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国債投資家懇談会(第51回)議事要旨

日時 平成25年9月11日(水)15:30〜16:45
 
場所 財務省 第3特別会議室
 
内容
  1. 平成25年10-12月期における流動性供給入札及び10・11月のリオープン方式(10年債及び20年債)について

○はじめに、平成25年10-12月期における流動性供給入札及び10・11月のリオープン方式(10年債及び20年債)について、以下のように説明を行った。

(1) 平成25年10-12月期における流動性供給入札について〔参考配布:資料1-1、1-2、1-3
・流動性供給入札については、国債市場の流動性低下に対応するため、7月実施分から40年債を対象銘柄に加えるとともに、銘柄選定にかかる事前アンケート方式を一部見直した。
 7-9月期の入札結果は、資料1-1及び資料1-2に示すとおり、総じて安定しており、こうした見直しは概ね好意的に受け入れられているものと考えている。
 10-12月期の流動性供給入札の実施方針について、アンケートでは、資料1-3の左欄にあるとおり、引き続き40年債を対象銘柄とし、残存5-15年ゾーン及び残存15-39年ゾーンを対象にそれぞれ毎月3,000億円ずつ発行する現状維持の案を提案した。
 事前にご意見を伺った際には、国債市場特別参加者・本懇談会メンバーとも基本的には現状維持の案を支持する意見が多かったように思うが、カレント近辺の銘柄及びそれと同残存の既発債も対象に含めてほしいとする意見や、対象ゾーンの区切りを見直してほしいとする意見も若干あった。
 カレント銘柄を対象とすることについては、後述する10年債・20年債のリオープン方式とも密接に関係する論点であり、流動性供給入札が「補完的な位置付け」とされてきた趣旨を踏まえ、慎重な議論が必要であると考えているが、10-12月期の流動性供給入札の実施方針としては、資料1-3の右欄のように、対象銘柄を追加する考え方もあるかと思う。具体的には、カレント近辺の銘柄と同残存の既発債(残存5年の10年債及び20年債、残存10年の20年債、残存20年の30年債)を対象銘柄とするとともに、対象ゾーンの区切りを明確化するため、各四半期の初日(今回は10月1日)を基準日と位置づけ、基準日から起算して、残存5年超15.5年以下のゾーンと残存15.5年超39年未満のゾーンに分割し、対象銘柄は当該四半期の間は変更しないとする考え方である。なお、これまで同様、カレント銘柄及びその手前の銘柄(残存9.5年以上10年未満の10年債、残存19.5年以上20年未満の20年債、残存29.5年以上30年未満の30年債)は対象外とする。
 対象銘柄を追加すること等について、幅広い観点からご意見を頂戴したい。本日いただいた意見も勘案して、最終的に10-12月期の流動性供給入札の実施方式を判断する。

○流動性供給入札について、出席者からは現状維持案またはカレント近辺の銘柄と同残存の既発債を対象銘柄に加える見直し案のいずれでも問題ないとする意見が多数を占めたほか、以下のような意見があった。

・マーケットでショートの銘柄を供給するという意味で見直し案に賛成する。

・流動性供給入札については、現行の方式、見直し案どちらでも問題ないが、流動性を少しでも高める工夫は歓迎である。

・現状では入札が円滑に消化されており、当初に当局から提案のあった現状維持案で異論はないが、特に強い意見があるわけではない。

・見直し案に賛成。マーケットでショートが深い10年297回債、298回債が対象となっていることは望ましい。もっとも、ゾーンについては、15.5年ではなく10年で区切ってほしい。その上で、5-10年の発行額を5,000億円に増額してほしい。日銀買入オペが2014年末まで続くことから、5-10年の流動性が一段と低下する懸念があるためである。一般の投資家とは異なり、日本銀行は買入れた国債をレポに出さないし、出したとしてもラストリゾートの形である。また、利食い売りすることもない。このため、日本銀行の保有量が多い国債については、業者はショートしてまで投資家に売らないことが想定される。例えば、10年329回債については発行量の41%を日本銀行が買入れており、トリプル・イシュー銘柄であるにもかかわらず、カレント銘柄でなくなった後の流動性に疑問が残る。

・流動性供給入札には、残存6年〜9年の銘柄を一度に大量に買おうと参加したこともあったが、業者のショートカバーニーズのためか、市場実勢より強い水準で決まることが非常に多く、落札が難しいというのが現状。

・将来的な検討課題であるが、対象ゾーンについては、例えば20年以上の超長期ゾーンと長期ゾーンなど、イールドカーブの変化がある程度同じ動きをするゾーンで区切ってほしい。

(2) 10・11月のリオープン方式(10年債及び20年債)について〔参考配布:資料1-4、1-5
・前回6月の国債市場特別参加者会合及び国債投資家懇談会での議論の結果、10年債・20年債のリオープン方式については、資料1-4のとおりとしていた。
 6月から8月にかけて、10年債利回りは、資料1-5のとおり変動した。6月債(329回債)のクーポンは、市場実勢に応じて0.8%とした後、7月債は、従来のルールでは、市場実勢に応じて0.9%クーポンとなるところを、上述のルールにより0.8%クーポンでのリオープン発行とした。また、8月債も0.8%クーポンによりリオープン発行とした。
 結果として、329回債はトリプル・イシュー銘柄となったが、入札結果等に鑑みると、市場の反応は概ね肯定的なものであったと認識している。
 10月・11月の発行方式について事前にご意見を伺った際には、20年債については強制リオープン方式を継続することで問題ないとの意見が多数であり、10年債についても7月・8月と同様の方式を望む意見が多数であった。もっとも、国債市場特別参加者からは、10年債も強制リオープン方式とすることを望む意見が相応にあった。
 そこで、10月・11月のリオープン方式についてのご意見を伺いたい。当局としては、本日頂いた意見も勘案し、10・11月の10年債・20年債のリオープン方式を判断する。

○平成25年10-12月における10年債のリオープン方式については、流動性を確保しつつ、カレント銘柄へのニーズや簿価分散ニーズのためにある程度の銘柄数が必要であることから、7月・8月に行ったのと同様の方式によりしばらく様子を見るのが望ましいとの意見が多数を占めた。そのほか、以下のような意見があった。

・簿価分散ニーズ等から、入札日の市場実勢利回りに近い表面利率で発行する以前の方式が望ましい。

・流動性重視で考えると9月債の強制リオープンがよい。

・10年債はトリプル・イシュー銘柄であっても、徐々に流動性が低下している。それでも、カレント銘柄である限りは一応流動性があるので、強制リオープン方式を希望する。

・レポマーケットのタイト化が今後見込まれるので、これを防ぐためには、強制リオープンによって、1銘柄の発行量を確保するのがよい。

・7月・8月に現行のリオープン方式を採用した経緯は、流動性に関する懸念があったためと理解しており、日本銀行の金融緩和効果によりカレント銘柄の需給が締まりやすく、不足感が高まっている現状では、強制リオープンの方が望ましい。ただし、7・8月と同様の方式を適用することでも、特段問題はないと考えている。

○20年債については、10年債に比べるとカレント銘柄へのニーズや簿価分散ニーズが弱い等の理由により、強制リオープン方式でよいとする意見が示された。

2. 平成25年10-12月期における買入消却入札について〔参考配布:資料2-1、2-2、2-3、2-4、2-5

○平成25年10-12月期における買入消却入札について、以下のように説明を行った。

(1) 15年変動債の買入消却入札について
・足元の15年変動債の買入消却入札結果は、資料2-1のとおりである。
 10-12月の買入消却入札の実施方式について事前にご意見を伺った際には、資料2-2のとおり、現状維持(1回当たりの買入額を1,300億円に固定化したうえで、日銀買入オペのある偶数月に1回、同オペのない奇数月に2回実施)で問題ないとの意見が多く聞かれた。もっとも、一部には、直近の入札結果でテールが長いのは投資家の売却ニーズが減退している現れであるとして、入札1回当たりの買入額を1,000億円程度に減額することが適当とする意見もあった。
 そこで、本日は、10-12月の15年変動債の買入消却入札の実施方式についてあらためてご意見を伺いたい。本日頂いたご意見を踏まえ、総合的に判断する所存である。

(2) 物価連動債の買入消却入札について
・物価連動債は、既に公表しているとおり、10月8日に新発債入札を予定している。まずは、これが円滑に行われ、市場に定着する商品となるよう投資家の皆様にはご協力をお願いしたい。また、新発債入札日には、資料2-3にあるスケジュールに沿って、午前と午後にそれぞれ買入消却入札を行うため、発行入札と第U非価格競争入札と合わせて、1日に4回の入札を行うこととなるので、重ねて皆様にはご協力をお願いしたい。
 足元の物価連動債の買入消却入札結果は、資料2-4のとおりである。
 午前の買入消却入札における買入額について、事前にご意見を伺った際には、新発債への乗換えではなく、既発債の売却のみを行う投資家ニーズに応えるため、資料2-5のとおり、現状の買入額・頻度により買入消却入札を行ってほしいとする意見が占めた。また、同様の理由により、新発債発行のない11月・12月においても買入消却入札を継続し、いずれも、買入対象銘柄を1回債から16回債としてほしいとの意見が多くみられた。
 なお、今後、物価連動債第1回債から第16回債までの市場残高減少等に伴い、買入消却入札における買入価格が市場実勢と大きく乖離するような場合には、適切な対応を検討する必要があるものと考えられる。
 当局としては、10-12月の物価連動債の買入消却入札の実施方式について、本日頂いたご意見を踏まえ、総合的に判断する所存である。
 次に、買入消却入札における銘柄別買入額の即日公表について付言する。アンケートでも示したとおり、新発債入札日の午後に行う追加買入消却により、第1回債から第16回債までの市中残高が大きく減少し、投資家の投資スタンスに影響を与える可能性があるため、一部の市場参加者から、銘柄別買入額を即日公表してほしいとの要望が寄せられた。当局の事務体制上は、入札日当日の夕方以降であれば公表可能である。この点について、本日、あらためてご意見を伺った上、最終的な対応を決定したい。

○平成25年10-12月における買入消却入札について、流動性が低い状況が続いている中、当局の買入消却と日銀買入オペによってのみ流動性が提供される機会が保たれており、相応のニーズがあるため、現状維持が望ましいとの声が多数であった。その他の意見については以下の通り。

・現状維持に賛成。15年変動債については、理論値に対し割安感がなくなってきたので、今後売りニーズが増えてくると思う。また、物価連動債については、10月8日に新発債が発行され、スイッチ・オークションが行われるが、デュレーションニュートラルのトレードができない方式であるため、セカンダリマーケットで残存の短くなった既発債を売却したいというニーズが徐々に高まると思われる。このため、1回債から16回債までを含めた買入消却をしてほしい。

・15年変動債については、相場をみながら買入消却に応じていきたいので、今後も現状通りを希望。物価連動債は投資対象としておらず、意見はない。

・15年変動債及び物価連動債はいずれも投資対象としていないので、コメントは差し控えたい。

3.最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて〔参考配布:参考資料

財務省から、最近の国債IRの紹介を行うと共に、最近の国債市場の状況と今後の運用見通しについて意見聴取した。出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・米金利や株価等の動きを見れば、円金利は本来ならば上がるべき状況だが、日本銀行の金融緩和から債券需給は締まっており、円金利は徐々に低下している。当座預金の積み上がり状況を見ても、日本銀行の買い余力は残っており、今後も円金利上昇は限定的と考えている。
 消費税増税は、市場のコンセンサスになっており、行われなかった場合の方が、市場への影響は大きいのではないか。インフレ率は徐々に上昇してきているが、CPIの前年比上昇率が1.0%を超える位までは、円金利への影響は限定的ではないか。
 今後の投資スタンスとしては、貸出がそれほど伸びない中、余剰資金は増加しており、中期債を中心とした国債が運用の中核となっている。

・米国の金融緩和政策が出口に差し掛かり、新興国から資金が流出する等、主要各国の金融市場のボラティリティは高まっている。一方で、円金利については、日本銀行の金融緩和の影響でボラティリティは低い状況。2%のインフレ率達成について、市場はまだ懐疑的であると思われることから、当面、この水準が続くと考えている。ただ、より長期的な視点で見ると、消費税増税や大型補正、春闘による賃金上昇等により物価が1%超上昇すれば、円金利の上昇圧力が高まると考えている。

・金利上昇に備えて国債の保有年限の短期化を図ってきたが、一方で、利息収入は収益の柱の一つである。足元で米金利の上昇等の影響が限定的であることから、金利が上がらないリスクも徐々に高まってきたと感じており、市場動向を見ながら、国債ポートフォリオの入れ替えを行っていく必要があると考えている。

・株式等の金融市場と比べて、金利は落ち着いた動きに終始している。
 年度初から、新規の国債投資を計画通り実行できていないことから、当座預金が積み上がっている状況。貸出は伸びているものの、預金の伸びの方が大きく、余剰資金は増加傾向にある。とはいえ、投資を予定している水準まで国債金利は上昇しておらず、運用難の状況が続いている。

・オリンピック招致やGDP改定値の上方修正から、消費税増税は円債市場にも織り込まれ、堅調に推移している。今後、新たに発表される成長戦略や、中長期的な観点では、消費税増税の景気への影響に注目している。
 足元では、日本銀行による金融緩和後に、ボラティリティが急上昇したこと等から国債のリスクを落としており、今後の投資方針を検討している状況。

・経済指標や海外動向等を踏まえると金利の上昇は自然と考える一方、日本銀行による金融緩和により金利は抑え込まれており、欧米金利とのデカップリングが起きている。金融緩和が続く中で金利がすぐに大きく上昇することは想定してないものの、今後、本年4月に日本銀行が掲げた2年間での物価安定目標の実現度合の評価が始まるであろう。また、欧米金利とのデカップリングによりドル円が上昇するなど他の市場へ影響を与える可能性が出てきていることから、足元2、3ヵ月の市場動向を注視していきたい。
 当社は、春先からポジションを抑制し、デュレーションを短期化させている。現下の割高な水準では、目先積み増すことは考えていない。フェアな水準まで金利が上昇した際には購入再開を検討したい。
 また、オリンピックの開催が決定したが、今後更に、政府の成長戦略も動き出せば、今年度下期には貸出が増加するのではないかと期待している。

・米金利が上昇しても、日銀買入オペの影響により円金利は低下している。目先イベントは幾つか控えているものの、当面は特段の波乱なく、金利は現下の水準程度で安定的に推移するだろう。
 当社は、国債中心の運用であるが、現在の金利水準は少し低いという認識であることから、積極的に買っていくというよりは少し抑え目なスタンスでの運営を考えている。

・日銀買入オペの効果によって円債の流動性が大きく低下している。
 金利水準については、年度初は、米金利上昇につれて円金利も上昇すると予想していたが、日銀買入オペが効いており、当面現状のまま推移するだろう。どこかで金利上昇するとは思うが、反転のきっかけははっきりとは見えていない。
 ただ、想定以上に金利水準が低下しているわけでもないため、年度初は様子見姿勢であったものの、計画通り超長期ゾーンを中心に購入を進めている。

・米金利が上昇する中で、円金利は意外なほど安定しているという印象である。米金利は、金融政策の変化やFRB議長の後任候補への思惑が相俟って、どちらかというとリスクプレミアムが乗る形で上昇している。一方で、日本では、日銀買入オペが実施される中、米金利上昇がファンダメンタルズに悪影響を与える可能性、経常赤字、通貨安懸念、シリア動向及び消費税増税を巡る不透明感等を受け、リスクオフの形で円債に資金が入ってきていると考えている。
 今後は、これらの不透明な要因の解消の見通しが立ってくることで、年度後半に向けてはデフレ脱却に目が移っていくのではないか。GDP等をみるとファンダメンタルズは良好であると考えており、順調な業績に支えられた製造業における設備投資が回復を見せるようなことがあれば、それをきっかけに金利が上昇することもあるだろう。
 当社は、当初、日本銀行の金融緩和により金利上昇が期待できず、国債は買いづらいと考えていたものの、一応例年に近い運用の形が出来つつある。今後も金利が上昇した際には、ALMの要請からデュレーション長期化ニーズがあるために買い増したいと思う一方、流動性が現在のように低下した状況が続いていると、買い遅れている分を購入したくとも出来ないだろうとも思う。流動性が回復しながら、金利が緩やかに上昇することを期待したい。
 消費税増税については、首相が来月初に判断すると思われるが、当初案通りに決定されることを期待している。増税の影響を見据えた景気対策に注目が集まっている中、一時的な景気の落ち込みに対する対応策として、公共投資の拡大を行うことも一定の理解はできるが、増税が実質所得を先々にわたり低下させることを考えると、それを補うのは雇用拡大や設備投資の促進等であり、「第三の矢」と言われる成長戦略との一体感のある形での対応を期待したい。

・景況感の回復が金利に与える影響を注視している。足元では、日銀買入オペの影響により需給が景況感に勝り、金利上昇に歯止めがかかっているという認識であり、これが逆転するには相当の時間が必要であろう。現在は景気回復の最初の局面にあるとは考えるが、実際に物価が上昇し賃金に波及していくという循環を待って出口戦略というシナリオになるのであれば、当面は上昇しないのではないか。
 当社については、ALMを意識した投資を行っていることから、金利の絶対水準により配分を大きく変更することは基本的に考えていない。相場が大きく荒れない限りは現状のスタンスを維持していく。

・これまで米金利が低下してきたのは、住宅問題を発端としたリーマンショックが出発点である。短期的には雇用統計や失業率などの経済指標により上下に振れることはあるが、根本的な問題は大きく改善していることから、当社は米金利が上昇していくという見通しを年度当初から持っていた。そのため、運用については、債券よりも株などのリスク資産に重きを置いている。今でも見通しは変えておらず、引き続き、金利上昇リスクには注意していく。
 アベノミクスについては、当初、その効果の持続性を疑問視する声もあったが、景気に関して足元で良い数字が出てきている。学者も含め、2年で2%のインフレ率達成についてはネガティブな意見も少なくないが、運用の現場としては、金利上昇のリスクもきちんと考えないといけない。
 日本銀行の強力な国債買入れにより金利上昇が抑制されているという意見に異論はないが、日本銀行が買っているのは新規発行分といういわばフローの部分が大きいため、大口投資家がストックの部分を動かせば、今年の4月や5月のような急激な相場変動が再び起こりうる。ボラティリティが落ち着いてきてはいるが、依然として流動性が低いのも確かであり、この観点からも、金利上昇に警戒感を持っていかなればならないと考えている。

・長期的には世界的な潜在成長率が低下していくと考えているが、その中で各国の金融緩和に伴うインフレ懸念を注視しながら投資スタンスを強めたり緩めたりしている。日本においては、金融緩和が強力で総じて金利が上がりにくい状況ではあるが、足元の10年債の利回りが0.7%台と低位で推移する一方、20年債の利回りは先行きのインフレ懸念や財政の悪化懸念を背景にそこまで低下していない。当社は目先の景気動向や緩和動向に左右されないよう、中長期的な視点で割安と考えられるゾーンに少しずつ配分しながら運用を行っている。

・日銀の強力な国債買入れが金利上昇を抑制しているというのは他の参加者と同意見である。今後の動向は、物価上昇率や期待インフレ率との綱引き次第だろうが、上昇局面に転じるにはまだ時間がかかると考えており、しばらくは1%に届かない水準で推移するのではないか。為替ヘッジのコストを含めても、外債、エマージング債と比べて今の円債の利回りは低すぎるため、新規投資は行っていない。

・日本では金融緩和が開始されてまだ5か月である一方、米国では緩和が縮小されるといった差があるので、米金利に合わせて円金利も素直に上昇するという動きにはならないだろう。
 ただ、日本ではCPIが上昇してきており、CPIが1%に近付いているところで10年債利回りが0.7%台というのは、投資するにはやや割高な水準である。20年ゾーンがアセットスワップで見ても安くなっているので、こういったレラティブバリューの観点から、引き続き割安なゾーンに投資をしていきたいと考えている。

・円金利は、グローバルな金利上昇と比べて非常に安定しており、それに伴い、インプライド・ボラティリティも安定して推移している。その理由としては、日本銀行の強力な金融緩和が進展したことと国内投資家による残高圧縮が一段落したことが考えられる。フォワード金利を見ても、日米の金利差は長期的な平均値近くに戻ってきているが、日本の強力な金融緩和によるリスクプレミアムの低下と米国のテーパリングによる金利上昇により、こうした状況が起きたのではないかと考えている。
 今後の動きとして、需給の観点からは円金利が上昇しないリスクは多分にあるだろうが、日本銀行が2%のインフレというターゲットを持って緩和を進めていく中で、徐々にリスクプレミアムは上昇していくのではないかと考えている。当社はグローバルに運用を行っているが、現在の円金利は人為的に抑えられているため、割高な水準であると見ている。

・物価及び金利の安定に係るアンカーは財政規律にあると考えるべきである。

 

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