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国の債務管理の在り方に関する懇談会(第40回)議事要旨

国の債務管理の在り方に関する懇談会(第40回)議事要旨

 

.日時 平成28年2月26日(金)15:00〜17:00

.場所 財務省 第3特別会議室

.内容

 1.内外債券市場の環境変化と海外投資家の動向について

  (1)海外投資家から見た日本国債市場

  (2)債券市場の環境変化

 2.日本銀行の金融政策の現状

 3.28年度国債発行計画(報告)

 

 

1.内外債券市場の環境変化と海外投資家の動向について

 

ピムコジャパンリミテッドの正直知哉マネージングディレクターより、海外投資家から見た日本国債市場について(資料@)、島本委員より、債券市場の環境変化について(資料A)、説明が行われ、その後、自由に意見交換が行われた。 

  メンバーから出された意見等の概要(当局においてとりまとめ、以下同)は以下のとおり。

 

  日米の金利水準は高い相関を示しており、米国経済、Fedの金融政策の動向の把握は欠かすことが出来ない。中国要因の市場への影響は、これまでは間接的であったが、今後は直接的に金融市場に大きく影響してくるのではないか。

 

  為替のベーシススワップの拡大によりドルヘッジ後の日本の短期債は米国債よりも金利水準が高い状況。長期債もフォワード金利の水準で見ると金利の割安感があり、海外投資家による日本国債の投資妙味がある。

 

  マイナス金利政策の導入以降、投資家は、マイナス金利回避のニーズとヘッジコスト上昇との間で悩ましい状況に置かれているが、ホームカントリーバイアスにより20年債あたりの需要を支えることになるのではないか。

 

  経済学的にIS-LM分析の枠組みで考えると、IS曲線が垂直になる、つまり金利に投資が感応しなくなっているのではないか。そうなると金融政策よりケインズ的な財政政策、IS曲線を右に動かすという政策論になってしまう。投資などの金利感応度が低くなりつつある中、構造問題としていかに日本企業が効率的に収益をあげるかということが重要となる。

 

  外国人の日本国債に対する需要が高まっているのは、特にドルベースの投資家が日本国債を投資するときのヘッジコストが極めて安いことが大きい。逆に言えば、日本人がドル資産を購入して日本円にヘッジするときのヘッジコストが極めて高く、これを外国人が裁定しているということである。海外投資家の投資行動が変わってくる要因としては、この為替のベーシススワップレートが反転していく場合と、日本への信認が債務返済に対する懸念に変わる場合が可能性として考えられる。

 

・マイナス金利政策が長期化すると、長期ゾーンに対しても影響が波及してくると考えるが、世界的な金利低下のもと、年金等の機関投資家はどのように現在の投資環境をとらえているか。

 

日本の年金は負債が円建てであるが、日本国債に資金を維持し続けることが難しくなっており、代替的な投資対象を探しているところ。今後、例えば、ハイクオリティの投資適格のコーポレートクレジットを取っていく動きが見られていくのではないか。

 

  海外投資家の日本国債の取引、残高が増えている。日本銀行の異次元緩和開始以降、保有残高を顕著に増やしているのは日本銀行と海外投資家のみであるが、内訳をみると海外投資家の保有は短期債、中期債が中心と思われる。日本国債の格付が下がってきているなか、英国では保有していると期末に課税される資産になるなど、クレジットリスクと、為替ヘッジに伴うカウンターパーティリスクが意識されている。

 

  海外投資家が超長期債を購入できないというわけではないが、海外投資家による日本国債の取引や保有が短期債中心になっているというのは統計として事実。海外中央銀行が直接運用している資金が比較的短・中期債にあるのであろうと考えられる。

 

  これまで短期に関しては、ベーシススワップを活用した外国人の国債購入が見られていたが、足元、金利が低くなった日本国債に、新たに外国人のリアルマネーの買いが見られる。外国人からこうした買いが入るのはよいことだが、逆回転する状況を懸念している。

 

  リアルマネーの海外投資家が超長期ゾーンに投資しているのは事実かもしれないが、それはおそらくトレーディングであり腰の入った投資ではないという点は重要である。ベーシススワップがトレーディング機会を作り出しており、今の米国の市場環境から見れば、日本の国債市場はキャッシュを置いておくには極めて良い環境であるということだと考えた方がよい。

 

  日本経済の課題として、需要不足の解消のほかに期待インフレ率の引上げが指摘されているが、なかなか難しい課題である。

 

  日本の財政再建が待たれるということに議論の余地はないが、需要政策という観点であえて言えば、今の状況を考え、そして前回の消費税率引上げ後のインパクトを考えると、今回予定されている消費税率の引上げは見送った方がよいのではないか、という見方が海外投資家の間で見られる。需要不足を埋める局面では財政が足を引っ張るべきではないという見方なのだと思う。

 

  消費税率引上げを巡る議論については、マーケットからの懸念、すなわち仮に引上げ延期により日本国債の格下げが更に進んでしまった場合、邦銀のドル調達コストに影響が生じるといった、邦銀の経営への懸念があるのではないか。

 

 

 

2.日本銀行の金融政策の現状

 

日本銀行(高口審議役)より、日本銀行の金融政策の現状について(資料B)説明が行われ、その後、自由に意見交換が行われた。

 メンバーから出された意見等の概要は以下のとおり。

 

  経済学では総供給曲線と総需要曲線の交点がインフレ率を決めるが、外生変数である原油価格が下がればインフレ目標も低くするのが自然であり、いつまでも2%というターゲットで本当によいのか。

 

  金利が低くなっても、企業の設備投資が増加せず、生産活動が活発化しない。これは企業が収益率を上げなければいけないという問題であって、金融政策の問題ではないのではないか。日本銀行が、金融政策で出来ることと出来ないことをマーケットに発信できないか。

 

  マイナス金利を導入したことによって追加緩和可能なスキームになった。他方、従前は「マイナス金利は考えていない」と総裁が発言していたため導入がサプライズとなったが、サプライズだとかえって不確実性が高まることがあり、マーケットに非常に大きなインパクトを与える。経済主体全体の前向きなモメンタムを動かそうとするならば、これからの追加緩和に際しては市場との対話が重要だと考える。

 

  今後の追加緩和は効果と有効性を検証した上で行うとされているが、マイナス金利導入が金融機関の経営や金融市場に与える影響に関して、どういったポイントでどのような検証を行う予定なのか教えて頂きたい。現在、金融機関だけでなく、個人に至るまで金利での運用機会が減少し、行き場のない滞留資金が増加している。一方、市場機能も低下する中、インターバンク市場では以前は20兆円超あったコール市場がすでに5兆円以下になり、国債の売買量も急減している。このような点も含めて、マイナス金利導入の有効性の検証を行う必要がある。

 

  国内で運用できない資金が海外に出ており、この結果、ドル調達コストが上昇し国内銀行の海外業務にも影響が出ている。この裏返しとして低コストの円資金を背景に外国人がマイナス金利の日本国債を買っているが、長期保有の国債への投資需要が増えているわけではなく、裁定取引の機会があるから買っているだけの非常に不安定な状況にある。格下げや規制強化を契機に資金の巻戻しが起きたとき、国内で吸収できるマーケットが存在しなければ大きなショックとなりうる。

 

  今回の日銀の政策決定に関しては、マイナス金利によって貨幣がいわばペリッシャブル・グッズ(減価するもの)となり、金融機関に対して、需給のマッチングや情報の創出といった本来必要な機能に基づく経営を促したと理解することが出来るのではないか。

 

 

 

3.28年度国債発行計画(報告)

 

理財局より、28年度国債発行計画(資料C)の報告が行われた。 

 

 

(以上) 

 

 

連絡・問合せ先:
 財務省 理財局 国債企画課 西尾・室園
  電話 代表 03(3581)4111 内線 2565

 

 

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