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国債投資家懇談会(第49回)議事要旨

1. 日時 平成25年3月11日(月)10:00〜11:10
 
2. 場所 財務省 第3特別会議室
 
3. 内容
 

○議題に先立ち、資料1〜3に基づき平成25年度予算に伴う国債発行計画について、当局より説明を行った。〔参考配布:資料1-3

(1) 平成25年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について〔参考配布:資料4-8

○はじめに、平成25年4-6月における流動性供給入札及び買入消却入札について、以下のように説明を行った。

・流動性供給入札について説明する。資料4のとおり、残存5-15年ゾーン及び残存15-29年ゾーンのいずれの入札においても、1-3月期入り後は安定した結果が続いている。
 このような状況を踏まえ、資料5のとおり、引き続き残存5-15年ゾーン及び残存15-29年ゾーンを対象にそれぞれ毎月3,000億円ずつ発行するとともに、発行対象銘柄をアンケート方式で入札の都度見直す案を提示している。この点について、平成25年度からは30年債が毎月発行され、5月には、20年債・30年債・40年債・残存15-29年の流動性供給入札と計4回超長期ゾーンの入札を実施することとなるが、参考までに事前に意見を聞いた際には、こうした発行増を踏まえてもなお、大多数の方々が本案を支持する結果となった。いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し、総合的に判断する考えであり、4-6月期の流動性供給入札の実施方式について、意見を頂きたい。
 次に、資料6以下で買入消却入札について説明する。買入対象である物価連動債及び15年変動債の足元の状況を概観すると、15年変動債については、資料6のとおり、3月8日時点で実勢αは0.817%となっており、価格は横ばい圏内で推移している。また、1-3月期入り後の買入消却入札及び日銀買入オペは、買入平均価格格差および買入最大価格格差ともマイナス圏での決着となっている。
 一方、物価連動債については、資料7のとおり、BEIはここもとプラス圏での推移が続いており、3月8日時点でBEIは+1.309%、実質利回りは▲1.195%となっている。こうした中、足元の日銀買入オペ及び買入消却入札では、足切りが+50銭、+95銭と高値での決着となっている。
 こうした状況を踏まえ、参考までに事前に意見を聞いた際には、4-6月期の15年変動債については、売却ニーズが依然根強いこと等を理由に、現状と同様、1回当たりの買入額を1,300億円に固定化したうえで、日銀買入オペのある偶数月に1回、同オペのない奇数月に2回実施することで問題ないとの意見が多く聞かれた。
 他方、物価連動債の買入消却入札については、事前に意見を聞いた際、当懇談会メンバーの意見は現状維持を希望する意見が多かったが、国債市場特別参加者からは足元の入札結果を踏まえ、発行再開までの間は買入額を減額し、4-6月期の買入額合計を600億円程度とする案を支持する意見が多かった。もっとも、入札頻度や1回当たりの買入額については、毎月1回の買入頻度を維持しつつ1回当たりの買入額を200億円とする案のほか、日銀買入オペのない偶数月のみ入札を実施し、1回当たりの買入額を300億円とする案も支持されたところである。
 当局からは、4-6月期の実施方式として、物価連動債の買入消却を毎月1回200億円、合計600億円とし、15年変動債の買入消却を1回当たり1,300億円で4月及び6月に1回、5月に2回、合計5,200億円とすることを案として提示している。いずれにせよ、当局としては、本日の意見も勘案し、総合的に判断する考えであり、当局案の是非も含め改めて意見をいただきたい。

○流動性供給入札、買入消却入札(15年変動債・物価連動債)のいずれについても、当局提案のとおりで異論なしとの意見が出席者の多数を占めた。他方、買入消却入札(物価連動債)について現状維持を希望する意見も複数見られた。その他の意見は次のとおり。

・15年変動債は当局提案のとおりでよい。また、物価連動債は現状維持を希望するが、3ヶ月で600億円に減額する案の場合は、当局提案どおり毎月200億円買入していただきたい。

・流動性供給入札については、現状維持で良いと思うが、強いて言うならば、各ゾーンの需給が逼迫ないし悪化した場合は、各ゾーンの発行額を柔軟に見直すことも検討してはどうか。

・3月に日本銀行の正副総裁が交代を予定しているが、その候補者たちは事前に金融緩和の一層の強化の姿勢を打ち出しており、仮に15年変動債や物価連動債の日銀買入オペの大幅増額があれば、7月以降の買入消却の減額及び停止ということも検討してもよいのではないか。また、40年債の流動性を高めるということであればそろそろ流動性供給入札の対象に40年債を加えていくことも選択肢としてあるのではないかと思われる。


(2) 平成25年度における30年債及び40年債の発行方法について〔参考配布:資料9

○平成25年度における30年債及び40年債の発行方法について、以下のように説明を行った。

・本年1月末に発表した国債発行計画にあるとおり、来年度においては、30年債を毎月発行(5月・8月・11月・2月に1回当たり5,000億円、その他の月に6,000億円)、40年債を計4回発行(5月・8月・11月・2月に1回当たり4,000億円)する予定である。
 これらのリオープンの方法について、資料9上段・中段のとおり、30年債は、年間4銘柄案を示し、また、40年債については、今年度と同様に年間1銘柄とする案と、年間2銘柄とする案を示している。参考までに事前に意見を聞いた際には、30年債については大多数が年間4銘柄案を支持し、40年債については年間1銘柄案を支持する結果となった。
 また、40年債の入札方式としては、資料9下段にあるとおり、@利回りダッチ方式の継続、A新発債は利回りダッチ方式としリオープン債は価格コンベンショナル方式とする案、及びB価格コンベンショナル方式への移行の3つの案を提示している。参考までに事前に意見を聞いた際には、依然として40年債の流動性は不足していること等を理由に、@利回りダッチ方式の継続を支持する意見が大勢を占める結果となった。
 いずれにしても、本日の意見も勘案し、総合的に判断する考えであり、併せて意見をいただきたい。

○銘柄数については、30年債は年間4銘柄、40年債は年間1銘柄を支持する意見、40年債の入札方式については、新発債及びリオープン債ともにイールドダッチ方式を希望する意見が出席者の大宗を占めた。その他の意見は次のとおり。
                
・30年債は可能であれば年間2銘柄とし、流動性を高めていただきたい。

・それほど強いこだわりではないが、30年債の銘柄数については4銘柄、40年債の銘柄数については2銘柄の発行を希望する。

(3) 最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて

○ 出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・最近の国債市場は、日本銀行の金融政策次第であるが、特に国債の買入年限がどの程度伸びるのかに注目している。年限の長期化は殆どの部分がイールド・カーブに織り込まれている。米国では、昨年9月から始まっているQE3の影響により、景気は大幅に改善している。QE3はいつ出口を迎えるべきか議論された形跡がFOMC議事録等で見られるなど、副作用の影響も懸念される中、実体経済をどこまでピックアップできるのかといった出口論を議論している。日本銀行が大胆に政策を実行すると、当面は低い金利水準が維持される見込みであるが、その後どこまで金利をコントロールできるかが気になる点である。今後、世界的に金利は上昇する局面なので、債券投資家にとっては非常に厳しい状況が予想される。金利見通しとリスク量の双方を考慮して投資を行う必要があり、難しい相場が続くと捉えている。

・金利水準がかなり低下したことも影響し、債券市場は相当ボラタイルな展開になっている。今後の金融政策にもよるが、しばらくこのような動きが続くのではないか。その後は、基本的に株高円安となり、景気は緩やかに回復する方向に向かい、その場合金利も上昇するとみている。ただし、財政に対し特段懸念があるわけではない中で、インフレ率2%目標を達成可能と見ている人は少ないため、金利の上昇は限定的と思われる。

・日本銀行の新執行部による異次元の緩和が具体的内容を見極めたいと考えている。現在マーケットが想定しているような、買入年限の長期化や増額、基金買入等オペと輪番オペの統合等であれば、長期ゾーンにかけて金利は上昇しにくい状況になると思われる。足元5年債の利回りは0.1%近くまで低下しているが、これが7年ゾーンにまで伸びていくと、先物市場の適格受渡銘柄のゾーンであり、債券市場の機能が若干損なわれる恐れがあるため、注意が必要である。物価上昇の2%達成は容易ではないが、インフレに対する市場参加者の見方が修正されるのであれば、イールド・カーブはスティープ化する可能性が高いため、留意する必要がある。

・足元のマーケットについて、金融緩和の次なる一手は何かということに注目が集まっているため、債券市場のボラティリティが高まる場面はあると見ているが、すぐに悪い金利上昇が起こる見通しは持っていない。アベノミクスにより金利が上昇する際に、時間をかけて緩やかに金利が上昇するのであれば、我々投資家にとってそう悪い環境ではないため、マーケットへの織り込み具合を確かめつつ、国債への投資は継続する形になるのではないか。

・日本銀行の4月以降の政策について注目しており、特に国債の購入に関連して、期間やボリュームに一番注目している。日本銀行は、2年後のインフレ率2%達成を念頭に、早めに大胆な政策を取る可能性があり、国債の需給は引き締まった状況が当面続くとみている。したがって、金利の上昇は当面限定的な局面が続くのではないか。
 債券市場では、インフレ目標の達成は難しいとの見方が多いと思われるが、それに反し、インフレ率が少しずつ上昇するのであれば、イールド・カーブは長い年限を中心に上昇すると思われる。

・最近の国債市場は、今後の日銀の金融政策が最大の関心事になっており、その思惑や要人の発言によって超長期ゾーンも含めて大きく値が振れている。既に来年度の運用計画は策定済みであるが、金融政策が想定の範囲を超えるものであれば、その変更の必要も出てくることから、今後の政策を注視している。

・先週の超長期国債市場の動向を見ていると、日本銀行の大胆な金融緩和の枠組みにおいて、国債の買入年限がどこまで長期化するのか、規模はどの程度になるのかという思惑が強く働いていたように見受けられる。どちらかと言えば、目先のイールドが確保しにくくなるリスクを意識した買いが、年度末の流動性が限られた中で増幅したと見ている。今後も、日本銀行による国債買い入れの枠組みが見えてくるまでは、ボラタイルな状況が続かざるを得ないと推察される。当社としては、超長期国債を買い増すニーズは根強いが、負債コストなどを考慮しつつ、絶対水準を意識して中長期的な視点から投資を行うこととなる。2%のインフレターゲットについては、どのような状況でインフレが発生するのかが重要であり、需給ギャップが縮まることで物価が上昇するのであれば問題ないが、例えば経常収支が赤字になる中でのインフレであったり、税収がきちんと確保できない中でのインフレであれば、金利が急騰するリスクは高まってくる。そのような事態を念頭に置き、政府と市場関係者の間で、プライマリーバランスの改善に向けての道筋や財政健全化に向けての展望について、意識の共有を図っていただきたい。

・世界的な金利がやや上昇傾向にも係わらず、国内の金利は中短期ゾーンを中心に低下し、超長期においては高止まりである。金融政策と財政の綱引きという状況は急激に変わらないと思うため、このような状況は当面続くのではないか。インフレ目標2%を達成する場合の金利については、大きく上昇するのではないかという声と金融政策があるため、それほど上昇しないのではないかという声が聞かれる。新たな政策が打ち出された際には一時的にボラティリティが高まることはあっても、それほど極端な動きには繋がらないのではないか。

・日本銀行の金融緩和にはイールド・カーブの押し下げ効果がある。一方、インフレターゲットについては、どのタイミングで実現するのかという問題は残るが、将来的に2%まで上昇するといった予想も出てくると考えられる。マーケットでは双方の効果のうち、どちらのウェイトが重くなってくるのか見極める状況になり、その見方に応じてボラティリティは増加するだろう。当面は資金需要が盛り上がらないということで、債券市場への資金流入が継続する見込みだが、アベノミクスが効果を発揮すれば流入量は減少する可能性もあるだろう。

・マーケットの見通しについては、外部環境には株高や円安など金利が上昇する材料がそろっているが、今後の日本銀行の政策期待が影響し、当面は綱引きの中で低位で安定するのではないか。その中で今後の運用方針としては、中期ゾーン中心にそれほどデュレーションを伸ばさないスタンスでいるが、中期ゾーンの金利を考えると今後のスタンスについて悩んでいるところである。

・債券市場について、白川総裁が退任するにあたり、アベノミクスによるインフレ率への影響について問われ、どういう経路で期待インフレ率に影響するのか4通り答えていたが、現時点では最初に円安となっており、その場合気になるのは、輸入インフレが激しくなり、望ましくないインフレが起こる可能性である。インフレについては、日本銀行が当然舵を切ると思われ、金利は緩やかに上昇していくと思われるが、実際そうなるか気になるところである。
 海外投資家からはアベノミクスによる金利上昇が起こらないのは何故かという質問をよく聞かれるが、日本の需給が堅調なので上昇しないと説明してもあまりピンとこない様子の投資家も多い。そうなると、為替方面から金利が上昇する可能性が高いのではないか。

・先週、米国では財政の崖がソフトランディングするのではないかという思惑や、経済指標も安定した内容で景気に改善が見られたため、金利は上昇した。一方、国内の金利は低下したが、それは日本銀行の金融政策への期待が大きかったためではないかと捉えている。今後、物価上昇が2%に近づいた場合、金利が緩やかに上昇するのであれば、運用スタンスは大きく変化することなく、顧客の動向も変化しないのではないか。一方、金利が急激に上昇するのであれば、顧客のアロケーションに対し個別に対応するケースも出てくると思われる。足元において海外の経済状況は改善傾向にあるため、貿易赤字が縮小していく可能性もあり、経常収支は何とか黒字を確保できていることから、マクロ的な観点から見ると国債の需給は悪くない。しかし、今後は財政健全化を目指すことが大事になってくる。事実、安倍総理の言及によりマーケットには安心感が広がっている。今後のリスクとしては、様々なものが考えられるが、金利上昇を日本銀行がかなり強く抑え込む形になるのであれば、将来の出口戦略を慎重に対応していく必要がある。

・物価連動債について、流動性を向上させるためにはレポ市場の整備が必須であると考えている。足元BEIも上昇しており、物価上昇期待とともに今後の物価連動債への期待が高まっていることから、発行再開に向けて、レポ市場の活性化についても合わせてご検討いただけるよう、ご配慮いただきたい。

・アベノミクスの影響により為替・株式市場は上昇しているが、債券市場は、日本銀行の政策への期待も影響して、金利は上昇せず、反対に低下傾向にある。この状況を考えると、債券市場では2年以内のインフレ率2%上昇は困難とみているのではないか。

・足元の債券市場は、日本銀行が残存年限のより長い年限まで買い入れを行うという見方のもと、残存10年までは金利が低水準に抑えられている。今後は、海外の経済動向や10年超の長い年限の国債を日本銀行が買い入れるのではないかとの思惑により、超長期債を中心に債券市場は振れていくだろう。財政面では補正予算がしっかり組まれており、政策金利も当面の間は超低金利が継続する可能性が高いことから、超長期ゾーンを中心にイールド・カーブはスティープ化する動きが継続せざるを得ない。経済対策の効果が出るほど金利の潜在的な上昇余地は大きいため、財政の持続可能性に対する信頼感が低いと大きな混乱を生じかねない。引き続き、当局には財政再建への道筋、強い意思を示し続けていただく必要がある。

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