現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 国債市場特別参加者会合 > 議事要旨等 > 議事要旨 > 国債市場特別参加者会合(第65回)議事要旨

国債市場特別参加者会合(第65回)議事要旨

 

日時 平成28年3月23日(水)16:00〜17:10 

 

場所 財務省 第3特別会議室

 

内容

 

1. 平成28年4-6月期における物価連動債の発行額等〔参考配布:資料1

○平成28年4-6月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債の発行額については、28年度発行計画においても、27年度発行計画と同様、「年4回、5,000億円を発行することを基本としつつ、市場参加者との意見交換を踏まえ、発行額を調整」するとされており、本日は、次回4月12日の入札における発行額等について、御議論を頂くものである。

・まず、資料1に沿って、足元の状況を説明したい。

・P1に最近の入札の状況、P2にその間のBEIの推移を示している。ご覧いただいたとおり、27年度において、BEIは低下傾向で推移しており、特に入札の度にBEIの水準が切り下がるような状況となっている。

・また、P3には各国のBEIと足元の物価動向に大きな影響を与える原油価格の推移を示している。足元では、原油価格が反転する中、諸外国に比して、我が国のBEIの上昇幅は小幅に止まっている状況。

・こうした状況について、原油価格の下落等のファンダメンタルズ要因による一時的な低下との見方もある一方、課題となってきた投資家層の拡がりが依然限定的であるため、恒常的な需給の不均衡が生じているという見方も少なくない。さらに、値動きが大きく、投資家の買いが手控えられる中で流動性プレミアムが拡大していることを指摘する意見も聞かれている。

・こうした中、次回4月の発行額等について、特別参加者や投資家の皆様から事前に御意見をお伺いしたところ、今後も安定的な発行を継続するためには、需給バランスの改善や流動性の維持・向上を図る必要があり、このため、発行額の減額や買入消却入札を実施すべきとの意見が多く聞かれた。

・当局としては、引き続き物価連動債の潜在的ニーズは大きく、物価連動債市場を育成していくことは今後の国債管理政策上の重要な課題と考えており、足元の市場の状況や市場関係者の意見を踏まえ、今般、物価連動債市場の需給改善と流動性の向上策を講じることとした。
・資料P4に当局案を示している。

・次回4月の発行額については、発行計画から1,000億円減額し4,000億円とし、その上で、4月と6月にそれぞれ200億円の買入消却入札を実施してはどうかと考えている。

・ここで、実施時期を4月と6月としているのは、日銀買入オペが奇数月に行われていることを踏まえ、国・日本銀行と合わせた市場からの買入れの平準化が図られることが望ましいとの意見が多かったことを踏まえたもの。

・また、対象銘柄については、市場の売却ニーズや流動性向上の必要性等を踏まえ、フロア付の17回債以降、カレント銘柄となる21回債までとしている。

・なお、今回の買入消却の導入は、物価連動債市場の流動性が高まらないという状況において、臨時的な措置として実施するもの。逆に、流動性が向上すれば、できるだけ早期に買入れを止めることが望ましいと考えており、今後、入札や流通市場の状況をこれまで以上に注視し、本会合等の場で、買入消却入札の継続の必要性を議論していくこととしたいと考えている。

・また、物価連動債のリオープン及び入札の方式については、資料に示したとおり、特別参加者・主要投資家の意見を踏まえ、いずれも27年度と同様、年間1銘柄でのリオープン、価格ダッチ方式での入札とすることとしてはどうかと考えている。

・以上、物価連動債についての市場の状況とそれを踏まえた4-6月期の発行額等の実施案について御説明した。最終的な発行額等については、本日の御議論も踏まえ、後日改めて公表することとなるが、本日は、今説明した当局の考え方も考慮の上、忌憚のない御意見を頂戴できれば幸いである。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に賛成する。現状の需給環境の悪化を考えると、発行額を4,000億円に減額し、4-6月期で400億円の買入消却入札を実施することは適当。仮に、発行額を5,000億円に据え置く場合には、買入消却の規模はもう少し必要になるだろう。また、カレント銘柄を対象外とすると、銘柄間での需給格差が生じうることから、カレント銘柄は買入対象とするべきと考える。発行減額と買入消却によって、市中残高が減少することを勘案すると、年間1銘柄でのリオープン方式が望ましい。入札方式については、流動性が十分に向上していないことからダッチ方式がよい。

・マーケットの育成のためには新発債の安定消化が重要であり、当局の提案はそうした観点から望ましいものと考えている。現状は、価格の下落によって不安定化している投資家心理も、買入消却入札を実施すれば改善するのではないか。また、銘柄間の需給格差に歪みを生じさせいないために、カレント銘柄は買入対象とすることが適当と考える。

・当局の提案に賛成する。日本だけでなくグローバルにインフレ期待が低下している状況下においては物価連動債への需要が高まっていないため、現状の発行額である5,000億円はやや多いと感じており、減額することが適当と考える。また、流動性の低下を背景にオフ・ザ・ラン銘柄とカレント銘柄のバランスも崩れており、その対策として買入消却入札を実施することも望ましい。ただし、発行額の減額が、当局のコミットメントの低下との誤解を招かないよう、証券会社が投資家に当局の考え方をしっかりと説明する必要がある。
 リオープン方式については、年間2銘柄を希望していたが、発行額を4,000億円に減額するのであれば、市中残高を確保する観点からは年間1銘柄がよいと考える。

・当局の提案に賛成する。投資家層が拡大せず、売りが殺到しているという状況ではないが、四半期に5,000億円の発行は少し多いとの認識。物価連動債は発行する度にマーケットのリスク量が増加していく性質のものであり、四半期ごとに5,000億円の新たな需要を掘り起こす必要があるが、そこまでのペースでは需要が拡大していない。発行額を減額すると、海外投資家から、当局の物価連動債へのコミットメントの低下を懸念する意見が聞かれる可能性はあるものの、需給バランスを改善させるためには、マーケットにとって適切な量を供給することを優先するべき。
 なお、当局案では4月及び6月に200億円ずつで合計400億円の買入消却入札を実施するとされているが、7-9月期は、四半期で400億円か日銀買入オペのない月に200億円かのいずれを念頭に置いているのか。

(これに対し、理財局から「マーケットの状況次第であるため、現段階で確定的な回答はできないが、四半期で400億円というよりは、日銀買入オペがない月に200億円の買入消却入札を実施することを前提に提案しており、今の状況が変わらなければ、7-9月期は8月に200億円の買入消却入札を実施するとの想定である」旨回答した。)

・当局の提案に異論はない。買入消却入札の金額が多すぎると、ボラティリティが拡大する要因になりかねないが、1回の入札当たり200億円であれば、そのような心配はないだろう。四半期ごとに買入額を見直す方向性も望ましい。

・需給がタイトな状況を実現する観点から、発行額を4,000億円に減額し、4-6月期で400億円の買入消却入札を実施することに賛成する。ただし、買入消却入札については半年又は1年と期間を限定して実施するべきと考える。また、年間2銘柄でのリオープン方式とし、カレント銘柄を買入消却入札の対象外とすることが適当と考えるが、当局の提案に強く反対するものではない。

・現状のマーケット環境を踏まえると、発行額を減額することもやむを得ないが、発行額は5,000億円を維持した上で買入消却入札を実施することが望ましいと考えている。セカンダリーでの取引が限定的な現在の状況においては、安定的な買い手の存在が必要であることから、買入消却入札の規模は当局の提案の4-6月期で400億円より多くてもよいのではないか。それ以外の項目については、意見はない。

・発行額は現状維持の5,000億円としたうえで、4-6月期で1,000億円の買入消却入札を実施することを希望する。これまで、流動性の向上を図るために発行額を増額してきた経緯を踏まえると、ここで発行額を減額すれば、当局の物価連動債へのコミットメントが低下したと受け取られかねず、望ましくない。マーケットが求めているのは発行額の減額ではなく安定的な買い手である。買入消却入札の実施により、流動性が向上すれば、物価連動債から一度手を引いていた投資家も再び戻ってくると考えられる。
 リオープン方式については、強いこだわりはないものの、年間1銘柄とする場合には、カレント銘柄を買入消却入札の対象とするべきであるし、年間2銘柄とする場合には、カレント銘柄は対象外とするべきと考える。
 入札方式については、未だ市場参加者の目線が揃っているとは言い難いため、ダッチ方式で問題ない。

2. 平成28年4-6月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料2

○平成28年4-6月期における流動性供給入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・流動性供給入札について、28年度発行計画では、新設される残存1-5年ゾーンについては奇数月、残存5-15.5年ゾーンについては毎月、残存15.5-39年ゾーンについては偶数月の実施とし、年間9.6兆円発行することとしている。各ゾーンの発行額の割り振りについては、27年度と同様、「具体的な実施方法は、市場参加者との意見交換を踏まえ、決定」とされており、本日は次の4-6月期におけるゾーンごとの発行額について、皆様の御意見をお伺いするもの。

・資料2のP4に、市場関係者の御意見を踏まえて作成した実施案をお示しした。

・各ゾーンの発行額の割り振りについて、事前に特別参加者・主要投資家の御意見を伺ったところ、毎月入札が実施される残存5-15.5年ゾーンについては、ここに示したとおり、現状維持の月5,000億円が適当とする御意見が大多数であった。

・また、隔月での実施となる残存1-5年ゾーンと残存15.5-39年ゾーンの割り振りについては、一部に、足元で超長期ゾーンへのニーズが強まっており残存15.5-39年ゾーンの発行額をもう少し厚くすべきという意見もあったが、大勢は、ここにお示ししたとおり、残存15.5-39年ゾーンについては4,000億円、残存1-5年ゾーンについては2,000億円とすべきとの意見であった。

・なお、流動性供給入札については、流動性が枯渇した銘柄を追加発行し、市場機能の維持・向上を図るという性格上、ゾーンごとの発行額は、市場ニーズに即し柔軟に見直すべきものと考えている。4-6月期におけるゾーンごとの発行額の割り振りについては、本日の御議論も踏まえ、後日、最終的に決定・公表することになるが、7-9月期以降の割り振りについても、入札結果や流通市場の状況を踏まえ、本会合で御議論頂いたうえで、柔軟に見直していくこととしているので、よろしくお願いしたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に異論はない。

・当局の提案に賛成する。残存15.5-39年ゾーンの発行額が1回の入札当たり5,000億円となると、やや多いと感じており、マーケットを不安定化させる要因となりかねない。当局の提案通りの4,000億円であれば安定的に消化できるだろう。また、残存1-5年ゾーンの発行額は、1回の入札当たり2,000億円であれば旺盛な投資家ニーズだけで十分に消化できる。その他の項目についても、当局の提案に賛成する。

・残存1-5年ゾーンを対象として追加する当初の金額配分としては、当局の提案通りでよい。ただし、各ゾーンの配分額については、将来的には柔軟に見直してほしい。特に、残存1-5年ゾーンについては、発行額が少ないとかえって流動性がないことを実感するような入札になってしまう。残存15.5-39年ゾーンの減額が難しいことは承知しているものの、残存1-5年ゾーンの発行額を2,000億円よりも少なくするべきではないと考える。

3. 平成28年4-6月期における15年変動利付債の買入消却入札について〔参考配布:資料3

○平成28年4-6月期における15年変動利付債の買入消却入札について、理財局から以下のように説明を行った。

・資料3のP2に15年変動利付国債の買入消却実施額の推移をお示しした。
15年変動利付国債については、需給バランスが著しく崩れ、価格が大きく低下したことに伴う危機対応として、18年12月から買入消却を行ってきた。その後、価格が回復し、危機対応として買入れを行う必要性が低下したという判断の下、昨年度以降は、段階的に買入額を削減してきている。

・P1に今年度の買入消却入札と日銀の買入オペの結果を整理した。

・特に、足元では、本年2月以降、固定利付債が全ゾーンで大幅に金利低下したこともあり、15年変動利付債の売却ニーズは大きく減退しており、2月に実施された日銀買入オペでの応札倍率は1.21倍と低水準にとどまっているほか、3月に実施した当局の買入消却入札でも、買入最大価格較差が55銭と大幅なプラスに転化している状況。

・こうした状況で買入消却入札を継続すると、結果として割高な価格で買い入れることになりかねないことから、当局としては、4月以降の買入消却入札を一時休止してはどうかと考えている。

・ここで「一時休止」と申し上げたのは、市場の状況が急変するなど、買入の必要性が高まった場合には柔軟に対応するという考えによるもの。今後、これまで以上に市場の状況を注視し、需給バランスが大きく崩れるような状況になれば、本会合等で議論を行った上、再開していく考えである。

・28年4-6月期における15年変動利付債の買入消却入札については、本会合での御議論も踏まえ最終的に決定することとなるが、今ご説明した当局の考え方について御意見を頂戴できれば幸いである。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当局の提案に賛成する。買入消却入札の買入規模を縮小する方針は以前から継続して打ち出されており、そうした方針に基づいてこれまでも買入額の減額を続けてきたこと、日銀買入オペは存続すると思われることから、4月以降の買入消却入札を一時休止しても特段問題は無いと考えている。

・当局の提案に異論はない。現状の価格水準であれば、投資家の売却ニーズは強くないと感じている。

・買入消却入札の継続を希望する。2月以降の日銀買入オペと買入消却入札の結果だけで、市場参加者の潜在的な売却ニーズについて判断するのは時期尚早ではないか。少なくとも4-6月期までは買入消却入札を実施して市場参加者の売却ニーズを確認するべきと考えている。

4. リオープン方式等〔参考配布:資料4

○リオープン方式等について、理財局から以下のように説明を行った。

・リオープン方式については、昨年3月の本会合において、27年度の在り方を御議論頂き、決定したところ、今回も28年度のリオープン方式について御意見をお伺いするもの。

・P1及びP2に、事前にお伺いした特別参加者と主要投資家の御意見を踏まえ策定した実施案をお示ししている。

・10年債については、27年度から、新発債の表面利率と入札日における市場実勢の乖離がおおむね30bps以内の場合はリオープンによる発行としている。事前に御意見をお伺いしたところでは、1銘柄当たりの市中残高を確保する観点から、原則リオープン発行とすべきとの意見が聞かれる一方、1銘柄当たりの発行額をできるだけ大きくすることは適当であるが、金利が大きく変動する場合には、新発債として発行し投資家の需要を喚起することが国債の安定消化に資するとの意見も強かったところ。

・このため、来年度も、引き続き、新発債の表面利率と市場実勢の乖離がおおむね30bps以内の場合にリオープン発行とする現行方式を維持してはどうかと考えている。

・また、20年債、30年債、40年債のリオープン方式並びに40年債の入札方式については、事前に御意見をお伺いしたところ、現行方式を支持する意見がほとんどであり、27年度と同様、20年債及び30年債は年間4銘柄、40年債は年間1銘柄で、利回りダッチ方式の入札とする案を提示させていただいている。

・以上の諸提案についても、他の議題と同様、本会合での議論を勘案して、最終的に決定することとしているので、忌憚のない御意見をいただきたい。

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・20年債、30年債及び40年債のリオープン方式については、当局の提案に異論はない。10年債のリオープン方式について、直近の市場環境では、新発債の表面利率と市場実勢利回りが30bpsを超えて離れる局面は想定しにくいものの、基本的には30bpsルールを止めて原則リオープンにした方がよい。ここもとカレント銘柄でも日本銀行の保有割合が70%以上ということもある。補完供給オペ等の措置はとられてはいるが、将来的に30bpsルールの下でシングル・イシューとなる銘柄が出てきた場合、特に、当該銘柄が国債先物受渡適格銘柄の中でチーペストとなったときの流動性を考えると、原則リオープン方式がよいのではないか。40年債の入札方式をダッチ方式とすることについて異論はない。

・簿価分散ニーズから、原則リオープン方式よりも30bpsルールの適用を継続することを希望する。3月に発行された10年債のクーポンは0.1%となったが、クーポンがマイナスになることはない以上、30bpsルールが適用されるとすれば、金利低下局面ではなく、金利上昇局面において0.4%に相場が急落するときしかない。原則リオープン方式を適用した結果、相場が混乱している局面において投資家が買いに来ないと、相場の変動は更に大きくなる。10年債は指標銘柄でもあり、最終的に保有する主体が誰であるのかといった点も考慮のうえ、引き続き30bpsルールを適用してほしい。

・20年債、30年債及び40年債について、市場環境等によってはリオープンとしない場合とは、当局はどのような状況を想定しているのか。

(これに対し、理財局から「マーケットの状況次第であり、現時点では具体的に回答することは難しいが、その時のマーケットの状況に最も適した対応をとるという趣旨である。この文言については、従来から記載しており、今回付け加えたものではない。」旨回答した。)

5. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〔参考配布:参考資料

○出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・日本銀行がマネタリーベースの積み上げをしながら、マイナス金利付QQEを進めていくとしたことが、最近の市場環境における変化の最大の背景であるとの評価で一致すると思う。当初は、階層式のマイナス金利の導入により、例えばオーバーナイト金利がマイナス0.1%に張り付くことも想定されたが、実際に2月16日から動き出してみると、当該金利は、ゼロ%を若干下回る程度に留まった。同時に、3月の日本銀行の金融政策決定会合での追加緩和期待も徐々に後退していった。
 マイナス金利付QQEの導入が決定された前日から約1ヶ月間のイールドカーブの推移を見ると、イールドカーブの起点が下がることによって、全体がパラレルに下方シフトした。次に、国内投資家が、マイナス利回りを強く忌避して、より高いプラスの利回りを求めて動き出したことで、一気にイールドカーブのブルフラット化が進んだ。おそらく、40年債の利回りが0.5%を割り込んでいる現状は、誰も想像していなかったであろう。投資家の中には年度内の投資ルール変更が難しい者もおり、また流動性の低下も進んでいることから限定的な動きではあるものの、昨日は、一時的に30年債及び40年債の金利が逆転したり、相対的に20年債が割安に見える状況にもなっている。
 平成28年度になって、20年債の発行が減額されれば、需給が一段と引き締まるとともに、今までの投資ルールを変えて30年債及び40年債を買いに来る投資家が出てくれば、さらに需給が逼迫した状態になると思う。
 また、足元では、外債投資が結構進んでいるものの、その場合のドル調達の難しさや、円投を行う場合の円高リスクの高まりもある。1月29日にマイナス金利付QQEの導入が決定されたときに、予想利回りの見直しを行って20年債0.1%、30年債0.25%としたが、来年3月末までの予想レンジとしては、さらに下方修正が必要となり得る状況だと思っている。既にブルフラット化が進んで、ボラティリティも拡大しているが、今後もこの状況が継続するだろう。

・国債の需給バランスをセクターごとに見ると、発行額と日本銀行による国債買入額が釣り合っている状況であるため、少しでも買いがあれば、その分当該セクターは金利が低下してしまう。裏を返せば、仮に、どこかのタイミングで、投資家が日本国債の保有量を減らす行動に出た場合には、同程度の振れ幅で金利上昇することもあり得る。当社も、年末に金利予想等を行っているが、来年度末の金利水準を予想する場合は、非常に広いレンジで予想せざるを得ないのが現状。日銀買入によって今後も一方向に金利低下が続くとは考えておらず、どこかのタイミングで大きく金利が跳ね上がるというリスクを想定しておく必要がある。

・ここ最近、日本国債市場の動きを見て、米国債市場が動くこともあり、実際、海外投資家からの問い合わせも格段に増えている。
 現在、多くの投資家にとって関心が高いのは、QQEの限界がいつ訪れるか、また、その際、日本国債だけではなく、為替や株も含めたマーケットはどのように反応するのかという点。昨年、IMFが2018年から2019年頃にQQEの限界が訪れるとの推計をしているところ、その資料と比較すると、国内投資家の国債保有残高が、IMFの推計ほど減少している状況にはない。
 背景として、例えば、ドル調達コストの上昇によってヘッジ付外債へのシフトが上手く進まないことや、昨今のボラティリティの上昇によってリスク性資産へのシフトが上手く進まない、といった外部環境の側面もあると思う。
 一方で、責任準備金対応債券や満期保有目的債券の区分で日本国債を保有している投資家も多く、そのような投資家からすると、規制コストを加味してでも、日本銀行に売却した方がよいと思える水準まで金利低下しないと売却されない可能性もある。
 IMFの推計は、2014年のQQEの拡大を受けたものであり、仮に、日本銀行が追加緩和によってさらに買入量を拡大する場合は、より早い段階でQQEの限界が意識されてしまうと考えている。

・現在の金利水準に実需があるとは思っていない。現在は、ボラティリティが高く、金融システムの安定を損なってきている状況だと考えている。結局のところ、マイナス金利付QQEは、発行コストが下がっていることが成果になっていると思う。
 一方で、来年度に向けて、補正予算の話や消費増税の延期という話も聞こえているところ、発行コストが下がっている間に財政再建の道筋をしっかりつけておかないと、金融システムの安定が損なわれている国債市場において、次の景気後退サイクルのショックを吸収する余地がなくなってきているのではないか。

6. 理財局からの説明事項〔参考配布:資料5〕 

○理財局から国債の決済期間の短縮化について以下のように説明・報告を行った。

・最後に、国債の決済期間の短縮化について2点説明・報告する。

・1点目は、国債発行における決済期間の短縮化の検討状況についてである。

・現在、日本証券業協会において、流通市場における国債取引の決済期間の短縮化(T+1化)を平成30年度上期から実施することを目指した検討が進められている。

・これを受け、発行市場の決済期間の短縮化について、市場参加者に意見をお伺いしたところ、流通市場と発行市場の決済期間が異なると、決済日のズレに伴いレポコストが発生することや、約定管理・決済事務が煩雑化することを理由に、流通市場と決済期間を揃えてほしいとの意見が多く聞かれた。

・当局としても、国債の安定消化・発行コスト抑制の観点から、決済期間のズレにより入札参加者に追加コストが発生することは好ましくないため、発行市場についても原則として決済期間をT+1化する方向で検討を進めたいと考えている。

・その際、決済期間の短縮化に伴う事務負担の増加について懸念する声もあることから、具体的な事務フローの策定に当たっては、市場関係者と十分に議論を重ねていく必要があると考えており、御協力をお願いしたい。

・また、発行当局・入札参加者の事務習熟を図る観点から、29年秋に予定されているT+1化の総合運転試験の対象に国債の入札・発行も加える方針で考えているので、その旨御留意頂きたい。

・2点目は、国庫短期証券の最低額面金額の引き下げについてである。

・日本証券業協会の検討の中では、流通市場のT+1化を進めるにあたり、市場参加者の迅速な資金調達を可能とするGCレポ取引のT+0化を同時に実現する必要があるが、その際、効率的な約定が可能とする「銘柄後決め方式GCレポ取引」の導入が課題とされている。

・「銘柄後決め方式」をとった場合、T-Billの売買単位が大きい状態のまま、担保玉に使うと端数調整がうまくいかず、結果として、必要額より大きな評価額のT-Billを受け渡すこととなるため、「銘柄後決め方式」の利便性が大きく損なわれる。そのため、日証協からは、T+1化に先立ち、29年4月初めまでにT-Billの売買単位を利付国債と同額の5万円に引き下げて欲しいとの要望が示されている。

・当局としても、レポ市場を含めた流通市場の機能の向上には積極的に協力すべきと考えており、資料5のとおり、来年4月1日以降、T-Billの最低額面金額を5万円とすることとした。その旨、市場関係者の皆様にも予め御承知おき願いたい。

 

Get Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方、正しく表示されない方は最新版をダウンロードしてからご覧下さい。


問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 寺ア・中山
電話 代表 03-3581-4111 内線 5701
財務省の政策
予算・決算
税制
関税制度
国債
財政投融資

国庫

通貨

国有財産

たばこ塩


国際政策
政策金融・金融危機管理
財務総合政策研究所