自ら基準をつくって執行されておりますので、それについて助言できるような知識を私は持っていません。そこで、言うならば、執行責任ではなくて企業でいえば経営責任のところで発言します。チーフ・エグゼクティブ・オフィサーではなくて、経営責任にかかわるところが国家にとって重要だし、財務省の政策評価ということからいくと、それが重要だと思いますので、そっちにかかわってお話をさせていただきます。
 既に皆様方から出ているように、財政規律の問題なんですが、オオカミ少年という話がありまして、こんな財政赤字を放置したらえらいことになるというのに、実際には利払費は増えない、金利は下がるというわけです。ゼロ金利かマイナス金利が中央銀行によって導入されるという局面ですから、オオカミ少年といえばオオカミ少年なんだけど、しかし、ストックベースでといえば、日本社会の変化は確実にデモグラフィックに起きているわけで、年金だけをとってみても、年金基金にかかわる拠出はこれまで増えてきて、給付はそれに比べて少なかったわけですが、ご存じのように、大きく団塊の世代が受け取りの側に回る時代が来ていますので、GPIFも含めて国債を買っていたところが、むしろ給付に回すために国債を処分しなければいけないというような局面が確実に出てきているわけです。
 エビデンスベーストに則って最高経営責任の立場から議論する。それは国会で議論されるのか、内閣全体で総理が最終的な責任を負うということになるわけですけれども、2020年は議論しても、2020年の先についての議論がない。少しは出始めているのかもしれませんけれども、一般国民の受け止めは2020年まではあっても、その先の話は議論されていませんねということになるのだと思います。
 そういう意味からいくと、我々は、最高経営責任の立場から議論される国会の場にエビデンスベーストの資料を提出する、あるいはインプリケーションについて専門家がちゃんと説明するというプロセスが必要なわけで、オオカミ少年だろうと言っていられる時代はいいんですが、そうではない時代が確実に来ているわけです。
 いろいろなシミュレーションがある。民間企業の一部は私の知っているところではいろいろなシミュレーションをやっていまして、トリプル安というのは来る可能性が幾つかあるわけですね。何がきっかけになるかはいろいろあるが、JGBの値段が下がる、利回りが急上昇するということもあるでしょう。
 あるいは他のケースもあるんですけれども、為替も債券も株も売られるということになると、グローバルな展開をしている企業の経営者からいくと、今後のキャッシュ・フローをどこで生むのかという話があります。トリプル安がこれから10年ある、残念ながら起きるかもしれないと思えば、キャッシュ・フローを生むべき場は非日本になる。それは米国に限りませんけれども、非日本でキャッシュ・フローを生んでいないと、トリプル安が起きるときにはどうにもならないということになります。
 日本のメガバンクでも海外にエクスポージャーを増やしておりますけれども、ドル建ての預金が取り入れられるわけではないですから、もし10兆円ぐらいのエクスポージャーがあるとすれば、もしヒットされるとなると、ドルの調達に今までよりもプレミアムを払わなければいけない。それが10ベーシスや、20ベーシスにとどまる保証はない。10兆円のエクスポージャーがあれば、利益は1,000億円という単位であっという間に減る可能性があるわけです。
 そういうシミュレーションは誰もやっていないわけではないということを、例えば最高経営責任を持っている人々に、蹴飛ばして先送りをすれば、先の世代に債務を送り続けることが破綻したときに何が起きるのか、そのときに最高経営責任を果たすためには何を用意しなければいけないのか。
 賢明な経営者ならば、そういう分野では、既にポートフォリオ・リバランスに入りつつあるといってよい。お客様が7割、8割、9割が海外の人であっても、それでも日本での雇用を維持するために日本に投資されてきたところもあるけれども、これはもう無理だとなるでしょう。海外にキャッシュ・フローを生まなければ、自分の世代ではないかもしれないけれども、経営は次の世代にわたっているかもしれないけれども、そのとき対応できないと思っている人はものすごく増えてきています。
 ということはどういうことか。脆弱性の腹を広げた日本国家ですが、最高経営責任者の態度を見ていると、脆弱性の腹はいつかは打たれると考えざるをえない。そのリスクを回避するためには自分たちでできることをやるということになります。
 そういう私的セクターですけれども、私的セクターで考えていることと日本国家の最高経営責任で議論されていることの差があり過ぎる。これは別に財務省の責任ではなくて、私は前から言っているんですが、日本の研究所が少し非力で、そういうことをきちっとプレゼンテーションする力量が不十分ですから、私自身も反省しているんですけれども、そこは頑張ろうと思っています。
 いずれにしろ、エビデンスベーストの議論をもう少し最高経営責任にかかわるところに持ち込むことを財務省としてやっぱり考えてもらわないと、赤字がこんなに増えちゃったから何とかという議論だけでは、私は国論は動かないだろうと思います。
 今は、世界的に見てポピュリズムという議論があります。その背景にはアンタイ・グローバリズムがあるというのが一番多い見解のように思いますけれども、税に絡んでいえば、BEPSとか、パナマ文書なんかが一番分かりやすかった話なんですが、あるいはアメリカで時価総額が大きい1位から5位までのところの課税地選択を見ると、どこで税金を払うんだろうと。アイルランドに持っていく人もいれば、どこに持っていく人もいるというような類の話があって、アンタイ・グローバリズムというのは、庶民のベースではアメリカでもヨーロッパでも出るんですが、我が国の場合はその弊害が相対的に少ない。
 ただし、私的セクターに対する苛立ちがある。私の観察によれば、永田町と霞が関に日本の私的セクターに対するある種の距離感がある。その端的な例が内部留保。私的セクターは内部留保をいっぱい抱えているけれども、なぜ賃金の引上げに回さないんだという類。あるいは、どういう方法で取るかはともかく、取ってしまえと。既に税金を払って私的セクターにたまっているという内部留保は別に目に見える形で手に取れるわけじゃないんですけれども、バランスシート上残っているものに対して何とか取ってしまえという議論まで出始めている。それは庶民が言っているのではなくて、永田町と霞が関でこれが強い。
 何で賃上げに結び付けないんだと。だけど、賃金決定の仕組みを日本のグローバル企業のいろいろな人に聞いてみると、日本で利益が上がらない場合に、その企業が収益を上げていても、大きく貢献しているところにボーナスは行く。
 そういう支払いをしなければ、執行上の問題が起きるということですから、日本って、「おまえのところはこんなにもうけているんだったらもっと払えよ」と言われても、それは現実に経営責任を負っている立場からいくと、勝手に日本だけ上げるという展開はそもそも無理。日本でどんどん実績が上がれば相対的に日本での支払いが低いということはあり得ないんですけれども、実際上はそうはなっていない場合がある。
 だから、そこは、私的セクターで行われている意思決定過程と、それを見つめる永田町、霞が関の目とが相当程度ずれてきているというのが私の観察です。ここでもやはりもう少し議論をエビデンスベーストにしないと、無用の摩擦が起きるということです。
 エビデンスベーストは別に医療─医療は体を勝手に扱われては困りますから、お医者さんにエビデンスベーストでやってくれというのは、患者、あるいは患者予備軍として当然のことなんですけれども、実は国の最高経営責任にかかわるところでの議論は、もっとエビデンスベーストにする必要があるし、そのために財務省が果たすべき役割は大きい。
 ストックのベースで、あるいはデモグラフィックな大きな変化の中で諸制度がどういう影響を今後被るのか。なかなか普通の人にはこのデータをはじき出すことはできませんので、財務省の働き手、徹夜してでも働けるぐらいの元気のある人をオーガナイズして、そういう資料集を国会の先生方に読んでもらう。例えば内閣総理大臣に福田次官が行けば、「何だ、また財政規律の話か」みたいな話になるのか知りませんけれども、そういうことではないことにせねばいけない。
 だから、データベースを明らかにして、こういう事態がほぼ確実に何年後にやってきますと。そのときに今までおおむね年金の拠出側だった層が受給する側に回ったときに、JGBのマーケットにどういう影響が及ぶのか。そのとき、JGBの価格はどうなるのか。今までとは全然違う状況が起きる可能性は高い。だとすると、それに備えるために与えられた時間はどのくらいしかない、あるいはどこまでに準備が進んでいないと、ひょっとしてですが大変なことになるかもしれないというのは、いわゆるオオカミ少年と言われる話とは違う話だと私は思っています。
 だから、財務省政策評価にかかわって言うと、PDCAを回す話はもちろんあるし、それは別に悪いとは思いませんけれども、我が国に決定的に欠けているのは執行にかかわるところではなくて、トータルな経営にかかわるところについてのデータベースと立論が不足している。他の役所はなかなか取り組めないと思いますので、霞が関で立ち上がるとすれば財務省だろうと私は前から思っていまして、次官以下にエビデンスベーストの議論をやるための一歩を踏み出していただければと思っています。

○吉野座長

 ありがとうございました。

 田辺先生、どうぞ。


○田辺委員

 3点ほどコメントさせていただきます。
 まず、国税庁の評価のフレームに関しましては、長年の経験のもとに非常に安定的に、かつ、どこがあまりうまくいっていないというものが見えるような形の、非常にいい実施庁の評価になっているというのが私の全体の感想でございます。

 まず1点目は、この中で評価が変わりました不服申立てのところをご質問したいと思います。Sに上がったというのは本当にすばらしいことですけれども、ただ、不服申立ては相手のあることなので、Sといっても来年またSがとれるかというと、ばばっと不服申立てが出てきたときはまた状況が変わってしまう。それを管理できる、滞留があまりないような状況に維持するというのが恐らく大切なことだろうと思っております。
 その中で数字を見ますと、審査請求と訴訟に関してはあまり数字が変動していないんですけれども、再調査の請求に関しては従来三千何件というのが1,600件、大体半分ぐらいまで落ちております。ある意味国税庁のほうに再調査をお願いするという、あまり争わないスタンスで寄ってくるところが半分ぐらいになっているというのは一体どういうことなのか。これが長期的にこのぐらいの数字で今後推移しそうなのかどうかといった点に関しまして、お伺いしたいと思います。評価自体は、私はSということで納得しております。
 2点目は、皆様方が今まで触れられてきましたけれども、やはりe-Taxの部分であります。実施庁の国税庁としても着々とやるという側面はあるんですけれども、e-Taxだけはブレイクスルーを狙わないとだめというところがありまして、恐らくシステムの大きな変換というのが民間、それから行政の中で受け入れられていきますと、従来のやり方と非常に異なる国税庁の仕事の仕方ないしは税金を払う側の態度というものが出てきそうな気がするわけでございます。
 評価の際に、ここで使っている指標は、1つ目は普及度と、2つ目は使ってみたときの満足度という2つの指標で判断なさっているようでございますけれども、それ自体は大きな間違いだとは思いません。ただ、e-Taxの裏側にありますのは、例えば行政の側でもe-Taxを使うことによってリソースを浮かそう、つまり行政の側のコストを減らすということ。他方、実際に納税する側からいたしましても、e-Taxのシステムを使うことによって、納税にかかわる一連の負担というんでしょうか、コストが減るという側面にあろうかと思われるわけであります。

 e-Taxを入れて、コストが行政の側のみならず実際に納めるほうも、私自身はe-Taxを使っていますので随分時間が短縮できたなと。ありていに言うと、従来、数時間単位でやっていたものが数分単位でできるようになりましたので、時間としても非常に短くなって、それを見せるという言い方が正しいのかどうか知りませんけれども、単純に計算してこのぐらい浮きますよ、こんなにコストとして便利になるんですよというところをお見せいただいたほうが、今後のブレイクスルーのところに寄与できるのではないかと考えている次第であります。ただ、その数字をこの評価の中で出すとちょっと違う情報かもしれませんので、何かご検討いただければと思っております。
 3点目は、今回、実施計画の中身を薄めて、事前分析表のほうに落とし込もうというご提案でございます。評価法も10年ぐらいたっております。出発した当時はやるんだったら計画的にというので、まず計画をきちっと立てて、それで1年後ないしは中期計画終了後にきちっと評価をさせるというフレームでやっていたんですけれども、ただ、評価のフレーム自体が安定してきますと、前の計画してきちっとやる部分というのは薄めていいだろう。もう十何年たっていますから、このような形で計画のほうは枠について書き、あと事前分析表というのは一覧性がありますし、フォーマットも決まっていますので、ある意味読みやすい形式になっております。そういう形の対応をしたということは、私自身は評価できるものと考えております。
 以上、3点ほど申し上げました。

○吉野座長

 ありがとうございました。

 山本先生、どうぞ。

 

○山本委員

 皆さん非常に大きな話をされて、それは私も嫌いなわけではないので、一言だけ申し上げれば、結局今の問題というのは、財務省が関与されるといいましょうか、それなりに広報戦略を打たれる場合に、とりわけ政治との関係を非常にご主張された委員の方が多うございましたけれども、世の中は、政治部の話と、経済部の話と、社会部の話があって、税の話は社会部の話なわけですね。

 今、選挙というのはまさしく、最終的に勝てばやはり政治の力が強くなるんですけれども、最終的には社会部なり、一般世論なり、国民がどういうふうに動くかによってまさしく選挙は動いているわけですので、やっぱり財務省が、もし財政規律等に関する広報戦略なり、国民に対する働きかけということであれば、非常にマスコミ的な言葉を使えば社会部的な関与というか、社会部に対してもっとアプローチするようなのが有効ではないかと、少し皆さんのお話を聞いていて思いました。それは全くの各論であります。

 それで、今日は実施庁である国税庁の評価ということでございますものですから、何点か既に事務局を通じてお話ししてありますので細かいところは省略いたしますが、一番気になっておりますのは、自治体の方と議論していて、国税の情報システムと地方の情報システムといいますか、地方で課税される場合にデータを国税のほうからいただいておられるそうなんですが、そのタイミングが1カ月ぐらい早くなったり、あるいはエラー等の関係でまた再入力等々がされている事態も時々あるようでございます。

 そこら辺は、国税が悪いのか、あるいは総務省が悪いのかとかよく議論があるそうなんですが、もし国のほうで調整をしていただければ、国と地方を合わせた徴税コストの削減になりますから、国税としての徴税コストは1.3ということで、非常に努力をなさっておられるのは分かるんですが、日本全体として租税徴収賦課業務がより効率化になるようなことがもし可能であるようであれば、ぜひ総務省とも協議していただいて進めていただければ一番ありがたいと思っております。

 それと、若干テクニカルな話を1つだけ申し上げれば、お気持ちは非常によく私も理解しておりますが、成果重視事業というのが最終年を迎えておりまして、記載事項としては私は正しいと思うんですが、最終年でございますものですから、前年度比較ではなくて目標値との対比を淡々として、ここはきちんと客観的に国税庁、あるいは財務省としての識見を見せられたほうがより的確ではないかと思いました。

 あと、細かいところはまた事務局等を通じてお伝えしてありますので、今日は省略させていただきたいと思います。

 

○吉野座長
 どうもありがとうございます。

 それでは私も、皆さんのご意見のように多少大きなところから3つほど述べさせていただきたいと思います。
 1つ目は、よくアジアに行くんですけれども、先週中国に行きまして、中国は財政が今のところきちんとしていて、それで人材育成がものすごいというのがびっくりしました。国際化、いわゆるインターナショナライゼーションの中で、上海財経大学というところに行ったんですけれども、その大学では毎年100人以上の学生を留学させるために国からの資金が入っている。そういう意味で、ものすごく英語力が上がっていることに驚かされました。

 その前の日は杭州という上海から1時間ぐらいのところで、10年ぐらい前に行ったときには英語でほとんど通じなかったところで講演したんですけれども、ほとんどの人が英語で質問する。そういう意味では、インターナショナライゼーションの速度が中国はものすごく上がっていると思います。

 日本も人材育成に対する支出というのはきちんと確保しなければいけないと思います。そのために政府歳入の確保ということが重要だと思います。1つは人材育成で相当中国政府がお金を出しています。先ほどイノベーションの話がありましたが、大学にも研究費がしっかりついています。

 2つ目は、各先生方がおっしゃいました財政規律で、このままでいくと破綻しかねないという説明が全くないと思います。いろいろなリスクに対してどういうことが起こってくるんだろうかということをある程度発信することが重要ではないかと思います。

 消費税に関しては上げませんということはいいんですが、財政赤字は結局は将来世代に負担を先延ばししているということなわけですから、当たり前ですけれども、しっかり発信していただいて、我々の子孫が結局は負担しなければいけないことをやっているという言い方にしていただきたいと思います。
 国債の市場では今非常に心配があります。しばらく前までは銀行、生保とか、年金が国債を買っており、国債市場は安定していました。しかし、マイナス金利になり、それから銀行も国債を持ち過ぎることができなくなって、日本銀行が大量に買ったために現在は市場が安定していますが、日本銀行が徐々に引締めに入って、その後、日銀が持っている国債を売り始めたときに、私は国債市場が大きな局面変化になる可能性があると思います。現状は国債は安定していますが、この先しばらくすると相当変化する可能性もあると思っておりまして、早いうちに財政の規律を達成しないといけないと思います。
 先ほど角委員からヨーロッパの話がありましたが、おっしゃるとおりであり、財政の残高をGDPで割ったストックとしての指標と、それから毎年の財政赤字をGDPで割った比率、これがヨーロッパでは3%と、残高のほうが60%です。それにもう1つ、GDPギャップです。あるいは経済成長率。この3つの変数を見て、歳出と歳入を同時方程式で考えないと、財政規律は達成できないと思います。財政規律が乱れたときにどういう問題が起こるかを広報でぜひ発信する必要があると思います。

 最後は、マイナンバーを含めたICT化です。私がアメリカにいましたときに、アメリカの社会保障番号が全部学生の番号になっていました。大学に入学すると自分の番号が全部社会保障ナンバーでした。日本でも学生証の番号とかもマイナンバーで全部統一していくとなると、意外に普及が早いかもしれません。

 ICT化の中でマイナンバーの使用は、いろいろな企業が効率的に仕事をやっていけるということにもつながると思います。

 以上、私の意見です。これまでの先生方のご意見を踏まえまして、佐川国税庁長官のほうからお願いいたします。

 

○佐川国税庁長官

 佐川でございます。

 委員の皆様から貴重なご意見、ご指摘をいただきまして、誠にありがとうございます。国税庁としましては、今回の評価結果、あるいは今いただきましたご意見なども踏まえまして、PDCAサイクルを一層機能させて、より効率的で質の高い税務行政の実現に取り組んでまいりたいと思います。まず最初にそう申し上げます。

 それでは、今いただいたご意見につきまして、何点かお答えをさせていただきます。

 一番多かったのは、江川委員、小林委員、吉野委員、田辺委員も含め、皆様からICT化、e-Tax、あるいはマイナンバーカードの普及のお話をいただいております。先ほどお話がありましたように、マイナンバーカードというよりも、国税庁としては、e-Taxの普及というのは、まさに納税者利便の向上ということもございますけれども、私ども国税庁税務当局としての行政コストを削減して内部事務を簡略化し、それを外部事務に向けて外部事務量を確保し、適正公平な課税の実現に向けていくという大きな目標のもとでやっている話でございますので、私どもも今まさに本気で取り組んでいるところでございます。
 ただ、今回、先ほど政策評価審議官から説明があった、Bで「進展が大きくない」が随分続いているというお話でございますけれども、やはり一番大きいのは所得税と消費税の申告のところでございます。客観的な数字だけ申し上げますと、利用件数は1,064万件というのが28年度でございまして、27年度からは47万件ほど増加しておりますし、利用割合につきましても、27年度から1.5ポイント増加しまして、54%ということでありました。ただ、目標値を58%と設定しているものですから、達成していないということで、B評価につながっているわけでございます。
 先ほど小林委員からもお話がありましたが、マイナンバーカードの普及率が8月で1割弱ということでございます。アンケートをとりますと、e-Taxを利用していない方に「e-Taxを利用していない理由は何ですか」と複数回答で聞きますと、やはり電子証明書の取得・更新に費用や手間がかかるとか、ICカードリーダライタの取得に費用や手間がかかると、6割以上、7割近い方がそういうお答えをいたします。

 逆に、今度はe-Taxを利用されている方への満足度のアンケートを見ましても、やはり今年の場合、電子証明書とか、ICカードリーダライタの取得設定というところで若干評価が下がっているので、全体の満足度も下がっているというようなことが見受けられますので、やはり一番大きいのがマイナンバーカードの普及、あるいはICカードリーダライタの普及というのが大きな要因だろうとは私どもも思ってございます。

 先ほども、ブレイクスルーのために大きな施策を、あるいはインセンティブをというお話をいただきまして、私どもも今まで手をこまねいていたわけでもございませんが、とりあえず幾つかだけご紹介申し上げますと、e-Taxで所得税申告をすると、例えば医療費の領収書とか源泉徴収票みたいなものは書類の添付が省略できますとか、あるいは利用可能時間、e-Taxは確定申告期は24時間受け付けますとか、さまざまな施策を講じてきたところでございます。

 それから、小林先生がおっしゃいましたインセンティブという直接的なことで言いますと、還付申告が今所得税で大変多くて、半分以上が還付なんですが、還付申告をe-Taxでしますと、処理期間が通常6週間程度かかるんですけれども、それを3週間にして還付しましょうとか、そういったインセンティブも今つけているところでございますが、さらに何か取り組めないかと今一生懸命考えているところでございます。
 それで、ターゲットとして言いますと、今、国税庁のホームページでe-Taxを利用する場合の確定申告で、田辺先生のように直接送っていただける方と、税務署にきていただいて、その場でパソコンを操作してe-Taxで申告する方と、もう1つ、家のパソコンで国税庁のホームページを利用して自動計算して作るんですけれども、それをプリントアウトして郵送するという3つの形態がICT利用であるのですが、3番目のプリントアウトで書面で提出されるという方が、28年分の場合、27年から38万人増加して約412万人となっておりますので、とりあえずこういう方々が一つの大きなターゲットになるのではないかというふうには思っております。

 それで、今言ったような具体的インセンティブに加えまして私どもが考えておりますのは、マイナンバーカード、マイナポータルが今動き始めておりますので、そことの連携を順次進めていくというのが日本全体のICT化への大きなブレイクスルーの一歩だというのも私どももよく認識しておりますので、まずはマイナンバーカードを用いてマイナポータル経由でe-Taxを利用すると、今まで使っていたIDパスワードは要らなくなりますよみたいなことを平成31年の1月からやっていこうと、今システム修正をやっているところでございます。
 それから、それ以外にも法人向けにいろいろな法人からアンケートをとりまして意見を聞きまして、法人向けのe-Taxの利用を進めるような施策もやろうとしているところでございまして、いずれにしても、国税庁全体としても大変重要でありますし、我が国全体としてもICT化の大きな起爆剤になると思っておりますので、引き続きさまざまな工夫を重ねてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
 それから、順不同で大変恐縮でございますが、最後の山本先生からいただきましたことですけれども、国税と地方税の連携の話でございます。これはいろいろ長年のお話でございます。10年以上、20年まではいきませんけれども、平成の10年ぐらいから国と地方団体の税務運営上の協力ということで、国と地方でずっと説明会、広報、申告用紙の送付等々、かなりの相互協議、情報交換をしているところでございます。
 さらに、今、e-Taxの普及にもつながる話でございますけれども、実は31年度で、これは検討中なんですが、国と地方税の両方のコスト削減という意味では、総務省で今、地方法人2税があるんですけれども、それを複数自治体への電子申告をする際に、共通事項の重複入力の排除を検討しているんですが、これを実は法人税でも一緒にやれないかなと思っております。総務省と連携しまして、法人税と地方法人2税との共通入力事務の重複排除なども含めて、細かい話になりますけれども、なるべくそういう意味でのコスト削減に努めていきたいと考えておるところでございます。
 それから、山本先生の最後のご質問でありました比較の話でございますが、ご指摘のとおりでございますので、評価書記載につきましては、目標値との対比に変更させるように検討させていただきたいと考えてございます。

 それから、田辺先生からご指摘のありました最初の不服申立ての件数の話でございますが、これは評価官室長のほうからお答えをさせていただきます。

○松崎監督評価官室長

 評価官室の松崎でございます。

 再調査の請求の件数が下がっている、その理由は何かというようなご質問でございました。これは平成26年6月に法律の改正がございまして、平成28年4月1日から、従来は異議申立てと言っていたんですけれども、再調査の請求をしなければ上の審査請求に上がれないというような仕組みだったんですが、今度から選択として最初から審査請求もできるという、全ての処分についてそういうふうに変わりました。
 これが28年4月1日以降の処分に係るものからということになりますので、その関係でかなり28年度は再調査の請求の件数が減った結果、反対勘定として審査請求のほうが若干増えているというような現象が28年度の計数として出ているものでございます。今後、将来的にどうなるかというのはもうちょっと様子を見ないと分からないかなと思っております。

 

○佐川国税庁長官

 直接関係しないかもしれませんが、田中先生のほうから、全体のお話の中で、BEPSとかパナマ文書のお話にちょっとお触れになりましたので、1点だけご紹介させていただきますが、国税庁も多国籍企業による租税回避的なものに対しては大変敏感になっておりまして、国民の関心も大変高うございますので、ここは本当に重点的にやっていこうというふうに考えてございます。
 そういう意味で、昨年10月に国際戦略トータルプランというものを、国税庁がこういうものを表に出していくという意味では珍しい話でございますけれども、こういうものを表に出して、ぜひ情報リソースの充実、調査マンパワーの充実等々で、このOECDのBEPSプロジェクト等につきまして一生懸命体制整備をして、富裕層、あるいは外国税務当局との連携などにつきまして一生懸命やっていこうと思っております。
 9月末に、ノルウエーでOECDの税務長官会合がございまして、私も出席してまいりましたが、やっぱり各国OECDの長官の関心事は、BEPSの話もありますが、CRSの話がございまして、相当皆さん興味を強く持って、これをどうやって有効に活用していくかということでございます。既に動いている国もあるんですが、我が国は来年からCRSが動き始めますが、これがとれるようになりますと、各税務当局が持つ情報が随分質的にも量的にも変わっていくだろうと考えておりますので、ぜひこういうことも利用して各国と連携しながら、国際課税についても積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。

 

○吉野座長

 ありがとうございます。
 それでは、大きな幾つかの問題に関しまして、財務省の他の方から。

 

○神田主計局次長

 先生方、貴重なご意見を拝聴させていただきまして、誠にありがとうございます。非常に大きなテーマですので、この場でお答えするのはなかなか困難ではありますけれども、幾つか簡単に申し述べます。

 まず、財政規律。先生方の問題意識といいますか、危機感は私どもも共有しております。先生方がおっしゃったとおり、もともと国際的にも最悪の数字になるだけじゃなくて、これからデモグラフィー、先ほど田中先生がおっしゃった75歳に団塊の世代が到達していくと、国費で見ると、例えば65歳から74歳の人に比べて医療費で約5倍、介護で約10倍になる。あるいは、同じようにデモグラフィーで高齢化が進んでいくと当然貯蓄率がゼロに張り付いていく中で、家計金融純資産と一般政府総債務のすき間は220兆円まで来ている。また、これも何人かの先生からご指摘があったように、将来的にBOJのエグジットもあり、厳しい話がたくさんあります。

 それは共有した上で、ただ、私どもとしても、例えば平成30年度予算ではしっかりと目安を守っていく。あと総理も、残念ながらPBの達成は2020年から遅らすことになったわけではございますけれども、PBの黒字化という旗は降ろさない、そこは守るとおっしゃってくださっています。
 そして、今後どうするのかとなりますと、もともと2018年度に行うとされていた経済財政再生計画の中間評価、恐らくこれを行う中でしっかりと計画を立てていくのだろうと。そのときに年内に取りまとめる経済政策パッケージとか、あるいは2018年度予算編成の帰趨、最新の税制動向なども踏まえなければいけませんので、お時間をいただくことになるかと存じますが、そこはこれから具体的に検討してまいることになります。
 あと、先生方からのイノベーション、あるいはベンチャーの話は、これもまた先生方がご案内のとおり、我々がずっと苦闘してきたテーマであります。いろいろな施策を講じて、期待したほど動いていない部分があるのも事実でございます。我々が見ていると、お金はあるんですね。あえて言うと、内部留保は全部当たっていないというわけではなくて、その中には入っていなくて、現預金が200兆円あって、お金がないからできていないわけではない。
 それで、国も、最初に江川先生もおっしゃったとおり、官民ファンドでいろいろなものをやってきたのですけれども、例えば大学関係だと例の1,000億円のものも半分しかベンチャーキャピタルに行っていなくて、その先は1割しか行っていない。何が悪いのだろうということをずっと悩みながら、絶えず施策自体のイノベーションに努めてきました。
 恐らくカルチャーというか、これも小林先生がおっしゃったものに通ずるのですが、リスクを取らないし、取らなくて済んでいる。それを許しているもので一番大きいのは、これまた一番重要なオープンイノベーションを阻んでいる原因でもあるのですけれども、流動性がない。とにかく縦割りでパロキアルに会社、あるいは各部が閉鎖的にある。あるいは領域、学部、講座、大学、国境を越えてなかなか共同できない、あるいは人材が流動化しない。したがって、オープンイノベーションができないだけではなくて、ハイリスク・ハイリターンの議論、実際に投資をする場というのが欠けているのだろうと。
 それに対して最近いろいろやっているのは、環境も変えなければいけないだろうということで、例えば一番遅れていたのは恐らく知財戦略で、そういったところの手当てをするとか、あるいは最初目利きとおっしゃいましたが、これも長いテーマですけれども、ニーズのマッチングをするためにいろいろなインセンティブを、あるいは極端にいえばディスインセンティブ、企業のほうからのニーズがなければ、国も出さないというようなマッチングをかなり強化してきているところがございます。

 基本的にはやはり民間主導でなければいけない。お金も、釈迦に説法ですけれども、R&D予算全体値はGDP比では世界第2位で、国が出しているのも大体OECDの平均を上回っていて、日本の企業はR&Dに金を回しているのです。トヨタで1兆円、ホンダ、日産、パナソニック、ソニー、そのあたりは大体5,000億前後です。それからマイクロソフトやグーグル、アマゾンは1兆円超ですから、かなり出しているのですけれども、残念ながら、使い道が非常に、モデルチェンジとかシェア争いみたいなところでは、本当のハイリスクのパラダイムをシフトして、新しいマーケットを作るようなところになかなか行かない。だから、そこにどういうふうに目先を向けていけるのかというのを我々はいろいろ悩んでいるところです。
 もう1つ気をつけなければいけないのは、イノベーションをすると儲かるはずなのですね。だから、補助をしなければ、あるいは所得がなければやらないみたいなのは明らかにモラルハザードというか、アドバース・セレクションで全くばかげていて、やはり実用化に近いものは市場競争にさらして、それが最大のインセンティブとしてダイナミズムを再生産していくのが本来のあり方ですので、そういった意味でも、国家の介入については精査をする必要があるだろうと思っております。
 中国の人材育成の話は、中国だけではなくて他の国も相当に人材に注力をされていて、どんなキャンパスでも英語の授業が当たり前になっていますが、私が一番違うと思うのは競争環境だと思います。彼らは何で外に出ていくかというと、外に出ていかないと食べていけないからです。日本の昔の学者もそうで、日本だとなかなか食べていけないから外へ行った。外で本当に歯を食いしばって頑張って、そしてすばらしい業績に至ったと思いますが、今はどちらかというと、先生方がご案内のとおり、研究者が外に出ていかなくなっているわけです。
 これはなぜかというと、多くの人が言うには、1つはポストが心配で、戻ってきたらどうにもならないというのもあるでしょうけれども、やはり日本の居心地が良くなってしまったということの非常にパラドキシカルな現象だと思うので、ある意味ハングリーな環境を再構築するような鞭というと言い過ぎかもしれませんけれども、みんなが頑張らなければいけないのだというふうな雰囲気をつくってあげることが非常に重要だと思います。

 最後に、破綻の話というのは非常に悩ましくて、発信しろと。ただ、もちろんポリティカルなフィージビリティーはありますし、当然マーケットで不測の事態になってはいけないので、我々は財政再建をやる一方で、JGBを買ってくださいとIRをやっているわけです。

 だから、この辺は結構悩ましいのですが、ただ、おのずと日本だって歴史的に経験したわけだし、最近だって我々は世銀、IMFにいて、多くの国が破綻して、経済主権を失って無辜の民がひどい目に遭ったのは見てきていますので、そこは研究をどうするか、あるいは発信するかどうかというより、まずはその危機感を我々は共有しているというのはご理解いただければと思います。

 とりあえず以上です。

 

○吉野座長

 ありがとうございました。ほかに。お願いいたします。

○星野主税局長

 主税局長でございます。

 まず、全体の話として財政規律のお話をいろいろいただきました。税も含めての話でございますので、主計局、官房ともよく相談をして、今後どのように財務省として発信をしていくかということについてはよく考えていかなければいけないと思います。そこは肝に銘じたいと思います。 以上でございます。
 江川先生から税の関連のご指摘をいただきました。1つは、働き方の変化に伴って税制の仕組みを少しずつ見直すべきではないかというお話がございました。まさに私どもも同じような問題意識を持っておりまして、所得税改革の議論もここ数年やっておるわけですけれども、その中の1つの大きな切り口として、まさに働き方が変化してきている中で、税制をどうしていくかというのが1つの重要な議論になっています。

 フリーランスが増えていく。自営業もどうするか。あと、最近はシェアリングエコノミーが非常に増えてきている中で、個人の方が新たに商売をかなり手軽にやれるような環境になってきています。そういう中で、これまでのように1社にずっとサラリーマンとして勤めるだけではなくて、例えば時間外を利用して、そういったもので稼いでいく方というのは非常にこれから増えていきますし、働き方もかなり流動化していくのではないかと思います。こういうことに制度的にどう対応するか。例えば申告をする人もどんどん増えていくのではないかと思います。そういう方が申告をしやすい、分かりやすい制度にしていく必要があるのではないかと思います。

 恐らく切り口としては2つあります。1つは所得税制などについて、これまでは給与所得控除のように、サラリーマンとしてずっと勤め上げる人を中心とした制度になっていたわけですけれども、そういった働き方の種類に応じて、給与所得控除と事業者向けの制度で分立していたものをもう少し共通の控除に、例えば人的控除のほうにもう少しシフトさせるといったことを考えていく必要があるのではないかということで、これも精力的に議論をしております。

 それから、もう1つは、確定申告をする人が増えていくというのは、先ほどのICT化の議論もそうですけれども、納税者の利便性をなるべく確保しながら、所得情報などを把握するのがなかなか大変になりますので、その適正化の観点からどのようにアプローチをするかということも含めて、制度構築の裏側で納税環境の整備をどうしていくかということをあわせてやっていく必要があると考えておりまして、こうした議論を政府税調でも積極的にやっていこうと考えているところでございます。
 それから、ベンチャーへの資金支援だけではなくて、育てる土壌を確保するために税制で何かやれることはないのかというお話もございました。これまでは、ベンチャーは初期の段階の資金調達が大変ですとか、まずは事業ベースに乗るまでが非常に大変ですので、そこを確保するための例えばエンジェル税制ですとか、企業のベンチャー投資促進税制など、いろいろ後押しをする方策はつくってきたわけであります。

 例として挙げておられました、企業がベンチャー企業から購入する際に、例えば障害者を雇っている企業から購入する企業にインセンティブをつけるようなのを税制でやったこともありますけれども、ただ、本当に商売ベースに乗ったときにベンチャーを優遇するような制度がどこまでどのようにやれるかというのはありますが、問題意識としては分かりますので、また今後、何か工夫ができるかどうかというのは考えていきたいと思います。ありがとうございます。


○吉野座長

 よろしいでしょうか。
 では、最後に事務次官のほうからお願いいたします。


○福田事務次官

 それでは、答えがなかった部分を幾つかお答えいたしたいと思います。

 まずは技術的なことから申し上げますと、ベンチャーからの政府調達、あるいは企業の調達だったかと思いますけれども、優遇したらどうかというお話がありました。ご参考のために、今の政府の調達というのはどうなっているかといいますと、国の会計法、それから地方団体だと地方自治法というのがありまして、さらにWTO協定の中にも政府調達というのがあります。それは、基本的には同じものであれば競争入札で安いものを買えというのが原則になっているんですけれども、頭から例外を認めている分野も少しありまして、それは、福祉の団体から購入するときはその限りにあらずでもよろしいというのがベースになっています。
 今まで政治的に多かった議論というのは、中小企業がとりやすくしろという議論が常にありまして、それはそれに配慮すべしという立法がなされたりしてきたわけですけれども、それについては発注単位を小さくするとか、そういう工夫をしているというのが今までの現実です。その中でどうお考えになるかというヒントのつもりで申し上げました。今まではそういう議論になっているということです。

 それから、財政再建目標の話は、今までと、それから今回の変化はこういうことだと思います。今までは2020年度にプライマリーバランスという単年度の収支を均衡化する、黒字化するというのがあって、同時にストック目標としては、債務残高対GDP比を安定的に引下げていく、ということでした。ちょっと前後しましたが、ストック目標のほうは分母がGDP、分子が債務の残高ですから、プライマリーバランスが均衡化すると、利払いの分しか分子が増えないはずなので、成長率と金利が一緒だとすると分母と分子が同じ割合で伸びていくので、これは増えなくなるという理解を前提に、安定的に引下げていくと。それは恐らくプライマリーバランスの黒字の一定幅をちゃんと確保するということで、そういうふうにフローの目標としてまずこうした上で、ストックを引下げていくということになっていました。
 分母と分子と言いましたけれども、分子のほうが倍ぐらいあって、ご指摘がありましたとおり、200%ぐらいになっていますから、ヨーロッパのように60%といった具体的な数字の目標を定めることはできなかったわけですけれども、引下げていくというようなことになっていたわけです。

 これについては、政治的にいろいろな議論があって、プライマリーバランスじゃなくて、債務残高のほうを目標に変えてしまったらどうかという議論もあったわけですけれども、今回の総理がおっしゃっていることは、フローのプライマリー赤字を解消して黒字にするという目標自体は、2020年度にはできないことになってしまったけれども、つまり、少し遅らすけれども、その目標自体はきちっと堅持するんだという趣旨でおっしゃっていますので、フローの目標の年を少し遅らす。さっき神田次長が言っていたように、普通に考えれば、予算ができたときの情勢とかを見て、それをどうするかを議論していくということになっていくのだろうと思います。それが財政健全化目標をめぐる今までと今後であります。
 それから、大変難しい話を幾つかいただいて、広報が弱いんじゃないかというお話をいただきました。私どもとしては、財政再建なり、財政事情を説明するパンフレットなりを使った説明会みたいなものはやっているつもりなんですけれども、我々自身もよくご指摘を研究して考えていきたいと思います。
 ただ、山本先生がおっしゃったように、あるいはどなたかご指摘がありましたとおり、今日も、消費税をこうすれば将来世代のツケはこうなるんだという記事が出ていましたけれども、財務省記者クラブの中でも、政治的発表があったときに、「これはどういう意味ですか」とよく質問する記者がおられると、よく記事をかかれるということもあるものですから、よくマスコミへの提供の仕方も含めて考えていかなければならないなという気がします。
 それから、さらに難しいお話で、エビデンスベースの議論をトップレベルのところでもっとしっかり持ち込むようにというご指摘がありました。私どもとしては、例えばこういう施策を講ずると財政赤字がこういう状況になるとかということは申し上げているつもりですし、ご指摘の内部留保とはこういうものであるとかということは申し上げているつもりです。

 いずれにせよ、ご指摘はよく受け止めさせていただきまして、今後とも心してまいりたいと思います。ありがとうございました。 


○吉野座長

 事務次官、どうもありがとうございました。
 もしなければ、これでよろしいでしょうか。本日の懇談会はこれで終了させていただきたいと思います。

 委員の先生方からいただきましたご意見を実績評価書に反映させていただいて、今後の政策の実施や評価に生かすようにぜひお願いしたいと思います。
 また、実績評価書及び懇談会の議事内容につきましては、財務省のホームページで公表をお願いしたいと思います。

 次回の懇談会でございますが、通例ですと来年の3月を予定しておりますので、また具体的な日程、内容に関しましては事務局からご連絡させていただきたいと思います。
 今日は、第61回財務省の政策評価懇談会にご出席いただきまして、どうもありがとうございました。これで閉会させていただきます。

 

──了──